JPH032656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、排気に伴う騒音の大きな大型タービ
ン、ブロアーその他の大型原動機の排気管に接続
して用いる消音器に関するものである。

「従来の技術」 従来大型のタービンやブロアーその他の大きな
騒音を伴う排気量の多いそして高い排気熱を伴う
ことのある大型原動機の排気管に接続する消音器
においては、そのまま直線的に低い位置で流勢の
強い高温の排気を外部に放出することは近接する
事物に不測の障害を与え且つ危険であるため大型
原動機の排気管に連らなる導気管部と直角に消音
筒部を設けて排気の流送方向を直角に方向転換し
天空に向け、或いは危険性のない側方に向けて排
出するようにしている。

「考案が解決しようとする問題点」 上記のように従来の斯の種の大型原動機用の消
音器は、大きな騒音を伴う排気を導入する導気管
部と直角に消音筒部を設けて排気の流送方向を障
害を起す虞のない方向に転換するようにしている
が、消音筒部の構成は外周面にガラスウール等の
吸音材を配設した単一の多孔吸音筒体、或いは更
に内部に同様構成の内部多孔吸音筒を配した二重
筒構成の消音筒部にし、主として吸音材による吸
音作用で騒音を除去するようにしているために、
消音筒部を可成り長くしないと所期の消音効果が
得られず、限られた場所での設置が困難になる。

本考案は上記のような従来の大型原動機用の消
音器における不都合な点を解消して、比較的に短
い筒体内で複数回の拡散と絞りとで減音と相互干
渉による吸音作用を合理的に行わせると共に複数
配置の内部吸音筒による吸音作用で大きな騒音を
適切に消去し得るようにした消音器を提供するこ
とを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 本考案は上記の目的を達成するために次の如き
手段を講じている。

先ず外被筒体の側部に設けた導気管部から第一
拡散室に排気を伴う排気を通じて拡散減音させる
と同時に方向転換案内兼吸音壁体で吸音させつつ
直角方向に向きを転換させる。

次いで、上記の如くして減音させ向きを転換さ
せた騒音の一部を複数の絞り孔で絞り、第二拡散
室で拡散並びに反射拡散させ相互干渉を行わせ、
更に第二拡散室から上記複数の絞り孔で再び絞つ
て第一拡散室内で拡散させる。

而して、上記第二拡散室から第一拡散室への再
拡散と導気管部からの拡散とを相互干渉させ、次
いで最終過程として周面に吸音材を配設した複数
の並行配置の多孔吸音筒を通過させ、外被筒体の
排出口部から外部に放出するようにしたのであ
る。

「作用」 本考案は上記のように導気管部から導入した排
気に伴なう騒音を第一拡散室で拡散減音させると
同時に方向転換案内兼吸音壁体で吸音させつつ直
角方向に向きを転換させ、一部を複数の絞り孔で
絞つて第二拡散室内で拡散減衰させ且つ反射拡散
させて相互干渉させ消音する。

更に第二拡散室から上記複数の絞り孔で絞つて
第一拡散室内へ再拡散させ減音させ、且つこの拡
散と導気管部からの拡散とを相互干渉させて消音
させ、且つ最終的に並行配置せる複数の多孔吸音
筒を通過させその周面の吸音材で吸音させるよう
にしたから、大きな騒音を方向転換させて再度の
拡散減音と相互干渉及び吸音作用とで確実に消去
することができる。

「実施例」 次に本考案の実施の一例を図面に就いて詳しく
説明する。

排出口部１を設けた有底の外被筒体２を形成
し、該外被筒体２の底部３と、外被筒体２内に張
設した下部区劃兼絞り孔板４との間に第一拡散室
５を形成し、且つ下部区劃兼絞り孔板４と外被筒
体２内に張設した上部区劃板６との間に第一拡散
室５よりも大きな第二拡散室７が形成してある。

上記外被筒体２の底部３寄の一側には、上向傾
斜に切断せる開口８を第一拡散室５内に臨ませた
導気管部９が外被筒体２に対して直角に設けてあ
り、且つ該導気管部９の開口８の前方に位置して
第一拡散室５内には、方向転換案内兼吸音壁体１
０が配設してある。

上記方向転換案内兼吸音壁体１０は、下端を拡
開した円弧状の多数の小孔１１を有する多孔板１
２を表面しガラスウールその他の吸音材１３を充
填した框体１４になり、該框体１４の背面には、
中央部に沿つて補強兼係合板１５が設けてあり、
該補強兼係合板１５の上端を外被筒体２の内部に
固着した一対の係合片１６，１６の間に摺動可能
に介入させて方向転換案内兼吸音壁体１０の上端
を非固定状態に保ち、且つ方向転換案内兼吸音壁
体１０の拡開せる下端を外被筒体２の底部３の内
面中央部に固定して、高い熱を受けて方向転換案
内兼吸音壁体１０が膨張した場合に上方に向い摺
動調整可能にしてある。

また第二拡散室７の内部中心並びに周辺に等間
隔にガラスウールその他の吸音材１３を外周面に
配設した多孔吸音筒１７が複数配置してあり、該
各多孔吸音筒１７のそれぞれ下端は下部区劃兼絞
り孔板４を貫いて第一拡散室５の内部に臨ませて
あり、各多孔吸音筒１７のそれぞれ上端は、上部
区劃板６を貫いて上部区劃板６と排出口部１との
間の連通空間１８内に臨ませてある。

更に上記下部区劃兼絞り孔板４の周辺には、上
記等間隔に複数配置された多孔吸音筒１７相互間
に位置して複数の三角形状の絞り孔１９が設けて
あつて、第一拡散室５からの騒音は複数の絞り孔
１９で絞られて第二拡散室７に入つて拡散され上
部区劃板６に当つて撥ね返され乱拡散し相互干渉
して消音し合い再び上記複数の絞り孔１９で絞ら
れて第一拡散室５内へ再拡散され導気管部９から
出て第一拡散室５で拡散された音波と相互干渉し
更に複数の多孔吸音筒１７を通り連通空間１８を
経て排出口部１から外部に通じるようにしてあ
る。

上記本考案の実施例においては縦に設置した状
態で説明したが横置きにして用い得ることは勿論
である。

尚、図面中の符号２０は取付用脚部である。

「考案の効果」 本考案は上記のように構成してあるから、ター
ビン、ブロアーその他の大型原動機の排気管（図
示せず）に接続せる導気管部９からの騒音は、第
一拡散室５で拡散減音され且つ方向転換案内兼吸
音壁体１０によつて吸音されつつ導気管部９と直
角方向に配された複数の多孔吸音筒１７及び絞り
孔１９の方向に転じて一部は複数の絞り孔１９で
絞られて第二拡散室７で拡散減音され且つ上部区
劃板６に当つて反射乱拡散され相互干渉して消音
し合い更に再び上記複数の絞り孔１９で絞られて
第一拡散室５にでて再拡散し減音され且つ導気管
部９から第一拡散室５にでて拡散減音された騒音
と相互干渉して消音し合い斯くして効率よく減衰
された騒音は最終的に複数の多孔吸音筒１７を通
過する間に複数の多孔吸音筒１７の周面の吸音材
によつて吸音消去され騒音を除去された排気が障
害の起る虞のない方向に向けた排出口部から外部
に放出される。

即ち本考案によれば上記の如くして短い外被筒
体１内で効率よく消音作用を行なわせることがで
き、限られた狭い場所に容易に設置して大型原動
機からの大きな騒音を有効に消音し安全な方向に
排気を排出することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので第１図
は一部を切欠いた側面図、第２図は第１図におけ
るＡ−Ａ切断平面図、第３図は第１図におけるＢ
−Ｂ切断平面図である。 １……排出口部、２……外被筒体、３……底
部、４……下部区劃兼絞り孔板、５……第一拡散
室、６……上部区劃板、７……第二拡散室、８…
…開口、９……導気管部、１０……方向転換案内
兼吸音壁体、１３……吸音材、１７……多孔吸音
筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排出口部１を設けた外被筒体２の底部３と外被
   筒体２内に張設した下部区劃兼絞り孔板４との間
   に第一拡散室５を形成し、且つ上記下部区劃兼絞
   り孔板４と外被筒体２内に張設した上部区劃板６
   との間に第二拡散室７を形成し、上記外被筒体２
   の底部３寄の一側に開口８を第一拡散室５内に臨
   ませた導気管部９を設け、該導気管部９に相対し
   て第一拡散室５内に吸音材１３を装着せる方向転
   換案内兼吸音壁体１０を配置すると共に、第二拡
   散室７内に吸音材１３を外周面に装着した多孔吸
   音筒１７を複数配設し、該多孔吸音筒１７のそれ
   ぞれ下端を第一拡散室５内に臨ませ且つ各上端を
   上記排出口部１に連通させ、更に上記複数の多孔
   吸音筒１７相互の間に位置し下部区劃兼絞り孔板
   ４に絞り孔１９を複数設けてなる大型原動機用消
   音器。