JPH0327306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は真空しや断器に関し、特にしや断部に
真空バルブを有し、真空バルブに接続した断路接
続端子により盤側との接続を行うようにした引出
し型真空しや断器に関する。

〔従来技術とその問題点〕

真空しや断器に用いられる真空バルブは、真空
中での電気的絶縁耐力が非常に大きいことと、真
空中ではしや断時の消弧作用の顕著なことに着目
して、高真空とした容器中で電流のしや断を行わ
せるように構成したもので、かかる真空バルブも
近年では技術の進歩に伴ない著しく小形化されて
きており、このような小形の真空バルブを用いて
安全度がたかく、しかも小型で廉価に得られる真
空しや断器の開発が強く要望されている。

しかしながら、従来のこの種の真空しや断器に
あつては、真空バルブが小形化したにもかかわら
ず、真空バルブの固定接触子側および可動接触子
側お外部に露出している端子部は大きい定格電流
を保証するために冷却効果を期待して大きい冷却
面積が保持させるようにする必要があり、いきお
い大型の露出充電部が形成されている。

すなわち、このように真空バルブ中の発生熱を
大きい露出充電部で放熱させるようにすると、真
空しや断器の小形化が困難であるのみならず絶縁
上の安全性が低下する。

そこで、絶縁上の安全性を高めるために、絶縁
材で真空バルブおよびその露出充電部を被覆する
ことが考えられるが、このような対策は逆にこの
部の温度上昇を招くことになるので、部分的に充
電部を露出させる方式が採用されてきた。しか
し、このような方式のものでもなお安全上の問題
点が残る。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上述したような問題点に鑑み
て、真空バルブの端子近傍の接続部を絶縁箱に収
納すると共に盤側と接続する断路接続端子を露出
充電部として放熱容易な形状となし、小形でしか
も安全度の高い真空しや断器を提供することにあ
る。

〔考案の要点〕

すなわち、本考案は導体板の板面を上下方向と
なして対向位置に配置した刃形の断路接続端子
と、導体板の間に導体板に平行に設けた冷却板と
を備え、冷却板により断路接続端子を冷却するよ
うにしたことを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下に、図面を参照しながら本考案を説明す
る。

第１Ａ図および第１Ｂ図は本考案真空しや断器
の概要を示し、ここで１は引出型としたしや断器
の操作部、２はしや断部であり、しや断部２には
真空バルブ３がこれを囲繞するように設けた絶縁
箱５の内に取付けられており、真空バルブ３に接
続する断路接続端子４が絶縁箱５の端縁５ｃ側に
設けられている。更に６は操作部１から得られる
操作力をしや断部２に伝達する操作レバーであ
る。

なお、ここで、しや断部２および断路接続端子
４は共に相に合わせて並列に配置されるので相間
距離ｄを適切に設定する必要があるが、しや断器
をコンパクトなものとするにはこの相間距離ｄを
できるだけ短縮することが望ましい。相間距離ｄ
は相隣る接続端子４間の空間距離d₁と接続端子４
の幅d₂との寸法の設定如何によつて得られるもの
であるが、本考案によれば、後述する理由により
相間距離ｄを十分短く設定することができる。

第２Ａ図、第２Ｂ図および第２Ｃ図はそのしや
断部２の詳細を示し、ここで５Ａおよび５Ｂは絶
縁箱５に一対化して固定された支持部材および真
空バルブ取付け部材である。３Ａは真空バルブ３
の固定接触子側端子であり、この端子３Ａはバル
ブ取付け部材５Ｂに中間導体７と共に取付けねじ
８により強固に固着され、更に中間導体７には断
路接続端子４がボルト９により固定してある。

３Ｂは真空バルブ３の可動接触子棒であり、可
動接触子棒３Ｂと絶縁ロツド１０とは継手部材１
０Ａによつて連結してあり、絶縁ロツド１０を介
して可動接触子棒３Ｂを動作させ、真空バルブ３
中でのしや断を行わせることができる。

更に可動接触子棒３Ｂには可撓導体１１の一端
が固定してあり、可撓導体１１の他端は支持部材
５Ａとこの側の断路接続端子４との間に挟持され
た状態でボルト９により固着されている。

なお、ここで、この側の断路接続端子４と可撓
導体１１との接続部および固定接触子３Ａ側の断
路接続端子４と中間導体７との接続部は共に絶縁
箱５の端縁５Ｃより絶縁箱５の内側に位置するよ
うに設定しておく。

更にここで、断路接続端子４の端子片４Ａは第
２Ｃ図に示すように、ほぼコの字型に板材で形成
してあり、端子片４Ａの互いに対向する先端部４
Ｂは弓形に内に向けて湾曲を持たせると共に、先
端部４Ｂの内側には突出部４Ｃを設けて、盤側の
固定断路接触子２０との間に良好な接触状態が得
られるようにしてある。

更にまた、端子片４Ａにはその自由端から先端
部４Ｂおよびこれに続く部分に第２Ｂ図に示すよ
うなスリツト４Ｄおよび４Ｅが設けられていて、
スリツト４Ｅを介して接触ばね１２を有するばね
保持部材１３が所定位置に定置されるようになさ
れており、このばね１２のばね力により先端部４
Ｂの突出部４Ｃを接触子２０に向けて当接し、そ
の間に十分な接触圧力を保持させている。

なお、第２Ｃ図で先端部４Ｂにおける突出部４
Ｃ間の保持距離W₁は、一般にナイフエツジを有
する盤側の接触子２０の板厚に関連して設定され
るものであるが、通常の場合４〜10mm程度であ
り、一方端子片４Ａをしや断部２側に固定するた
めには第２Ｃ図に示すようにその固定フランジ部
４Ｆにおいて、少なくともボルト９締付のための
スペース幅W₂が必要である。

そこで、本例では固定フランジ部４Ｆの内面
と、これに続く両側の端子片４Ａの内面とで形成
される空間部３０に、上述したスペース幅W₂を
内法幅として保持させるようにしたコの字形状の
フイン３１を設けるようにする。なお、ここで先
端部４Ｂにおける端子片４Ａの外法間の幅は、固
定フランジ部４Ｆにおけるその外法での幅d₂に比
して十分小さくなるよう形成されるので、空間部
３０にフイン３１を取付けるだけのスペースを保
持させることができるのはいうまでもない。

更にまた、上述したように、断路接続端子４と
可撓導体１１との接続部や固定接触子側の断路接
続端子４と中間導体７との接続部を共に絶縁箱５
の端縁５Ｃより内側に配置したことにより、相間
の絶縁性が良好に保たれることで、相間距離ｄを
十分小さく保つことができる。

なお、本例ではフイン３１の板面を端子片４Ａ
の面と平行にすると共に、空間部３０の中央部を
除く両側の対称位置に２枚のフイン３１を配置し
ているが、その配置するフイン３１の枚数に関し
ては２枚に限られるものではなく、空間部３０の
設定寸法如何によつて適切な枚数とすればよいこ
とはいうまでもない。

更にまた、フイン３１の上下方向の幅を例えば
第２Ｂ図に破線で示したように端子片４Ａの板幅
より大きくなして、それだけ放熱面積を大きくす
ることもできる。

このように構成した真空しや断器にあつては、
最も温度上昇をきたす断路接続端子４と可撓導体
１１との接続部および断路接続端子４と中間導体
７との接続部において、露出充電部とした断路接
続端子４を板面が上下方向の導体板を対向位置に
配置して形成した刃形接続端子となして、その固
定フランジ部の近傍の空間部３０に板面が上下方
向のフイン３１を設けたことによつて、大きい放
熱面積が確保されることと、空気の対流作用とで
良好な冷却効果が得られ、しかも相間の絶縁耐力
はフイン３１を設けたことによつて低下すること
がない。

更にまた、上述した接続部が絶縁箱５の中に配
置されるようにしてあるので、相間距離ｄを十分
小さく保つてしかも大定格電流に適応した小形の
真空しや断器とすることができる。

〔考案の効果〕 以上説明したように、本考案によれば、露出充
電部とした断路接続端子を板面が上下方向の導体
板による対向形態の刃形接続端子となして、更に
この対向する導体板の間に導体板と平行な冷却面
を有する冷却フインを接続端子に結合させて設け
たので、高温になりがちな断路接続端子の中間導
体の接続部が、絶縁耐力の低下や相間距離の増大
を招くことなくして、効率良く冷却することがで
き、小形であるにかかわらず大きい定格電流容量
用とすることができる。

更に、真空バルブ側に接続する中間導体と断路
接続端子との接続部を真空バルブと共に絶縁箱に
収納することによつて相間の絶縁性を良好に保つ
ことができ、その安全性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図および第１Ｂ図は本考案真空しや断器
の構成の概要を一例として示すそれぞれ側面図お
よび上面図、第２Ａ図はそのしや断部の詳細を示
す正面図、第２Ｂ図は第２Ａ図のＡ−Ａ線断面
図、第２Ｃ図は第２Ｂ図のＢ−Ｂ線から見た部分
断面図である。 １……操作部、２……しや断部、３……真空バ
ルブ、３Ａ……端子、３Ｂ……可動接触子棒、４
……断路接続端子、４Ａ……端子片、４Ｂ……先
端部、４Ｃ……突出部、４Ｄ，４Ｅ……スリツ
ト、４Ｆ……フランジ部、５……絶縁箱、５Ａ…
…支持部材、５Ｂ……取付け部材、５Ｃ……端
縁、６……操作レバー、７……中間導体、８……
取付けねじ、９……ボルト、１０……絶縁ロツ
ド、１１……可撓導体、１２……接触ばね、１３
……ばね保持部材、２０……接触子、３０……空
間部、３１……フイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導体板の板面を上下方向にして対向位置に配置
   した断路接続端子と、前記導体板の間に該導体板
   に平行に設けた冷却板とを備え、該冷却板により
   前記断路接続端子を冷却するようにしたことを特
   徴とする真空しや断器。