JPH03253791A - スクロール流体機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適な
スクロール流体機械に関し、特に、旋回スクロールと固
定スクロールとの間に潤滑油等を供給することなく旋回
スクロールおよび固定スクロールを冷却できるようにし
たスクロール流体機械に関する。

［従来の技術］ 一般に、無給油式のスクロール流体機械はケーシングと
、該ケーシングに回転可能に支持され、該ケーシング内
に伸びる先端側がクランク軸となった駆動軸と、該駆動
軸のクランク軸に旋回軸受を介して回転可能に設けられ
、鏡板にうず巻状のラップ部が立設された旋回スクロー
ルと、前記ケーシングに設けられ、鏡板に該旋回スクロ
ールのラップ部との間で密閉空間を形成するうず巻状の
ラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロ
ールの径方向外側に位置し、該固定スクロールまたはケ
ーシングに穿設された吸込ボートと、前記固定スクロー
ルの軸中心側に穿設された吐出ボートとから大略構成さ
れている。

そして、この種のスクロール流体機械を空気圧縮機とし
て用いる場合には、駆動軸を外部からモータ等で回転駆
動することにより旋回スクロールを旋回させて、吸込ボ
ートから吸込んだ空気を旋回スクロールと固定スクロー
ルとの各ラップ部間に形成された密閉空間（圧縮室）内
で圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ボートから外部の空
気タンク等に向けて吐出させるようになっている。

〔発明が解決しようとする課題］ ところで、上述した従来技術では、圧縮作用時に旋回ス
クロールと固定スクロールとの間の圧縮室内で発生した
圧縮熱が固定スクロールや旋回スクロールに伝わる上に
、ケーシング内には駆動時に摩擦熱が発生して熱源とな
る旋回軸受やスラストすべり軸受等が配設されている。

このため従来技術では、ケーシング内が高温状態となっ
て、前記軸受の冷却性や潤滑性が低下し、軸受を早期摩
耗させたり、焼付けを発生させたりする上に、固定スク
ロールや旋回スクロールが温度上昇によって熱変形を起
こし、これによって各鏡板と各ラップ部先端との間のギ
ャップ寸法がそれぞれ変化してしまい、圧縮効率等の性
能低下を引き起こしたり、各ラップ部が接触してカジリ
が発生したりする等の欠点がある。

また、油冷型のスクロール式圧縮機では、潤滑性、冷却
性などを向上できるものの、吸込ボートとケーシング内
とが常時連通しているから、該ケーシング内の潤滑油等
が圧縮室等に吸込まれ、吐出ボートから空気等と共に油
分も吐出され、清浄な空気等を吐出できないという欠点
がある。

一方、本出願人は上記欠点を解決すべく、先に実願昭６
３−１０９４４９号、実願昭６３−１３７０８２号（以
下、先行技術という）等において、吸込ボート側をケー
シング内に対してシル部材により遮断し、ケーシング内
に潤滑油等の油液を収容しても、この油液が吸込ボート
側に漏洩するのを防止できるようにしたスクロール流体
機械を提案した。

しかし、これらの先行技術では、ケーシング内の油液な
油掻き等で掻き上げることによって旋回スクロール、軸
受等を潤滑、冷却しているに過ぎないから、固定スクロ
ールを冷却することはできない。

本発明は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもので
、本発明は固定スクロールを効果的に冷却できる上に、
軸受や旋回スクロール等を潤滑、冷却でき、さらに、圧
縮室等の密閉空間内に油分が浸入するのを防止できるよ
うにしたスクロール流体機械を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 上述した課題を解決するために本発明が採用する構成の
特徴は、前記旋回スクロールと固定スクロールまたはケ
ーシングとの間に設けられ、吸込ボートと連通ずる空間
をケーシング内に対して遮断するシール部材と、前記固
定スクロールの少なくとも鏡板に外部から冷却流体を供
給することにより該固定スクロールの鏡板およびラップ
部を冷却する冷却用流路とを備えたことにある。

〔作用〕

上記構成により、冷却用流路に外部から冷却流体を供給
すれば、該流路内を流れる冷却流体によって固定スクロ
ールの鏡板およびラップ部を冷却でき、固定スクロール
が熱変形して旋回スクロールとの間でカジリが発生する
のを防止できる上に、この冷却流体等が吸込ボート側に
漏洩するのを防止することができる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を第１図ないし第６図に基づき、
横置き型のスクロール圧縮機として用いた場合を例に挙
げて説明する。

まず、第１図および第２図は本発明の第１の実施例を示
している。

図において、ｌはケーシング本体２と前側ケーシング３
とからなるケーシングを示し、該ケーシングｌのケーシ
ング本体２は有底筒状に形成され、底部２Ａと、該底部
２Ａの内周側からケーシング本体２内に延びた軸受部２
Ｂと、底部２Ａの外周側から前側ケーシング３の方向に
延びた円筒部２Ｃとから構成されている。また、前側ケ
ーシング３は短尺の段例円筒状に形成され、その一端側
が円筒部２Ｃの先端に固着され、他端側内周には径方向
内向きに環状部３Ａが一体に突設されている。そして、
該環状部３Ａの内周側には後述する旋回スクロール６の
背面７Ｂに摺接して圧縮機として使用するときのスラス
ト方向の荷重を受承する軸受部３Ｂが形成され、該軸受
部３Ｂには旋回スクロール６との間にオルダム継手（図
示せず）が配設されるようになっている。ここで、前側
ケーシング３はケーシング本体２と後述の固定スクロー
ル１２との間に強固に挟持され、ケーシング１内を外部
に対して密閉する構造となっている。

４はケーシング本体２の軸受部２Ｂに軸線０１−０１を
中心として軸受５，５．により回転可能に支持された駆
動軸を示し、該駆動軸４の先端側はケーシング１内へと
伸長してクランク軸４Ａとなり、該クランク軸４Ａの軸
線０２−０．は駆動軸４の軸線０．−０．に対して所定
寸法δだけ偏心するようになっている。そして、該駆動
軸４の基端側はケーシング１外でモータ（図示せず）に
連結され、このモータにより回転駆動されるようになっ
ている。

６は前側ケーシング３と固定スクロール■２との間に位
置し、クランク軸４Ａに回転可能に設けられた旋回スク
ロールを示し、該旋回スクロール６は、円盤状に形成さ
れた鏡板７と、該鏡板７の前面７Ａ側に中心側が巻始め
端となり、外周側かが巻終り端となって立設されたうず
巻状のラップ部８と、該ラップ部８の径方向外側に位置
して、鏡板７の前面７Ａ側に円筒状に立設され、ラップ
部８よりも軸方向に大きく突出した筒状部９と、鏡板７
の背面７Ｂ側中央に設けられたボス部１０とからなり、
該ボス部１０内にはクランク軸４Ａが旋回軸受１１を介
して取付けられている。

ここで、鏡板７の背面７Ｂ外周側には図示しないキー溝
が周方向に所定間隔をもって形成され、該各キー溝と前
側ケーシング３の軸受部３Ｂとの間には自転防止機構と
してのオルダム継手が配設されている。そして、該旋回
スクロール６は駆動軸４を回転駆動するときに、クラン
ク軸４Ａにより寸法δの旋回半径をもった円運動が与え
られ、オルダム継手によって自転が防止され、駆動軸４
の軸線０ｌ−０１を中心にして旋回（公転）し続けるよ
うになっている。

１２はケーシング１の先端側を施蓋するように前側ケー
シング３の端面に衝合して設けられた固定スクロールを
示し、該固定スクロール１２は、その中心が駆動軸４の
軸線０．−０１と一致するように中央部側に配設された
鏡板１３と、該鏡板■３の内面側に旋回スクロール６の
ラップ部８と同様に立設されたうず巻状のラップ部１４
と、鏡板１３の外周側に位置して断面コ字形状に形成さ
れ、内部に旋回スクロール６の筒状部９および後述のシ
ール部材２０等が収容されるようになった環状の収容部
１５とから大略構成されている。

１６は前記収容部１５の開口部側に固定され、前側ケー
シング３または固定スクロール１２の一部を構成した環
状板を示し、該環状板１６には、旋回スクロール６の鏡
板７に摺接することにより、真空ポンプとして使用する
ときに該旋回スクロール６からのスラスト方向の荷重を
受承する環状の軸受部１６Ａと、固定スクロール１２の
収容部１５内に突出し、円筒状に形成された突出部１６
Ｂとが設けられている。

ここで、該固定スクロール１２のラップ部１４は旋回ス
クロール６のラップ部８と所定角度だけずらして重なり
合うように配設され、旋回スクロール６が旋回するとき
に、ラップ部８との間で連続的に縮小する複数の密閉空
間としての圧縮室１７．１７．・・・を画成するように
なっている。また、１８．１９は固定スクロール１２に
形成された吸込ボートおよび吐出ボートを示し、該吸込
ボート１８は最外周側の圧縮室１７と連通ずるように収
容部１５の外周側に穿設され、吐出ボート１９は最中央
側の圧縮室１７と連通ずるように鏡板１３の中心部に穿
設されている。

２０は旋回スクロール６の筒状部９外周面と環状板１６
の突出部１６Ｂ外周面との間に固定リング２１２２を介
して気密に固定されたシール部材を示し、該シール部材
２０は可撓性材料等からなるパツキン材料を用いて断面
Ｕ字形状に形成され、第１図に示す如く湾曲部２ＯＡの
位置で断面Ｕ字形状に折り返した形状となっている。こ
こで、該シール部材２０は収容部１５内に吸込ボート］
８と連通する空間としての吸込室Ａを画成するようにな
っている。そして、該シール部材２０は吸込室Ａが環状
板１６の軸受部１６Ａ、鏡板７間等を介してケーシング
１内の室Ｂと連通ずるのを確実に遮断し、これらの室Ａ
、Ｂ間をシールする構成となっている。

２３はケーシング本体２の円筒部２Ｃ内に位置して駆動
軸４に嵌合固着され、ケーシング１内に収容された潤滑
油等の油液２４をケーシング本体２内に掻きあげるため
の円板、２５は該円板２３に設けられたカウンタウェイ
トを示し、該カウンタウェイト２５は駆動軸４の回転バ
ランスをとる構成となっている。２６は軸受部２Ｂと駆
動軸４との間に設けられたオイルシールを示し、該オイ
ルシール２６は油液２４がケーシング１外に漏洩するの
を防止している。

２７は前記固定スクロール１２の鏡板１３等に形成され
た冷却用流路を示し、該冷却用流路２７は第２図に示す
ように、鏡板１３の直径方向に伸びる径方向通路２７Ａ
、２７Ａと、吐出ボート１９から径方向にそれぞれ離間
して位置し、該径方向通路２７Ａと連通ずるよう順次拡
径してそれぞれ同心円状に形成された環状通路２７Ｂ、
２７Ｃ１２７Ｄとから大略構成されている。そして、該
流路２７の各径方向通路２７Δは固定スクロール１２の
収容部１５中へと伸び、その一方は収容部１５に形成し
た冷却流体の流入口２７Ｅと連通し、他方は収容部１５
に形成した冷却流体の流出口２７Ｆと連通ずるようにな
っている。

さらに、２８は前記冷却用流路２７に冷却流体を供給す
るための冷却源を示し、該冷却源２８は１ ２ 冷却流体としての冷却油を貯蔵するタンクと、該タンク
内の冷却油を吐出口２８Ａ側から吐出配管２９内に吐出
させるポンプと、戻し口２８Ｂ側からタンク内に戻って
くる冷却油を冷却するためのオイルクーラ、ファン（い
ずれも図示せず）等とから構成され、前記吐出口２８Ａ
からポンプにより吐出された冷却油は吐出配管２９を介
して冷却用流路２７の流入口２７Ｅに流入し、径方向通
路２７Ａ、各環状通路２７Ｂ、２７Ｃ，２７Ｄ内を流通
する間に固定スクロール１２の鏡板１３およびラップ部
１４等を冷却しつつ、流出］コ２７Ｆから戻し配管３０
、戻し口２８Ｂを介してタンク内へと戻されるようにな
っている。

本実施例によるスクロール式の空気圧縮機は上述の如き
構成を有するもので、次にその作動について説明する。

駆動軸４をモータによって回転駆動すると、この回転は
クランク軸４Ａから旋回軸受１１を介して旋回スクロー
ル６に伝えられ、該旋回スクロール６は駆動軸４の軸心
な中心とし、寸法δの旋回半径をもって旋回するように
なり、該旋回スクロール６のラップ部８と固定スクロー
ル１２のラップ部１４との間に画成される各圧縮室１７
を連続的に縮小させ、吸込ボート１８から吸込んだ空気
を各圧縮室１７内で圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ボ
ート１９から順次外部の空気タンク（図示せず）等に吐
出させることによって圧縮作用を行う。また、駆動軸４
に設けた円板２３はケーシング１内の油液２４を掻きあ
げて旋回スクロール６、旋回軸受１１、各軸受部３Ｂ、
１６Ａ等に油液２４を供給して、これらの潤滑、冷却を
行う。

ここで、当該空気圧縮機は吸込ボート１８に連通する吸
込室Ａ、各圧縮室１７とケーシング１内の室Ｂとがシー
ル部材２０によって遮断されているから、圧縮作用を開
始すると、室Ｂ側は大気圧状態に維持されるのに対して
圧縮室１７側は徐々に加圧されて高圧状態となり、旋回
スクロール６は前側ケーシング３の軸受部３Ｂに押圧さ
れ、該軸受部３Ｂは鏡板７の背面７Ｂに摺接しつつ、ス
ラスト方向の荷重を受承する。

また、冷却源２８の吐出口２８Ａから吐出配管２９を介
して吐出された冷却油は、流入口２７Ｅを介して冷却用
流路２７の径方向通路２７Ａおよび各環状通路２７Ｂ、
２７Ｃ，２７Ｄ内にそれぞれ供給される。そして、この
冷却油は各環状通路２７Ｂ、２７Ｃ，２７Ｄを流通する
ときに固定スクロール１２の鏡板１３およびラップ部１
４等を冷却し、径方向通路２７Ａを介して流出口２７Ｆ
から戻し配管３０、戻し口２８Ｂを介して冷却源２８の
タンク内に戻る。また、鏡板１３、ラップ部１４等に発
生する熱を奪って冷却源２８のタンク内に戻った冷却油
はオイルクーラによって熱交換され、ポンプにより再び
冷却用流路２７に向けて吐出されるから、固定スクロー
ル１２の鏡板１３、ラップ部１４等を連続的に冷却する
ことができる。

かくして、本実施例によれば、固定スクロール１２の鏡
板１３等に冷却用流路２７を形成し、該冷却用流路２７
に冷却源２８からの冷却油を連続して供給する構成とし
たから、固定スクロール１２の鏡板１３およびラップ部
１４等を効果的に冷却することができ、固定スクロール
１２の熱変形を防止することができる。さらに、シール
部材２０により吸込室Ａとケーシング１内の室Ｂとの間
を遮断し、該室Ｂ内に油液２４を収納し、該油液２４を
円板２３等でケーシング本体２内に掻きあげる構成とし
たから、旋回軸受１１．軸受部３Ｂ等に油液２４を連続
して供給でき、これらを効果的に潤滑、冷却でき、旋回
スクロール６の熱変形、軸受部３Ｂ等の摩耗および焼き
付けを防止できる。

従って、旋回スクロール６および固定スクロール１２を
冷却することによって、各ラップ部８゜１４間のカジリ
を防止することができ、吐出空気の温度を低減できる上
に、各鏡板７．１３と各ラップ部８．１４の先端とのギ
ャップ寸法をそれぞれ適正に保つことができ、圧縮効率
および耐久性を大幅に向上させることができる。

さらに、シール部材２０は可撓性材料によって　５ ６ 形成したから、旋回スクロール６の旋回運動にスムーズ
に追従して、室Ｂ内の油液２４が吸込室Ａ側に漏洩する
のを確実に防止でき、外部に油分離機、圧力制御弁、温
度調節弁等の補益を設けることなく、吐出ボート１９か
ら清浄な圧縮空気をローコストに得ることができる上に
、固定スクロールを冷却しているため、シール部材の寿
命をのばすことができる等、種々の効果を奏する。

次に、第３図ないし第５図は本発明の第２の実施例を示
し、本実施例の特徴は、鏡板の背面側にうず巻き状の冷
却流路を設けたことにある。なお、本実施例では、上述
した第１の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し
、その説明を省略するものとする。

図において、３１は本実施例の固定スクロールを示し、
該固定スクロール３１は、前記第１の実施例で述べた固
定スクロール■２とほぼ同様に、鏡板３２、ラップ部３
３、収容部３４から大略構成され、吸込ボート３５およ
び吐出ボート３６が形成されているものの、該鏡板３２
の背面３２Ａ側には後述の隔壁部３８が一体的に形成さ
れている。また、該固定スクロール３１はその外周側で
前側ケーシング３に複数のボルト３７，３７．・・・に
より固定されている。、 ３８は前記鏡板３２の背面側からうず巻き状に立設され
た隔壁部で、該隔壁部３８の中心側３８Ａは第４図に示
す如く、吐出ボート３６の周囲を取囲むように設２づら
れ、後述の冷却用流路３９からの冷却油が吐出ボート３
６内に浸入するのを防止している。

３９は隔壁部３８によって鏡板３２の背面３２Ａ側に形
成された冷却用流路を示し、該冷却用流路３９は第４図
に示す如く、鏡板３２の中心側から外周側に向けてうず
巻き状に形成されている。また、該冷却用流路３９の始
端３９Ａ側および終端３９Ｂ側は、後述する蓋部４０の
流入口４０Ｂ、流出口４０Ｃにそれぞれ連通している。

そして、該冷却用流路３９は後述のポンプ４４から流入
口４０Ｂを介して供給された冷却油を始端３９Ａ側から
終端３９Ｂ側へと導き、鏡板３２やラップ部３３の熱を
奪った冷却油を流出口４０Ｃから後述のタンク４３に戻
すようになっている。

４０は冷却用流路３９の開口部側を施蓋する環状の蓋部
を示し、該蓋部４０には第５図に示す如く、その中心側
に穿設され、吐出ボート３６に連通ずる吐出口４０Ａと
、該吐出口４０Ａから径方向に離間して穿設され、冷却
用流路３９の始端３９Ａ側に連通ずる流入口４０Ｂと、
冷却用流路３９の終端３９Ｂ側に連通ずる流出口４０Ｃ
とが設けられている。そして、該蓋部４０は後述のガス
ケット４２を介して複数のボルト４１により固定スクロ
ール３１に固定されている。

４２は環状のガスケットで、該ガスケット４２は冷却用
流路３９を外部に対して液密に保持し、冷却流路３９内
の冷却油が外部に漏洩するのを防止するようになってい
る。

４３は冷却流体としての冷却油を貯蔵するタンク、４４
は該タンク４３内の冷却油を冷却用流路３９内に供給す
るためのポンプを示し、該ポンプ４４は蓋部４０の流出
口４０Ｃから戻し配管４５を介してタンク４３内に戻っ
てくる冷却油を吐出配管４６を介して冷却しつつ、蓋部
４０の流入口４０Ｂから冷却用流路３９内に供給するよ
うになっている。そして、該ポンプ４４から吐出された
冷却油は、吐出配管４６を介して流入口４０Ｂから冷却
用流路３９の始端３９Ａ側に流入し、鏡板３２の背面３
２Ａ側を中心部から外周側に向けてうす巻き状に流通す
る間に該鏡板３２．ラップ部３３等を冷却しつつ、終端
３９Ｂ側から流出口４０Ｃ１戻し配管４５を介してタン
ク４３内へと戻されるようになっている。

かくして、このように構成される本実施例でも、前記第
１の実施例とほぼ同様の効果を得ることができるが、特
に本実施例では鏡板３２の背面３２Ａ側にうす巻き状の
隔壁部３８を立設し、該隔壁部３８によってうず巻き状
の冷却用流路３９を形成したから、冷却用流路３９の流
路長を長くすることができ、冷却油を冷却用流路３９の
始端３９Ａ側から終端３９Ｂ側に向けて一方通行的に流
通させることができる。従って、冷却用流路　９ ０ ３９内に「油溜り」が生じるのを確実に防止して鏡板３
２．ラップ部３３等を効率良く冷却することができ、隔
壁部３８によって鏡板３２．ラップ部３３等の熱を効果
的に冷却用流路３９側に伝導させることができ、これに
より鏡板３２．ラップ部３３等から効果的に放熱させる
ことができる上に、鏡板３２を隔壁部３８で補強して曲
げ剛性を大幅に高めることができ、当該スクロール圧縮
機の運転時等に各圧縮室１７に生じる圧力によって鏡板
３２等が変形するのを防止することができる。

次に、第６図は本発明の第３の実施例を示し、本実施例
の特徴は、鏡板の背面側に冷却用流路としての環状の油
室を設け、核油室とケーシング１内の室Ｂとを連通させ
る構成としたことにある。

なお、本実施例では、上述した第１の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。

図において、５１は本実施例の固定スクロールを示し、
該固定スクロール５１は、前記第２の実施例で述べた固
定スクロール３１とほぼ同様に、鏡板５２、ラップ部５
３、収容部５４とから大略構成され、吸込ボート５５が
形成されているものの、該鏡板５２には吐出ボート５６
が軸方向に長く伸長して設けられ、該鏡板５２の背面５
２Ａ側には後述の油室６０が設けられている。

５７は固定スクロール５１の底部側にガスケット５８を
介して取付けられ、鏡板５２との間に油室６０を形成す
る蓋部を示し、該蓋部５７の中心側には吐出ボート５６
の先端側がＯリング５９を介して取付けられ、内周側に
は冷却油としての油液２４が流通する流入口５７Ａおよ
び流出口５７Ｂがそれぞれ穿設されている。そして、該
蓋部５７の流入口５７Ａは後述の吐出配管６３等を介し
てケーシング１内の室Ｂと接続され、流出口５７Ｂは後
述の戻し配管６７等を介して室Ｂに接続されている。

６０は鏡板５２の背面５２Ａ側と蓋部５７との間に形成
された冷却用流路としての環状の油室を示し、該油室６
０は吐出配管６３．戻し配管６７等を介してケーシング
１内の室Ｂと連通している。そして、該油室６０は蓋部
５７の流入口５７Ａから供給される油液２４で鏡板５２
．ラップ部５３等を冷却しつつ、この油液２４を流出口
５７Ｂから戻し配管６７内に戻すようになっている。

６１．６２はケーシング本体２に穿設された流出孔およ
び流入孔、６３は該流出孔６１と蓋部５７の流入口５７
Ａとの間を接続する吐出配管を示し、該吐出配管６３の
途中には、油液２４を収容するタンク６４と、油液２４
中に混入した摩耗粉等の異物を除去するオイルフィルタ
６５と、タンク６４内の油液２４を蓋部５７の流入口５
７Ａから油室５９内に供給するポンプ６６とが設けられ
ている。

６７は流入孔６２と蓋部５７の流出口５７Ｂとの間を接
続する戻し配管で、該戻し配管６７の途中には、油室６
０内から流出した油液２４を外気と熱交換して冷却する
オイルクーラ６８が設けられている。

かくして、このように構成される本実施例でも、前記第
１．第２の実施例とほぼ同様の効果を得ることができる
が、特に本実施例では鏡板５２の背面５２Ａ側に環状の
油室６０を形成し、該油室６０とケーシング１内の室Ｂ
とを各配管６３゜６７等を介して接続し、該各配管６３
．６７の途中にはタンク６４、オイルフィルタ６５、ポ
ンプ６６およびオイルクーラ６８を設けるようにしたか
ら、タンク６４によって室Ｂ内の油量を確保でき、これ
によりケーシング１の小型化を図ることができ、室Ｂ内
にもオイルクーラ６８で冷却した油液２４を供給して旋
回スクロール６側も効果的に冷却することができる上に
、旋回スクロール６の旋回運動によって生じた摩耗粉等
をオイルフィルタ６５によって除去することができ、各
ラップ部８．５３のカジリ現象を防止することができる
。

なお、前記第１の実施例では、冷却用流路２７を直線状
の径方向通路２７Ａと、各環状通路２７Ｂ、２７Ｃ，２
７Ｄとから構成するものとし３ ４ て述べたが、本発明はこれに限定されず、冷却用流路２
７を例えば、うず巻状に形成してもよく、鏡板１３を冷
却できるような他の形状に形成して６よい。

また、前記第２の実施例では、うず巻き状の隔壁部３８
は鏡板３２の背面３２Ａ側に一体的に形成するものとし
て述べたが、これに替えて、隔壁部３８を鏡板３２と別
体に形成し、溶接、接着等の固着手段を用いて両者を一
体的に固着してちよい。

さらに、前記第２の実施例では、冷却油は吐出配管４６
を流通するときに冷却されるものとして述べたが、これ
に替えて、例えば吐出配管４６や戻し配管４６の途中に
オイルクーラを設け、該オイルクーラによって冷却する
ようにしてもよい。

一方、前記各実施例では、シール部材２０を断面Ｕ字形
状に形成するものとして述べたが、これに替えて、シー
ル部材２０を蛇腹形状等、他の形状に形成してもよい。

さらに、前記第１．第２の実施例では、冷却用流路２７
　（３９）内に冷却流体として冷却油を供給するものと
して述べたが、これに替えて、水等の冷却液を用いても
よく、空気等の冷却気体を用いるようにしてもよい。

また、前記各実施例では、スクロール流体機械を空気圧
縮機として用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限定されず、例えば真空容器等と接続して、真
空を発生させるようにした真空ポンプとして用いるよう
にしてもよい。

さらに、前記各実施例では、ケーシング１のケーシング
本体２を前側ケーシング３と別体に形成するものとして
述べたが、これに替えて、ケーシング本体２と前側ケー
シング３とを一体に形成してもよく、また、固定スクロ
ール１２（３１゜５１）に環状板１６を一体に形成する
ようにしてもよく、また圧縮機として使用するときには
該環状板１６を廃止し、シール部材２ｏを前側ケーシン
グ３に直接取付けてもよい。また、ケーシング１の外部
で駆動軸４に冷却ファンを設け、これによって、ケーシ
ング１内を冷却するようにしてもよい。

［発明の効果］ 以上詳述した通り本発明によれば、固定スクロールの少
なくとも鏡板に外部から冷却流体を供給することにより
該固定スクロールの鏡板およびラップ部を冷却する冷却
用流路を設ける構成としたから、固定スクロールの鏡板
およびラップ部等を効果的に冷却でき、固定スクロール
が熱変形して旋回スクロールとの間でカジリが発生する
のを確実に防止できると共に、吐出空気の温度を低減す
ることができる。また、ケーシング内の室と吸込ボート
側の室とをシール部材によって遮断したから、ケーシン
グ内に油液等を収容した場合でも、この油液が吸込ボー
ト側に漏洩するのを確実に防止でき、吐出ボートから清
浄な気体を吐出させることができる。さらに、固定スク
ロールを冷却しているため、シール部材の寿命がのびる
等、種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の第１の実施例に係り、第
１図は本実施例によるスクロール圧縮機の縦断面図、第
２図は第１図中の矢示ｎ−ｎ方向拡大断面図、第３図な
いし第５図は本発明の第２の実施例に係り、第３図は本
実施例によるスクロール圧縮機の縦断面図、第４図は第
３図中の矢示ＩＶ　−ＴＶ方向断面図、第５図は蓋部な
示す平面図、第６図は本発明の第３の実施例を示すスク
ロール圧縮機の縦断面図である。 ｌ・・・ケーシング、４・・・駆動軸、４Ａ・・・クラ
ンク軸、６・・・旋回スクロール、７，１．３，３２．
５２・・・鏡板、８，１４，３３．５３・・・ラップ部
、１１・・・旋回軸受、１．２，３１．５１・・・固定
スクロール、１７・・・圧縮室（密閉空間）、１８．３
５５５・・・吸込ボート、１９，３６．５６・・・吐出
ボー１−１２０・・・シール部材、２４・・・油液、２
４．３９・・・冷却用流路、６０・・・油室（冷却用流
路）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ケーシングと、該ケーシングに回転可能に支持され、該
   ケーシング内に伸びる先端側がクランク軸となった駆動
   軸と、該駆動軸のクランク軸に旋回軸受を介して回転可
   能に設けられ、鏡板にうず巻状のラップ部が立設された
   旋回スクロールと、前記ケーシングに設けられ、鏡板に
   該旋回スクロールのラップ部との間で密閉空間を形成す
   るうず巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、
   該固定スクロールの径方向外側に穿設された吸込ポート
   および軸中心側に穿設された吐出ポートとからなるスク
   ロール流体機械において、前記旋回スクロールと固定ス
   クロールまたはケーシングとの間に設けられ、前記吸込
   ポートと連通する空間をケーシング内に対して遮断する
   シール部材と、前記固定スクロールの少なくとも鏡板に
   外部から冷却流体を供給することにより該固定スクロー
   ルの鏡板およびラップ部を冷却する冷却用流路とを備え
   たことを特徴とするスクロール流体機械。