JPH0324917B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、転写紙上の一又は複数の色材を記録
紙に熱転写して記録を行なう熱転写記録方法に関
する。

従来技術 従来の熱転写記録方法では、熱溶融性のバイン
ダ材に予め複数色（例えばイエロー、マゼンタ、
シアン）の色材を夫々個別に含有させて色別の複
数種のバインダ材を形成しておき、この色別のバ
インダ材をベース紙に順次塗布して熱転写紙を作
製していた。そして記録時にはこの熱転写紙を記
録紙に近接して走行させサーマルヘツドにより加
熱して上記色別のバインダ材（以下インクと呼
ぶ）を順次溶融させ熱転写紙上から記録紙上へ移
行付着、即ち熱転写させてカラー記録を行なつて
いた。

しかるに、上記従来の方法によれば、インク自
体の厚さがバインダ材を含んで比較的大であるた
め、同一ライン上の一部のインクが記録紙へ熱転
写されるとき熱転写紙に残る大部分のインクによ
り引張られて熱転写紙上に残され易く良好な熱転
写紙が行なわれないおそれがあるという欠点があ
り、又記録紙上に上記三色（イエロー、マゼン
タ、シアン）のインクが重ねて記録されると各イ
ンクが上記の如く厚さが大ゆえ全体としても厚さ
が大となり、記録紙表面に凹凸を生じて好ましく
ないという欠点があつた。

問題点を解決するための手段 本発明は、バインダ材を単独で予め記録紙上に
付着させておき、その後に熱転写紙上に単に塗布
された複数色の色材（夫々バインダ材を含まな
い）を上記バインダ材上に各色毎に順次重畳する
よう対応させて加熱付着させ、熱転写を行なうこ
とにより、色材の厚さを小として上記諸欠点を除
去した熱転写記録方法を提供するものである。

そのための方法は、バインダ材を含まない複数
色の色材と、バインダ材とがベース材上に順次繰
返し塗布された熱転写紙におけるこのバインダ材
を加熱手段により記録紙上にを付着させる段階
と、該記録紙に付着されたバインダ材の表面に熱
転写紙の色材を各色毎に順次重畳するよう対応せ
しめる段階と、該各色毎に該加熱手段によりバイ
ンダ材を加熱して溶融させ該色材を該バインダ材
に熱転写する段階とよりなるものである。

実施例 第１図は本発明になる熱転写記録方法の一実施
例を適用したカラープリンタの一例の概略構成
図、第２図は上記方法に適用される熱転写紙の斜
視図である。

図中、カラープリンタ１は、プラテンローラ２
及びサーマルヘツド３よりなる。プラテンローラ
２は略円柱形をなし、第１図中矢印方向へ回転し
ている。サーマルヘツド３はプラテンローラ２の
軸長と略同一の長さを有し且つその上面軸方向に
多数の発熱抵抗部（図示せず）を有し、プラテン
ローラ２の下方に上下動自在に配される。

４は記録紙で、第１図中左右方向へプラテンロ
ーラ２及びサーマルヘツド３間を通つて往復走行
する。

５は熱転写紙で、第２図の如くポリエステルフ
イルム等のベース紙６に異なる三色（例えばイエ
ロー、マゼンタ、シアン）の色材７ａ，７ｂ，７
ｃが後述するバインダ材８を含まない状態で順次
繰返し塗布されている。色材７ａ，７ｂ，７ｃの
塗布には、色材７ａ，７ｂ，７ｃにアルコール、
エーテル等の輝発性の物質を添加混合したものが
用いられる。そして、これをベース紙６上に色材
毎に塗布すると、輝発性物質が輝発した色材７
ａ，７ｂ，７ｃをベース紙６上に定着させること
ができる。８は熱溶融性のバインダ材で、ベース
紙６上の上記三色の色材７ａ〜７ｃを一組とする
各組間のスペース上に塗布して設けられている。
各バインダ材８はベース材６上にまずアミドワツ
クス、カルナバワツクス（色材７ａ〜７ｃが良く
溶解しうる）等の第１のバインダ材８ａが塗布さ
れ、更にその上面にパラフインワツクス（色材７
ａ〜７ｃが全く溶解しえない）等の第２のバイン
ダ材８ｂが積極的に塗布されている。そして、こ
の熱転写紙５は第１図中、左下方からサーマルヘ
ツド３及び記録紙４間を通り抜け右下方へ走行す
る。尚上記熱転写紙５は色材７ａ〜７ｃ及びバイ
ンダ材８の両方を有しているためバインダ材専用
紙を設ける必要がなく便利である。

次に、上記カラープリンタ１の動作につき説明
する。まず熱転写紙５が第１図中左下方から右上
方へ記録紙４（第１図中右方へ走行する）と同期
して走行し、そのバインダ材８の始端（第１図中
符号Ａで示す位置）がサーマルヘツド３に対応す
る。このときサーマルヘツド３の全ての発熱抵抗
部が通電されてバインダ材８を加熱して溶解させ
記録紙４へ移行付着させ始める。記録紙４及び熱
転写紙５は同期走行しているため、これら４，５
が少なくともバインダ材８の長さ分走行したと
き、バインダ材の全体がそのパラフインワツクス
等の第２のバインダ材８ｂ側で記録紙４に移行付
着される。そしてバインダ材８ｂの移行付着が終
了すると、記録紙４が停止し第１図中左方へ逆方
向走行されバインダ材８の始端がサーマルヘツド
３に再び対応する位置まで戻される。その間熱転
写紙５は停止している。

次に、記録紙４及び熱転写紙５は再び第１図中
右方へ同期的に走行開始する。このときサーマル
ヘツド３の発熱抵抗部のうち記録信号に対応する
もののみが通電発熱される。従つて、熱転写紙５
の一番目の色材７ａのうち上記発熱部分に対応す
る部分のみが加熱されると共に、第１のバインダ
材８ａにおいても上記発熱部分に対応する部分の
みが同様に加熱され溶融される。従つて、色材７
ａの加熱部分が熱転写紙５のベース紙６上から離
れて記録紙４上の第１のバインダ材８ａに移行付
着されて溶融され、その結果第１のバインダ材８
ａに含有又は強固に付着されて熱転写される。

記録紙４及び熱転写紙５の走行に伴い色材７ａ
の各ラインが順次同様にして熱転写されてバイン
ダ材８の全長にわたり色材７ａの熱転写が終了す
る。

続いて、記録紙４は再びそのバインダ材８の長
さ分左方へ戻されて、バインダ材８の始端が二番
目の色材７ｂに対応し、続いて上記の場合と同様
にして熱転写がなされる、同様にして、三番目の
色材７ｃが熱転写され、これにより記録が終了す
る。尚第１図中二点鎖線で示すバインダ材８は熱
転写紙５上に元あつた相対位置を示す。

上記記録方法によれば、熱転写紙５上の色材７
ａ，７ｂ，７ｃの厚さはバインダ材を含まぬゆえ
小であるため、熱転写紙５上に残ることなく良好
な熱転写が行なわれ、又色材７ａ，７ｂ，７ｃが
重ねて記録されても全体としての厚さは小であり
記録紙表面が滑らかである。

尚上記実施例中、色材７ａ，７ｂ，７ｃは三種
に限らず、黒色又は白色等の一色のみでもよく、
又二色或いは四色以上でもよい。

又バインダ材８は第１及び第２のバインダ材８
ａ，８ｂを層状に個別に積層しているが、これに
限らず混合したものでもよく、又第１のバインダ
材８ａのみでもよい。

効 果 上述の如く、本発明になる熱転写記録方法によ
れば、バインダ材を単独で予め記録紙上に付着さ
せておき、その後に熱転写紙上に単に塗布された
複数色の色材（夫々バインダ材を含まない）を上
記バインダ材上に各色毎に順次重畳するよう対応
させて加熱、付着させ、熱転写を行なうようにし
ているため、次に示す利点がある。

熱転写紙上の色材の厚さが小なるため、微少
の色材でも離れが良く熱転写紙上に残されるこ
となく、良好な転写を行ないうる。

複数色の色材が重畳的に熱転写された場合で
も、その厚さは小なるため、記録紙は滑らかで
あり、良好な製品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる熱転写記録方法の一実施
例を適用したカラープリンタの一例の概略構成
図、第２図は上記カラープリンタに適用される熱
転写紙の斜視図である。 １……カラープリンタ、２……プラテンロー
ラ、３……サーマルヘツド、４……記録紙、５…
…熱転写紙、６……ベース紙、７ａ，７ｂ，７ｃ
……色材、８，８ａ，８ｂ……バインダ材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バインダ材を含まない複数色の色材とバイン
   ダ材とがベース材上に順次繰返し塗布された熱転
   写紙における該バインダ材を加熱手段により記録
   紙上に付着させる段階と、 該記録紙に付着された該バインダ材の表面に該
   熱転写紙の該色材を各色毎に順次重畳するよう対
   応せしめる段階と、 該各色毎に該加熱手段により該バインダ材を加
   熱して溶融させ該色材を該バインダ材に熱転写す
   る段階と よりなることを特徴とする熱転写記録方法。