JPH03241637A - カラーブラウン管用シャドウマスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、カラーブラウン管の動作開始初期において
熱変形の影響によって生ずる色ずれを防止するようにし
たシャドウマスクに関するものである。

〔従来の技術〕

第５図は従来からカラーブラウン管に用いられているシ
ャドウマスクを示す一部破断の斜視図である。図におい
て、（１）はシャドウマスク、（２）は多数の規則正し
く配列された電子ビーム透過のための小孔あるいは細長
いスリットを有しかつ略球面状の凸曲面に成形された金
属板からなるアパーチャ板、（３）は図示しないカラー
ブラウン管外囲器に保持されてアパーチャ板（２）を保
持するやや厚手の鉄板からなるフレームである。

このフレーム（３）はアパーチャ板（２）の中央に立て
た法線（４）に略平行な側壁を有する筒状部（３ａ）と
その一端を内方へ曲げてなるフランジ部（３ｂ）とから
成っている。またアパーチャ板（２）はその周辺にこれ
と一体的に成形された前記法線（４）に略平行なスカー
ト部（２ａ）を有している。このスカート部（２ａ）は
前記フレーム（３）の筒状部（３ａ）の内側に嵌合され
て複数箇所（５）において両者が溶接されている。

ここで、スカート部（２ａ）がフレーム（３）の筒状部
（３ａ）の内側に配置されているのは、カラーブラウン
管製造工程中のシャドウマスク（１）の取扱いの際、シ
ャドウマスク（１）の外周部は製造装置や作業者の手が
触れることがありこの時もし筒状部（３ａ）の外側にス
カート部（２ａ）があると薄手の金属板から成るアパー
チャ板（２）と一体内に同一材料で形成されているスカ
ート部（２ａ）を変形させてしまうことがあり、この影
響が７パーチヤ板（２）の本体にまでおよんで好ましく
ない色ずれを生じてしまうことがあるためである。フレ
ーム（３）はアパーチャ板（２）よりはるかに厚手の金
属材料で作られるのが普通であって、わすかな接触でこ
れが変形したりする恐れはほとんどない。

以下ではアパーチャ板（２）とフレーム（３）をこのよ
うに一体内に組立てたものをシャドウマスク（１）と呼
ぶ。

〔発明が解決しようとする課題〕 上記のようなシャドウマスク（１）を用いてカラーブラ
ウン管を動作させると、電子銃より放出される電子ビー
ムはアパーチャ板（２）の小孔を通過して蛍光体ドツト
を励起するが、電子ビームの大部分はアパーチャ板（２
）に射突して熱エネルギーを与え、これを加熱する。一
方、フレーム（３）は射突する電子ビームの量が少い上
に昇温をほとんど伴わず、したがって熱輻射の吸収の良
いカラーブラウン管管壁（図示せず）に近いのでアパー
チャ板（２）と比べて温度上昇が少い。したがってもし
アパーチャ板（２）とフレーム（３）とが同じような熱
膨張係数の材料で作られていると、カラーブラウン管の
動作開始後にはアパーチャ板（２）のみが主として熱膨
張を起すことになり、第６図に点線で示すようにアパー
チャ板（２）の中央部がふくらみ出てＨ点がＸ１点に移
動する、いわゆるドーミング現象を生ずる。このため、
アパーチャ板（２）上に設けられた小孔を通過した電子
ビームは正規の蛍光体ドツトに照射されなくなり、色ず
れを発生することになる。

かかるドーミング現象を防止するために近年になって７
パーチヤ板（２）をニッケル合金から成る低熱膨張材料
で作ることが行われるようになった。例えば、アパーチ
ャ板（２）としてニッケル３６％、鉄６４％の合金を使
うと、アパーチャ板（２）の熱膨張を従来の鉄の場合の
数分の１以下とすることが出来、従って先に述べたドー
ミング現象はほぼ完全に解決したかに見えた。

しかし、実験の結果、アパーチャ板（２）に低熱膨張材
を使用すると、今度は鉄で出来【いるフレーム（３）の
方の熱膨張が昇温か少いにもかかわらず、アパーチャ板
（２）よりも大きくなって先に述べたドーミングとは逆
の現象即ち第７図に示すごとくフレーム（３）の膨張に
伴ってアパーチャ板（２）の中央８点がルに移動する、
いわば逆ドーミングとでも称すべま現象が生ずることが
判明した。この現象を除去するにはフレーム（３）も低
熱膨張材で作れば良いが、これはアパーチャ板（２）に
比べてはるかに厚手のしつかりした材料で作る必要があ
り、コスト的な困難が著しく大きくなるという問題点が
あった。

この発明は以上のような問題点を解消するためになされ
たもので、アパーチャ板の材料の熱膨張係数がフレーム
の材料の熱膨張係数よりも小さい場合に生ずる前記逆ド
ーミング現象を防止あるいは緩和することのできるカラ
ーブラウン管用シャドウマスクを得ることを目的とする
。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るシャドウマスクは、フレームの筒状部の
内側に７パーチヤ板のスカート部を配し、この両者を間
隔をはなして配置した溶接点で溶接してなると共に、こ
の溶接点からスカート部に沿ってアパーチャ板に至る最
短線を考えた時この最短線上のスカート部上に孔を設け
たものである。

〔作用〕

この発明におけるシャドウマスクにおいては、アパーチ
ャ板よりもフレームが熱膨張して逆ドーミング現象が起
きる状況にいたると、スカート部に設けられた孔の作用
によりフレームの大きい熱膨張がスカート部で吸収され
、結果的にアパーチャ板を両側から引っ張る量が減少し
、逆ドーミングが緩和されると同時に、同じく孔の作用
によって７バーチヤ板を逆ドーミングを打消す方向に移
動させることが出来、生じた逆ドーミングの色ずれへの
実質的影響を減少させることが出来る。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第１
図は部分破断した要部斜視図であり、前記従来のものと
同一・または相当部分には同一符号を付して説明を省略
する。図において、（６）はスカート部（２ａ）に設け
られる孔である。

この実施例では孔（６）は溶接点（５）をとり囲む半月
状をなしており、かつ溶接点（５）からスカート部（２
ａ）に沿ってアパーチャ板（２）に至る最短線（力を横
切ってこれに対称に配置されている。かかる構造が前述
の逆ドーミングを減少させるのに有効な様子を第２図に
ついて説明する。第２図は第１図の溶接点（５）の付近
での断面図であって、フレーム（３）およびスカート部
（２ａ）を溶接点（５）や孔（６）と少し離れた点で法
線（４）を含む平面で切断して、そこから溶接点（５）
の設けられている部分を見たものである。

さて、カラーブラウン管の動作によつ【アパーチャ板（
２）よりもフレーム（３）の方が大きく膨張すると、ス
カート部（２ａ）と筒状部（３ａ）との間に隙間があく
ような変形を生ずる。従来のシャドウマスクであればこ
の変形によってスカート部（２ａ）が筒状部（３ａ）の
方向、即ち外方に引っ張られ、この結果光に述べたよう
な逆ドーミングが生ずる。

しかし第１図に示すような半月状の孔（６）を設ければ
、これによってスカート部（２ａ）上に舌片（２ｂ）が
形成され、この舌片（２ｂ）がフレーム（３）の筒状部
（３ａ）に溶接されることになり、従って前述のように
スカート部（２ａ）と筒状部（３ａ）との間に隙間のあ
くような熱変形を生じたとしても、第２図に示すように
舌片（２ｂ）のみが筒状部（３ａ）の方へ向って引っ張
られはするもののスカート部（２ａ）は明らかにそれほ
ど筒状部（３ａ）の方へは引っ張られることがなく、結
果的に前述の逆ドーミング現象（第７図におけるＨ点の
ルへの移動）を小さくすることが出来る。

更に、上記実施例では溶接点（５）をとり囲む半月状の
孔（６）が溶接点（５）からスカート部（２ａ）に沿っ
てアパーチャ板（２）に至る最短線（７）を横切ってこ
れに対称に配置されている。その結果舌片（２ｂ）はス
カート部（２ａ）上のアパーチャ板（２）と反対側の端
部（２ｃ）に近い部分でスカート部（２ａ）に接続され
たようになっている。

従って第２図に示すように筒状部（３ａ）の熱膨張によ
って舌片（２ｂ）が外側へ引っ張られるとき、主として
舌片（２ｂ）のみが変形してスカート部（２ａ）が変形
しないような強度関係があると、この舌片（２ｂ）の変
形で、スカート部（２ａ）すなわちアパーチャ板（２）
を図の矢印（８）の方向に移動させる、すなわちフレー
ム（３）と７パーチヤ板（２）との間の新たな相対位置
の変化を生ぜしぬることが出来る。これは第７図におい
てアパーチャ板（２）の中央Ｈが九に移動するのを打消
す効果がある。即ち、半月状の孔（６）を設ける方向を
上記のように選ぶことにより、舌片（２ｂ）のみが外側
に引っ張られるように変形し、結果としてスカート部（
２ａ）すなわちアパーチャ板（２）を図に矢印（８）で
示す方向に移動させることが出来、これによって第７図
で示した逆ドーミング現象によって生じたアパーチャ板
（２）の移動を相当程度まで補正出来る。

ところで、この補正は、第２図から明らかな如くアパー
チャ板（２）を矢印（８）の方向に略平行移動させるよ
うなものであって、当初問題にした第７図に示すような
中央部が周辺部より大きく移動するような変形を必ずし
もその通り補正するものではない。しかし、かかる如く
アパーチャ板（２）の各点が中心に立てた法線（４）に
平行な方向に移動するような変形が生じた場合、その移
動が実際に色ずれに影響する度合いはアパーチャ板（２
）の中央部では小さく（即ち第７図でＨがＭ、に移動し
ても中央部では色ずれはほとんど生しない）、中央部か
ら外れる部分即ちいわゆる偏向角の大きい部分ではその
影響の度合いが太きい。従って周辺部で適当に妥協をと
れば、第２図のような平行移動とみなせる移動であって
も第７図に示すような全体とじ【のふくらみが減ること
による色ずれを実用的にかなりな程度まで補正出来るの
である。

この発明はアパーチャ板（２）の材料の熱膨張係数がフ
レーム（３）の熱膨張係数より小さい場合にアバ−チャ
板（２）に生ずる好ましくない変形を防ぐために溶接点
（５）からスカート部（２ａ）に沿ってアバ−チャ板（
２）に至る最短線上のスカート部（２ａ）上に孔を設け
さえすれは良く、その具体例は上記実施例のものに限る
ものではない。

即ち孔（６）は必ずしも半月状である必要はなく、例え
ば第３図のように単なる長孔（６Ａ）でも良い。この場
合でも溶接点（５）がフレーム（３）の膨張によって引
っ張られると第４図のように溶接点（５）の近くに図に
（２ｄ）で示す如くポケット状部が形成され、この断面
は第２図にかなり近いものとなり、第２図の説明に近い
効果を得ることが出来る。

シャドウマスク（１）のアパーチャ板（２）はカラーブ
ラウン管の動作原理上通常の状態ではフレーム（３）に
対して常に定められた位置関係を保っている必要がある
。その意味で第１図のような舌片（２ｂ）が余りに長く
なるような長い半月状ノ孔（６）はアパーチャ板（２）
とフレーム（３）との位置関係がわずかな機械的ショッ
ク等で変化することがあり、これらを考慮した総合的特
性は第３図に示すような簡単な形状の孔（６Ａ）の場合
の方が良い事がある。なお、孔（６）、（６Ａ）の形状
は円形、三角形あるいは幅のない単なる切り込みなど他
にも種々可能なのは言う迄もない。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によればフレームの筒状部の内
側にスカート部を配置してなるシャドウマスクにおいて
スカート部とフレーム筒状部の溶接点からスカート部に
沿ってアパーチャ板に至る最短線上に孔を設けたので、
フレームの熱膨張係数がアパーチャ板のそれより大きい
場合に生ずるアパーチャ板の変形によるカラブラウン管
の色ずれを防止することが出来、コストアップをほとん
ど伴わずカラーブラウン管の性能を向上させることが出
来るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるシャドウマスクの一実施例を示
す部分破断斜視図、第２図はこの発明の詳細な説明する
シャドウマスクの部分断面図、第３図はこの発明の他の
実施例を示すシャドウマスクの部分斜視図、第４図は第
３図の動作を説明するシャドウマスクの部分断面斜視図
、第５図は従来のシャドウマスクを示す一部破断の斜視
図、第６図および第７図は第５図の作用を説明する断面
図である。 図において、（１）はシャドウマスク、（２）はアパー
チャ板、（２ａ）はスカート部、（２ｂ）は舌片、（２
ｃ＋）はポケット状部、（３）はフレーム、（３ａ）は
筒状部、（３ｂ）はフランジ部、（５）は溶接点、（６
）、（６Ａ）は孔を示す。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）凸曲面に形成されて多数の規則正しい電子ビーム
   透過孔を有するアパーチャ板と、このアパーチャ板の中
   心に仮想的に立てた法線に平行に前記アパーチャ板と一
   体的に形成されたスカート部と、このスカート部の外周
   をとり囲んでなる筒状部を有するフレームとを備え、前
   記スカート部と前記筒状部とは相互に間隔をおいて点状
   に溶接されており、この溶接点から前記スカート部に沿
   つて前記アパーチャ板に至る最短線上の前記スカート部
   上に孔を設けたことを特徴とするカラーブラウン管用シ
   ャドウマスク。