JPH0326961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （利用分野） 本考案は自転車用車輪、特に、スポーク部が円
板状部材からなる自転車用車輪に関し、アルミニ
ユウムハニカム等、薄板製の筒体を厚さ方向の姿
勢で並列させたハニカムコア板を用いたいわゆ
る、デイスクホイール式の自転車用車輪に利用で
きる。

（従来技術及びその問題点） この種自転車用車輪は、自転車走行時の空気抵
抗低減及び車輪の剛性の向上の要求から、競技用
の自転車に利用され、第４図に示すようにリム１
とハブ３とをデイスク２，２で接合する構成をと
る。デイスク２は円板状でハブ３からリム１の側
面部１１，１１までを全域的に被覆する構成とな
るから、線材製スポークが露出する形式のものに
くらべてハブ３とリム１との間の空気抵抗が少な
くなり、しかも、デイスク２を構成する材料を軽
量化していることから、車輪の重量増も低く抑え
られる。

ところが、上記従来のデイスクホイール式の車
輪では、ハブ３とデイスク２，２との同心性は確
保され易いが、リム１とデイスク２及びハブ３と
の同心性を高めることが非常に困難であつた。

リム１とデイスク２とは接着のみによつて接合
され、しかも、デイスク２，２の周縁がリム１の
側面部１１の平滑面に添設されるだけであるか
ら、この添設位置にズレが生じ易く、また、走行
時、両側よりブレーキゴムで挟圧することにより
制動効果を発揮するキヤリパーブレーキ等の使用
によりデイスクの破壊が増大し、このズレがその
ままデイスク２とリム１相互との偏心となるから
である。

（技術的課題） 本考案は、このような、ハブ３とリム１とを板
状のデイスク２で接合連結したものにおいて、リ
ムとデイスクとが相互に偏心することなく一体化
されるようにするため、且つキヤリパーブレーキ
等の使用を可能とするために、リム１がデイスク
２の周縁に同心状態で外嵌されるようにすること
をその課題とする。

（技術的手段） 上記技術的課題を解決するために講じた本考案
の技術的手段は、ハブとリムとをデイスクで接合
連結したものにおいて、デイスクを芯材とこの両
面に設けた表面板２２，２２とからなる板材と
し、該デイスクの中央にハブ３挿入用の取付孔２
１を設けてこの取付孔にハブ胴３１を挿入してデ
イスク２をフランジ３２と補助フランジ３３とに
より挟持固定し、他方デイスクの外周縁に外周側
がタイヤ載置のために円弧状の凹部１３となつた
コ字形で且側面部１１，１１の内面に段部１２，
１２が形成された断面が連続する環状体のリムを
外嵌し、前記段部１２，１２とデイスクの外周縁
とが当接するようにしたことである。

（作用） 本考案の上記技術的手段は次のように作用す
る。

デイスク２とハブ１とは、取付孔２１へのハブ
３の挿入固定により同心状態に取付けられてい
る。又、リム１はその断面がコ字形であり、その
側部内面には段部１２が形成され、この段部が前
記デイスク２の外周縁に当接した状態で外嵌し且
接着された状態になる。リム１はその断面が一様
であるから、この接着状態では、段部１２から外
周縁までのリム部分がデイスク２の周縁に当接す
る状態となり、リム１とデイスク２とが同心状態
に取付けられていることとなる。また、ブレーキ
ゴムはデイスクの外周縁に外嵌されているリムの
側面部に当接されることとなる。

（効果） リム１の側部内面の段部１２がデイスク２の周
縁に当接した状態でリム１とデイスク２とが全域
的に接着されたものであるから、段部１２の上記
した位置決め効果により、リム１とデイスク２と
が偏心することなく一体化される。

デイスク２は一枚だけであるから、リム１の側
部に生じるリムとデイスク周縁との接合部が相互
にズレることがない。従来の二枚デイスク方式で
は、リム１に対するデイスク２，２の取付位置が
相互にズレることもあるが、この考案によればか
かる不都合も生じない。

さらに、リム１の側面部１１が外部に露出し、
これら一対の側面部間にはデイスク２の外周縁部
が充填されるから、キヤリパーブレーキ等のブレ
ーキゴムが上記リム側面部１１に直接挟圧するか
らデイスクに影響することがないため、公知のキ
ヤリパーブレーキがそのまま利用できる利点があ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図〜第３図に基づ
いて説明する。

この実施例では、デイスク２として芯材をアル
ミニユウム製のハニカムコア２０とし、この両面
に接着される同様のアルミニユウム製の表面板２
２，２２とからなる板材を採用し、中央にハブ挿
入用の取付孔２１が形成されその内径が後述のハ
ブ胴３１の外径と一致する。

ハブ３はフランジ３２とハブ胴３１とが一体と
なつた主体３０と、このハブ胴に外嵌し前記フラ
ンジ３２にネジ止めされる補助フランジ３３とか
らなり、ハブ胴３１をデイスク２の取付孔２１に
挿入してデイスクと接着し、フランジ３２と補助
フランジ３３とを相互に複数の締付ネジ４，４で
ネジ止めすることによりデイスク２とハブ３とが
一体化される。

リム１は、外周側はタイヤを載置させるため円
弧状の凹部１３となつたコ字形で且側面部１１，
１１の内面に段部１２が形成された断面が連続す
る環状体で一部開放し、第２図の如く、その開放
端１４，１４相互を拡げた状態でデイスク２の外
周縁に外嵌させ、段部１２，１２とデイスク２の
外周縁とが当接した状態で接着してデイスク２と
固着する。この時、前記開放端１４，１４相互が
互いに接合する。

この実施例のものでは、既述した効果に加えて
ハブ３の取付が簡単であり、しかも、ハブ３とデ
イスク２とが芯振れする心配もない。ハブ胴３１
を取付孔２１に嵌合させるだけで、デイスク２と
ハブ３との同心性が確保されるからである。

尚、上記実施例ではデイスク２として、アルミ
ニユウム製のハニカムコア２０と表面板２２との
組み合せを採用したが、これをアラミド樹脂ある
いはカーボン繊維を用いたものとしてもよい。さ
らには、表面板２２，２２内に発泡材を充填する
構成も採用可能である。

また、バルブ５の部分については、第３図の如
く、バルブ挿入用の補助チツプ５０を別体に構成
し、この補助チツプ５０を、リム１をデイスク２
に接着固定する時点でデイスク２とともに同時に
接着固定するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部断面図、第２図は
接着工程の説明図、第３図はバルブ５の近傍の特
殊な実施例の説明図、第４図は従来例の説明図で
あり、 図中、１……リム、１１……側面部、１２……
段部、１３……凹部、２……デイスク、２０……
ハニカムコア、２１……取付孔、２２……表面
板、３……ハブ、３１……ハブ胴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハブとリムとをデイスクで接合連結したものに
   おいて、デイスクを芯材とこの両面に設けた表面
   板２２，２２とからなる板材とし、該デイスクの
   中央にハブ３挿入用の取付孔２１を設けてこの取
   付孔にハブ胴３１を挿入してデイスク２をフラン
   ジ３２と補助フランジ３３とにより挟持固定し、
   他方デイスクの外周縁に外周側がタイヤ載置のた
   めに円弧状の凹部１３となつたコ字形で且側面部
   １１，１１の内面に段部１２，１２が形成された
   断面が連続する環状体のリムを外嵌し、前記段部
   １２，１２とデイスクの外周縁とが当接するよう
   にしてなる自転車用車輪。