JPH0327811Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はオフセツト印刷用に適している複合
PS版、詳しくは磁力によつて装着可能な複合PS
版に関するものである。

（従来の技術） 従来、印刷機に刷版を装着する方式としては、
一般印刷機においては、クランプ方式と称する万
力締め付け方式、あるいはピンバーと呼ばれてい
るピン孔に引つ掛ける方式があるが、新聞印刷機
においては殊に刷版の迅速処理を要求されること
から、マグネツトサドルと呼ばれる版胴に磁力で
刷版を装着する方式が採用されている。そして新
聞印刷には、樹脂凸版を使用する凸版印刷と予め
感光組成物を支持体上に塗布乾燥してなるPS版
を使用するオフセツト印刷が主流をなしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記した樹脂凸版においては、そ
の基材として鉄箔又は鉄板の使用が可能なためマ
グネツト装着方式を採用できるが、版重量が大き
くハンドリングが困難であり、また酸化しやすい
という欠点を有している。

一方、PS版においては、通常実開昭56−
104965号公報に示されているように、表面にアル
ミ箔が使用されているためマグネツト装着方式の
採用ができず、したがつてかかるPS版において
は苛酷な条件下でのクランプ方式を用いているの
が実情である。

（問題点を解決するための手段） 本考案はマグネツト装着方式の採用可能なPS
版を提供するものであつて、紙または合成樹脂シ
ートの基材にアルミ箔を貼り合わせてなる複合
PS版において、該基材と該アルミ箔とを磁性体
粉末が混入された接着剤でもつて接着し、版胴へ
の吸着磁力を付与してなる。

（作用） PS版の基材とアルミ箔との間に介在する磁性
粉末は、マグネツトサドルと呼ばれている版胴の
磁力によつて吸着する作用をなし、版胴へのPS
版の磁力装着が達成される。

（実施例） 図面は本考案の実施例を示し、厚さ200μの合
成紙の基材１の両面に、磁性粉末、例えば鉄粉を
混入した接着剤２，２の層を介して厚さ50μのア
ルミ箔３，３を重合接着してPS版４となした態
様を示している。

基材１としては上記した合成紙のほかに合成樹
脂シートを適用することができ、また磁性粉末と
しては鉄粉のほかにニツケルやコバルトなどの金
属粉末を用いることができ、これら磁性粉末と接
着剤との混合比は重量比にして50：50程度が望ま
しい。

（考案の効果） このように本考案による印刷用PS版は、基材
１の両面に、磁性粉末を混入した接着剤２の層を
介してアルミ箔３，３を重合接着してなるもので
あるから、基材および表面層が非磁性材料で構成
されているにも拘わらず版胴に対してマグネツト
装着が可能となり、PS版の版胴への着脱作業が
著しく向上し、かつ軽量であるためその取扱いは
極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示した部分断面拡大図
である。 １……基材、２……接着剤、３……アルミ箔、
４……PS版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材１の両面に、磁性粉末を混入した接着剤２
   の層を介してアルミ箔３が重合接着されているこ
   とを特徴とするオフセツト印刷用PS版。