JPH03252358A - 高強度リブ付炭素繊維強化炭素複合材料構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、補強用リブなと２体以上の予備成形体を組み
合わせて仕上げ成形したのちに炭化焼成する、比較的板
厚が薄く、かつ高強度を必要とする高強度リブ付炭素繊
維強化炭素複合材料構造体に関する。

〈従来の技術〉 航空機などに用いる繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）で
は、全体として剛性が高（、なおかつ軽量で強度のある
構造とするために、リブを立てて第１図の充填材部分（
以後、フィラー部分と称す）ｌに繊維を一方向に揃えた
プリプレグ（ＵＤプリプレグ）を使用することが一般に
行われている。　これは、構造体中に欠陥の原因となる
空隙を無（すことを目的に行われているものである。

第１図に示した例の場合は、３体の予備成形体２〜４と
フィラ一部分１を組み合わせて仕上げ成形を行っている
。　この際フィラ一部分ｌに用いる充填材には、ＵＤプ
リプレグ以外に、織布プリプレグ、または短繊維と樹脂
類を混練した物なども使用可能であるが、作業性、繊維
充填率、成形性などの点から、ＵＤプリプレグが最も有
利である。

このＬＩＤプリプレグを造るには、１０００〜６０００
本の炭素繊維を１束として巻き取ったボビンより炭素繊
維を引き出し樹脂液中を通すことによって繊維束内部に
樹脂を含浸したのち離型紙に巻き取る方法や、離型紙上
に繊維を弓き揃えたシートに樹脂を塗布するなどの方法
を用いてプリプレグ化することができる。

炭素繊維強化炭素複合材料構造体を作製する際の樹脂類
の熱分解によるガス発生の抑制とガス抜は性の向上、お
よび収縮による板厚の減少などを改善する目的で、マト
リクス前駆体である樹脂類に炭素質粉末を添加混合する
方法がある。　この方法によれば成形体全体に粉末が均
一に分散することにより、炭化焼成時の発泡および膨れ
等による比較的大きな寸法の欠陥を無くすことにより、
品質を安定させることができる。

しかし、薄板の場合には、炭素繊維の体積分率の低下、
微粉末による繊維の損傷などによる強度の低下が顕著に
現れるため、この方法は高強度な炭素繊維強化炭素複合
材料構造体を製造するには好ましくない。

〈発明が解決しようとする課題〉 炭素繊維強化炭素複合材料構造体を作製する場合は、ま
ず炭化焼成の前段階としてＦＲＰを成形する。　第１図
に示すような形状の炭素繊維強化炭素複合材料構造体を
作製する場合に、ＦＲＰで用いられている２体以上の予
備成形体５を組み合わせて仕上げ成形を行う二段成形法
が用いられる。

この際に、フィラ一部分ｌにＦＲＰと全く同じＵＤプリ
プレグを用いると炭化焼成時に樹脂の収縮が大きいため
、第２〜４図に示すようなへこみ６、割れ７および反り
８が生じる。　この現象は、ｔＪＤプリプレグの繊維軸
直角方向の収縮が大きいほど増大する。

本発明は上記従来技術の問題点を解消し、リブの付け根
部分にへこみ、割れおよび反りを生ずることのない高強
度リブ付炭素繊維強化炭素複合材料構造体を提供するこ
とを目的としている。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、前記へこみ、割れおよび反りの原因がフィラ
一部における樹脂の炭化収縮が大きいためであるとの観
点にてなされたものである。

すなわち、上記目的を達成するために本発明によれば、
リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構造体において
、前記リブの付け根部分の充填材として、一方向に引き
揃えた炭素繊維と微粉末および樹脂類からなる混合物を
使用することを特徴とする高強度リブ付炭素繊維強化炭
素複合材料構造体が提供される。

前記微粉末は、粒径が１０ｎｍ〜１０μｍの炭素質微粉
末、セラミクス微粉末およびこれらの混合物であり、そ
の添加量は炭化焼成後の充填材部分において前記炭素繊
維を除いた母相での割合で３０〜６５ｗｔ％であるのが
好ましい。

以下に本発明をさらに詳細に説明する。

本発明の構造体の形状は限定しないが、例えば第１図に
示すように少なくともリブな有する。

そして、２体以上の予備成形体（第１図では２．３．４
の３体の予備成形体５からなる）と前記リブの付け根部
分１で構成される。　以下第１図に示す構造体について
説明するが、これに限定するものではない。

本発明においては、構造体のリブの付け根部分となる充
填材に、一方向に引き揃えた炭素繊維と微粉末および樹
脂類からなる混合物を使用する。

前記炭素繊維は特に限定せず、一方向に引き揃えること
のできるものであればよい。

前記樹脂類は特に限定せず、炭化可能なものであればよ
い。　例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミ
ド樹脂を例示することができる。

前記微粉末は、前記炭素繊維を公知の方法でプリプレグ
化する際に、１０００℃程度の熱処理によって収縮せず
、炭素繊維とも反応しないものであればよい。　特に、
粒径１０ｎｍ〜ｌＯμｍの炭素粉末、黒鉛粉末、カーボ
ンブラック等の炭素質微粉末、ＳｉＣ，ＴｉＣ等のセラ
ミクス微粉末およびこれらの混合物が好ましい。

前記微粉末の添加量は、炭化焼成後のフィラ一部分ｌに
おいて炭素繊維を除いた母相での割合で３０〜６５ｗｔ
％になるように予め設定した量を添加混合するのが好ま
しい。　使用する樹脂類が個体もしくは粘度が高（必要
量の微粉末を均一に分散できない場合、あるいは微粉末
を添加することによって粘度が高くなり作業性が悪化す
る場合は、加熱または溶媒を加えることにより粘度を調
整することができる。

フィラ一部分１は、繊維方向に長く直角方向での断面は
小さいことがらＵＤプリプレグを使用することが作業性
上、周囲の予備成形体５との馴染みを考慮した成形性上
も最も望ましい。

また、フィラ一部分ｌ自体は、強度には関係なく単に空
隙を埋めることによって欠陥の発生を防ぐためであるか
ら、前記微粉末のフィラー部分１のみの添加によるフィ
ラ一部分ｌのみの強度劣化も問題とはならない。

フィラー用ＵＤプリプレグに微粉末をいれることによっ
て炭化焼成時のフィラ一部の収縮を抑制することができ
る。　この場合、樹脂類の炭化収縮を抑制するために添
加するのであるから、微粉末は１０００℃程度の熱処理
で収縮しないこと、また周囲の炭素繊維と反応すること
によってパネル自体の強度を低下させることのない素材
であることを考慮して選択しなければならない。

また、前記微粉末の添加量が炭化焼成後のフィラ一部分
１において炭素繊維を除いた母相での割合で３０ｗｔ％
未満では収縮を抑制する効果が少なく、６５ｗｔ％超で
はバインダーとしての能力が無（なることと成形性が低
下することから、４０〜５０ｗｔ％となるように添加す
ることが望ましい。　この程度の量の微粉末を添加する
ためには、粒径が細かすぎると混合し難（なり、粒径が
大きすぎると直径およそ７μｍの炭素繊維束の内部に均
一に分散しないため、１０ｎｍ〜１０μｍ５好ましくは
５０ｎｍ〜１μｍのものを使用することが望ましい。

以上の方法により、フィラ一部分１の割れがなくなり、
かつ周囲の引き込みもなくなったことで、へこみ、反り
もない良好で高強度な炭素繊維強化炭素複合材料構造体
を得ることができる。

〈実施例〉 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。

（実施例１） 予備成形体としてＰＡＮ系炭素炭素繊維織布プリプレグ
０層に積層した積層体を用い、第１図に示す３体２，３
．４を作成した。

充填材としてＰＡＮ系炭素炭素繊維し製トレカＴ３００
）と樹脂（群栄化学製レジトップＰＬ−２２１１）と黒
鉛粉末（粒径１　ｇｍ）の混合物を用いた。

前記黒鉛粉末の混合比は、樹脂に対し２５ｗｔ％とし、
前記炭素繊維はその長平方向に引き揃えて前記樹脂と黒
鉛粉末の混合物の目付け量が４０ｗｔ％となるように、
ＵＤプリプレグを作製し、これをフィラ一部分１に添加
して成形体を作製し、炭化焼成した結果、フィラ一部分
１の母相における樹脂炭と黒鉛粉末の割合はおよそ６０
ｗｔ％：４０ｗｔ％であり、フィラ一部分１に割れがな
く、へこみや反りもない高強度リブ付炭素繊維強化炭素
複合材料薄板パネルが得られた。

（実施例２） 黒鉛粉末として粒径５０ｎｍのものとＳｉＣ粉末（粒径
１μｍ）との混合物（黒鉛粉末：ＳｉＣ粉末＝１　：　
ｌ）を樹脂に対して３３ｔｔ％の混合比で用いたほかは
実施例１と同様にして第１図に示す形状の成形体を作製
し、炭化焼成した結果、フィラ一部の母相における樹脂
炭と微粉末（黒鉛粉末および５ｉＣ）の混合物の割合は
およそ５０ｗｔ％：５０ｗｔ％であり、フィラ一部に割
れがなく、へこみや反りもない高強度リブ付炭素繊維強
化炭素複合材料薄板パネルが得られた。

（比較例１） 実施例１と同様の方法で黒鉛粉末を５，３ｗｔ％添加し
た樹脂を用いてプリプレグ化した。

この微粉末入りＬＪＤプリプレグをフィラ一部分ｌに用
いた第１図に示す形状の成形体を作製し、炭化焼成した
結果、フィラ一部の母相における樹脂炭と黒鉛粉末の割
合はおよそ９０ｗｔ％：１０ｗｔ％であり、フィラ一部
に割れはないが、へこみや反りがわずかに発生した。

（比較例２） 実施例１と同様の方法で黒鉛粉末を５４ｗｔ％添加した
樹脂を用いてプリプレグ化した。　この微粉末入りＵＤ
プリプレグをフィラ一部分１に用いた第１図に示す形状
の成形体を作製し、炭化焼成した結果、フィラ一部の母
相における樹脂炭と黒鉛粉末の割合はおよそ３０ｗｔ％
ニア０ｗｔ％であり、バインダーとしての樹脂量が少な
くなりすぎてフィラー内部に割れはないが、周囲との馴
染みが悪く境界が剥離した。

〈発明の効果〉 本発明は以上説明したように構成されているので、割れ
、へこみおよび反りがなく、かつ高強度なリブ付炭素繊
維強化炭素複合材料構造体を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、リブ付炭素繊維強化炭素複合材料構造体の斜
視図である。 第２図、第３図および第４図は、それぞれ従来のリブ付
炭素繊維強化炭素複合材料構造体に発生するへこみ、割
れ、反りの説明図である。 符号の説明 １・・・充填材部分（フィラ一部分） ２．３，４．５・・・予備成形体、 ６・・・へこみ、 ７・・・割わ、 ８・・・反り

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構造体に
   おいて、前記リブの付け根部分の充填材として、一方向
   に引き揃えた炭素繊維と微粉末および樹脂類からなる混
   合物を使用することを特徴とする高強度リブ付炭素繊維
   強化炭素複合材料構造体。
2. （２）前記微粉末は、粒径が１０ｎｍ〜１０μｍの炭素
   質微粉末、セラミクス微粉末およびこれらの混合物であ
   り、その添加量は炭化焼成後の充填材部分において前記
   炭素繊維を除いた母相での割合で３０〜６５ｗｔ％であ
   る請求項１記載の高強度リブ付炭素繊維強化炭素複合材
   料構造体。