JPH0325163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は引張試験機用チヤツクに係り、特に
一対のチヤツクホルダを傾斜ガイド面に沿つて摺
動させることにより、前記チヤツクホルダに取付
けられたチヤツク歯を開閉させる引張試験機用チ
ヤツクに関する。

(ロ) 従来技術 従来、この種の引張試験機用チヤツクのチヤツ
ク歯の開き角は固定している。これに対し、引張
試験に供される各種材料の試験片は丸棒あるいは
平板状など種々の形状を有する。そのため従来、
これらの試験片を把持するための引張試験機用チ
ヤツクには、平坦な歯面を有する平板用のチヤツ
ク歯と屈曲した歯面を有する丸棒用のチヤツク歯
の少なくとも二種類のチヤツク歯が必要とされ
る。さらに従来のチヤツクによれば、試験片の厚
みが変化している平板試験片や三角形断面の試験
片など特殊な形状の場合には、それぞれに合つた
チヤツク歯を製作しなければならず、大変不経済
であつた。

(ハ) 目的 この考案は種々の形状の試験片を一種類のチヤ
ツク歯でまかない得る引張試験機用チヤツクを提
供することを目的としている。

(ニ) 構成 この考案に係る引張試験機用チヤツクは、対向
した傾斜ガイド面に沿つてそれぞれ摺動される一
対のチヤツクホルダに摺動方向に沿つて二つのチ
ヤツク歯を並設し、これらのチヤツク歯を適宜の
案内機構によつて摺動自在として、その開き角度
を任意に設定し得るようにしたことを特徴として
いる。

(ホ) 実施例 実施例 第１図はこの考案の一実施例に係る引張試験機
用チヤツクにおける一方側のチヤツクユニツト１
０を取り出して示した斜視図である。この引張試
験機用チヤツクは第２図に示すように、引張試験
機のヨーク１及びクロスヘツド２の対向する傾斜
ガイド面３，３′に沿つてそれぞれ摺動する一対
のチヤツクユニツト１０，１０′より構成されて
いる。しかして傾斜ガイド面に沿つてチヤツクユ
ニツト１０，１０′を摺動させることにより、両
つかみ歯間の距離を可変して引張試験片を把持す
ることは従来のチヤツクと同様である。

第３図は第１図に示したチヤツクユニツト１０
の解体斜視図である。以下、第１図と第３図に従
つてこの実施例に係る引張試験機用チヤツクの構
成を説明しよう。

１１は前記傾斜ガイド面３，３′に沿つて摺動
するチヤツクホルダである。傾斜ガイド面３，
３′と摺接するチヤツクホルダ１１の背面１１１
は、同図における上方から下方に向けてチヤツク
ホルダ11の厚み寸法が大きくなる方向に傾斜して
いる。チヤツクホルダ１１の前面に断面が半円形
の凹部１１２が削設され、この凹部１１２はチヤ
ツクホルダ１１１の下面で開口している。また、
チヤツクホルダ１１の上面中央部の前方に円弧状
の案内孔１１３が形成されており、この案内孔１
１３は前記凹部１１２と連通している。

１２および１２′は断面が四等分円をなす柱状
のチヤツク歯である。チヤツクホルダ１１からチ
ヤツク歯１２，１２′が脱落するのを防止するた
めに、チヤツク歯の上面に前記チヤツクホルダ１
１の案内孔１１３に挿入されるピン１２１が立設
されている。またチヤツク歯１２，１２′の平坦
な一の側面は試験片を把持するために小さな凹凸
の歯面に仕上げられている。このチヤツク歯１
２，１２′はその歯面を前方にし、チヤツクホル
ダ１１の摺動方向に並設するようにチヤツクホル
ダ１１の凹部１１２に取付けられる。しかしてピ
ン１２１がチヤツクホルダ１１の案内１１３に嵌
入するとともに、チヤツク歯１２，１２′の円弧
状周面と凹部１１２の内周面と摺接することによ
り、チヤツク歯１２，１２′はチヤツクホルダ１
１に摺動自在に支持される。したがつて前記案内
孔１１３および１２１はチヤツク歯１２，１２′
をチヤツクホルダ１１に係合する手段としての案
内拘束手段を構成している。

１３はチヤツク歯の開き角を任意に設定する角
度設定手段としての角度設定片である。角度設定
片１３は断面が扇形状の柱状体をなし、その中心
角は把持される丸棒試験片の径などに応じて任意
に設定される。丸棒等の試験片を把持する場合、
角度設定片１３はチヤツク歯１２，１２′の対向
する側面間に介在させて、該チヤツク歯とともに
凹部１１２に装着される。但し、第１図はこの角
度設定片１３が装着されていない状態のチヤツク
ユニツトを示している。

１４はチヤツクホルダ１１に嵌め込まれたチヤ
ツク歯１２，１２′を保持するために、チヤツク
ホルダ１１の下面にねじ１５によつて取付けられ
る保持板である。

第４図は第１図のＡ−Ａ断面を示しており、特
に同図ａは角度設定片１４が装着されない場合、
同図ｂは角度設定片１４が装着されている場合を
それぞれ示している。同図より明らかなように、
角度設定片１４が装着されていない場合は、両チ
ヤツク歯の歯面が平坦面を形成し、平板試験片用
のチヤツクを構成する。一方、丸棒試験片等を把
持する場合には、その試験片に適合したチヤツク
歯の開き角θ（通常、120゜）になるように、適当
な中心角を有する角度設定片１３がチヤツク歯１
２，１２′の間に装着される。

実施例 上述の実施例ではチヤツクホルダ１１の案内孔
１１３にチヤツク歯１２，１２′のピン１２１を
嵌め合わせることによつて、チヤツク歯１２，１
２′の脱落を防止しする案内拘束手段を形成して
いるが、この考案はこれに限られるものではな
い。例えば、第５図に示すように、チヤツク歯１
６，１６′の上下面の円弧状外周辺に沿つて突脈
１６１を設け、これに嵌合する円弧状の案内溝１
７，１７′を保持板１４′及びチヤツクホルダ１
１′の凹部１１２の上端面にそれぞれ形成し、前
記突脈１６１と案内溝１７，１７′の係合によつ
てチヤツク歯１６，１６′の脱落を防止してもよ
い。

その他の実施例 (1) 上述の実施例では角度設定手段は、断面が扇
形状の柱状体からなる角度設定片１３であると
して説明した。しかし、角度設定手段はこれに
限られず例えば、チヤツクホルダ１１の上面に
螺合した螺軸を回転移動させることにより、こ
の螺軸に係合して二つのチヤツク歯の間に介在
させた角度設定片を軸方向に摺動させて、チヤ
ツク歯の開き角を外部から適宜に設定されるよ
うに構成してもよい。

(2) 例えば、第１図に示した実施例において、案
内孔１１３から二つのピン１２１を突出させ
て、これらのピン間に引張バネの両端を係止し
て付勢力を与えることにより、開き角を一定に
保持するのも好ましい。

(ヘ) 効果 この考案に係る引張試験機用チヤツクは、チヤ
ツクホルダに摺動自在に取りつけられた二つのチ
ヤツク歯を備え、その開き角を任意に設定できる
から、従来のチヤツクのように平板用と丸棒用の
少なくとも２種類のチヤツク歯を準備する必要は
なく、一つのチヤツク歯によつて平板および丸棒
の試験片を把持することができるので、大変経済
的である。また、同様の理由より三角形断面を有
する試験片であつても、特別のチヤツク歯を用意
する必要がない。

さらに厚みの均一でない平板試験片であつて
も、厚み変化に応じてチヤツク歯を傾斜し得るか
ら、このような試験片でも均等な把持力でつかむ
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る引張試験機
用チヤツクにおける一方側のチヤツクユニツト１
０を取り出して示した斜視図、第２図は第１図に
示したチヤツクが取付けられた引張試験機の説明
図、第３図は第１図に示したチヤツクユニツト１
０の解体斜視図、第４図は第１図におけるＡ−Ａ
断面図、第５図はその他の実施例の説明図であ
る。 １０……チヤツクユニツト、１１……チヤツク
ホルダ、１１２……凹部、１１３……案内孔、１
２，１２′……チヤツク歯、１３……角度設定片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 対向した傾斜ガイド面に沿つてそれぞれ摺動
   される一対のチヤツクホルダと、 前記摺動方向に沿つて並設し、前記チヤツク
   ホルダに摺動自在に取付けられる二つのチヤツ
   ク歯と、 前記チヤツク歯をチヤツクホルダに係合する
   案内拘束手段と、 前記チヤツク歯の開き角を任意に設定する角
   度設定手段とを具備したことを特徴とする引張
   試験機用チヤツク。 (2) 前記案内拘束手段はチヤツクホルダに開設さ
   れた案内孔とチヤツク歯の端面に立設されたピ
   ンであることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の引張試験機用チヤツク。 (3) 前記案内拘束手段はチヤツクホルダに関連し
   て形成された案内溝とチヤツクホルダの端面に
   形成された突脈であることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の引張試験機用チ
   ヤツク。