JPH032746B2 - - Google Patents

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JPH032746B2
JPH032746B2 JP61291515A JP29151586A JPH032746B2 JP H032746 B2 JPH032746 B2 JP H032746B2 JP 61291515 A JP61291515 A JP 61291515A JP 29151586 A JP29151586 A JP 29151586A JP H032746 B2 JPH032746 B2 JP H032746B2
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JP
Japan
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resin coating
lid
easy
resin
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JP61291515A
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JPS63152543A (ja
Inventor
Masanori Aizawa
Hiroshi Matsubayashi
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Priority to AU75171/87A priority patent/AU597682B2/en
Priority to KR1019880700175A priority patent/KR920007804B1/ko
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Priority to EP87903915A priority patent/EP0268690B1/en
Priority to DK076288A priority patent/DK76288A/da
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Publication of JPH032746B2 publication Critical patent/JPH032746B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D51/00Making hollow objects
    • B21D51/16Making hollow objects characterised by the use of the objects
    • B21D51/38Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures
    • B21D51/383Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures scoring lines, tear strips or pulling tabs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D51/00Making hollow objects
    • B21D51/16Making hollow objects characterised by the use of the objects
    • B21D51/38Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures
    • B21D51/44Making closures, e.g. caps

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Opened By Tearing Frangible Portions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、スコア切断端縁の保護可能な易開口
性蓋に関するものであり、より詳細には、開口時
又は開口後の指のケガに対する安全性スコア部の
防錆性及び保護樹脂被覆帯の耐汚染性に優れた易
開口性蓋に関する。 (従来の技術) 従来、缶詰用の易開口性缶蓋としては、フルオ
ープン缶と一般に言われているものが知られてい
る。この缶蓋は缶蓋に開口すべき部分を区画する
開口用スコアを設けると共に、この開口すべき部
分に開口用タブを設けたものであり、開口に際し
てはスコアが剪断されて開口すべき部分が缶蓋周
辺部から取外される。この取外された部分の周囲
には鋭利な切断端縁があり、これに指を触れるこ
とによりケガをするという事故が屡々生ずる。 スコア切断により形成される鋭利な切断端縁
を、予じめ缶蓋に施した樹脂被覆帯で覆うことに
より、前述したケガを防止することについても多
くの提案が行われている。例えば、スコアを跨ぐ
ように樹脂被覆帯を缶蓋の内面側或いは外面側に
設け、スコアの破断と共に樹脂被覆帯も破断され
て、取外される部分の切断端縁も残留する周辺部
の切断端縁も共に保護されるようにしたもの(特
公昭54−20907号公報、特公昭57−44540号公報)
や、スコアを跨ぐように樹脂被覆帯を設けるが、
開封に際し、樹脂被覆帯が破断されずに、取外さ
れる部分側或いは残留する周辺部側に付着した状
態で残るようにしたもの(特公昭51−18872号公
報及び実開昭60−10728号公報)が知られている。 (発明が解決すべき問題点) しかしながら、前者のタイプの樹脂被覆帯で
は、樹脂被覆帯がスコアと同時に破断されるよう
にするために、樹脂被覆帯を比較的脆いものとす
るか或いは薄い被覆とすることが必要であると共
に、缶蓋の切断端縁と面一に樹脂被覆があるた
め、切断端縁と指との直接的接触を防止するには
不十分であり保護効果が未だ十分とは言えない。 また、後者のタイプの樹脂被覆帯付易開口性蓋
では、缶蓋の樹脂被覆帯が残る方の部分に接着プ
ライマーを塗布し、樹脂被覆帯が剥離される方の
部分には該プライマーを塗布しないでおく等の手
数のかかる複雑な操作が必要であり、生産性やコ
ストの点で未だ十分満足し得るものではなかつ
た。更に、上述した塗料の塗り分け手段を使用し
ない場合には、樹脂被覆帯が取外される部分側に
付着して移行するか、或いは残留する周辺部側に
付着して移行するかを、厳密に制御することが困
難となるという事態を生じる。 従つて、本発明は、従来の保護樹脂被覆帯付易
開口性蓋における上記欠点を解消し、保護用樹脂
被覆帯が蓋に密着して、スコア部に対する防錆及
び防食作用が得られると共に、保護樹脂被覆帯が
汚れのない清浄な状態に常に維持され、しかも開
口時又は開口後におけるスコア部破断部による指
のケガの発生が有効に防止される、特に樹脂被覆
帯全体が開口により取外される部分に固着され外
方に突出した樹脂被覆帯でケガの発生が有効に防
止された保護樹脂被覆帯付易開口性蓋を提供する
ことを課題とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明によれば、開口部を区画する開口用スコ
ア、開口部に設けられた開口用タブ及び開口用ス
コアをその両側辺にわたつて跨ぐように設けられ
た保護樹脂被覆帯を備えた易開口性蓋において、
蓋のスコア加工面に有機樹脂塗膜を設け、少なく
とも保護樹脂被覆帯を設ける部分の有機樹脂塗膜
は塩化ビニル系樹脂に対して非接着性であるもの
とし、保護樹脂被覆帯をアンカー用充填剤或いは
更にアミノ樹脂を含有する塩化ビニル系樹脂のプ
ラスチゾルから形成し且つ有機樹脂塗膜と保護樹
脂被覆帯とを剥離性接着することにより、上記課
題が達成されることを見出した。 開口用タブはアミド系反復単位及び/又はエス
テル系反復単位から成る熱可塑性接着剤を介して
蓋に接着固定されているのが望ましい。 (作用) 本発明は、塗装缶蓋における樹脂塗膜を塩化ビ
ニル系樹脂に対して非接着性のものとし、樹脂被
覆帯を、アンカー用充填剤を含有する塩化ビニル
系樹脂のプラスチゾルの塗布及びゲル化により形
成させると、塗装缶蓋と樹脂被覆帯との間に剥離
性接着が形成されるという知見を利用するという
ものである。剥離性接着とは、2つの部品の間に
接着は行われているが、この接着力が人間の指の
力により2つの部品が剥離できる範囲内に制御さ
れているものを言う。本発明の易開口性蓋の場
合、この剥離性接着とは、樹脂被覆帯の凝集破壊
力に比して界面での接着強度が小で、しかもこの
接着強度が指による開口力に比して小さいものと
言うことができる。 塩化ビニル系樹脂のプラスチゾル中には、例え
ば重質炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム等のアンカー用充填剤を含有せしめることに
より、塗装缶蓋と樹脂被覆帯との接着強度を、未
配合のプラスチゾルを用いた場合に比して約1.3
乃至3.0倍に高めることができ、これにより塗装
缶蓋と樹脂被覆帯との間に剥離性接着を形成させ
ることが可能となる。 アンカー用充填剤の配合により剥離性接着が可
能となるという事実は現象として見出されたもの
であり、その理由は未だ十分に解明されるに至つ
ていない。しかしながら、本発明者等はその理由
を次のように推定している。即ち、第一にプラス
チゾル中に配合されたアンカー用充填剤は、塗装
缶蓋の塗膜面と樹脂被覆帯との間に相互の係止部
を形成するという投錨(アンカー)効果を示す。
第二に、プラスチゾルによる樹脂被覆帯の形成
は、可塑剤中に分散した塩化ビニル系樹脂の加熱
によるゲル化及びそれに続く冷却を通して行われ
るが、このゲル化及び冷却の際に樹脂被覆帯に発
生する熱歪が樹脂被覆帯と塗膜との接着力を大き
く低下させる原因と思われる。プラスチゾル中に
配合されたアンカー用充填剤は、ゲル化及び冷却
の際に発生する熱歪を緩和させるように作用し、
これも剥離性接着の形成に寄与しているものと認
められる。第三に、酸化亜鉛、酸化マグネシウム
等の周期律表第族金属化合物は、加熱されたと
きポリマーラジカルを形成させ、このポリマーラ
ジカルとそれ自体結合するか、或いはポリマーラ
ジカルが再結合するかして架橋が生じることが知
られているが、本発明が対象とする塩化ビニル系
樹脂被覆帯−塗膜の系でも、このような架橋等に
よる化学的接着力向上の効果があるものと思われ
る。 一般に缶蓋の開口すべき部分と缶蓋周辺部と
に、接着塗料の塗布と未塗布との区別をつけ、或
いは接着強度の異なる2種の塗料を夫々設ける場
合には、缶蓋周辺部と樹脂被覆帯との接着強度を
前述した剥離性接着領域に維持しながら、樹脂被
覆帯を開口すべき部分に接着固定することが可能
であるが、この場合には缶蓋の開口用スコアより
外方の部分では樹脂被覆帯が蓋と未接着状態にお
かれるため、レトルト殺菌中又はその後の経時に
おいて、腐食性成分がスコア部に達し、スコア部
の錆の発生や、腐食による孔あき、即ち孔食を生
ずる。 更に、缶蓋の耐腐食性の点では、缶蓋全面に耐
腐食性に優れた塗膜を設けることが必須不可欠の
ものと言つてよく、また素材から缶蓋への苛酷な
加工条件からすれば、この耐食性塗膜は優れた加
工性を有することが要求される。かかる見地か
ら、缶蓋外面に施こす塗膜は、開口すべき部分も
缶蓋周辺部も共に同一の塗膜であることが望まし
く、しかも缶蓋全外面を同一塗膜とすることは、
複雑な塗布操作を避け、工程を簡略化して、生産
性を上げ、缶蓋製造コストを下げる点でも望まし
い。 本発明によれば、缶蓋の塗膜を塩化ビニル系樹
脂に対して非接着性のものとし、塩化ビニル系樹
脂のプラスチゾル中にアンカー用充填剤を含有せ
しめることにより、缶蓋表面の有機塗膜との間に
剥離性接着を形成させることが可能となり、開口
用スコアより内側の部分、即ち開口部では、樹脂
被覆帯と缶蓋との密着乃至接着が維持され、この
スコアより外側では樹脂被覆帯と缶蓋との剥離が
容易に進行することがわかつた。 易開口性缶蓋の開封に際しては、開口開始時を
除いては、開口すべき部分が上方に持上げられる
ことによつてスコアの剪断が行われる。一方、ス
コアを跨ぐように設けられた樹脂被覆帯では、径
外方向きの引張力を生じ、この引張力が、開口す
べき部分では、被覆帯と塗装金属板とのずり応力
と作用し、一方スコアよりも外側の外周部分では
被覆帯と塗装金属板との引剥し力として作用す
る。本発明の剥離性接着構造では、ずり応力に対
しては接着破壊を生じ難く、一方剥離力に対して
は接着破壊を生じ易いことから、樹脂被覆帯は、
開口部分に固定され、開口用スコアより外側の樹
脂被覆帯と缶蓋周辺部との間で剥離を生じ、開口
部切断端縁がそれより外方に突出した樹脂被覆帯
で覆われた状態で開口が行われることになるので
ある。 本発明に用いる塩化ビニル系樹脂プラスチゾル
からの被覆帯は、塩化ビニル系樹脂に特有の優れ
た機械的性質と腐食性成分に対する優れたバリヤ
ー性とを備えており、しかもプラスチゾルからの
成形品に特有の柔軟性及びクツシヨン性を有して
いることから、指のケガに対する保護効果が大で
あると共に、その中に含有されるアンカー用充填
剤による密着作用により、スコアに対する防錆性
及び防食性が向上し、更にケガへの保護作用も強
化されることになる。 塩化ビニル系樹脂のプラスチゾルから樹脂被覆
帯を形成させる際に生じる一つの問題点は、この
ような被覆帯を備えた易開口性蓋を缶詰の形で加
熱殺菌に賦したとき、その表面に可塑剤等のブリ
ードアウトを生じ易く、これにより被覆帯表面に
ベタ付き傾向が生じて、ゴミ、汚れ等の付着を生
じ、外観特性が低下することである。この傾向は
樹脂被覆帯の塗膜への接着力を増強させるため、
プラスチゾル中に粘着賦与剤を配合したときに特
に顕著である。本発明によれば、プラスチゾル中
にアンカー用充填剤を配合することにより、ベタ
付き傾向を抑制し、樹脂被覆帯の耐汚染性を顕著
に向上させ、その外観特性を特に良好なものとす
ることができる。 また、プラスチゾル中にアンカー用充填剤と共
にアミノ樹脂を配合することにより、耐汚染性を
優れたレベルに維持しながら、塗膜との接着力を
一層向上させることができる。 蓋の構造 本発明の蓋の上面を示す第1図、その側断面を
示す第2図及び要部の拡大断面を示す第3−A及
び3−B図において、この缶蓋1は、第3−A及
び3−B図に示す通り、金属素材2とその外面全
面に施された外面保護塗膜3a及びその内面全面
に施された内面保護塗膜3bとから成る断面構造
を有している。 この蓋1は、外周に周状の溝部4と溝部に環状
リム部5を介して連なるパネル部6とを備えてお
り、溝部4には缶胴フランンジ(図示せず)との
二重巻締に際して、これと密封係合されるシーリ
ングコンパウンド層7が設けられている。環状リ
ム部5の内方には、スコア8で区画される開口さ
れるべき部分9がある。この開口用部分9はパネ
ル部6の大部分と実質上一致してもよいし、パネ
ル部6の一部が開口用部分であつてもよい。スコ
ア5は、第3−A及び3−B図の拡大断面図に示
す通り、金属素材2の厚み方向の途中に達するよ
うに設けられている。この開口用部分9に開封用
タブ10が以下に述べる仕組みで設けられてい
る。この開封用タブ10は、一端にスコア押裂き
用先端11、他端に把持部(リンダ)12及びこ
れらの間に位置し且つ蓋に対して接合される支点
部分13を有している。この具体例において、支
点部分13は、先端11とリング12との間でタ
ブに、形状がほぼU字形の切目14を、支点部分
13と先端11との間に接続部15が存在するよ
うに設けて舌片状とすることにより形成されてい
る。開封用タブ10の押裂き用先端11は、蓋体
のスコア8とその位置がほぼ一致するように、舌
片状の支点部分13において、蓋体の開口用部分
9と、例えば熱可塑性樹脂接着剤層16を介して
熱接着されることにより固定されている。 缶蓋1の外面側には、スコア8を跨ぐように以
下に詳述するエラストマーから成る切断端縁保護
用樹脂被覆帯17が設けられている。この樹脂被
覆帯17はスコア8の全周にわたつて設けられて
おり、しかも第3−B図によく示される通り、ス
コア8よりも外側には比較的小さい巾で、且つス
コア8よりも内側には、比較的広い巾で設けられ
ている。また、樹脂被覆帯17は開口用スコア8
の内部、即ち溝内にも充填されていることが理解
される。 この具体例の缶蓋において、開封用タブ10の
リング12を指で撮み、これを上方に持上げる
と、この力が支点部分13を介して押裂用先端1
1に下向きの力として伝達され、スコア8に下向
きの押裂力が加わり、スコア8の剪断が開始され
る。次いで開封用タブ10を更に上に持ち上げる
ことにより、開口用部分9も上方に持ち上げら
れ、スコア8の剪断が更に進行して開口用部分の
取外しが行われる。この開口途中の段階を説明す
る第4図において、スコア8の剪断開口時には開
口用部分9とその外周部18との間には段差が生
じていることがわかる。 本発明における樹脂被覆帯17は、アンカー用
充填剤を含有する塩化ビニル系樹脂をプラスチゾ
ルから形成されているため、蓋の外面保護塗膜3
aを介して剥離性接着されている。第4図に示す
開口時点で、スコア8を跨ぐ樹脂被覆帯17には
引張り力が作用するが、この引張り力は開口用部
分9の位置ではずり応力となり、外周部18では
剥離力となる。一般に接着構造物ではずり応力に
対しては強固であるが引剥し力には弱く、かくし
て開口用部分9では、樹脂被覆帯17の固定が有
効に行われるが、被覆帯17の開口用部分9の切
断端縁19よりも外方に突出した部分20では外
周部18との間に剥離が進行し、且つこの突出部
分20が切断端縁19と指との接触を防止するプ
ロテクターとして作用することも了解されよう。 尚、樹脂被覆帯17の開口用部分19への接着
固定を有効に行うために、開口用スコア8よりも
内側に、両者を機械的に係合させるための機構、
例えば環状の段着部(リム部)21や第二スコア
22を設け得ることが理解されるべきである。 樹脂被覆帯 本発明によれば、樹脂被覆帯を、アンカー用充
填剤を含有する塩化ビニル系樹脂のプラスチゾル
の塗布及びゲル化で形成する。プラスチゾルと
は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを混合し、ペー
スト状にしたもので加熱によりゲル化し、均一な
弾性体になり得るものを言う。 本発明において、塩化ビニル系樹脂としては、
塩化ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルと少量
の共単量体、例えば酢酸ビニル、塩化ビニリデ
ン、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、ブタジエンとの共重合体も使用でき
る。これらの塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、
特に制限はなく、一般に500乃至3000のものが好
都合である。これらの塩化ビニル系樹脂は、乳化
重合法による粒径の比較的微細なものでも、懸濁
重合法による粒径の比較的粗大なものでも、或い
はこれらの混合物でも本発明の目的に使用でき
る。 可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂に対し一般
に使用されている可塑剤、例えば、次のものを用
いることができる。 1 フタール酸エステル フタール酸ジエチル フタール酸ジ−n−ブチル フタール酸ジ−i−ブチル フタール酸ジヘキシル フタール酸ジ−i−ヘプチル フタール酸ジオクチル(DOP) 〔n−オクチル、2−エチルヘキシル、イソ
オクチル(オキソ)を含む〕 フタール酸ジ−i−ヘプチル−i−ノニル フタール酸ジ−n−オクチル−n−デシル フタール酸ジデシル 〔n−デシル、i−デシルを含む〕 フタール酸ブチルベンジル フタール酸ジフエニル フタール酸ジシクロヘキシル フタール酸ジメチルシクロヘキシル フタール酸ジメトキシエチル フタール酸ジブトキシエチル エチルフタリルエチルグリコレート ブチルフタリルブチルグリコレート 2 脂肪族二塩基酸エステル アジピン酸ジ−i−ブチル アジピン酸オクチル 〔2エチルヘキシル、n−オクチル共〕 アジピン酸ジデシル 〔i−デシル、n−デシル共〕 アジピン酸ジ(n−オクチル−n−デシル) アジピン酸ジベンジル セバチン酸ジブチル 〔n−ブチル〕 セバチン酸ジオクチル 〔2エチルヘキシル、n−オクチル共〕 アゼライン酸−n−ヘキシル アゼライン酸ジオクチル 〔2エチルヘキシル〕 3 リン酸エステル リン酸ジフエニル2エチルヘキシル 4 ヒドロキシ多価カルボン酸エステル 酒石酸ジエチル アセチルクエン酸トリエチル アセチルクエン酸トリブブチル アセチルクエン酸2エチルヘキシル クエン酸モノイソプロピル クエン酸トリブチル クエン酸モノ、ジ、トリステリル 5 脂肪酸エステル アセチルリシノール酸メチル パルミチン酸エチル ステアリン酸エチル ステアリン酸n−ブチル ステアリン酸アミル ステアリン酸シクロヘキシル オレイン酸ブチル 水添ロジンメチルエステル 6 多価アルコールエステル グリセリントリアセテート グリセリントリプロピオネート グリセリントリブチレート グリセリントリヘプタノエート グリセリンモノアセチルモノステアレート グリセリンモノアセチルモノラウレート トリエチレングリコールジカプリレート トリエチレングリコールジカプレート ペンタンジオールジイソ酪酸エステル 7 エポキシ系可塑剤 エポキシ化大豆油 エポキシ化ヒマシ油 エポキシ化アマニ油 エポキシ化サフラワー油 エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル エポキシステアリン酸オクチル 〔i−オクチル、2エチルヘキシル共〕 3−(2−キセノキシ)−1・2エポキシプロ
パン 8 ポリエステル系可塑剤 ポリ(ジエチレングリコール、テルペン無水
マレイン酸付加物)エステル ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)
エステル ポリ(1・3ブタンジオール、アジピン酸)
エステル ポリ(プロピレングリコール、セバチン酸)
エステル ポリ(1・3ブタンジオール、セバチン酸)
エステル ポリ(プロピレングリコール、フタール酸)
エステル ポリ(1・3ブタンジオール、フタール酸)
エステル ポリ(エチレングリコール、アジピン酸)エ
ステル ポリ(1・6−ヘキサンジオール、アジピン
酸)エステル アセチル化ポリ(ブタンジオール、アジピピ
ン酸)エステル 〔ブタンジオールは1・3−及び1・4−タ
イプ〕 9 その他 アルキルスルホン酸(C12〜C20) フエノールエステル アルキルスルホン酸(C12〜C20) クレゾールエステル 水素化ポリブデン p−tert−ブチルフエニルサリシレート 塩素化パラフイン。 本発明に用いるアンカー用充填剤はプラスチゾ
ルから形成される樹脂被覆帯と、このプラスチゾ
ルを塗布する塗膜面との間に、前述したアンカー
効果等による接着力を示すものであり、この意味
では通常の充填剤とは異なつている。 このアンカー用充填剤の適当な例は、これに制
限されるものではないが、周期律表第族金属の
酸化物、水酸化物又は炭塩酸であり、例えば酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム等である。これらの中でも、重質炭
酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムが特
に好適なものである。これらの周期律表第族金
属化合物は、樹脂被覆体と塗膜との接着力向上効
果が他の充填剤と比べて特に大きく、また樹脂被
覆帯に優れた耐汚染性をも与えるものである。ま
た、このものは白色であるという利点をも有して
いる。 用いるアンカー用充填剤の粒度は、特に制限は
ないが、一般に0.01乃至20μm、特に0.05乃至15μ
mの粒径を有するものが望ましい。 本発明の好適態様では、重質炭酸カルシウムと
酸化亜鉛とを組合せで用いる。この組合せでは、
樹脂被覆帯と塗膜との間に最も高い接着力が得ら
れ、耐汚染性向上効果も高い。両者の組合せ量比
は、種々変化させ得るが、重質炭酸カルシウムと
酸化亜鉛とを1:0.01乃至1:10、特に1:0.1
乃至1:5の重量比で用いるのがよい。 本発明において、アンカー用充填剤と共にアミ
ノ樹脂をプラスチゾルに配合することにより、耐
汚染性を優れたレベルに維持しながら、レトルト
殺菌後における塗膜との接着性を向上させ得るこ
とがわかつた。 アミノ樹脂としては、尿素、メラミン、ベンゾ
グアナミン等のアミノ基含有化合物とホルムアル
デヒドとを縮合させることにより得られた樹脂が
使用され、特にメタノール、エタノール、n−ブ
タノール、iso−ブタノール等で、エーテル化し
たエーテル化アミノ樹脂が好適に使用される。こ
れらのアミノ樹脂はメタノール、ブタノール、キ
シロール等の溶媒中に溶解させた溶液の形で市販
されており、この溶液をプラスチゾル中に添加し
て樹脂被覆帯の形成に用いる。 本発明において、可塑剤は、塩化ビニル系樹脂
100重量部当り35乃至200重量部、特に60乃至160
重量部の量で使用するのがよく、上記範囲よりも
少ない場合には、塗布に必要な流動性が得られな
かつたり、保護に必要な柔軟性及至クツシヨン性
が得られない場合があり、一方上記範囲よりも多
いときには、被覆帯樹脂組成物が過度に柔軟とな
つたり、機械的強度が低下しすぎるので、本発明
の目的に適さなくなる。 一方、アンカー用充填剤は、塩化ビニル系樹脂
100重量部当り5乃至70重量部の量で且つ最終プ
ラスチゾルの流動性が維持される範囲内で用いる
のがよい。即ち、アンカー用充填剤の配合量が上
記範囲よりも少ないと接着力増強及び耐汚染性向
上の効果が少なく、上記範囲よりも多いと、樹脂
被覆帯が脆くなる傾向がある。 また、アミノ樹脂を配合する場合には、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部当り1乃至30重量部、特に
2乃至20重量部の量で配合するのがよい。アミノ
樹脂の配合量が上記範囲よりも少ないときには、
レトルト殺菌後にも剥離性接着状態を維持し得る
という耐熱水性が十分でなく、また上記範囲より
も多いとゾルが不安定となつたり、或いは増粘傾
向が大となる。 本発明に用いる被覆帯形成用の塩化ビニル系樹
脂組成物には、任意成分として、安定剤、他の充
填剤、顔料、発泡剤等のそれ自体公知の配合剤を
公知の処方に従つて配合することができる。例え
ば、安定剤としては、金属石鹸系安定剤、有機錫
系安定剤、有機リン酸エステル系安定剤が、顔料
としてはチタン白、カーボンブラツク等が、発泡
剤としては、アゾジカーボンアミド、4・4−オ
キシビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド等が
使用される。 好適なプラスチゾル組成物の処方を以下に示
す。 塩化ビニル系樹脂 100重量部 可塑剤 60〜160 〃 発泡剤 0〜2 〃 安定剤 0.5〜4 〃 滑 剤 1〜5 〃 アンカー用充填剤 5〜70 〃 顔 料 0〜5 〃 蓋 缶蓋を形成する金属素材は、表面処理鋼板やア
ルミニウム板であつてよいが、本発明は剛性のあ
る鋭利な切断端縁が形成され易い表面処理鋼板か
ら成る易開封性缶蓋に特に有用である。表示処理
鋼板としては、電解クロム酸処理鋼板(TFS)、
錫メツキ鋼板(ブリキ)、ニツケルメツキ鋼板、
錫ニツケル合金メツキ鋼板、アルミメツキ鋼板等
を挙げることができるが、これらの例に限定され
ない。金属素材は、一般に0.10乃至0.40mm、特に
0.12乃至0.35mmの厚みを有するものがよい。 保護塗膜としては、前述した金属素材に対して
優れた密着性を示すそれ自体公知の任意の保護塗
料が使用される。この塗料としては、熱硬化性或
いは熱可塑性の樹脂塗料、例えばフエノール・エ
ポキシ塗料、アミノ・エポキシ塗料、エポキシ・
エステル塗料等の変性エポキシ塗料;例えば塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性
−エポキシアミノ変性−或いはエポキシフエノー
ル変性−ビニル樹脂塗料等のビニル又は変性ビニ
ル塗料;アクリル樹脂系塗料;油性塗料;アルキ
ツド塗料;ポリエステル塗料;スチレン−ブタジ
エン系共重合体等の合成ゴム系塗料等が使用され
る。 保護塗膜は単一の塗膜でもよく、また下塗り膜
(アンダーコート)と上塗り塗膜(トツプコート)
との組合せ塗膜でもよい。また、下塗り塗膜の上
に、印刷インキによる印刷層を設け、その上に仕
上げニス層を設けたものでもよい。 本発明において、少なくとも保護樹脂被覆帯を
設ける部分の有機樹脂塗膜は塩化ビニル系樹脂に
対して非接着性のものでなければならない。そう
でなければ本発明に言う剥離性接着を保護樹脂被
覆帯との間に形成することができない。このよう
な塩化ビニル系樹脂に対して非接着性の外面塗料
としては、アルキド・アミノ塗料、オイルフリー
アルキド・アミノ塗料、高分子飽和ポリエステ
ル・アミノ塗料等のポリエステル系塗料;エポキ
シエステル系塗料;エポキシ・アミノ系塗料;エ
ポキシ・フエノール系塗料を挙げることができ
る。 金属素材の直上に施された塗膜は、エポキシ系
塗料であることが最も好ましい。即ち、エポキシ
系塗料は、金属基体との密着性や加工性に優れて
いると共に、樹脂保護帯との剥離接着性にも優れ
ているからであり、更に開口用タブを缶蓋に接着
固定するための優れた接着プライマーともなり得
るからである。エポキシ系塗料としては、エポキ
シ樹脂成分とエポキシ樹脂成分の硬化作用を示す
硬化剤樹脂成分、例えばフエノールホルムアルデ
ヒド樹脂、アミノ樹脂、の少なくとも1種との組
合せが好適であり、最も好適なものは、種々のフ
エノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレ
ゾール型フエノール−アルデヒド樹脂と、ビスフ
エノール型エポキシ樹脂とから成るフエノール−
エポキシ系塗料であり、特にフエノール樹脂とエ
ポキシ樹脂とを90:10乃至5:95の重量比で含有
する塗料である。この塗料は更に加工性にも優れ
ており、スコア加工に付した場合にも、スコア加
工部の耐腐食性が良好であるという利点を有して
いる。このタイプの塗料は、タブの固定に用いる
ポリアミド系接着剤にも優れた密着性を有してい
る。 塗膜の厚みは、前述した目的が達成される限
り、特に制限はないが、一般的に言つて、0.2乃
至30μm、特に1乃至20μmの範囲にあるのが望
ましい。 開封用スコア8は、スコア部における残留厚み
が、素板厚の1/8乃至1/2で且つ絶対的厚みが0.2
乃至0.9mm、特に0.3乃至0.8mmの範囲となるような
ものであることが望ましい。 開口用スコアが形成された蓋に、樹脂被覆帯を
設けるには、前述したプラスチゾルを塗布し、塗
布後のプラスチゾルをゲル化させる方法が採用さ
れる。塗布には、蓋或いはライニングノズルを回
転させながら、プラスチゾルをライニングする手
法が採用される。プラスチゾルのゲル化は、160
乃至280℃の温度で10秒乃至4分間の加熱で行う
のがよい。ライニングを確実に行うためには、塗
布液の粘度は40000cps以下とするのが望ましい。 樹脂被覆帯の平均厚みは巾方向に平均して、一
般に0.005乃至0.5mm、特に0.01乃至0.30mmとする
ことが望ましく、また保護効果の点で、スコア8
から外方への突出寸法は0.005乃至3mm、特に
0.01乃至2mmの範囲とすることが望ましい。 開封用タブは、缶蓋を構成する素材と同種或い
は異種の素材から形成されていてもよい。例えば
アルミニウム或いはアルミニウム合金のような軽
金属板から形成されていてもよいし、また表面処
理鋼板から形成されていてもよい。また十分な剛
性を有するものであれば、プラスチツク材料から
形成されたものであつてもよい。 開封用タブの固定を熱可塑性接着剤で行う場
合、アミド反復単位及び/又はエステル反復単位
含有樹脂が好ましく、融点或いは軟化点が50乃至
300℃、特に80乃至270℃の範囲にあるホモ乃至コ
ポリアミド、コポリエステル或いはこれらの2種
以上のブレンド物が使用される。 図面に示す具体例では缶蓋への開封用タブの固
定は接着で行つているが、従来のリベツト打ちに
よる機械的固定で行つてもよいのは当然である。 (発明の効果) 本発明によれば、樹脂被覆帯を設ける部分の塗
膜を塩化ビニル系樹脂に対し非接着性のものと
し、且つ塗装缶蓋のスコア部を覆う樹脂被覆帯の
形成に、アンカー用充填剤或いは更にアミノ樹脂
を配合したプラスチゾルを用いることにより、塗
膜と樹脂被覆帯との間に剥離性接着を形成させる
ことができると共に、プラスチゾルから形成され
る樹脂被覆帯の耐汚染性を顕著に向上させ、外観
を良好なものとすることができる。 (実施例) 実施例1〜実施例3 板厚の0.20mmの通常のテインフリースチール
(TFS)板の両面にエポキシ−フエノール系塗料
を焼付後の厚さが5μmになる様に塗布し、210℃
で10分間焼付けを行なつた。この塗装TFS板を
プレスを用いて211径の蓋に形成し、次いでカー
ル部に常法によりシーリンダコンパウンドを塗布
乾燥した。次いで蓋の外面側にスコア残厚/鋼板
厚さが0.23となる様に開口用スコアを形成した。
この様にして得られた蓋材のスコア部分にノズル
ライニング装置を用いて、回転ライニング法によ
り、表1に示す実施例1乃至実施例3の塩化ビニ
ルプラスチゾルを塗布した後、200℃で2分間加
熱し、保護樹脂被覆帯を設けた。この樹脂被覆は
開口用スコアのその両側辺にわたつて跨ぐように
設けられている。次いで厚さ0.35mmの塗装TFS板
から作成した開口用タブを、スコアから接着支点
までの距離が6mm且つ接着支点部における接着剤
層の巾が5mmになる様に、ナイロン12系のフイル
ム状接着剤を用いて220℃で接着した。最後に蓋
内面側をエポキシ−フエノール系塗料をスプレー
塗装し、190℃で4分間焼付けた。 このようにして得られた易開口性蓋を211径フ
ランジ缶胴と二重巻締した後に内容物としてドレ
ツシングツナを充填し、フラツト蓋を巻締後116
℃90分のレトレト処理を施した。このレトルト処
理を施した後の易開口性蓋の開口時の保護樹脂被
覆の状態及び保護樹脂被覆帯の汚染状態を評価し
た。その結果を表1に示す。 比較例 1〜2 実施例1乃至実施例3と同様な開口スコアを有
する蓋材のスコア部にノズルライニング装置を用
いて、回転ライニング法により、表1に示す比較
例1および比較例2の塩化ビニルプラスチゾルを
塗布した後、200℃で2分間加熱し、保護樹脂被
覆帯を形成した。これらの樹脂被覆は開口用スコ
アのその両側辺にわたつて跨ぐように設けられて
いる。実施例1乃至実施例3と同様にタブ接着、
蓋内面補正を行ない比較例1および比較例2の易
開口性蓋を作成した。最後に実施例1乃至実施例
3と同様これらの易開口性蓋を用いて、211径フ
ランジ缶胴を二重巻締した後に内容物としてドレ
ツシングツナを充填し、フラツト蓋を巻締後116
℃90分のレトルト処理を施した。このレトルト処
理を施した易開口性蓋の開口時の保護樹脂被覆の
状態及び保護樹脂被覆帯の汚染状態を評価した。
その結果を表1に示す。 この結果によると実施例1乃至実施例3の本発
明の易開口性蓋においてはエポキシ−フエノール
系の有機樹脂塗膜が蓋の外面側に設けられ、保護
樹脂被覆がアンカー用充填剤を含有する特定の塩
化ビニル系樹脂のプラスチゾルから形成されてい
る。これらの易開口性蓋ではいずれもレトルト処
理あるいは種々のハンドリングに耐える程度の界
面での接着強度を有し、また樹脂の凝集破壊力が
この接着強度より大であり、しかもこの接着強度
が指による開口力に比して小さい。さらに本発明
の蓋ではこの開口力による接着の破壊(剥離)が
開口スコアより外側でのみ起き、その他の部分で
は接着が維持されており、被覆帯が開口部側に結
合されている特徴を有している。すなわち開口時
には開口切断端縁が樹脂被覆帯で覆われているの
で、手のケガがなく、安全に開口できる効果が与
えられる。またスコア部の防錆性に優れている易
開口性蓋も提供される。 更に本実施例1乃至実施例3では保護樹脂被覆
帯が汚れのない、清浄な状態が常に維持されてい
ることも効果の一つである。 一方比較例1および比較例2はアンカー用充填
剤の量が本発明の範囲外の例である。比較例1で
はアンカー用充填剤の量が多いので、塩ビプラス
チゾルの粘度が高く、ノズルライニング作業に困
難を生ずると同時に、ゲル化後も樹脂被覆帯が脆
く、開口時の力により、被覆帯が部分的に開口ス
コアに沿つて破断し、開口切断端縁が露出されて
いるので、指をケガする危険は大きい。比較例2
ではアンカー用充填剤が本発明の下限を超えてい
るときの例である。この場合充填剤のアンカー効
果が期待できず、レトルト処理によつて指による
開口力を与える前に、すでに樹脂被覆帯が蓋から
剥離している。比較例1と同様開口切断端縁が露
出されているので、指先をケガする危険は大き
い。またこの例では樹脂被覆帯にゴミ、汚れ等が
付着し、外観特性が著しく劣つている。
【表】 実施例 4 板厚0.20mmの通常のテインフリースチール
(TFS)板の両面にエポキシ−フエノール系塗料
を焼付後の厚さが5μmになる様に塗布し、210℃
で10分間焼付を行なつた。次いでタブ接着部にな
る部分以外に開口法の表示を白インクを2回塗装
後にあいインクで塗装し、最後にアルキツド・ア
ミノ樹脂からなるオーバープリントニス(OPニ
ス)をやはりタブ接着部になる部分をさけて施
し、150℃で10分間焼付を行なつた。この塗装、
印刷板をプレスを用いて印刷面が外面になるよう
に211径の蓋に成形した。次いで蓋の外面側にス
コア残厚/鋼板厚さが0.23となる様に開口用スコ
アを形成した。このようにして得られた蓋材のス
コア部分にノズルライニング装置を用いて、回転
ライニング法により表2に示す実施例4の塩化ビ
ニル樹脂系プラスチゾルを塗布した後、200℃で
2分間加熱し、保護樹脂被覆帯を設けた。この樹
脂被覆は開口用スコアのその両側辺にわたつて跨
ぐように設けられている。次いで厚さ0.50mmの塗
装アルミニウム板から作製した開口用タブを、ス
コアから接着支点までの距離が6mm且つ接着支点
における接着剤層の巾が5mmとなる様に、ナイロ
ン12系のフイルム状接着剤を用いて220℃で接着
した。次いで蓋の内面側をエポキシ−フエノール
系塗料をスプレー塗装し、190℃で4分間焼付け
た。最後にカール部に常法によりシーリングコン
パウンドを塗布、乾燥した。 このようにして得られた易開口性蓋を211径フ
ランジ缶胴と二重巻締した後に内容物としてドレ
ツシングツナを充填し、フラツト蓋を巻締後116
℃、90分のレトルト処理を施した。このレトルト
処理を施した後の易開口性蓋の開口時の保護樹脂
被覆の状態及び保護樹脂被覆帯の汚染状態を評価
した。その結果を表2に示す。 本発明の易開口性蓋においてはOPニスが蓋の
外面側に設けられ、保護樹脂被覆がアンカー用充
填剤およびアミノ樹脂を含有する塩化ビニル系樹
脂の特定のプラスチゾルから形成されている。本
発明のプラスチゾルはアンカー用充填剤を含有す
るため、実施例1乃至実施例3と異なる塗膜面に
設けても、剥離性接着が同様に形成し得る。従つ
て開口時には開口切断端縁が樹脂被覆帯で覆われ
ているので、手のケガがなく、安全に開口できる
効果が得られる。またスコア部の防錆性に優れ、
更に保護樹脂被覆帯が汚れのない、清浄な状態で
常に維持されている易開口性蓋が提供される。
【表】 実施例 5 板厚0.23mmの通常の電解スズメツキ鋼板の両面
にエポキシ−フエノール−ユリア系塗料を焼付後
の厚さが5mmになる様に塗布し、210℃で10分間
焼付を行なつた。この塗装電解スズメツキ鋼板を
プレスを用いて307径の蓋に成形し、次いでカー
ル部に常法によりシーリングコンパウンドを塗布
乾燥した。次いでプレスによりバブル、バブルリ
フオーム、ボタン、スコア、ステイクの諸工程を
行ない0.50mmの塗装アルミニウム板から作製した
開口用タブを蓋にリベツト固定した。なおこの時
形成したスコアはスコア残厚/鋼板板厚が0.15
で、直径58mmの円の形状を有している。このよう
にして得た蓋のスコア部にノズルライニング装置
を用いて、回転ライニング法により、表2に示す
実施例5の塩化ビニルプラスチゾルを塗布した
後、200℃で2分間加熱し、保護樹脂被覆を形成
した。これらの樹脂被覆は開口用スコアのその両
側辺にわたつて跨ぐように設けられている。他の
実施例と同様にして蓋内面補正を行ない、実施例
5の易開口性蓋を作成した。最後に307径のフラ
ンジ缶胴にこの易開口性蓋を二重巻締した後に内
容物としてツナ水煮を充填し、フラツト蓋を巻締
後116℃で90分間レトルト処理をした。このレト
ルト処理を施した後の易開口性蓋の開口時の保護
樹脂被覆の状態を評価した。評価結果を表2に示
す。 この結果によると実施例1乃至実施例3の開口
用タブを接着固定している場合に限らず、本実施
例5の開口用タブを従来のリベツト固定している
易開口性蓋においても、保護樹脂被覆帯がアンカ
ー用充填剤を含有する特定の塩化ビニル系樹脂の
プラスチゾルから形成されている限り、開口時に
は開口切断端縁が樹脂被覆帯で覆われているの
で、手のケガがなく、安全に開口できる効果が同
じく得られる。またスコア部の防錆性にも優れ、
更に保護樹脂被覆帯が汚れのない、清浄な状態で
常に維持されている易開口性蓋が提供される。 比較例 3 実施例1乃至実施例3と同様な開口スコアを有
する蓋材のスコア部にノズルライニング装置を用
いて、回転ライニング法により、表2に示す比較
例3の粘着賦与剤を含有する塩化ビニルプラスチ
ゾルを塗布した後、200℃で2分間加熱し、保護
樹脂被覆帯を形成した。これらの樹脂被覆は開口
用スコアのその両側辺にわたつて跨ぐように設け
られている。実施例1乃至実施例3と同様にタブ
接着、蓋内面補正を行ない比較例3の易開口性蓋
を作成した。最後に実施例1乃至実施例3と同様
これらの易開口性蓋を用いて、211径フランジ缶
胴を二重巻締した後に内容物としてドレツシング
ツナを充填し、フラツト蓋を巻締後116℃90分の
レトルト処理を施した。このレトルト処理を施し
た易開口性蓋の開口時の保護樹脂被覆の状態及び
保護樹脂被覆帯の汚染状態を評価した。保護樹脂
被覆帯は加熱殺菌により、可塑剤、粘着賦与剤等
のブリードアウトを生じ、これにより被覆帯はゴ
ミ、汚れ等が付着し、外観特性が著しく低下して
いた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の易開口性蓋の上面図であり、
第2図は第1図の缶蓋の線A−A′における断面
図であり、第3−Aおよび3−B図は要部の断面
図であり、第4図は開口途中の段階を説明する図
である。 1……蓋、2……金属素材、3a……蓋の外面
保護塗膜、3b……蓋の内面保護塗膜、4……周
状の溝部、5……環状リム部、6……パネル部、
7……シーリングコンパウンド層、8……スコ
ア、9……開口されるべき部分、10……開口用
タブ、11……スコア押裂き用先端、12……把
持部(リング)、13……支点部分、14……U
字形の切目、15……接続部、16……熱可塑性
樹脂接着剤層、17……切断端縁保護用被覆帯、
18……外周部、19……切断端縁、20……外
方に突出した部分、21……リム部、22……第
二スコア。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 開口部を区画する開口用スコア、開口部に設
    けられた開口用タブ及び開口用スコアをその両側
    辺にわたつて跨ぐように設けられた保護樹脂被覆
    帯を備えた易開口性蓋において、 蓋のスコア加工面には全体に有機樹脂塗膜が設
    けられ、少なくとも保護樹脂被覆帯を設ける部分
    の有機樹脂塗膜は塩化ビニル系樹脂に対して非接
    着性であり、該保護樹脂被覆帯は樹脂100重量部
    当り5乃至70重量部のアンカー用充填剤を含有す
    る塩化ビニル系樹脂のプラスチゾルから形成され
    且つ有機樹脂塗膜と保護樹脂被覆帯とは剥離性接
    着されていることを特徴とする易開口性蓋。 2 アンカー用充填剤が周期律表第族金属の酸
    化物、水酸化物又は炭酸塩である特許請求の範囲
    第1項記載の易開口性蓋。 3 アンカー用充填剤が重質炭酸カルシウム、酸
    化亜鉛、酸化マグネシウム或いはそれらの2種以
    上の組合せから成る特許請求の範囲第1項記載の
    易開口性蓋。 4 プラスチゾルが塩化ビニル系樹脂100重量部
    当り35乃至200重量部の可塑剤及び5乃至70重量
    部のアンカー用充填剤を含有する組成物から成る
    特許請求の範囲第1項記載の易開口性蓋。 5 有機樹脂塗料がエポキシ系塗料である特許請
    求の範囲第1項記載の易開口性蓋。 6 開口用タブがアミド系反復単位及び/又はエ
    ステル系反復単位から成る熱可塑性接着剤を介し
    て蓋に接着固定されている特許請求の範囲第1項
    記載の易開口性蓋。 7 保護樹脂被覆帯が開口時に開口部側に結合さ
    れて残るように蓋に接着されている特許請求の範
    囲第1項記載の易開口性蓋。 8 開口部を区画する開口用スコア、開口部に設
    けられた開口用タブ及び開口用スコアをその両側
    辺にわたつて跨ぐように設けられた保護樹脂被覆
    帯を備えた易開口性蓋において、 蓋のスコア加工面には全体に有機樹脂塗膜が設
    けられ、少なくとも保護樹脂被覆帯を設ける部分
    の有機樹脂塗膜は塩化ビニル系樹脂に対して非接
    着性であり、該保護樹脂被覆帯は樹脂100重量部
    当り5乃至70重量部のアンカー用充填剤及びアミ
    ノ樹脂を含有する塩化ビニル系樹脂のプラスチゾ
    ルから形成され且つ有機樹脂塗膜と保護樹脂被覆
    帯とは剥離性接着されていることを特徴とする易
    開口性蓋。 9 プラスチゾルが塩化ビニル系樹脂100重量部
    当り35乃至200重量部の可塑剤、5乃至70重量部
    のアンカー用充填剤及び1乃至30重量部のアミノ
    樹脂を含有する組成物から成る特許請求の範囲第
    8項記載の易開口性蓋。
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