JPH0324077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、二種類の細胞を電気刺激を利用して
融合させる細胞融合チヤンバに関するものであ
る。

（従来の技術） 二種類の細胞を電気刺激を利用して融合させる
場合、一対の電極をもつ細胞融合チヤンバの電極
間に、細胞を懸濁した細胞液を入れ電気刺激を与
える。電気刺激として交流電界や直流電気パルス
が印加される。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の細胞融合チヤンバは、細胞液を密閉閉塞
する構造にはなつていない。

電気刺激を与えて細胞を融合させるとき、完全
に融合が終了するまでに通常30分程度の時間を要
する。そのため、周囲温度や交流電界の印加によ
る温度上昇などで細胞液が蒸発し、量が減少する
ために、細胞懸濁液の浸透圧が高くなつて、細胞
破壊にいたる。

本考案は、細胞液の過大な蒸発を防ぎ、液量の
減少を抑えることのできる構造の細胞融合チヤン
バを提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の細胞融合チヤンバでは、細胞液の蒸発
を防ぐために、細胞液を密閉閉塞し、かつ、細胞
液とは別の液を収容する液溜を設けた。

（実施例） 第１図は一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図である。

２はチヤンバ本体であり、上部が開口した容器
になつている。チヤンバ本体２内には、開口縁２
ａより低い位置に一対の電極３ａ，３ｂが設けら
れており、電極３ａ，３ｂの間には細胞を懸濁し
た細胞液５が入れられるようになつている。チヤ
ンバ本体２内にはまた、一対の電極３ａ，３ｂの
外側に液溜４ａ，４ｂが設けられており、これら
の液溜４ａ，４ｂには液体（例えば水）が入れら
れるようになつている。

チヤンバ本体２の開口は密閉閉塞手段としての
蓋１により閉じられる。チヤンバ本体２の開口縁
２ａと蓋１の内面は密着し、チヤンバ本体２内に
収容された細胞液５と液溜４ａ，４ｂの液体を同
一空間内に密閉閉塞する。

図示のように、一対の電極３ａ，３ｂ間に細胞
液５を入れ液溜４ａ，４ｂに水を入れ、蓋１を被
せた状態で、細胞液５に電気刺激を与える。ま
ず、交流電界を印加して細胞のペアを形成させ、
その後直流電気パルスを与えて細胞融合を起こさ
せる。このとき、周囲の温度や交流電界による細
胞液の温度上昇により、細胞液５が蒸発しはじめ
る。しかしながらチヤンバ本体２の上部を被う蓋
１により、その蒸発した水蒸気は外部に出ること
なく、チヤンバ内に閉じ込められる。そのため、
チヤンバ内の水蒸気圧が上昇し、蒸発が抑えられ
る。それとともに、液溜４に水を入れてあるた
め、この水も蒸発し、細胞液側の蒸発を一層減少
させることができる。

このように、細胞液の蒸発を防ぐことによつ
て、細胞液中の細胞に影響を与えずに長時間での
融合を実現できる。

（考案の効果） 本考案の細胞融合チヤンバでは、細胞液を密閉
閉塞するようにしたので細胞液から蒸発した水分
は外部に発散することなく、チヤンバ内に閉じ込
められ、かつ、細胞液とは別の液体を収容する液
溜を設け、その液溜に例えば水を入れてあること
によりチヤンバ内の水蒸気圧が上昇して細胞液の
蒸発が抑えられ、液量の減少を防ぐことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図である。 １……蓋、２……チヤンバ本体、３ａ，３ｂ…
…電極、４ａ，４ｂ……液溜。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対の電極を備え、これらの電極間に入れられ
   た細胞液に電気刺激を与えて細胞を融合させるも
   のにおいて、 前記細胞液を密閉閉塞する手段を設けるととも
   に、 前記細胞液が密閉閉塞されている空間には細胞
   液とは別の液を収容する液溜が設けられているこ
   とを特徴とする細胞融合チヤンバ。