JPH03279896A - 高速増殖炉の遅発中性子検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は液体金属ナト リウムを冷却材に用い る高速増殖炉において、燃料集合体の燃料被覆管の破損
を確実に検出することを可能にする高速増殖炉の遅発中
性子検出装置に関する。

（従来の技術） （一次）冷却材に液体金属ナトリウムを用いる高速増殖
炉において、万一炉容器内の炉心に装荷される燃料集合
体の燃料被覆管に破損か生じ、放射性物質か燃料被覆管
外に漏洩した場合は、早急にこれを検知し、対応措置を
とる必要がある。

そしてこれに対しては、漏洩する放射性物質が、炉容器
内を通って循環する冷却材に混入することを利用し、冷
却材中の放射性物質から放出される中性子束の値を基に
燃料被覆管の破損を発見しようという試みが提案されて
いる。

ところで、高速増殖炉の炉心は中性子がなるべく外部に
漏れないように周囲が中性子遮蔽で囲まれる。またこれ
ら炉心と中性子遮蔽を納める炉容器内では、冷却材ナト
リウムが流動している。したがって炉容器の内壁近傍に
中性子検出器を配置しても、炉心で発生した即発中性子
は炉容器の内壁近くに到達しないか、または冷却材ナト
リウムで運ばれて到達してもそれまでに時間の経過によ
って減衰し、そのエネルギーの相当量を失って中性子検
出器では十分に捕えることができない。

（発明が解決しようとする課題） ところで、核分裂時に放出される中性子には即発中性子
の他に０．７５％程度の遅発中性子が含まれる。この遅
発中性子は核分裂から０．３３〜数１０秒遅れて発生す
る。したがってこの遅発中性子を放出する核分裂生成物
を炉心から移送する冷却材について、ある程度時間はか
かっても中性子遮蔽に影響されない箇所で遅発中性子束
を検出し、その連発中性子束値を基に燃料被覆管の破損
を発見することができる。

ところが、これまでは冷却材の近傍から中性子束を求め
る中性子検出器を炉容器外に設置する試みしか提案され
ていないため、この方式では冷却材から中性子を検出す
るまでに時間がかかりすぎ、遅発中性子であっても減衰
が進み効率的な計測は難しいという欠点があった。

本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的
とするところは、遅発中性子を効率よくかつ信頼性高く
検出することができ、燃料破損時に必要な作業を早期に
行うことを可能にする高速増殖炉の遅発中性子検出装置
を提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 本発明は、上記の課題を解決するために、高速増殖炉の
炉容器内に設置される中間熱交換器内部にあって、一次
ナトリウム液面下に挿入されるサンプリング管と、この
サンプリング管を介して一次ナトリウムを吸引するサン
プリングポンプと、前記サンプリング管を通して吸引さ
れた一次ナトリウムを貯蔵するサンプリングタンクと、
そのサンプリングタンクに対向して設けられる中性子減
速体で被覆された中性子検出器とを有する高速増殖炉の
遅発中性子検出装置を提供する。

（作用） 上記の構成を有する本発明によれば、万一燃料被覆管が
破損したときは核分裂生成物を含むおそれのある冷却材
ナトリウムを、中間熱交換器内という短時間でサンプリ
ングのできる炉容器内にありながら炉心からのバックグ
ラウンドが遮蔽された環境下で遅発中性子束を観測する
。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。

第２図は本発明の一実施例に係る遅発中性子検出装置を
備える高速増殖炉の断面図である。

原子炉容器（炉容器）１は上部を遮蔽プラグ２で密閉さ
れる。一方炉容器１の内部は仕切板３て上下に仕切られ
ながら、仕切板３の上方に炉心４を支持する。炉心４の
側方は、断熱材、遮蔽材、中性子減速材等を含む中性子
遮蔽５で包囲され、上方には炉心上部機構６が配置され
る。そして原子炉容器１内には、炉心４を浸漬して冷却
材としての一次ナトリウム７が満たされる。

また仕切板３を貫いて中間熱交換器８と一次主循環ボン
プ９が設置される。中間熱交換器８は、そのケーシング
１０のうち仕切板３の上方と下方にそれぞれ冷却材流入
口１１と冷却材流出口１２を設け、ケーシング１０の内
部には多数の伝熱管１３を収める。また一次主循環ボン
プ９は仕切板３の下方に冷却材人口１４を有し、また一
次主冷却管１５に接続する。一次主冷却管１５は炉心３
の下部に通じる流路（図示せず）の設けられた仕切板３
の下方に導かれる。

仕切板３より上方において炉心４を冷却する一次ナトリ
ウム７は矢印で示すように流動して、中間熱交換器８の
冷却材流入口１１からケーシング１０の内部に入る。そ
して、伝熱管１３を介して二次ナトリウム（図示せず）
との間て熱交換した後、冷却材流出口を通って仕切板３
の下方に至る。

次いて矢印で示すように、一次主循環ボンプ９の冷却材
人口１４から一次主循環ボンプ９内に入り込み、続いて
一次主冷却管１５を通って仕切板３の流路から炉心４に
流れ込む。以下一次す）　ＩＪウム７はこの循環を繰り
返す。

本実施例に係る遅発中性子検出装置は、上記の構成を有
する高速増殖炉において、中間熱交換器８の内部に納め
られる。第１図はこの連発中性子検出装置２０の構成図
である。

すなわち、中間熱交換器８のケーシング１０内には、伝
熱管１３と相互に障害にならない位置に、一次ナトリウ
ム７に一部を浸漬しながら、連発中性子検出装置２０を
納める検出ユニット２１を設ける。検出ユニット２１は
、冷却材流入口１１から流入した一部ナトリウム７の液
面下に開口２２を有するため、検出ユニット２１内には
、一次ナトリウム７が中間熱交換器８の内部と同一の高
さまで侵入する。

遅発中性子先行核［２０は、この検出ユニット２１の内
部においてサンプリング管２３とサンプリングポンプ２
４、並びに一次ナトリウムの液面より上に配置されるサ
ンプリングタンク２５、中性子検出器２６および中性子
減速体２７から構成される。

サンプリング管２３は、下端が一部ナトリウム７に挿入
され、上端はサンプリングタンク２５に接続する。また
サンプリング管２３の途中にはサンプリングポンプ２４
が設けられる。そしてサンプリングタンク２５に対向す
る位置には中性子減速体２７に包囲された中性子検出器
２６が配置される。中性子減速体２７は高エネルギーの
中性子を熱化して中性子検出器２６に検知され易いよう
にするもので、ポリエチレン、パラフィン、アクリル等
が適している。またこの中性子減速体２７は一部ナトリ
ウム７に含まれる放射性物質からのγ線を遮断する役目
も果す。

このような構成の遅発中性子検出装置２０においては、
一次ナトリウム７は、サンプリングポンプ２４の稼働に
よってサンプリング管２３に吸引され、サンプリングタ
ンク２５まで吸い上げられる。そして一次ナトリウム７
がこのサンプリングタンク２５に滞留している間、この
一次ナトリウム７から放出され、サンプリングタンク２
５壁と中性子減速体２７を透過した熱中性子が中性子検
出器２６によってその中性子束を測定される。この測定
が終った後は、サンプリングタンク２５中の一部ナトリ
ウム７は、図示しない配管を通して中間熱交換器８内の
一部ナトリウム７に還流される。

したがって、もし炉心４において燃料集合体中の燃料被
覆管が破損し、放射性物質が漏洩した場合は、コノ中に
含まれるＢｒ−８７，Ｂｒ−８８゜Ｂｒ−８９，ｌ−１
３７，ｌ−１３８，ｌ−１３９等の遅発中性子を放出す
る核分裂生成物（遅発中性子先行核）が、上述の冷却材
ナトリウム７の流れに伴って中間熱交換器８内に入る。

この間核分裂から０．３３〜８０秒程度遅れて遅発中性
子先行核から遅発中性子が放出されるが、この遅発中性
子はさほど減衰しないタイミングでサンプリングタンク
２５に吸い上げられ、中性子検出器２６によって中性子
束を検出される。したがってもし中性子検出器２６で通
常より高いレベルの中性子束が観測されれば、燃料被覆
管が破損した疑いがあることが分る。

本実施例において中性子検出器２６は原子炉容器１の中
間熱交換器８の内部に設置されているため、遅発中性子
を減衰する前に感度よく検出できる。

一方炉心４で発生する即発中性子は、万一中性子遮蔽５
を透過しても、中間熱交換器８のケーシング１０で遮断
され、バックグラウンドとして中性子検出器２６に検出
されることはない。この効果は中性子検出器２６を炉心
４との間に伝熱管１３を挟む位置に設定すれば、高める
ことができる。

また本実施例においては、中性子検出器２６は中間熱交
換器８内の一部ナトリウム７からの離れた位置に配置さ
れるため、この一次ナトリウム７からのバックグラウン
ドも避けることができる。

さらに中性子検出器２６は、中間熱交換器８に到達する
までに、流動する冷却材ナトリウム７中で十分均一に混
合された遅発中性子先行核を検出の対象とするため、局
所的な偏りのない中性子束値を得ることができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、炉容器内の遅発
中性子を感度よく検出することができる。したがっても
し炉心において放射性物質の漏洩があっても、本発明に
より検知される連発中性子束を基にこれを迅速に発見し
、適切な対応策をとることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る高速増殖炉の遅発中性子検査装置
の一実施例を示す断面図、第２図は高速増殖炉の断面図
である。 １・・・原子炉容器、８・・・中間熱交換器、２３・・
・サンプリング管、２４・・・サンプリングポンプ、２
５・・・サンプリングタンク、２６・・・中性子検出器
、２７・・・中性子減速体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 高速増殖炉の炉容器内に設置される中間熱交換器内部に
   あって、一次ナトリウム液面下に挿入されるサンプリン
   グ管と、このサンプリング管を介して一次ナトリウムを
   吸引するサンプリングポンプと、前記サンプリング管を
   通して吸引された一次ナトリウムを貯蔵するサンプリン
   グタンクと、そのサンプリングタンクに対向して設けら
   れる中性子減速体で被覆された中性子検出器とを有する
   高速増殖炉の遅発中性子検出装置。