JPH0327432B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は電纜管、下水管等の細径管内に工業用
テレビカメラを案内するための細径管路用自走車
に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来用いられているこの種の管内検査用自走車
としては、例えば実公昭56−3427号公報の下水管
路用自走型探察車が知られている。これは車体本
体の両側下部に単一のモータにて回転の履帯とな
るベルトを配すと共に、該車体本体の上部にテレ
ビカメラを搭載する自走車構成であり、前記一対
のベルドか管内下部に接し走行するだけである。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、このようにテレビカメラと走行体（足
まわり装置）を一体に組込んだタイプでは、必然
的に装置全体が大型化され、検査管径がせいぜい
作業員が入れなくなる450mm以下から250mm径まで
が限度である（テレビカメラを管径の中心位置に
臨ませる点を考慮すると）。

本発明は上記実情に鑑み、電纜管とか下水のえ
で管の如き130〜150mm径となる極細径の管内を走
行すべく、管内壁面を摺接する細幅履帯を三方に
もつた自走専用（テレビカメラ牽引用）となる細
径管路用自走車を提供することを目的としたもの
である。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明、先端にテレビカメラ接続部を配す車体
本体の三方に、リンク機構にて管内壁面に圧接す
る無限軌道枠付のベルト等よりなる細幅履帯を突
設すると共に、前記各リンク機構を細径調整手段
に連動するスプリングの弾撥にて張上げ自在と
し、且つ前記細幅履帯を夫々独立配設のモータで
回転させる構成とした自走車である。

＜作用＞ 上記のような構成のため、管内検査に当つて車
体本体の先端にスキツド付テレビカメラを接続し
て一緒に管路内へ搬入する。この場合、自走車の
三方に突設の細幅履帯の張上げ圧を、車体本体の
後端の管径調整手段を適宜廻し、これに連動の摺
動駒に起因してスプリング圧を変え、平行運動機
構部を呈す無限軌道枠のリンク機構の回動で管内
壁面に対する細幅履帯の摺接圧を設定する。この
状態で自走車に接続のケーブルを介し地上に待機
のコントロールユニツトの遠隔操作をし、該自走
車を走行させる。即ち、３基の細幅履帯が管内壁
面に摺接して走行する。この場合の走行動は、円
管に対し３点接触となつているため、横倒のない
安定した走行を得る。従つて、自走車の先端に一
体的に接続のスキツト付テレビカメラにて管内を
撮影し、これをコントロールユニツトのモニター
部に写し出すものである（自走車に接続のケーブ
ル内の一部リード線をテレビカメラに導く構成と
している）。

＜実施例＞ 以下、本発明を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

１は先端にノズル状のテレビカメラ接続部２を
設け、後端にケーブルコネクター３を設けた車体
本体で、該車体本体１の中央軸桿１ａの三方位置
に形成した足廻り基枠部１ｂに、夫々平行運動機
構部４を呈す無限軌道枠５を突設し、該無限軌道
枠５の受転輪５ａ、駆動輪５ｂ及び誘導輪５ｃに
タイミングベルト等よりなる細幅履帯６を掛け足
廻り部７とすると共に、前記平行運動機構部４の
リンク４′にレバー杆８を接続し、該レバー杆８
の基端を前記軸桿１ａに嵌めた摺動駒９に取付け
る。この摺動駒９の後部に装着した張上げ用スプ
リング１０端に、前記軸桿１ａに対し直交方向に
回転操作する管径調整手段１１の内側に介在した
円筒カム駒１２を接衝する。また、前記三方位置
に配す足廻り基枠部１ｂの各中間部分にベルト駆
動用となる可逆転の小型モータ１３を夫々配設
し、該モータ１の軸１３ａ端に設けたベベルギヤ
ー１４を、前記駆動輪５ｂに設けたベベルギヤー
１４′に噛合させた独立駆動方式とし、全体とし
て細径管路用自走車１５となる。

次に、この作用を説明すると、先ず電纜管とか
下水枝管の如き細径管Ａ内を検査するに際し、自
走車１５の先端に突設した一定長さをもつテレビ
カメラ接続部２に、下部に所定のスキツド１６を
取付けてなる円筒型テレビカメラ１７の後端のコ
ネクター部１８を直接接続する。勿論、このとき
のスキツド１６の脚高はテレビカメラ１７のレン
ズ部１７ａが細経管Ａの中心に来るものを予め装
着する。また、自走車１５の後端のケーブルコネ
クター３にテレビ、モータ、制御用のケーブル１
９を接続し、且つ案内索条２０を後端の連結片２
１に結び付けるものである。

ここにおいて、前後位置に一体的に連結された
テレビカメラ１７と自走車１５を所定の細径管Ａ
に搬入する。この場合、三方に配す細幅履帯６は
スプリング１０の弾撥を受けた摺動駒９が前方へ
移動し、該摺動駒９に連結のレバー杆８がリンク
４′を押して枢着基点２２を基点として起立させ
るため、この平行運動機構部４が押拡げられ細幅
履帯６位置が細径管Ａの径より拡がつているの
で、該細幅履帯６を一旦中心側へ向くよう押圧し
乍ら細径管Ａ内に収める（セツトする）。この後、
細径管Ａの外方（下水管路にあつては、マンホー
ル外方となる地上位置）に別途配置したコントロ
ールユニツト２３を適宜操作し、テレビカメラ１
７で撮影した影像をモニター２４に映し出す。

次に、細径管Ａ内のテレビカメラ１７及び自走
車１５を前進させるに当り、コントロールユニツ
ト２３の遠隔操作で自走車１５自体に組込んだ３
個のモータ１３を駆動すれば、該モータ１３に連
動させるベベルギヤー１４，１４′を介し細幅履
帯６の駆動輪５ｂを回動するため、該駆動輪５ｂ
に一部を掛けてなる細幅履帯６が回転する。この
場合、細幅履帯６はスプリング１０の弾撥で平行
運動機構部４を外方（管内壁面側）へ張上げ所定
の圧接度をもつてなるため、該細幅履帯６は管内
壁面Aaに対し滑ることなく摺接し走行するのと
なる。このように自走車１５が前進すれば、一体
連結のテレビカメラ１７も前進し前方の管内の撮
影するもとなる。このテレビカメラ１７と自走車
１５を繋ぐノノズル状テレビカメラ接続部２はフ
レキシブル構造を呈し多少の可撓性をもち連結の
衝撃に追従し得る。しかもテレビカメラ接続部２
及びこれと直線上となる車体本体１の中央軸桿１
ａ内にテレビ用リード線１９ａが配線してなる。
尚、自走車１５を抜き取るにはモータ１３を逆転
させればよい。

また、径管の異なる細径管Ａの自走に当つて
は、自走車１５の後端位置の管径調整手段１１を
廻し、該管径調整手段１１の作動突部１１ａが円
筒カム駒１２の溝１２ａを摺動するため、該円筒
カム駒１２が従動し軸桿１ａを前摺動（又は後摺
動）し、該円筒カム駒１２の前部に装着のスプリ
ング１０の弾撥力を変えることで、該スプリング
１０に押圧される摺動駒９、レバー杆８を介し平
行運動機構部４が押され細幅履帯６の張上げ圧を
上げ（又は下げ）、太径管（又は細径管）にみあ
う所定の圧接度を得るものである。

＜発明の効果＞ 上述のように本発明の細径管路用自走車は、軸
桿となる車体本体の三方にリンク機構にて外方へ
の張上げを変える無限軌道帯となる細幅履帯を平
行運動機構部をもつて突設すると共に、この各細
幅履帯間に夫々独立の駆動となるモータを配す構
成としたことにより、極めて外径幅の小さいコン
パクトとなるテレビカメラを含まない自走車自体
となるため、従来全く対処し得なかつた130〜200
mm径の細管への搬入が出来る。しかも、この三方
のベルト構造となる細幅履帯は、管径調整手段の
回転に伴うスプリングの弾撥力の変更だけで管内
壁面に対する圧接度を変えられるため、各径管に
あつて滑りを招かない自走を得る。勿論、この細
幅履帯は管内壁面に対し３点接触となるため、横
転のない安定走行が出来る。また、自走車に連結
するテレビカメラは、車体本体の先端に突設の一
定のノズル状テレビカメラ接続部に円筒型テレビ
カメラを直接繋ぐ構成を採るため、該テレビカメ
ラと自走車の間隔は常に一定であり、安定した影
像を別のコントロールユニツトのモニターに映し
出し正確な管内検査がなされる。更に、この３基
の細幅履帯は夫々独立のモータを備えるため、小
型モータでよく、この点からも装置全体がコンパ
クトとなり、且つ強力な駆動力を得る等の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
側面図、第２図は平面図、第３図は正面図、第４
図は背面図、第５図はテレビカメラを接続した斜
面図、第６図は細幅履帯の要部を示す斜面図、第
７図はモータの伝達機構を示す平面図、第８図は
管径調整手段の内部を示す説明図、第９図は下水
管使用状態を示す説明図である。 １……車体本体、２……テレビカメラ接続部、
４……平行運動機構部、４′……リンク、５……
無限軌道枠、６……細幅履帯、９……摺動駒、１
０……スプリング、１３……モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端にテレビカメラ接続部を、後端にケーブ
   ルコネクターを設けた車体本体の中央軸桿の三方
   外周位置に、長手方向へ平行となる平行運動機構
   を呈する無限軌道枠を夫々突設し、各無限軌道枠
   に夫々側部配置の可逆転型モータで回転する細幅
   履帯を掛け張りし足廻り部とすると共に、この各
   無限軌道枠に連結の管内壁面繰出し用のレバー杆
   端を、前記中央軸桿に嵌合の単一の摺動駒に連結
   し、且つ該摺動駒をスプリングを介し円筒カム駒
   に連絡し管径調整手段で可動自在としてなること
   を特徴とした細径管路用自走体。