JPH032454B2 - - Google Patents

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JPH032454B2
JPH032454B2 JP27874286A JP27874286A JPH032454B2 JP H032454 B2 JPH032454 B2 JP H032454B2 JP 27874286 A JP27874286 A JP 27874286A JP 27874286 A JP27874286 A JP 27874286A JP H032454 B2 JPH032454 B2 JP H032454B2
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JP
Japan
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temperature
heating element
parts
resistance value
vinyl acetate
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Yoshio Miura
Masayuki Uchida
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Lonseal Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低温用発熱素子およびその製造方法に
関し、更に詳しくは電気抵抗を著しく安定させ、
熱安定性や発熱均一性等に優れた低温用発熱素子
の提供を目的とする。
(従来の技術およびその問題点) 従来より、結晶性高分子とカーボンブラツクや
グラフアイト等の導電性粉体とを混練し、所望の
形状に成形した物が、正抵抗温度係数(Positive
Temperature Coefficience、以下略してPTCと
称す)を有することは、米国特許第3591526号お
よび同第3673121号明細書等により知られている。
このPTC特性は発熱素子のベヒクルである結
晶性高分子が、その結晶の融点付近において、結
晶の融解に伴う急激が体積増大のため、その中に
分散している導電性材料の間隔が拡がり、接触抵
抗が急激に増大する事により生じるものである。
従つて、上記成形物をPTC発熱素子として実
用に供する場合には、ベヒクルである樹脂は常に
融点付近の温度にさらされるため、導電性材料の
マイグレーシヨンおよび導電性材料の分離距離の
拡大によるグロー放電等の理由で、素子は長時間
の抵抗値の安定性に乏しく、また使用時間と共に
樹脂がトリーイング劣化し、PTC特性が消滅し
たり、抵抗値が著しく上昇したり、発熱素子が破
損して安全性の面で長期間の保障が得られなかつ
た。
一方、従来のPTC特性を有する抵抗体は急激
に上昇した抵抗値が、ある温度で極大値を示し、
更に高温では再び低下する特性を示すことが知ら
れている。
従つて、このようなPTC特性を有する抵抗体
を発熱素子に使用した場合は、何らかの要因でピ
ーク点以上の温度に加熱されると、自己温度制御
機能を失い、逆に温度が上がる程発熱素子の電流
が増大し、ついには焼損に至るため非常に危険で
ある。
この欠点に対しては、最近、電子線、ガンマー
線等の電離性放射線および有機過酸化物により三
次元架橋し、樹脂の融点以上の温度での抵抗値の
降下を防止する方法が見出されている。
しかしながらこれらの方法は工程やコストの面
で問題があると同時に、長時間の抵抗値の安定性
に欠けるものである。
また、PTC特性を有する発熱素子では、一般
的に部分的に抵抗値が高い部分があると、そこに
電圧が集中し温度が上昇する結果、抵抗値が更に
上昇するという特質上、部分的に電圧集中が生じ
たところで発熱を起こし、他の部分では殆ど発熱
しないという、発熱の不均一分布を生じるという
問題を本質的に有している。
このような性質は発熱素子の熱伝導率がPTC
特性のα値 (α=Ω2−Ω1/T2−T1 ここでα=PTC特性値、T1: 低温側温度、T2:高温側温度、Ω1=T1時の抵抗
値、Ω2=T2時の抵抗値) 等により大きく影響を受けるものであり、発熱素
子の熱伝導率が小さいもの程、またα値が大きい
もの程上記発熱の不均一分布は発生し易くなる傾
向にある。
従つて、上述の如き従来技術の問題を解決した
低温用発熱素子が要望されている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上述の如き従来技術の要望に応える
べく鋭意研究の結果本発明を完成した。
すなわち、本発明は2発明からなり、その第一
の発明は、カーボンブラツクを主体とする導電性
材料30〜200重量部を、1.0〜60重量%の酢酸ビニ
ル単位を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体を主
体とする熱可塑性樹脂100重量部に配合した所望
の成形体からなる低温用発熱素子において、該成
形体が多価金属アルコキシドによつて架橋処理さ
れていることを特徴とする低温用発熱素子であ
り、第二の発明は、カーボンブラツクを主体とす
る導電性材料30〜200重量部を、1.0〜60重量%の
酢酸ビニル単位を含むエチレン−酢酸ビニル共重
合体を主体とする熱可塑性樹脂100重量部に配合
して所望の形状に成形し、次いで該成形体に多価
金属アルコキシドあるいはその溶液を含浸させ
て、該成形体中に架橋構造を形成させることを特
徴とする低温用発熱素子の製造方法である。
次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明者
の詳細な研究によれば、従来の低温用発熱素子は
熱可塑性樹脂中に導電性材料を配合して所望の形
状に成形したものであり、これらの低温用発熱素
子は、該素子が抵抗値以上のピーク点以上の温度
に加熱されると、前記のPTC特性の値が負にな
つたり、部分的電圧集中による発熱の不均一の問
題や長時間使用すると抵抗値の安定性が低下する
という種々の問題が生じるものであつたが、これ
ら従来の導電性材料をむ熱可塑性樹脂からなる低
温用発熱素子を特定の材料により架橋処理するこ
とにより、上記従来技術の問題点が解決されたも
のである。
すなわち、導電性材料を配合した熱可塑性樹脂
の成形体からなる低温用発熱素子を多価金属アル
コキシドによつて架橋処理することによつて、熱
可塑性樹脂自体が架橋され、素子が通電によつて
ポリマーの結晶の融点以上の温度に加熱されて
も、抵抗値が温度とともに下降したりせず、ま
た、熱可塑性樹脂中に配合された導電性材料とそ
の媒体である熱可塑性樹脂とも架橋が生じている
と考えられ、導電性材料が熱可塑性樹脂中でマイ
グレーシヨンして、均一分散性が阻害されること
がなく、抵抗値を長時間安定に維持できるもので
ある。
以上の如き本発明の低温用発熱素子を構成する
導電性材料のベヒクルである熱可塑性樹脂として
は、本発明者の研究によれば、従来公知の熱可塑
性樹脂のうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
単独または該共重合体を主成分とする他の熱可塑
性樹脂との混合物が好適であり、特にこの共重合
体をポリオレフイン系樹脂および熱可塑性エラス
トマーと組合せて、導電性材料のベヒクルとする
ことが好ましく、このような三成分系の熱可塑性
樹脂を使用することによつて、この三成分系熱可
塑性樹脂の結晶融点は、40〜100℃付近に設定可
能となり、α値はこの温度付近で最大値を示すけ
れども、抵抗値のピークの温度は結晶融点温度よ
りも更に30〜60℃位高いところにあり、このポリ
マー系の分解温度は抵抗値のピーク温度よりもま
た更に30〜50℃高いため、本発明の低温用発熱素
子を実際に使用する温度域(70℃以下)では長期
にわたつて熱的に非常に安定であり、殆ど劣化し
ないという利点があるものである。
上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体としては
任意の共重合比のものが使用可能であるが、一般
的には、酢酸ビニル含有量が1.0〜60重量%のも
のが適している。
また上記のポリオレフイン系樹脂としては、例
えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレン、エチレン−プロピレンブロツクポリマ
ー、プロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、
ポリプロピレン等の単独または混合物が適してい
る。
また熱可塑性エラストマーとしては、エチレン
−プロピレン共重合エラストマー、スチレン−ブ
タジエン共重合エラストマーおよびポリイソブチ
レンエラストマー等の単独または混合物が適して
いる。
また、上記の如きエチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリオレフイン系樹脂および熱可塑性エラス
トマーの配合割合に関しては、三成分の合計を
100重量部とすれば、そのうちエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体が50〜95重量部であり、ポリオレフ
イン系樹脂および熱可塑性エラストマーが夫々
2.5〜25重量部の範囲が好ましく、上記の範囲を
外れるとポリマー分子間の架橋密度が不適当とな
つたり、結晶融点の設定が不適当となつたりして
好ましくない。
また本発明で使用する導電性材料としては、従
来の低温用発熱素子に使用されている正抵抗温度
特性を示す導電性材料がいずれも使用でき、本発
明においては、例えば、比表面積が50〜1500m2
gで粒子径が15〜50μmのカーボンブラツク、繊
維長さが0.5〜15mm程度のカーボン繊維、繊維長
さが1〜10mm程度のニツケルコーテイングガラス
繊維、アンチモンやビスマス等をドーピングした
粒子径0.5〜5μm程度の酸化錫粉末、粒子径0.1〜
1μmのアルミニウム、ガリウム、インジウム等を
ドーピングした粒子径0.1〜1μm程度の酸化亜鉛
粉末、ニツケル、鉄、銅等の金属粉末等が好まし
い例であり、いずれも単独でも混合物としても使
用できる。
以上の如き導電性材料は、前記の熱可塑性樹脂
100重量部あたり30〜200重量部の割合で使用する
ことができ、使用量が少なすぎると、低温用発熱
素子の導電性、発熱性、均一発熱性等が不充分と
なり、また使用量が多すぎると素子の成形性や素
子の強度等の点で問題が生じてくるので好ましく
ない。
本発明の低温用発熱素子は上記の如き成分を必
須成分として所望の形状、例えば、厚み0.5〜50
mm程度のシート状や直径0.1〜50mm程度の線状、
これらの繊布状等任意の形状に成形をされるが、
その他の添加〜剤としても従来公知の低温用発熱
素子で使用されているような添加剤、例えば、酸
化防止剤、安定剤、着色剤、可塑剤、銅害防止
剤、充填剤等は任意に添加できるのである。
成形方法自体も任意の方法でよく、例えば、前
記必要成分を所望の割合に配合してコンパウンド
を作成し、該コンパウンドが軟化あるいは溶融す
る温度、例えば、100〜250℃程度の温度に加熱し
て、プレス成形、ロール成形、押出成形、射出成
形等任意の成形方法が利用でき、成形体の形状も
特に限定されない。
また、素子の成形に際しては成形体を補強する
ためにガラス繊維、合成繊維、それらの糸、スト
ランド、織布、不織布等を成形体中に包含させる
こともできる。
上記の如くして得られる低温用発熱素子はその
ままでは従来公知の欠点を有しているものであ
り、本発明の主たる特徴は上記成形体を特定の架
橋剤すなわち多価金属アルコキシドによつて架橋
処理して、従来技術の欠点を十分に解決した点で
ある。
上記の如き多価金属アルコキシドとは、例え
ば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピ
レート、 イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、 ビス(ジオクチルパイロホスフエート)オキシ
アセテートチタネート、 イソプロピルトリオクタノイルチタネート、 テトライソプロピルチタネート、 ガンマメルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、 テトラプロピルゲルマネート等の如き、アルミ
ニウム、チタン、ケイ素、ゲルマニウム等の多価
金属のアルコキシ化合物であり、これらの単量体
は勿論のことその2量体、3量体の如き多量体も
同様に使用することができる。
上記多価金属アルコキシドによつて前記成形体
を架橋処理する方法は、いずれの方法でもよく、
例えば、多価金属アルコキシドを前記のコンパウ
ンド形成時に加えて、多価金属アルコキシドを含
有するコンパウンドとし、これを所望の形状に成
形する時に、または成形後に架橋処理を行つても
よい。
しかしながらこの方法はコンパウンドの成形時
に高い温度が要求される場合は、成形時に架橋が
生じて成形困難となる恐れもあるので、より好ま
しい方法は、多価金属アルコキシドを有機溶剤の
溶液として、この溶液中に成形体を浸漬したり、
この溶液を成形体に塗布したりして、多価金属ア
ルコキシドの有機溶剤溶液を成形体中に含浸させ
る方法である。
この方法においては、有機溶剤として成形体を
溶解しないが、成形体をある程度膨潤させるよう
な有機溶剤を選択することによつて、多価金属ア
ルコキシドを成形体中に容易に且つ均一に含浸さ
せることができるので好ましい。
多価金属アルコキシドの有機溶剤溶液の濃度は
いずれの濃度でもよく、一般的には5〜70重量%
程度が好ましい。
更に本発明においては多価金属アルコキシドが
液状であれば、有機溶剤を使用せず、多価金属ア
ルコキシドをそのまま上記と同様に使用すること
もできる。
また、前記成形体に対する多価金属アルコキシ
ドの含浸量は成形体を構成している熱可塑性樹
脂、導電性材料、その他の添加剤および多価金属
アルコキシドの種類等によつて変化するが、一般
的には成形体100重量部あたり約0.1〜20重量部程
度が好ましい。含浸量が上記範囲未満であると成
形体の架橋密度が不足し、本発明の所期の目的達
成が不十分であり、またあまりに多すぎると成形
体が硬くなりすぎて、可撓性や強度等に問題が生
じるので好ましくない。含浸後の架橋処理は、常
温で単に放置しておいてもよいし、また100℃程
度までの温度に加熱処理して架橋を促進させても
よい。
(作用・効果) 以上の如き本発明によれば、多価金属アルコキ
シドによつて導電性材料のベヒクルである熱可塑
性樹脂が均一に架橋構造を有するようになつてお
り、また架橋剤が多価金属アルコキシドであるた
め熱可塑性樹脂のみの架橋だけでなく、導電性材
料粒子と熱可塑性樹脂との間にも架橋構造が生成
しているものと考えられ、更に架橋によつて生じ
る多価金属アルコキシドの分解物が多価金属であ
ることから架橋によつて素子中に気泡等が生じる
ことなく導電性の不均一性の問題も生じない。従
つて本発明の素子では、導電性材料のベヒクルで
ある熱可塑性樹脂の耐熱性等が向上するととも
に、通電によつて発熱してポリマーの結晶が融解
しても導電性材料粒子の移動や偏在が生じないこ
とから、本発明の低温用発熱素子は非常に優れた
長期間の抵抗安定性と発熱安定性を有するもので
ある。
また本発明の製造方法では、従来技術の如く電
子線、ガンマー線等の如き高価で複雑な装置を必
要とせず、また架橋処理によつて気泡が生じた
り、通電を妨げるような分解物を生じる過酸化物
の如き架橋剤を使用する必要がなく、単に成形体
に液状の多価金属アルコキシドあるいはその有機
溶剤溶液を含浸するのみで、優れた低温用発熱素
子が提供されるので、工程的にもまたコスト的に
も非常に有用である。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明
する。尚、文中、部または%とあるのは特に断り
のない限り重量基準である。
実施例 1 下記の配合処方によりコンパウンド化した。
ウルトラセンUE760(酢酸ビニル含有量40%
のEVA) 80部 チツソT813(高密度ポリエチレン) 10部 ラバロンSE5400(水添SBSブロツクコポリマ
ー) 10部 アセチレンブラツク 50部 ケツチエンブラツクEC 15部 チタンドービング酸化亜鉛(白水化学工業(株)
製) 10部 Antage Crystal(川口化学(株)製酸化防止剤)
2部 Antage W400(川口化学(株)製酸化防止剤)
1部 Antage MB(川口化学(株)製酸化防止剤)
1部 Stabinol CS−42(住友化学工業(株)製銅害防
止剤) 0.5部 ステアリン酸カルシウム 1部 上記配合処方コンパウンドを170℃のテストロ
ールにて厚さ0.5mmのシート状に成形し、このシ
ートから大きさ15cm×20cmの試験片を切り取り、
この試験片の両端に電極として銀含有導電性塗料
を巾1cmで20cmに亘り塗布し、電極間が13cmの電
気特性試験用試験片を作り、その抵抗値を測定し
たところ260Ωであつた。
この試験片の電極端部から、0.75mm2で被覆肉厚
0.4mmの耐熱電線で端子を外部に取り出して、エ
アオーブン中に入れ、エアオーブンの温度を20
℃、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃および140
℃の7段階においてそれぞれ抵抗値を測定した値
が第1図のa線である。
また同様の試験片に室温にて交流100ボルト電
圧を加えて発熱特性を調べたところ、部分的に80
℃に発熱するところがあり、平均として50℃近辺
の発熱で発熱温度が不均一であつた。
また同様の試験片を室温にて交流100ボルト電
圧を加えた経時時間と抵抗値を測定したものが第
2図のa線である。
更に同様の試験片を100℃のエアオーブン中に
放置した時間と抵抗値の関係が第3図のa線であ
る。
次に上記と同様に成形した厚さ0.5mmのシート
状試験片を、50℃において120分間、イソプロピ
ルトリオクタノールチタネートの50%n−ヘキサ
ン溶液に浸漬してアルコキシドを含浸させ、溶剤
を除去した後1時間水で煮沸して本発明の低温用
発熱素子を調製した。
上記のシート状試験片から大きさ15cm×20cmの
試験片を切り取り、この試験片の両端に電極とし
て銀含有導電性塗料を巾1cmで20cmに亘り塗布
し、電極間13cmの電気特性試験用試験片を作り、
その抵抗値を測定したところ270Ωであつた。
この試験片の電極端部から0.75mm2で被覆肉厚
0.4mmの耐熱電線で端子を外部に取り出して、エ
アオーブン中に入れて、エアオーブンの温度を20
℃、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃、140℃の
7段階において抵抗値を測定した値が第1図の
a′線である。
また、同様の試験片に室温にて交流100ボルト
電圧を加えて発熱特性を調べたところ、全体的に
50℃近辺で発熱温度が均一であつた。
また、同様の試験片を室温にて交流100ボルト
を加えた経時時間と抵抗値を測定したものが第2
図のa′線である。
更に、同様の試験片を100℃のエアオーブン中
に放置した時間と抵抗値の関係が第3図のa′線で
ある。
第1図、第2図および第3図からわかるよう
に、本発明の発熱素子は、ポリマー成分の結晶融
点を変えることなく正抵抗温度特性を有し、しか
も抵抗値のピーク温度を越えても抵抗値の下降は
なく、交流100ボルト電圧を加えた発熱試験にお
いても均一な発熱特性を有し、交流100ボルト電
圧を加えた長期間の試験においても抵抗値の変化
が少ない。長期間の外部加熱条件下においても抵
抗値の変化が少ない優れた発熱素子であつた。
実施例 2 下記の配合処方によりコンパウンド化した。
NUC3761(酢酸ビニル含有量18%のEVA)
70部 トクソーPN110(ポリプロピレン) 20部 オパノールB−200(BASF製ポリイソブチレ
ン) 10部 三菱化成カーボン#3250 60部 三菱化成カーボン#3950 10部 クレハM104T(4mmの炭素繊維) 5部 Mark A0 60(アデカ・アーガス製酸化防止
剤) 1部 Mark LA 36 (アデカ・アーガス製酸化防止剤) 1部 Stabinol CS 42(住友化学工業製銅害防止
剤) 0.5部 ステアリン酸カルシウム 1部 上記配合処方コンパウンドをペレツト化し、そ
れを押出機にて、芯剤としてφ0.1mmのポリエステ
ルモノフイラメントを使用して、φ0.6mmの線状に
成形した。この線状発熱素子の30cm間の抵抗値は
24kΩであつた。該線状発熱素子の30cm間の所よ
り0.75mm2で被覆肉厚0.4mmの耐熱電線で端子を外
部に取り出して、エアオーブン中に入れ、エアオ
ーブンの温度を20℃、40℃、60℃、80℃、100℃、
120℃、140℃の7段階において抵抗値を測定した
値が第4図のb線である。
また上記線状発熱素子を用い、電極間15cmにて
20本を独立および並列に配置して、室温にて交流
100ボルト電圧を加えて発熱特性を調べたところ、
電極近辺の片端部が80℃近辺に発熱するのに対
し、もう一方の片端部は殆ど発熱せず、発熱温度
の不均一なものであつた。
また発熱特性試験に使用した上記の試験片を、
交流100ボルト電圧を加えた経時時間と抵抗値を
測定したものが第5図のb線である。
また上記線状発熱素子を100℃のエアオーブン
中に放置した時間と30cm間の抵抗値の関係が第6
図のb線である。
次に同様に押出成形した線状発熱素子を50℃に
おいて5時間、テトラブチルチタネートの7量体
液に浸漬してアルコキシドを含浸させ、同液を除
去した後、n−ヘキサンにて洗浄し乾燥させ、本
発明の低温用発熱素子を得た。
この線状発熱素子の30cm間の抵抗値は25KΩで
あつた。また該線状発熱素子の30cm間の所より
0.75mm2で被覆肉厚0.4mmの耐熱電線で端子を外部
に取り出して、エアオーブン中に入れ、エアオー
ブンの温度を20℃、40℃、60℃、80℃、100℃、
120℃、140℃の7段階において抵抗値を測定した
値が第4図のb′線である。
また上記線状発熱素子を用い電極間15cmにて20
本を独立および並列に配置して、室温にて交流
100ボルト電圧を加えて発熱特性を調べたところ、
55℃近辺の均一な発熱温度であつた。
また上記発熱特性に使用した試験片を交流100
ボルト電圧を加えた経時時間と抵抗値を測定した
ものが第5図のb′線である。
更に同様の線状発熱素子を100℃のエアオーブ
ン中に放置した時間と30cm間の抵抗値の関係が第
6図のb′線である。
第4図、第5図および第6図からわかるよう
に、本発明の発熱素子はポリマー成分の結晶融点
を変えることなく、正抵抗温度特性を有し、しか
も抵抗値のピーク温度を越えても抵抗値の下降は
なく、交流100ボルトの電圧を加えた発熱試験に
おいても均一な発熱特性を有し、交流100ボルト
電圧を加えた長期間の試験においても抵抗値の変
化が少なく、長機間の外部加熱条件下においても
抵抗値の変化が少ない優れた発熱素子である。
実施例 3 下記の配合処方によりコンパウンド化した。
ウルトラセンUE536(酢酸ビニル含有量6%
のEVA) 90部 日石タフタレツクス(超高分子量ポリエチレ
ン) 5部 JSREP02P(日本合成ゴム製EPR) 5部 アセチレンブラツク 65部 三菱金属W−1(酸化アンチモンドープ酸化
錫) 30部 ベルパールN800(ニツケルメツキフエノール
樹脂粉末) 20部 Antage Crystal(川口化学製酸化防止剤)
1部 Antage W400(川口化学製酸化防止剤) 1部 Antage MB(川口化学製酸化防止剤) 1部 Stabinol CS−42(住友化学製銅害防止剤)
0.5部 ステアリン酸カルシウム 1部 上記配合処方コンパウンドをペレツト化し、そ
れを押出機にて、芯材としてφ0.1mmのポリエステ
ルモノフイラメントを使用して、φ0.6mmの線状に
成形した。この線状発熱素子の30cm間の抵抗値は
17KΩであつた。
以下実施例2と同様に温度と抵抗値の関係(第
4図のC線)、発熱特性として交流100ボルト電圧
を加えた経時時間と抵抗値の関係(第5図のC
線)および外部加熱時間と抵抗値の関係(第6図
のC線)を試験した。
次に同様に押出成形した線状発熱素子を50℃に
おいて3時間、アルミニウムイソプロピレートの
原液に浸漬してアルコキシドを含浸させ、同液を
除去した後イソプロピルアルコールにて洗浄し乾
燥して本発明の低温発熱素子を得た。
上記本発明の線状発熱素子の30cm間の抵抗値は
20KΩであつた。
以下実施例2と同様に温度と抵抗値の関係(第
4図のC′線)、発熱特性として交流100ボルト電圧
を加えた経時時間と抵抗値の関係(第5図の
C′線)および外部加熱時間と抵抗値の関係(第6
図のC′線)を試験した。
本例において、アルミニウムイソプロピレート
にて浸漬処理を行わない発熱素子の発熱特性試験
においては、発熱温度にムラがあつたが、アルミ
ニウムイソプロピレートにて浸漬処理を行つた発
熱素子の発熱特性試験においては発熱温度が65℃
近辺で均一であつた。
参考例 下記の配合処方によりコンパウンド化した。
ウルトラセンUE630(酢酸ビニル含有量15%
のEVA) 70部 JSR EP57(日本合成ゴム製エチリデンノル
ボーネン含有EPM) 15部 トクソーPN260(エチレンブロツクポリプロ
ピレン) 15部 アセチレンブラツク 60部 ケツチエンブラツクEC 15部 トリアリルイソシアヌレート 5部 ジクミルパーオキサイド(過酸化物) 2部 亜鉛華 2部 Antage Crystal(川口化学製酸化防止剤)
1部 mark A0 18(アデカ・アーガス製酸化防止
剤) 1部 mark A0 60(アデカ・アーガス製酸化防止
剤) 1部 Stabinol CS−42(住友化学製銅害防止剤)
0.5部 ステアリン酸カルシウム 1部 上記配合処方コンパウンドを160℃のテストロ
ールにて、厚さ0.6mmに分出したシートを180℃の
プレスにて10分間架橋処理し、厚さ0.5mmの架橋
処理シートを作つた。このシートから実施例1と
同様に大きさ15cm×20cmの試験片を切り取り、実
施例1と同様に電気的特性試験用試験片を作り、
抵抗値を測定したところ320Ωであつた。
この試験片について、実施例1と同様に温度と
抵抗値の関係(第1図のd線)、発熱特性として
交流100ボルト電圧を加えた経時時間と抵抗値の
関係(第2図のd線)および外部加熱時間と抵抗
値の関係(第3図のd線)を試験した。この過酸
化物で架橋処理した発熱素子は発熱特性試験にお
いては、発熱温度が高い所では90℃付近であり、
低い所では40℃前後であり、発熱不均一性であつ
た。
尚、上記実施例ではポリマー成分に、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフイン系熱可塑
性樹脂および熱可塑性エラストマーの三成分系を
用いたが、エチレン−酢酸ビニル共重合体単独ま
たは他の熱可塑性樹脂との混合物でも同様の効果
が得られた。
以上の実施例での説明から明らかなように、本
発明による発熱素子は、従来の同様な発熱素子に
比べ、発熱特性において発熱温度が均一で、特に
長期の抵抗安定性および安全性の面で飛躍的な性
能向上が得られ、電気抵抗を著しく安定させた画
期的な低温用発熱素子である。
【図面の簡単な説明】
第1図はシート状発熱素子の温度と抵抗値との
関係を示した図、第2図はシート状発熱素子の交
流100ボルト電圧を加えた時間と抵抗値との関係
を示した図、第3図はシート状発熱素子の100℃
のエアオーブン中に放置した時間と抵抗値との関
係を示した図、第4図は線状発熱素子の温度と抵
抗値との関係を示した図、第5図は線状発熱素子
の交流100ボルト電圧を加えた時間と抵抗値との
関係を示した図、第6図は線状発熱素子の100℃
エアオーブン中に放置した時間と抵抗値との関係
を示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カーボンブラツクを主体とする導電性材料30
    〜200重量部を、1.0〜60重量%の酢酸ビニル単位
    を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とす
    る熱可塑性樹脂100重量部に配合した所望の成形
    体からなる低温用発熱素子において、該成形体が
    多価金属アルコキシドによつて架橋処理されてい
    ることを特徴とする低温用発熱素子。 2 熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体、ポリオレフイン系樹脂および熱可塑性エラ
    ストマーからなる三成分系である特許請求の範囲
    第1項に記載の低温用発熱素子。 3 多価金属アルコキシドが、アルミニウム、チ
    タン、ケイ素、ゲルマニウム等の多価金属のアル
    コキシ化合物の単量体および多量体からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲
    第1項に記載の低温用発熱素子。 4 カーボンブラツクを主体とする導電性材料30
    〜200重量部を、1.0〜60重量%の酢酸ビニル単位
    を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とす
    る熱可塑性樹脂100重量部に配合して所望の形状
    に成形し、次いで該成形体に多価金属アルコキシ
    ドあるいはその溶液を含浸させて、該成形体中に
    架橋構造を形成させることを特徴とする低温用発
    熱素子の製造方法。 5 熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体、ポリオレフイン系樹脂および熱可塑性エラ
    ストマーからなる三成分系である特許請求の範囲
    第4項に記載の低温用発熱素子の製造方法。 6 多価金属アルコキシドが、アルミニウム、チ
    タン、ケイ素、ゲルマニウム等の多価金属のアル
    コキシ化合物の単量体および多量体からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲
    第4項に記載の低温用発熱素子の製造方法。
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