JPH03257144A - 耐焼付性および耐摩耗性のすぐれたＦ↓ｅ基焼結合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐焼付性および耐摩耗性のすぐれたＦｅ基
焼結合金に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、例えば冷蔵庫やエアコンなどに組込まれている
ロータリコンプレッサの構造部材であるベーン部材の製
造にＦｅ基焼結合金が用いられている。

また、これらの用途のＦｅ基焼結合金として、例えば特
開平１−１８８１３４９号公報に記載される、Ｃ：０．
３〜１．５％、　Ｍｏ　：　０．５〜５％、を含有し、
さらに必要に応じて、 Ｎｉ：０．１〜２％、　　　Ｃｏ：０．１〜５％、のう
ちの１種または２１！、 を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成（以
上重量％、以下組成に関する％は！Ｉｆｊｉ１％を意味
する）を有する焼戻しマルテンサイトで構成された素地
中に、 １０〜Ｓｏｕｍの平均粒径を有する金属Ｍｏで構成され
た粒状相が２〜２０％の面積率で分散した組織を有する
Ｆｅｕ焼結合金が提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来Ｆｅ基焼結合金は、上記の技術分野（用途）で
要求される耐焼付性と耐摩耗性を具備するものの、近年
のこれら機器の高速化および省力化、さらに高性能化に
伴ない、構造部材の使用条件も苛酷にならざるを得す、
このためより一層の耐焼付性および耐摩耗性が要求され
るようになっているが、上記の従来Ｆｅ基焼結合金では
、これに十分満足した対応を示すことができないのが現
状である。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明者等は、上述のような観点から、耐焼付
性および耐摩耗性にすぐれたＦＣ基焼結合金を開発すべ
く、上記の従来Ｆｅ基焼結合金に着目し研究を行なった
結果、素地中にＣおよびＭ。

のほかに合金成分としてＣｒ、Ｖ、およびＳｉを含有さ
せると、これらのうちの特にＣｒ、Ｍ。

およびＶが平均粒径でｆｏｕｎ以下の微細な析出炭化物
を形成して合金の耐摩耗性を一段と向上させるばかりで
なく、Ｃｒは素地に固溶して耐食性を向上させ、■は結
晶微細化に寄与して強度と靭性を向上させ、かつＭｏは
素地に固溶して、これを強化すると共に、後述の粒状相
を構成するＭｏ　・Ｎｉ合金およびＭｏ−Ｃｏ合金の構
成成分であるＮＩおよびＣｏの素地中への拡散を促進し
て前記粒状相の素地に対する密着性を一段と向上させ、
もってこれら粒状相によってもたらされるすぐれた耐焼
付性を長期に亘って確保する作用を発揮し、さらに上記
従来のＦｅ基焼結合金で粒状相を構成する金属Ｍｏに代
って、これをＭｏ−Ｎｉ合金（望ましくはＮＩ：１〜１
０％含有）およびＭｏ−Ｃｏ合金（同じ＜Ｃｏ：１〜１
０％含有）で構成すると、上記の通りＭｏ−Ｎｉ合金お
よびＭｏ　−Ｃｏ合金のＮｉおよびＣｏが焼結時に素地
中に拡散して強固な拡散接合を形成し、粒状相の素地に
対する密着性が一段と向上するようになるほか、ＮＩお
よびＣｏ含有の粒状相によって耐焼付性も一段と向上す
るという研究結果を得たのである。

この発明は、上記研究結果にもとづいてなされたもので
あって、 Ｃ：１〜３％、　　Ｓｉ：０．３〜１．５％、Ｃｒ：２
〜８％、　　Ｍｏ：１〜５％、Ｖ　　：０．４〜３％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｎｌ　　　二　〇、１〜２　％、　　　　Ｃｏ：０．１
〜５　％、のうちの１種または２種、 を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成を有
する析出炭化物分散のマルテンサイトで構成された素地
中に、 １０〜５０−の平均粒径を有するＭｏ−Ｎｉ合金（Ｎｉ
は１〜１０％含有するのが望ましい）およびＭｏ−Ｃｏ
合金（同じ＜Ｃｏは１〜１０％の含有が望ましい）のう
ちのいずれか、または両方で構成された粒状相が２〜２
０％の面積率で分散した組織を有する耐焼付性および耐
摩耗性のすぐれたＦｅ基焼結合金に特徴を有するもので
ある。

つぎに、この発明のＦｅ基焼結合金において、成分組成
および組織を上記の通りに限定した理由を説明する。

（１）成分組成 （ａ）　　Ｃ Ｃ成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、炭
化物を形成して硬さを高め、耐摩耗性を向上させる作用
があるが、その含有量が１％未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が３％を越えると靭性
が急激に低下するようになることから、その含有量を１
〜３％と定めた。

（ｂ）ｓｉ Ｓｉ成分には、脱酸作用があるが、その含有量が０．３
％未満では所望の脱酸効果が得られず、方その含有量が
１．５％を越えると合金に靭性低下が現われるようにな
ることから、その含有量を０．３〜１．５％と定めた。

（ｃ）　　Ｃｒ Ｃｒ成分には、焼入れ、焼戻し処理でＭｏおよびＶと共
に、平均粒径で１０−以下の微細な析出炭化物をマルテ
ンサイト組織の素地中に分散形成して、合金の耐摩耗性
を向上させ、さらに素地に固溶して耐食性を向上させる
作用があるが、その含有量が２％未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が８％を越えると
相手攻撃性が増すようになることから、その含有量を２
〜８％と定めた。

（ｄ）　　Ｍ。

Ｍｏ成分には、上記の通り微細な析出炭化物を形成して
合金の耐摩耗性を向上させるほか、粒状用を構成するＮ
ｌおよびＣｏの素地中への拡散を促進し、もって前記粒
状用が素地に対して強固に拡散接合するようにする作用
があるが、その含有量が１％未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が５％を越えると、合
金強度が低下するようになることから、その含有量を１
〜５％と定めた。

（ｅ）　　Ｖ ■成分にも、同様に微細な析出炭化物を形成して耐摩耗
性を向上させるほか、結晶粒を微細化して合金の強度と
靭性を向上させる作用があるが、その含有量が０．４％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が３％を越えると相手攻撃性が増大するようになる
ことから、その含有量を０．４〜３％と定めた。

（１’）ＮｉおよびＣ。

これらの成分には、素地に固溶して合金の強度と靭性を
向上させる作用があるので、必要に応じて含有されるが
、その含有量がＮｉおよびＣｏとも０．１％未満では前
記作用に所望の効果が得られず、一方その含有量がＮｉ
：２％、Ｃｏ：５％を越えると素地の硬さが低下し、耐
摩耗性の低下を招くようになることから、その含有量を
ＮＩ：Ｏ，１〜２％およびＣｏ：Ｏ，１〜５％と定めた
。

（２）粒状用 粒状用は、実質的にＭｏ−Ｎｉ合金、密ましくはＮｉ：
１〜１０％含有のＭｏ−Ｎｉ合金、およびＭｏ−Ｃｏ合
金、同じくＣｏ；１〜１０％含をのＭｏ−Ｃｏ合金で構
成されるが、これが合金成分として含有するＮｉおよび
Ｃｏによって粒状用による耐焼付性が一段と向上するよ
うになると共に、自体も合金成分として含有するＮｉお
よびＣｏが素地中に含有するＭｏの作用で、焼結時に素
地中に拡散し、これによって強固に拡散接合されるよう
になり、したがって上記粒状用におけるＮｉおよびＣｏ
の含有量が１％未満では、所望の耐焼付性の向上および
強固な拡散接合をはかることができないので、苛酷な条
件下での実用に隙しては焼付が発生し品＜、粒状用が剥
離し易く、摩耗の進行が速くなり、使用寿命の短命化は
避けられず、一方その含有量が１０％を越えると耐焼付
性が低下するようになることから、粒状用におけるＮｉ
およびＣｏの含有量はそれぞれ１〜１０％とするのが望
ましく、また、粒状用の平均粒径が１０μｓ未満では、
耐焼付性を十分に発揮することができず、方その平均粒
径が５０１Ｍを越えると面積率との関係で局部的に不均
一組織となり、均一摩耗をはかることができないことか
ら、その平均粒径を１０〜５〇−とする必要があり、さ
らに、粒状用の面積率が２％未満では所望の耐焼付性を
確保することができず、一方その面積率が２０％を越え
ると合金強度の低下が著しくなることから、その面積率
を２〜２０％としなければならない。

〔実　施　例〕

つぎに、この発明のＦｅ基焼結合金を実施例により具体
的に説明する。

原料粉末として、いずれも１００Ｉｌｃｓｈ以下の粒度
をもち、かつ第１表に示される成分組成をもった水アト
マイズの素地形成用Ｆｅｄ合金粉末、同２５ＤＩｌｅｓ
ｈ以下の黒鉛粉末、さらに１０〜５０虜の範囲内の平均
粒径をもち、かつ第１表に示される成分組成をもった粒
状相形成用Ｍｏ合金粉末および同金属Ｍｏ粉末を用意し
、これら原料粉末を同じく第１表に示される配合組成に
配合し、ボールミルで７２時時間式混合し、乾燥し、５
〜７　ｔｏｎ／ｃｄの範囲内の所定の圧力でｌｏｍ＋ｔ
　Ｘ　Ｌｏａｍ　Ｘ　３５龍の寸法をもった圧粉体に成
形し、これを真空中、１０７０〜１１２０℃の範囲内の
所定温度に１．５時間保持の条件で焼結し、引続いて１
０００〜１０５０℃の範囲内の所定温度からガス強制冷
却による焼入れ、および５００〜６００℃の範囲内の所
定温度に２時間保ｔ！ｊの焼戻し処理を２回旋して、１
０Ｌｔｎ以下の微細な粒径を有する炭化物が分散析出し
たマルテンサイト組織の素地を形成することにより本発
明Ｆｅ２！焼結合金１〜１７および従来Ｆｅ基焼結合金
１〜５をそれぞれ製造した。

ついで、この結果得られた各種のＦｅ、！！焼結合金に
ついて、粒状相の平均粒径および面積率、さらに理論密
度比およびロックウェル硬さ（Ｃスケール）を測定する
と共に、摩耗試験および焼付試験を行なった。

摩耗試験は、回転軸を水平とした外径４４０ｍｍＸ内径
：３０＋ｓｍＸ長さ：１５ｗのＦＣ２５製熱処理リング
（硬さ：ＨＲＣ５０）の上方から上記の各Ｍｉ　Ｆ　ｃ
基焼結合金からなる試験片（寸法：１０關Ｘ　１０ｍｍ
　Ｘ　３５■ｌ）を水平に当接させ、この状態で上記試
験片に５ｋｇの荷重を垂直にかけ、前記リングを１．２
ｍ／秒の周速で回転させ、１０分後の試験片の摩耗深さ
を表面粗さ計で測定することにより行なった。

また、焼付試験は、上記の摩耗試験で用いたのと同じリ
ングを使用し、同じく回転軸を水平としたリングの上方
から上記各種Ｆｅ基焼結合金の試験片を水平に当接させ
、リングの周速を５ｍ／秒とし、かつリングに潤滑油と
して冷凍機油を滴下する大気中ウェット方式で、試験片
への萄瓜を５分経過毎に５ｋｇづつ増加させてゆき、試
験片に焼付きが発生した時の荷重、すなわち焼付限界６
１重を測定することにより行なった。これらの測定結果
を第２表に示ｌ−だ。

また、第２表には素地のＣ含有；を示した。なお、素地
のＣｒ、Ｍｏ、Ｖ、およびＳｉ含ｈａは、原料粉末とし
て用いた素地形成用Ｆｅ基合金粉末のそれと実質的に同
一なので、その表示を省略した。

〔発明の効果〕

第１表および第２表に示される結果から、本発明Ｆｅ基
焼結合金１〜１７は、いずれも従来ＦｅＡ＆焼結合金１
〜５に比してすぐれた耐焼付性と耐摩耗性を示すことが
明らかである。

上述のように、この発明のＦＯ基焼結合金は、すぐれた
耐焼付性と耐摩耗性を有するので、これらの特性が要求
される、例えばロータリコンプレッサのベーン部材など
の製造に適用した場合、苛酷な条件下での実用に際して
もすぐれた性能を著しく長期に亘って発揮するなど工業
上白用な特性を有するのである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃ：１〜３％、Ｓｉ：０．３〜１．５％、Ｃｒ：
   ２〜８％、Ｍｏ：１〜５％、 Ｖ：０．４〜３％、 を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成（以
   上重量％）を有する析出炭化物分散のマルテンサイトで
   構成された素地中に、 １０〜５０μｍの平均粒径を有するＭｏ−Ｎｉ合金およ
   びＭｏ−Ｃｏ合金のいずれか、または両方で構成された
   粒状相が２〜２０％の面積率で分散した組織を有するこ
   とを特徴とする耐焼付性および耐摩耗性のすぐれたＦｅ
   基焼結合金。
2. （２）Ｃ：１〜３％、Ｓｉ：０．３〜１．５％、Ｃｒ：
   ２〜８％、Ｍｏ：１〜５％、 Ｖ：０．４〜３％、 を含有し、さらに、 Ｎｉ：０．１〜２％、Ｃｏ：０．１〜５％、のうちの１
   種または２種、 を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成（以
   上重量％）を有する析出炭化物分散のマルテンサイトで
   構成された素地中に、 １０〜５０μｍの平均粒径を有するＭｏ−Ｎｉ合金およ
   びＭｏ−Ｃｏ合金のいずれか、または両方で構成された
   粒状相が２〜２０％の面積率で分散した組織を有するこ
   とを特徴とする耐焼付性および耐摩耗性のすぐれたＦｅ
   基焼結合金。