JPH0325092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、太陽熱温水器に関し、特に、集熱器
と貯湯槽とが別体に形成された太陽熱温水器に関
する。

（従来の技術） 従来の集熱器と貯湯槽とが別体に形成された太
陽熱温水器を第２図に示す。図中は１は集熱器、
２は容器３内に保温材４を介して収納された貯湯
槽、５は集熱器１と貯湯槽２とを接続するための
循環パイプであり、集熱器１と貯湯槽２とは屋根
６の棟６ａを跨いで棟６ａの両側に振り分けて設
置されている。この場合、集熱器１１と貯湯槽２
とは循環パイプ５によつて連通しており、熱媒
（水）を循環パイプ５を介して集熱器１と貯湯槽
２間を循環させることにより、温水を得る構造と
なつている。

この従来の太陽熱温水器では、第３図に示すよ
うに、貯湯槽２を収納するための容器３を上ケー
ス７と下ケース８で形成すると共に、上ケース７
と下ケース８の当接部に突片７ａ，８ａを設けこ
の突片７ａ，８ａに例えばステンレス材等から成
る断面略コ字状の固定金具９を嵌着して、ボルト
１０とナツト１１を螺合することにより、上ケー
ス７と下ケース８を締着していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし乍ら、この従来の太陽熱温水器では、容
器３の上ケースと下ケースの当接部の水密性を維
持するために、上ケース７と下ケース８の当接部
の外周面の全周面に固定金具９を嵌着しなければ
ならないことから第４図に示すように、例えば固
定金具９を少なくとも２個以上に分割しなければ
嵌着することができず、その結果、容器３の部品
点数が多くなり、組立作業も煩雑であるという問
題点を有していた。

（考案の目的） 本考案は、上記問題点に鑑み案出されたもので
あり、その目的は上ケースと下ケースを固定金具
を用いることなく水密状態に締着することによつ
て、貯湯槽部分の部品点数を減少せしめ、且つ極
めて簡易に組み立てることのできる太陽熱温水器
を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の太陽熱温水器は、集熱器と貯湯槽とを
別体に形成して循環パイプで接続して成る太陽熱
温水器に於いて、前記貯湯槽を収納するための容
器を上ケースと下ケースで構成し、上ケースの下
ケース当接部周面に連続した下向きフランジを設
け、該フランジ部によつて回転が禁止されるナツ
トとボルトを用いて上ケースと下ケースを締着し
たことを特徴とする。

（実施例） 以下、本考案を添付図面に基づき詳細に説明す
る。

尚、従来例と同一部分には同一符号が付してあ
る。

第１図は、本考案の太陽熱温水器の一実施例を
示す貯湯槽部の要部断面図であり、２はポリエチ
レン樹脂等からなる貯湯槽、３は同じくポリエチ
レン樹脂等から成る貯湯槽２の容器、４は発泡ス
チロール等から成る保温材である。

前記容器３は、上ケース７と下ケース８とから
構成されており、上ケース７と下ケース８とはそ
の当接部に突片７ａと突片８ａとがそれぞれ設け
られている。

前記当接部の突片７ａ，８ａ部において、ボル
ト１０とナツト１１を螺合することにより、上ケ
ース７と下ケース８が締着される。

前記上ケース７の突片７ａの端部には、下向き
フランジ１２が当接部の周面に連続して設けられ
ている。

このフランジ１２は、鉛直方向に設けられてい
ることから、上ケース７と下ケース８をパツキン
部材を用いることなく水密状態に維持する作用を
為すと共に、容器３の水平方向に於ける強度を補
強する作用を為す。

特に、集熱器と貯湯槽とが屋根の棟を跨いで設
置される振り分けタイプの太陽熱温水器において
は、貯湯槽を屋根上に安定して設置するために、
容器３の側面に於ける水平方向の強度を補強する
ことは重要である。

前記ナツト１１は、上ケース７の突片７ａ先端
部に設けられた下向きフランジによつて回転が禁
止されるようにＬ型に形成されている。したがつ
て、上ケース７と下ケース８の当接部にボルト１
０とナツト１１を螺合する際、ナツト１１の回転
を人為的に禁止する必要は一切ない。

尚、ナツト１１はＬ型ナツトに限定されるもの
ではなく、例えば方形状のナツトでもよく、フラ
ンジ１２部によつて回転が禁止されるものであれ
ばいかなる形状のものでもよい。

また、前記下ケース８の突片８ａの先端部にも
下向きフランジを設けて、容器３の水平方向にお
ける強度をさらに補強するようにしてもよい。こ
の場合、前記ナツト１１は下ケース８の突片８ａ
に設けられるフランジで回転が禁止されることと
なるが、この場合も本考案の範囲内である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案の太陽熱温水器に
よれば、貯湯槽を収納するための容器を上ケース
と下ケースで構成し、上ケースの下ケース当接部
周面に連続した下向きフランジを設け、該フラン
ジ部によつて回転が禁止されるナツトとボルトを
用いて上ケースと下ケースを締着したことから、
貯湯槽の容器部分の部品点数を減少することがで
きると共に、極めて簡易に組み立てることのでき
る実用的効果大なる太陽熱温水器を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の太陽熱温水器の一実施例を示
す貯湯槽部の要部断面図、第２図は従来の太陽熱
温水器の断面図、第３図は同貯湯槽部の要部断面
図、第４図は貯湯槽部の組み立て方を説明するた
めの図である。 １……集熱器、２……貯湯槽、３……容器、５
……循環パイプ、７……上ケース、８……下ケー
ス、１２……フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集熱器と貯湯槽とを別体に形成して循環パイプ
   で接続して成る太陽熱温水器に於いて、前記貯湯
   槽を収納するための容器を上ケースと下ケースで
   構成し、上ケースの下ケース当接部周面に連続し
   た下向きフランジを設け、該フランジ部によつて
   回転が禁止されるナツトとボルトを用いて上ケー
   スと下ケースを締着したことを特徴とする太陽熱
   温水器。