JPH03252367A - 窒化アルミニウム複合焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム複合焼結体

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JPH03252367A
JPH03252367A JP2049531A JP4953190A JPH03252367A JP H03252367 A JPH03252367 A JP H03252367A JP 2049531 A JP2049531 A JP 2049531A JP 4953190 A JP4953190 A JP 4953190A JP H03252367 A JPH03252367 A JP H03252367A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な窒化アルミニウム複合焼結体に関する
。詳しくは、高い強度を有する窒化アルミニウム複合焼
結体に関する。
[従来の技術] 窒化アルミニウム焼結体は、その高熱伝導性、電気絶縁
性を利用して、半導体の放熱板や回路基板の材料として
有望視されている。また、耐熱性にも優れることから、
構造材料としての利用も検討されている。しかしながら
、従来は窒化アルミニウムの熱伝導率を向上させること
にのみ努力が注がれ、強度に対する検討はほとんどなさ
れていなかった。例えば、特開昭63−303863に
は窒化アルミニウムの熱伝導率と結晶粒径の考察がなさ
れており、窒化アルミニウムの結晶粒径が7μm以上で
あることが高熱伝導率の達成に重要であることが開示さ
れているが、強度に関する記載はない。
[発明が解決しようとする問題点] 窒化アルミニウムを構造材料として利用する場合には、
高い強度を安定して得る必要がある。にもかかわらず、
従来、窒化アルミニウム焼結体の強度を制御する方法は
知られておらず、使用中に予期しない破壊が起こるケー
スもあることから、窒化アルミニウム焼結体の利用分野
が制限されていた。一方、特開昭53−45313には
、窒化アルミニウムに5〜6096の酸化珪素を添加し
、実質的にAl−3i−0−N相からなる高強度焼給体
を得る方法も示されているが、これでは本来窒化アルミ
ニウムが有する高熱伝導性、耐食性などの特性が失われ
てしまう。また、特公昭4625850には、窒化アル
ミニウムと酸化ベリリウムを複合させて高強度化する方
法も開示されているが、この場合も[(Af−Be)N
1.固溶体が生成するために、窒化アルミニウム本来の
特性は損なわれる。さらに、特定の焼結助剤を添加する
ことで窒化アルミニウム焼結体の粒界を強化し、強度向
上を図る方法も試みられているが、この方法では焼結体
中に残存する助剤成分のために、高温強度の低下や汚染
などの問題が生じるので、適用分野が限られることは避
けられなかった。
[問題点を解決するための手段] これに対し、本発明者らは窒化アルミニウム焼結体の強
度の向上について鋭意検討を重ねた結果、窒化アルミニ
ウムに六方晶窒化ホウ素を複合させ、焼結体中の窒化ア
ルミニウム結晶相の結晶粒子の大きさを特定の範囲に制
御することにより、強度の高い窒化アルミニウム複合焼
結体が得られることを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、窒化アルミニウム60〜9
5重量%と、六方晶窒化ホウ素40〜5重量%を含有し
、窒化アルミニウム結晶相の結晶粒子の平均粒径が4.
0〜5.2μmの範囲にある窒化アルミニウム複合焼結
体である。
本発明における窒化アルミニウム複合焼結体の製造方法
は特に限定されないが、一般には、窒化アルミニウム粉
末及び窒化ホウ素粉末に焼結助剤を添加混合し、これを
焼結することによって製造される。但し、原料の窒化ア
ルミニウム粉末の焼結性が充分に優れている場合、焼結
助剤の添加は必須ではない。
原料の窒化アルミニウム粉末も特に制限されないが、例
えば、窒化アルミニウム含有量が95重量%以上であり
、酸素含有量が3重量%以下であり、かつ不純物として
の金属化合物の含有量が金属として0.3重量%以下で
あり、平均粒子径2μm以下で、3μm以下のものを7
0容量%以上の割合で含有する窒化アルミニウム粉末が
好適に使用される。一般に、窒化アルミニウム粉末の性
状の中でも、粒径が小さく、かつ揃っていることは、得
られる焼結体中の窒化アルミニウム結晶の粒径を均一に
するために重要であり、平均粒子径1.5μm以下で、
3μm以下のものを85容量%以上の割合で含有する窒
化アルミニウム粉末が、より好適に使用される。
なお、ここで原料として好適に使用される六方晶窒化ホ
ウ素粉末については、特に限定されず、いかなるものも
使用することができる。一般に好適に使用される代表的
なものを例示すれば、窒化ホウ素の純度が95.0重量
%以上、好ましくは98.0重量%以上、更に好ましく
は99.0重量%以上で、平均粒子径が5μm以下、好
ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下のもの
である。一般に、窒化ホウ素の純度が低いと、その不純
物が窒化アルミニウム結晶中にも固溶して熱伝導を低く
し、或いは焼結体の耐熱性を低下させることがある。ま
た、窒化ホウ素粉末の粒径が大きいと、窒化アルミニウ
ム粉末と混合する際に均一に混ざりにくく、その結果焼
結体中の窒化アルミニウム結晶粒子が不均一に粒成長す
ることがある。なお、本発明の窒化アルミニウム複合焼
結体中において、窒化ホウ素は六方晶の結晶相で存在す
る。しかし、原料として用いる窒化ホウ素粉末は必ずし
も六方晶である必要はなく、焼結過程において六方晶に
変わるもの、例えば非晶質や乱層構造などであっても良
い。
本発明の窒化アルミニウム複合焼結体において、六方晶
窒化ホウ素の存在は極めて重要である。かかる六方晶窒
化ホウ素の含有率は5〜40%の範囲が好ましく、10
〜30%の範囲がより好ましい。六方晶窒化ホウ素の含
有率が高過ぎると、窒化アルミニウム本来の高熱伝導性
などの特性が充分発揮できなくなるので好ましくない上
に、六方晶窒化ホウ素によって窒化アルミニウムの焼結
が阻害され、緻密化が困難になる結果、本発明の意図す
る高強度焼結体が得られなくなる場合もある。
逆に六方晶窒化ホウ素の含有率が低過ぎると、後述する
窒化アルミニウム結晶相の粒成長抑制効果が充分に発揮
されなくなるため、本発明の最も重要な要素である窒化
アルミニウム結晶相の粒径の制御が難しくなる。
また、焼結助剤としては、周期律表のIla属および/
またはl1la属元素の化合物など公知のものが適宜使
用できる。Ila属元素としては、一般にベリリウム、
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム
等、特にカルシウム、ストロンチウム、バリウムが好適
である。また111、a属元素としては、一般にイツト
リウムまたはランタン属元素が好適に使用され、より具
体的に挙げれば、イツトリウム、ランタン、セリウム、
プラセオジウム、ネオジウム、プロメジウム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッ
テルビウム、ルテチウム等、特にイツトリウム、ランタ
ン、セリウム、ネオジウム等が好適である。実際に焼結
助剤として添加する際は、一般にこれら元素の酸化物と
して用いるが、窒化アルミニウム粉末が焼結される条件
下で該酸化物となる化合物として用いることもできる。
−例を挙げれば、硝酸塩、炭酸塩、塩化物などが使用で
きる。更に、該元素のフッ化物、炭化物やアルミン酸塩
等として添加することもでき、例えばフッ化イツトリウ
ム、炭化カルシウム、カルシウムアルミネート(3Ca
O・AlzOs)などが好適に用いられる。これら焼結
助剤は窒化アルミニウム粉末に対し均一に混合されるこ
とが重要であるから、焼結助剤の粒子径もできるだけ小
さいことが好ましい。また、焼結助剤の分散性を向上さ
せるための分散剤も、必要に応じ適宜使用される。
更に、いわゆるゾル・ゲル法など、焼結助剤を均一に混
合する公知の方法も、適宜採用することができる。また
、焼結助剤の添加量も特に制限されないが、一般には窒
化アルミニウム粉末と窒化ホウ素粉末の合計100重量
部に対して0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜
IO重量部の範囲から選べば好適である。焼結方法も特
に制限はなく、無加圧焼結、加圧焼結などを必要に応じ
選択すれば良い。
本発明の窒化アルミニウム複合焼結体の結晶粒径の制御
は、一般に焼結温度と焼結時間(焼結温度における保持
時間)を変えることにより行なう。
即ち、同一の原料組成から出発する場合においては、結
晶粒径を大きくするには、焼結温度を高くし、焼結時間
を長くする。結晶粒径を小さくするには、その逆にする
。一般に、焼結温度は1550〜2050℃、好ましく
は1700〜2000°Cの範囲から、焼結時間は1〜
50時間、好ましくは3〜24時間の範囲から選択され
る。しかしながら、出発原料の粒形や粒度分布、六方晶
窒化ホウ素の含有率、焼結助剤の種類や添加量、焼結時
の圧力などにより、焼結体中の窒化アルミニウム結晶相
の結晶粒子の平均粒径を40〜5.2μmの範囲にする
だめの焼結条件は変わってくるので、これら諸条件を勘
案しながら平均粒径の制御を行なえば良い。具体的制御
方法の一つとして、目的とする組成の出発原料を用いて
温度と時間を変えて焼結実験を行ない、それぞれの焼結
体中の窒化アルミニウム結晶相の結晶粒子の平均粒径を
測定することにより粒径を好ましい範囲に制御するため
の焼結条件を、統計的手法から求める方法が挙げられる
。本発明は、強度の高い窒化アルミニウム複合焼結体を
得るために、焼結体中の窒化アルミニウム相の結晶粒子
の大きさを特定の範囲にすることが極めて有効であるこ
とを見出し完成したものであり、かかる焼結体を得るだ
めの焼結条件は何ら制限されない。
なお、複合成分として六方晶窒化ホウ素を用いることは
本発明の重要な要件であるが、その理由は、以下のこと
にある。まず、六方晶窒化ホウ素は窒化アルミニウムと
直接反応しないので、窒化アルミニウム本来の優れた特
性を損なうことが無い。また、六方晶窒化ホウ素は焼結
体中において窒化アルミニウム結晶相の結晶粒子の粒界
に層状結晶として介在するため、窒化アルミニウム結晶
の粒成長を妨げる。この粒成長抑制効果によって、焼結
体中の窒化アルミニウム相の結晶粒子の大きさを特定の
範囲に制御することが容易になる。これは、本発明の窒
化アルミニウム複合焼結体を工業的に製造するときに、
極めて効果的である。また、六方晶窒化ホウ素の含有率
に応じて窒化アルミニウム複合焼結体の誘電率を低くす
ることができるので、レーダドーム、アイソレータなど
高周波関連の用途に有用である。
更に、特開昭60−195059には、窒化アルミニウ
ム50〜97重量%、六方晶窒化ホウ素3〜50重量%
、周期律表のIla属またはIIIa属の金属化合物よ
りなり、該金属化合物は該金属の最高原子価の酸化物に
換算して、該窒化アルミニウムと六方晶窒化ホウ素の合
計量に対して0.01〜10重量%であるような窒化ア
ルミニウム複合焼結体は、超硬工具などで機械加工がで
きる、いわゆるマシナブルセラミックスであることが示
されている。従来の常識では、この例のように六方晶窒
化ホウ素を含有する窒化アルミニウム複合焼結体は、六
方晶窒化ホウ素を含有しない場合に較べて機械的強度が
低下するものと考えられていた。特開昭60−1950
59に記された実施例においても、六方晶窒化ホウ素の
含有率が高くなるほど焼結体の曲げ強度は低くなる結果
が示されている。しかしながら本発明者らは、焼結体中
の窒化アルミニウム結晶の粒径を制御することにより、
かかる強度低下を最小限に抑えることができるのみなら
ず、六方晶窒化ホウ素の含有率が12〜18重量%の範
囲において、逆に強度の向上が可能であるという驚くべ
き新事実を見いだしたのである。このように強度が向上
する理由は明らかではないが、本発明者らは、焼結体中
の窒化アルミニウム結晶粒子の平均粒径を40〜5.2
μmの範囲にすることに加え、六方晶窒化ホウ素が窒化
アルミニウム結晶粒子の粒界に適量介在することで粒子
分散強化の機構が働いたのであろうと考えている。
なお、焼結体の結晶粒径を直接測定することは困難であ
るため、種々の間接的測定方法が提案されている。しか
し、測定方法が異なると得られる粒径の値も変わってく
るので、結晶粒径を比較する際には測定方法を統一する
必要がある。そこで、本発明においては、焼結体中の窒
化アルミニウム結晶の粒径の平均値を、次の方法により
測定した。
【参考文献:ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミッ
ク・ソサエティ、52 (8)、443−446(19
69)] 0粒径を測定しようとする焼結体の破面(曲げ強度試験
片の破断面など)の、走査型電子顕微鏡写真を撮影する
。写真の倍率は、粒径が数μmの場合には、1500〜
2000倍が適当である。もし破面の写真に於いて結晶
粒界が明瞭でない場合は、研磨、エツチング等の方法に
より、観察可能な状態にする必要がある。また、反射電
子像観察が有効な場合もある。
■写真上に、等間隔(例えばloa+間隔)に直線を引
く。この間隔は、写真上において観察される粒径と同程
度であることが好ましく、極端に間隔を狭めても、サン
プリングされる結晶粒子の数は増えないので、測定精度
は向上しない。
■直線と結晶粒界との交点を求め、交点間の線分の長さ
(インターセプト長)の平均をLとする。測定精度を高
めるため、線分の数は200個程度数えることが望まし
い。
■インターセプト長の平均値しより、実際の結晶粒径の
平均値りを、以下の式により求める。
D=1. 570L 本発明者らは、焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒径の
異なる多数の窒化アルミニウム複合焼結体を製造し、こ
れらの曲げ強度との関係を調べた。
なお、曲げ強度の測定は、実施例に記した通り、JIS
−C2141に規定の3点曲げ強度試験法(スパン30
mn)に準拠して行なった。
第1図は、窒化アルミニウム複合焼結体の曲げ強度と、
焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒径の関係をグラフ化
したものである。第1図より、窒化アルミニウム複合焼
結体の曲げ強度は、焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒
径が40〜5.2μmの範囲にある時に最大となること
が分かった。従係が明らかにされたことは無かった。従
って、窒化アルミニウム結晶粒径が一定の範囲にあると
きに曲げ強度が最大となることは、本発明者らが大量の
実験データの蓄積の結果、初めて見出し得たものである
また、第1図における各組成毎の曲げ強度の最大値を抜
き出してプロットしたものが、第3図である。第3図か
ら、窒化アルミニウム複合焼結体中の六方晶窒化ホウ素
の割合が12〜18重量%の範囲にあるとき、六方晶窒
化ホウ素を含まない焼結体よりも高い曲げ強度を有し、
15重量%のときに、曲げ強度は最大となることが分か
る。この事実も、六方晶窒化ホウ素の添加は窒化アルミ
ニウム焼結体の強度を低下させるのみであるという従来
の常識から考えると、驚異的である。つまり、本発明者
らによって明らかにされた事実により、窒化アルミニウ
ム単味の焼結体よりも高強度なマシナブルセラミックス
の実現が可能になったのである。
[効果] 本発明の窒化アルミニウム複合焼結体は、窒化アルミニ
ウムが本来有する、高熱伝導性、耐食性、耐熱性などの
特性を損なうことなく、安定して高い機械的強度を示す
。そのため、高温炉部材、るつぼ、絶縁放熱板、温度セ
ンサ保護管、エンジン部品、真空装置部品等の幅広い分
野において好適に使用される。特に、荷重のかかる部分
、振動にさらされる部分等、従来の窒化アルミニウム焼
結体では充分な信頼性が得られなかった用途分野におい
て有用である。また、本発明の窒化アルミニウム複合焼
結体は、高強度のマシナブルセラミックスとしても利用
価値が高いが、とりわけ六方晶窒化ホウ素を12〜18
重量%含むものは窒化アルミニウム単体の焼結体よりも
高強度であることから、従来のマシナブルセラミックス
の概念を超えて、広くエンジニアリングセラミックスと
して利用できる。このように、本発明の窒化アルミニウ
ム複合焼結体により、窒化アルミニウムの応用範囲が広
がり、一方ユーザの側からは構造材料的な用途に対する
セラミックの選択枝が増えることになるため、その産業
上の貢献度は多大である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1] 平均粒子径が1.31μmで3μm以下の粒子が90容
量%を占め、且つ第1表に示す組成の窒化アルミニウム
粉末と、平均粒子径0.98μmで3μm以下の粒子の
割合が99容量%で且つ純度が99.5重量%の六方晶
窒化ホウ素粉末、およびカルシウムアルミネート(3C
aO・AI、03)粉末を、第2表に示す比率で混合し
た。混合は、ナイロン製ポットとナイロンコーティング
したボールを用い、エタノールを分散媒体として行なっ
た。
なお、ここで粒子径は、堀場製作所製自動粒度分布測定
器CAPA−500により測定した値である。
得られた混合粉末を乾燥した後、約40gを、六方晶窒
化ホウ素粉末を内壁にコーティングした内径40ffi
I11の黒鉛型に入れ、200kg/adの圧力レス焼
結して、焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の平均粒
径の異なる窒化アルミニウム複合焼結体を製造した(具
体的ホットプレス焼結条件は、第3表に記載)。なお、
昇温速度は室温から1400℃までを5℃/分、140
0°Cから各焼成温度までを3℃/分とし、降温速度は
5℃/分とした。室温に冷却後、黒鉛型から取り出した
焼結体は、各組成により収縮率が異なるため寸法もそれ
ぞれ異なるが、概ねφ40a+X10mmの大きさであ
った。また、アルキメデス法によりそれぞれの焼結体の
密度を求めたところ、いずれも理論密度(第2表)の9
8%以上に緻密化していることが分かった。
それぞれの焼結体から、3■X4mmX36mmの柱状
試験片を切り出し、1500番のサンドベーパ仕上げを
して、クロスヘツドスピード0.5m+/分、スパン3
0mmの3点曲げ強度を測定した。
また、同じ焼結体から直径10ffi11、厚さ3ff
ifl+の円板状試験片を切り出し、ホットプレス軸に
平行な方向の室温における熱伝導率を一次元レーザフラ
ッシュ法で測定した。更に、各焼結体中の窒化アルミニ
ウム相の結晶粒子の平均粒径を、前述した方法により求
めた。こうして求めた各焼結体の物性値もあわせて第4
表に示す。
第1図は、焼結体の曲げ強度と、焼結体中の窒化アルミ
ニウム結晶粒径の関係を、各組成(混合嵐)毎にまとめ
てグラフ化したものである。第1図より、窒化アルミニ
ウム複合焼結体の曲げ強度は、組成に関係なく、同じ傾
向を示すことが分かる。即ち、各組成においてグラフは
上に凸であり、しかも曲げ強度が最大となるときの窒化
アルミニウム結晶粒子の平均粒径は、はぼ一定である。
これをより理解しやすいグラフにしたものが、第2図で
ある。第2図は、第1図に示したグラフから、それぞれ
の組成において曲げ強度が最大となるときの窒化アルミ
ニウム結晶粒子の平均粒径を抜き出したものである。第
2図より、焼結体の曲げ強度が最大となるときの窒化ア
ルミニウム結晶粒子の平均粒径は、焼結体の組成に関係
なく、4.6μmを中心に分布していることが分かる。
曲げ強度や結晶粒径の測定誤差を考慮すれば、焼結体中
の窒化アルミニウム結晶粒子の平均粒径が4.0±0.
6μm1即ち4.0〜5.2μmの範囲にある時に、焼
結体の曲げ強度は最も高くなることが分かる。
また、第1図における各組成毎の曲げ強度の最大値を抜
き出してプロットしたものが、第3図である。第3図か
ら、窒化アルミニウム複合焼結体中の六方晶窒化ホウ素
の割合が12〜18重量%の範囲にあるとき、六方晶窒
化ホウ素を含まない焼結体よりも高い曲げ強度を有し、
15重量%のときに、曲げ強度は最大となることが分か
る。従来、六方晶窒化ホウ素の添加は窒化アルミニウム
複合焼結体の強度を低下させるのみであると考えられて
いたが、極めて狭い範囲に組成を制御することで、強度
を高めることが可能だということである。この機構は不
明であるが、六方晶窒化ホウ素が窒化アルミニウム結晶
の粒界に過不足無く存在するとき、粒子分散強化の働き
が生まれるのではないかと考えている。
[実施例2] 実施例1で用いた窒化アルミニウム粉末85重量部、同
じ〈実施例1で用いた六方晶窒化ホウ素15重量部、平
均粒径0.9μmの酸化イツトリウム粉末3重量部とを
、実施例1と同様の方法で混合した。得られた混合粉末
を乾燥した後、約290gをゴム型に充填し、2000
kg/aIrの圧力で静水圧プレスして、外径560、
長さ60闘の円柱状成形体とした。
この成形体を、純度99%の窒化アルミニウム製ルツボ
に入れ、約1気圧の窒素ガス中で、1850℃の温度で
3時間焼成して焼結体を得た。なお、昇温速度は5℃/
分で行なった。得られた焼結体の外寸は50mφX50
a+であった。実施例1と同様にして測定した密度は、
3.03g/ca?であった。また、実施例1と同様に
して求めた焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の平均
粒径は、4.85μmであった。実施例1と同様にして
この焼結体の物性を測定したところ、曲げ強度は49k
g/lll112、熱伝導率は165W/m−にで、い
ずれも異方性は認められず、実施例1で得た六方晶窒化
ホウ素を含まない焼結体よりも高強度であることが分か
った。さらに、この焼結体の加工性を調べたところ、超
硬バイトによる旋盤加工、超硬ドリルによる穿孔、超硬
ハンドタップによるネジ切りのいずれも容易に行なうこ
とができた。
第1表 窒化アルミニウム粉末分析値 第3表 ホットプレス焼成条件 第2表 原料粉体の混合比率 第4表 各焼結体の物性値
【図面の簡単な説明】
第1図は、焼結体中のAlN結晶粒子の平均粒径と焼結
体の曲げ強度との関係を示すグラフである。第2図は、
BN含有率と、焼結体が最大曲げ強度を示す際のAff
N結晶粒子の平均粒径との関係を示すグラフである。第
3図は、BN含有率と、最大曲げ強度との関係を示すグ
ラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)窒化アルミニウム60〜95重量%と、六方晶窒
    化ホウ素40〜5重量%を含有し、窒化アルミニウム結
    晶相の結晶粒子の平均粒径が、4.0〜5.2μmの範
    囲にある窒化アルミニウム複合焼結体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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