JPH0325314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はVTRにおけるトラツキング表示装置
に関する。

(ロ) 従来の技術 VTRにおいて互換再生を行なう場合、すなわ
ち、他のVTRで録画したテープを再生する場合
には、トラツキング調整が必要である。トラツキ
ング調整は、普通、再生画像を見ながらトラツキ
ングボリユームを調整して再生コントロール信号
の遅延量を変化せしめることにより行なつてい
る。また特開昭56−78282号に示された様に、再
生出力のエンベロープに検出してメータ等で表示
する方法も利用される。

ところで、音声信号でキヤリアをFM変調し、
回転ヘツドにてテープ上に記録するいわゆるHi
−FiVTRにおいては、音声信号のみを記録する
こともできる。この場合、画像は記録されていな
いので、再生画像を見ながらトラツキング調整を
行なうことは不可能であり、何らかのトラツキン
グ表示装置が必要となつている。

このような場合、先に出願した実願昭59−
139503号では一方の回転ヘツドの再生出力をAM
検波し、その検波信号を使つてレベルメータを駆
動している。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、前記先行技術の場合では２つの
回転ヘツドの一方の出力だけを利用しているため
に検波出力が30Hzと低く、メータがちらつくとい
う欠点がある。

(ニ) 問題点を解決するための手段 レベルメータを駆動する信号を発生する交流信
号発振器を設け、この出力の大きさをRFスイツ
チング手段からの連続音声信号をエンベロープ検
波した検波出力で制御してレベルメータへ印加す
る構成。

(ホ) 作用 レベルメータは発振器からの交流信号によつて
交流駆動される。この交流信号はトラツキング状
態を表わす検波出力により制御され、結果として
トラツキング情報をレベルメータへ供給すること
になる。この検波出力はRFスイツチング手段の
出力であるから２つの回転ヘツドで得られる１ト
ラツクごとの音声信号が順次連続化された状態の
ものの検波出力であり、従つてトラツキング情報
も連続化する。

(ヘ) 実施例 第１図において、１，２は回転体の略180゜離れ
た位置に取り付けられた第１、第２回転ヘツドで
あり、β方式VTRの場合にはビデオ信号と音声
信号を再生し、VHS方式VTRでは音声信号のみ
を再生するヘツドを表わしているものとする。勿
論、これらのヘツドは記録時には記録用として働
くことはいうまでもない。３，４はプリアンプ。
５はスイツチングパルスによつて駆動される前記
プリアンプ３，４の出力を交互に通過せしめるよ
うに切換わるRFスイツチング回路である。６は
FM音声信号のライトチヤンネルのバンドパスフ
イルタであり、７はレフトチヤンネルのバンドパ
スフイルタである。尚、バンドパスフイルタ６の
中心は1.7MHz、バンドパスフイルタ７の中心は
1.3MHzである。８，９はそれぞれのチヤンネル
の復調回路であり、１０，１１は出力端子であ
る。これらの復調回路８，９の出力はスイツチ１
２を介してレベルメータ１３へも供給される。一
方、バンドパスフイルタ７の出力はエンベロープ
検波器１４に対しても供給される。１５はレベル
メータ１３を駆動できる周波数（数ＫHz）で発振
する発振回路であり、その出力は増幅器１６とス
イツチ１２を介してレベルメータ１３へ与えられ
る。この発振器１５の出力は一定振幅の交流信号
であるが、増幅器１６において、別途検波器１４
から与えられる信号によつて、その振幅が制御さ
れる。

従つて、第１図においてスイツチ１２がｂ側に
設定された状態ではレフトチヤンネルの変調信号
をエンベロープ検波して得た検波出力によつて発
振器１５よりの信号が増幅器１６において振幅制
御され、それによつてトラツキング情報が盛り込
まれる。このトラツキング情報を担なつた交流信
号はスイツチ１２を経由してレベルメータ１３へ
送られ、表示される。レベルメータ１３はライト
チヤンネルとレフトチヤンネルの音声信号を別個
に表示する２つの表示部を有しているが、トラツ
キング表示の場合には、その一方だけを使う。図
示の例ではレフトチヤンネル用のバンドパスフイ
ルタ７の出力を検波器１４で検波しているが、ラ
イトチヤンネル用のバンドパスフイルタ６の出力
を検波器１４に導いてもよい。

第２図は第１図の点線枠１７で囲まれた部分の
具体例を示している。発振器１５はトランジスタ
Q₁，Q₂、コンデンサC₁，C₂、抵抗R₁，R₂，R₃，
R₄を中心にして構成された単安定マルチバイブ
レータとして構成されており、増幅器１６は発振
器１５の出力が抵抗R₅，R₆を介してベースに与
えられるエミツタフオロワトランジスタQ₃と、
エミツタ抵抗R₇で形成され検波器１４の出力を
電源として動作する。R₈，C₃は波形整形手段１
８を構成し信号を正弦波になす。１９は出力をレ
ベルメータ１３を駆動するレベルに調整するボリ
ウムである。出力端子２０は第１図のスイツチ１
２へ接続される。尚、レベルメータ１３でのトラ
ツキング表示をみてVTRに備なわつているトラ
ツキング調整ボリウムを調節し、最良のトラツキ
ング状態となすことができる。

(ト) 考案の効果 本考案によればACレベルメータ（交流で駆動
できるレベルメータ）を使用でき、従つて音声表
示用のレベルメータを併用できる。また、一対の
回転ヘツドで再生された１トラツクごとの音声信
号を連続化した状態でエンベロープ検波し、その
出力で別途用意された交流信号の大きさを制御し
てレベルメータを制御するので、常にレベルメー
タが制御されており、従来のように間欠的な信号
で表示するものの如きレベルメータでのちらつき
が解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したトラツキング表示装
置のブロツク図であり、第２図はその要部の具体
例を示す図である。 １，２……回転ヘツド、５……RFスイツチン
グ回路、１３……レベルメータ、１４……検波
器、１５……交流信号発振器、１６……増幅器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２つの回転ヘツドによつてそれぞれ再生された
   １トラツクごとの音声信号を連続信号になすRF
   スイツチング手段と、前記連続信号をエンベロー
   プ検波する検波手段と、レベルメータと、前記レ
   ベルメータを駆動できる周波数の交流信号発振器
   と、前記交流信号発振器の出力を入力して前記検
   波手段の出力に基づき振幅制御を行う増幅器と、
   復調音声信号の出力手段と、前記増幅器と復調音
   声信号出力手段の出力を選択的に前記レベルメー
   タに供給するスイツチとからなるVTRのトラツ
   キング表示装置。