JPH032361A - 溶射被膜構造 - Google Patents

溶射被膜構造

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JPH032361A
JPH032361A JP1136658A JP13665889A JPH032361A JP H032361 A JPH032361 A JP H032361A JP 1136658 A JP1136658 A JP 1136658A JP 13665889 A JP13665889 A JP 13665889A JP H032361 A JPH032361 A JP H032361A
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thermal
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Kazuhiko Nomoto
和彦 野本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野J 本発明は溶射被膜構造に関する。すなわち、母材の表面
に溶射されてこれを被覆する溶射被膜を備えた、溶射被
膜構造に関するものである。
「従来の技術」 従来のこの種溶射被膜構造は、母材の表面全体に対し、
何らの介在・補強手段を置くことなく、単に溶射被膜の
みが全体的に溶射形成されていた。
つまり母材の表面に対し、耐摩耗性、耐腐食性。
その他の諸特性を備えた金属、セラミックス等の溶射材
が、全体的に単に溶射されることにより、溶射被膜が形
成されていた。
又このような溶射被膜構造にあっては、溶射被膜の厚さ
をより厚く形成することへの要請が強い。
すなわち、耐摩耗性、耐腐食性、その他の、諸特性のよ
り一層の向上を図るため、溶射被膜の肉厚をより厚く形
成する必要が生じることが多い。そしてこのように厚い
溶射被膜は、−度の溶射て形成できる厚さに限界がある
ため、溶射を何回も繰り返すことにより形成されていた
。つまりこのように厚い溶射被膜は、溶射層の上に溶射
層を順次積層した多層構造よりなっていた。
「発明が解決しようとする課題」 ところでこのような従来の溶射被膜構造にあっては、次
の諸問題が指摘されていた。
第1に、母材に例えばセラミックス等の溶射材が溶射さ
れた場合、形成された溶射被膜のヤング率が高く、母材
と溶射被膜との伸縮率が異なっている。そこで特に、溶
射被膜の厚さを厚くすると、事後何らかの理由で母材に
曲げ変形等が生じた場合、溶射被膜の伸縮がこれに伴わ
ず破壊応力が発生し、溶射被膜が破壊しやすいという問
題があった。
第2に、母材と溶射被膜とは熱膨張収縮率が異なってい
る。そこで特に、溶射被膜の厚さを厚くすると、事後象
、激な温度変化があった場合、熱伸縮が異なることによ
り溶射被膜に熱破壊応力が発生し、溶射被膜が破壊しゃ
ずいという問題もあった。
第3に、形成された溶射被膜は溶射材の粒子間に気孔が
存した構造よりなり、各粒子は気孔が介在するためその
周辺で部分的に接合されているに過ぎない。そこで多層
構造の厚い溶射被膜において、その各溶射層間は、この
ように気孔が介在する溶射材の各粒子が溶けて潰れて積
層された状態となっている。従って形成された溶射被膜
が脆く、特に層間剥離が生じやすいという問題があった
第4に、溶射された溶射被膜は、形成後その熱が母材に
拡散されて急冷され収縮するが、母材に支持されて一体
となっているため完全には収縮できず熱応力が残存する
ことになる。そこで多層構造の厚い溶射被膜にあっては
、溶射が繰り返されるので、このような熱応力がその都
度各溶射層に蓄積され、この面からも層間剥離が生じや
すいという問題があった。そしてこの問題は、肉厚が厚
いだけではなく溶射被膜の面積が広い場合において、特
に顕著となっていた。
第5に、このように各種破壊および層間剥離等の問題が
存するので、溶射被膜を厚くすることには限度があった
。つまり前述のごとく、耐摩耗性。
耐腐食性、その他の緒特性のより一層の向上を図るべく
、溶射被膜を厚くすることへの要請は強いものの、実際
にン容射被膜を厚くすることには限界があり困難が多く
問題があった。
従来例ではこのような点が指摘されていた。
本発明は、このような実情に鑑み上記従来例の問題点を
解決すべくなされたものであって、母材上に隔壁を設け
てなることにより、各種破壊および層間剥離等が生じに
くく厚い溶射被膜の形成が可能となる、溶射被膜構造を
提案することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとおり
である。
すなわちこの溶射被膜構造は、母材と、該母材上に立設
され該母材上の空間を区画する多数の隔壁と、該隔壁間
に溶射されて該母材を被覆する溶射被膜と、を有してな
る。
「作  用」 本発明は、このような手段よりなるので次のごとく作用
する。
この溶射被膜構造において、母材を被覆する溶射被膜は
各隔壁により区画されてなり、その各々の周側端が隔壁
に接合固定されるとともに、その各々の面積は小さなも
のとなっている。そこで次の第1.第2.第3.第4.
第5のごとくなる。
第1に、溶射被膜のヤング率が高く母材と溶射被膜との
伸縮率が異なっていても、溶射被膜に発生する破壊応力
は緩和されたものとなる。すなわち、事後母材に曲げ変
形等が生じた場合、これに溶射被膜の伸縮が伴わないこ
とによる破壊応力の発生は緩和される。
第2に、母材と溶射被膜との熱膨張収縮率が異なってい
ても、溶射被膜に発生する熱破壊応力は緩和されたもの
となる。すなわち、事後象、激な温度変化があった場合
、母材と熱伸縮が異なることによる熱破壊応力の発生は
緩和される。
第3に、多層構造の溶射被膜の各溶射層間は、気孔が存
する溶射材の各粒子が溶けて漬れて積層された状態とな
っているが、層間剥離等は生じにく(なる。すなわち、
この溶射被膜は構造的な脆さが全体的に減少し、積層さ
れた各溶射層間の層間剥離は生じにくい。
第4に、多層構造の溶射被膜の各溶射層は、それぞれ形
成後その熱が母材に拡散されて急冷され収縮するが、母
材に支持され一体となっているのでそれぞれ完全には収
縮できない。しかしながらこの溶射被膜では、これによ
る熱応力の残存・蓄積が少なく、この面からも層間剥離
は生じに(い。
第5に、このように各種破壊および層間剥離が防止され
るので、厚い溶射被膜の形成が可能となる。
「実 施 例J 以下本発明を、図面に示すその実施例に基づいて詳細に
説明する。
まずその構成等について、溶射被膜構造の概要、その隔
壁、溶射被膜とその製造方法の順に説明する。
まず溶射被膜構造の概要について述べる。
第1図は、本発明の実施例の正断面図である。
そしてその(1)図は溶射被膜の溶射段階を全体的に示
し、(2)図はその要部を示し、(3)図はその後加熱
される段階の要部を示し、(4)図は隔壁が溶融した段
階の要部を示す。
この溶射被膜構造は、母材1と、母材1上に立設され母
材1上の空間を区画する多数の隔壁2と、隔壁2間に溶
射されて母材1を被覆する溶射被膜3と、を有してなる
溶射被膜構造の概要は、このようになっている。
次に隔壁2について述べる。
隔壁2は、金属板等よりなる母材1の上面に垂直に多数
立設され、母材1上の空間を多数かつ同じ大きさで区画
する金属補強壁よりなる。このような隔壁2としては、
各種形状のものが可能であるが、例えば第3図の斜視図
に示すごとく、その(1)図の各々平行をなし間隔を置
いて並設された直線板状の隔壁2、又その(2)図のハ
ニカム構造状の隔壁2等が用いられる。
この隔壁2は、少なくとも溶射被膜3に接する面部分が
、母材1および溶射被膜3より低融点となっている。第
2図は隔壁2等の要部の正断面図であり、その(1)図
は隔壁2が単層材よりなる例を、(2)図は隔壁2が多
層材よりなる1例を、(3)図は隔壁2が多層材よりな
る他の例をそれぞれ示している。
まず第2図の(1)図の隔壁2は、アルミニウムや銅−
ニッケル、銅−チタンの箔等の低融点軟質金Tl44が
単層材として用いられている。第2図の(2)図の隔壁
2は、芯材としてチタン等の高融点硬質金属5が用いら
れ、この高融点硬質金属5の外側にアルミニウムや銅−
ニッケル、銅−チタン等の低融点軟質金属6がコーティ
ング又はラミネートされた、多層材よりなっている。又
第2図の(3)図の隔壁2は、芯材としてニッケル等の
高融点軟質金属7が用いられ、この高融点軟質金属7の
外側にニッケルーアルミ等の低融点軟質金属8がコーテ
ィング又はラミネートされた、多層材よりなっている。
そして(2)図や(3)図のごとく多層材よりなる隔壁
2は、(1)図の単層材よりなる隔壁2に比し、強度面
に優れるという利点がある。
隔壁2は、このようになっている。
次に溶射被膜3とその製造方法について述べる。
溶射被膜3は、このように母材1上に立設された隔壁2
間に溶射され、母材lを被覆している。
すなわち、まず第1図の(1)図、(2)図に示すごと
く、上方から溶射ガン9により金属、セラミックス等の
溶射材が溶射されて、溶射被膜3が隔壁2間の母材l上
を各々被覆する。なおこのように形成された溶射被膜3
は、溶射材の特性に基づき耐摩耗性、耐腐食性等々の特
性が知られ、特にセラミックスの溶射材が用いられた場
合にはこれらの特性に−加え断熱性に優れてなる。とこ
ろで、溶射被膜3は一度の溶射で形成できる厚さに限界
があるため、このような溶射を何回も繰り返すことによ
り溶射層の上に溶射層を順次積層して形成され、もって
多層構造の厚い溶射被膜3となる。
次に第1図の(3)図に示すごとく、上方がら加熱する
ことにより、隔壁2の溶射被膜3に接する面部分が溶融
する。つまり第2図の(1)図の例ではその低融点軟質
金属4の面部分が、第2図の(2)図の例ではその低融
点軟質金属6が、第2図の(3)図の例ではその低融点
軟質金属8がそれぞれ溶融する。
もってこの溶融により第1図の(4)図に示すごとく、
各隔壁2にて区画された溶射被膜3の各々の周側端が隔
壁2に対し、架橋状態に密に接合固定されるに至る。
溶射被膜3とその製造方法は、このようになっている。
以上が構成等の説明である。
以下その作動等について説明する。
この溶射被膜構造において、母材1を被覆する溶射被膜
3は、補強壁たる各隔壁2により細かく分断され区画さ
れている。そしてこのような溶射被膜3の各々の周側端
が隔壁2に接合固定され、いわば架橋されたごとくなる
とともに、その各々の面積が極めて小さなものとなって
いる。
そこで次の第1.第2.第3.第4.第5のごとくなる
第1に、例えばセラミックス等の溶射材が用いられ溶射
被膜3のヤング率が高く、母材2と溶射被膜3との伸縮
率が異なっていても、溶射被膜3に発生する母材1の上
面に沿った方向への破壊応力は、緩和されたものとなる
。すなわちこの溶射被膜3は、細かく区画されて各々隔
壁2に接合固定されているので、事後母材lに何らかの
理由で曲げ変形等が生じても、溶射被膜3においてこれ
に伸縮が伴わないことによる破壊応力の発生は緩和され
る。
第2に、母材1と溶射被膜3との熱膨張収縮率が異なっ
ていても、溶射被膜3に発生する熱破壊応力は緩和され
たものとなる。すなわち溶射被膜3は、細かく区画され
て各々隔壁2に接合固定されているので、事後急激な温
度変化があった場合、母材1と熱伸縮が異なることによ
る熱破壊応力の発生は緩和される。
第3に、多層構造の溶射被膜3の各溶射層間は、気孔が
存する溶射材の各粒子が溶けて潰れて積層された状態と
なっているが、層間剥離等は生じに(い。すなわち溶射
被膜3の各溶射層はそれぞれ細かく区画されて各々隔壁
2に接合固定されかつその各々の面積も小さい。そこで
この多層構造の溶射被膜3においては、構造的な脆さが
全体的に減少し、積層された各溶射層間の層間剥離は生
じにくい。
第4に、多層構造の溶射被膜3の各溶射層は、それぞれ
形成後その熱が母材1に拡散されて急冷され収縮するが
、母材1に支持され一体となっているのでそれぞれ完全
には収縮できない。しかしながらこの溶射被膜3の各溶
射層は、それぞれ細かく区画されて各々隔壁2に接合固
定されかつその各々の面積も小さい。そこでこの多層構
造の溶射被膜3においては、上述の完全に収縮できない
ことによる熱応力の残存・蓄積が少なく、この面からも
層間剥離は生じに(い。
第5に、このように各種破壊および層間剥離が防止され
るので、厚い溶射被膜3の形成が可能となる。すなわち
、溶射を繰り返し溶射層を順次積層した多層構造により
、厚い溶射被膜3を確実に得ることができることになる
以上が作動等の説明である。
「発明の効果」 本発明に係る溶射被膜構造は、以上説明したごとく、母
材上に隔壁を設けてなることにより次の効果を発揮する
第1に、事後何らかの理由で母材に曲げ変形等が生じて
も、溶射被膜に発生する破壊応力は緩和される。もって
この溶射被膜は破壊されにくい。
第2に、事後急激な温度変化があった場合でも、溶射被
膜に発生する熱破壊応力は緩和される。もって溶射被膜
はこの面からも破壊されにくい。
第3に、多層構造の溶射被膜であっても構造的な脆さが
減少する。もって特に、積層された各溶射層間における
層間剥離が生じに(くなる。
第4に、多層構造の溶射被膜であっても、溶射。
急冷、収縮に伴う熱応力が各溶射層に残存、蓄積されに
く(なる。もってこの面からも層間剥離が生じにくくな
る。
第5に、このように各種破壊および層間剥離等が防止さ
れるので、厚い溶射被膜の形成が可能となる。もってこ
のような厚い溶射被膜を用いることにより、耐摩耗性、
耐腐食性、その他の緒特性のより一層の向上を図ること
ができるようになる。
このようにこの種従来例に存した問題点が一掃される等
、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る溶射被膜構造の実施例の正断面
図である。そしてその(1)図は溶射被膜の溶射段階を
全体的に示し、(2)図はその要部を示し、(3)図は
その後加熱される段階の要部を示し、(4)図は隔壁が
溶融した段階の要部を示す。 第2図は、その隔壁等の要部の正断面図である。 そしてその(1)図は隔壁が単層材よりなる例を、(2
)図は隔壁が多層材よりなる1例を、(3)図は隔壁が
多層材よりなる他の例をそれぞれ示している。 第3図は、隔壁等の全体的な斜視図である。そしてその
(1)図は並設された直線板状の隔壁を、(2)図はハ
ニカム構造状の隔壁をそれぞれ示している。 第 図 1・・・ 2・・・ 3・・・ 4・・・ 5・・・ 6・・・ 7・・・ 8・・・ 9・・・ 母材 隔壁 溶射被膜 低融点軟質金属 高融点硬質金属 低融点軟質金属 高融点軟質金属 低融点軟質金属 溶射ガン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】  母材と、該母材上に立設され該母材上の空間を区画す
    る多数の隔壁と、該隔壁間に溶射されて該母材を被覆す
    る溶射被膜と、 を有してなることを特徴とする溶射被膜構造。
JP1136658A 1989-05-29 1989-05-29 溶射被膜構造 Expired - Lifetime JP2745326B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006037699A1 (de) * 2004-10-05 2006-04-13 Siemens Aktiengesellschaft Bauteil mit beschichtung und verfahren zum herstellen einer beschichtung
JP2016089831A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイションUnited Technologies Corporation 遮熱システムおよび遮熱システムを構成要素に塗布する方法

Cited By (2)

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WO2006037699A1 (de) * 2004-10-05 2006-04-13 Siemens Aktiengesellschaft Bauteil mit beschichtung und verfahren zum herstellen einer beschichtung
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