JPH032339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分類・分野〉 開示技術は、パネル等のワ−ク端部を上型と下
型間で曲折加工するプレス成形型に用いられてい
るサブリフタ装置で、下型へのワ−ク位置決めを
より確実にするために、ワ−ク端案内用のガイド
を可動するようにしたサブリフタ機構の技術分野
に属する。

〈要旨の解説〉 而して、この考案は、該プレス成形型の下型側
延ベ−ス上に立設されたサブリフタ本体内にコイ
ルバネ等の弾機を内装したガイドポストがストツ
パを介して回転防止裡に昇降摺動自在にされ、該
ガイドポストの上面に上記ワ−ク端部持ち上げ用
のリフタがボルト等の手段を介して固定されて上
型の下延先行ピンに対向されていると共に、該リ
フタ上面に該ワ−ク端部案内用のガイドが付設さ
れているプレス成形型のサブリフタ装置に関する
考案であり、特に、該リフタの下型寄りの所定位
置に穿設された摺動孔にコイルバネ等の弾機を内
装したサブガイドポストが昇降動自在に嵌装さ
れ、而して、該サブガイドポスト上面に上記ガイ
ドが所定手段を介して固定されると共に、該サブ
ガイドポストの上部内底面よりガイドピンが下延
され、又、該ガイドピンの中途と下端の所定位置
には上記リフタ下面と前記サブリフタ本体側延の
係合体とに対する各係止体が上記ガイドの昇降ス
トロ−クを調整規制自在に各々付設されているプ
レス成形型のサブリフタ装置に係る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、プレス成形型を用いてワ−クとし
てのパネルの外周部にフランジ等を曲折形成する
プレス加工において、プレス加工後のプレス成形
型の下型に挟装されたパネルはリフタ装置により
該下型から離型させるようにしている。

而して、該リフタ装置の他に、第１，２，３図
に示す様に、従来のプレス成形型１の下型２の下
部側延ベ−ス３上にはサブリフタ装置４が併設さ
れ、プレス加工後のパネル５の曲げ成形されたフ
ランジ端部６を下型２から離型させるためのリフ
タプレ−ト７がサブリフタプレ−ト８を介して上
記ベ−ス３上に立設のサブリフタ本体９内に摺動
自在にされたガイドポスト１０の上面にボルト１
１を介して固定され、該ガイドポスト１０に内装
された弾機としてのコイルバネ１２の付勢力を介
してリフタプレ−ト７が所定ストロ−ク（Slとす
る）上昇することにより上記パネル５のフランジ
端部６を持ち上げるようになつている。

そして、該パネル５のフランジ端部６の変形を
防ぐためパネル５を押えるパツド１３のストロ−
ク（Spとする）より上記リフタプレ−ト７のス
トロ−クSlを大きくしなければならない。

即ち、パネル５のフランジ端部６のリフトアツ
プ量をlp、余裕量をαとすると、該リフタプレ−
ト７の昇降ストロ−クSlは、 Sl＝Sp＋lp＋α で表わされる。

又、該種サブリフタ装置４は、実公昭58−6591
号公報にも開示されている如く、パネル５のプレ
ス加工前においては、下型２の所定位置にパネル
５をセツトするための位置決めをするガイド１４
が上記リフタプレ−ト７上に所定手段を介して固
定されて設けられている。

〈従来技術の問題点〉 さりながら、該ガイド１４はパツド１３とパネ
ル５が接触する前にリフタプレ−ト７と共に下降
し、パネル５の端部を位置決めしていた該ガイド
１４の所定部位がパネル５から離れてしまうため
に、パネル５が下型２の正規のセツト状態よりず
れてしまう欠点があつた。

この結果、プレス加工されたパネル５の精度に
バラツキが生じ、常に安定したプレスパネル品を
得ることができない不利点があつた。

〈考案の目的〉 この考案の目的は上述従来技術に基づくプレス
成形型に併設されるサブリフタ装置の問題点を解
決すべき技術的課題とし、下型にガイドを介して
端部を位置決めセツトされたワ−クがプレス加工
成形される直前まで該ガイドにより保持できるよ
うにし、プレス加工後のワ−クの精度にバラツキ
が生じないようにし、安定したプレス品を常に得
ることができるようにして各種製造産業における
プレス加工利用分野に益する優れたプレス成形型
のサブリフタ装置を提供せんとするものである。

〈考案の構成〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述問題点を解決
するためにプレス成形型の下型側延ベ−ス上に立
設されたサブリフタ装置のガイドに沿つて下型に
所定手段をしてワ−クが位置決めされ、該ワ−ク
の端部がガイドによつて保持された正規のセツト
状態で上型に内蔵されたパツドがワ−クに当接
し、ワ−ク端持ち上げ用のリフタが下降しても上
型によつてワ−クがプレス成形される直前まで該
ワ−クの端部を上記ガイドで保持させ、プレス成
形時には上記リフタと共に該ガイドを所定ストロ
−ク下降させて、プレス加工精度のバラツキのな
い安定したプレス成形ができるようにし、又、プ
レス成形後にはリフタの上昇によりワ−クの端部
が押し上げられてプレス成形品の離型を容易にで
きるようにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例 構成〉 次に、この考案の実施例を第４図以下の図面に
基づいて説明すれば以下の通りである。

尚、第１，２図と同一態様部分は同一符号を用
いて説明するものとする。

４′はこの考案の要旨を成すサブリフタ装置で
あり、プレス成形型１の下型２の下部側延ベ−ス
３上に円柱状のサブリフタ本体９′の底部が螺着
されて固定され、該サブリフタ本体９′内には弾
機としてコイルバネ１２を内装した円柱状のガイ
ドポスト１０がストツパ１５を介し回転規制裡に
所定ストロ−ク（Sl）昇降摺動自在に保持されて
いる。

而して、該ガイドポスト１０の上面にはサブリ
フタプレ−ト８′とサブリフタプレ−ト７′がボル
ト１１を介して各々固定されて一側に空間１６を
有するように形成され、該空間１６の上方の該リ
フタプレ−ト７′には摺動孔１７が穿設され、該
摺動孔１７内にはパネル５端部の案内傾斜面１
４′を有したガイド１４を上設固定した角柱状の
サブガイドポスト１８が弾機としてのコイルバネ
１９を内装させて空間１６の上面から底面までの
所定ストロ−ク（Sa）を昇降摺動するように設
けられている。

尚、サブガイドポスト１８内装のコイルバネ１
９の弾性係数は、前記ガイドポスト１０内装のコ
イルバネ１２の弾性係数より小さく、第３図に示
す様に、プレス加工前においては、該ガイドポス
ト１０内装のコイルバネ１２はガイドポスト１０
を上方に弾圧付勢して伸長しているのに対し、上
記サブガイドポスト１８内装のコイルバネ１９は
圧縮されてリフタプレ−ト７′の上面にガイド１
４の底面が当接する状態となつている。

そして、該サブガイドポスト１８の上部中央に
先端部を螺着したガイドピン２０が下延して空間
１６側の前記サブリフタプレ−ト８′に挿通する
と共に、前記サブリフタ本体９′一側上部の係合
体としてのフランジ２１に挿通して該サブリフタ
本体９′の中途まで下延しており、該ガイドピン
２０の中途の所定位置にはサブリフタプレ−ト
８′の下面に当接離反する係止体としてのワツシ
ヤ２２が位置決めナツト２３を介して調整自在に
係止されると共に、その下端部分には上記フラン
ジ２１の下面に当接離反する係止体としてのワツ
シヤ２４が位置決めナツト２５を介して調整自在
に係止されている。

したがつて、ガイドポスト１０の昇降ストロ−
クと、リフタプレ−ト７′の昇降ストロ−クは同
一ストロ−クSlを有し、ガイド１４の昇降ストロ
−クをSa、ガイドピン２０の昇降ストロ−クを
Sbとすると、上記リフタプレ−ト７′の昇降スト
ロ−クSlは Sl＝Sa＋Sb で表わされ、又、従来技術と同様に、パツド１３
の昇降ストロ−クをSp、パネル５のフランジ端
部６のリフトアツプ量をlp、余裕量をαとする
と、上記リフタプレ−ト７′の昇降ストロ−クSl
は Sl＝Sp＋lp＋α で表わされる。

尚、２６は上型であり、２７は先行ピンであ
り、該上型２６の下面より下延されてリフタプレ
−ト７′の上面に当接離反自在にされている。

〈実施例 作用〉 上述構成において、プレス成形型１を用いてワ
−クとしてのパネル５の端部を曲折プレス加工し
て所定形状の曲げフランジ端部６を一体形成する
に際し、プレス加工前の状態で、サブリフタ装置
４′のガイド１４はワ−クとしてのパネル５端部
を案内してパネル５の位置を決め、下型２の正規
の位置にパネル５をセツト保持するようになつて
いる。

そして、図示しない昇降装置を介して上型２６
が下降し、上型２６に固定された先行ピン２７が
リフタプレ−ト７′に当接押圧すると、ガイドポ
スト１０内装のコイルバネ１２が付勢力に抗して
圧縮し、それに伴なつてリフタプレ−ト７′、サ
ブリフタプレ−ト８′、ガイドポスト１０は共に
下方にスライドし始める。

この時に、リフタプレ−ト７′の摺動孔１７内
に設けられたサブガイドポスト１８がコイルバネ
１９の付勢力により結果的に上方にスライドする
ようになり、サブリフタプレ−ト８′の下面がガ
イドピン２０の中途に設けられたワツシヤ２２に
当接する間のストロ−クSaまで、上記サブガイ
ドポスト１８の上面に固定されたガイド１４は初
期状態を保持すべく静止している。

したがつて、パネル５はガイド１４によつて端
部を位置決めされた所定の状態を維持し、プレス
加工の直前まで下型２の正規の位置にセツトされ
た状態になつている。

そして、上型２６がさらに下降して該上型２６
に内蔵されたパツド１３がパネル５に当接し、パ
ネル位置が固定されるとガイド１４が下降し始め
るようになり、そのタイミングはサブガイドポス
ト１８のストロ−クSa量の調整によつて決定さ
れる。

即ち、パネルセツト時にサブガイドポスト１８
と当接していたサブリフタプレ−ト８′がストロ
−クSa量だけ下降してガイドピン２０の中途の
所定位置に固定されたワツシヤ２２に当接する
と、上型２６の先行ピン２７によつてリフタプレ
−ト７′、サブリフタプレ−ト８′、ガイドポスト
１０が押し下げられ、ガイド１４も下降してパネ
ル５端部の曲折成形が開始される。

この結果、パネル５は常に正規の位置にセツト
された状態でプレス加工されることになり安定し
たプレスパネル品を得ることができるようになつ
ている。

そして、プレス加工後は、リフタプレ−ト７′
の所定ストロ−クSlの上昇により、パネル５のフ
ランジ端部６が上方に持ち上げられて容易に離型
されるようになつている。

〈考案の効果〉 以上この考案によれば、プレス成形型の下型側
延ベ−ス上に立設したサブリフタ本体内に弾機を
内装したガイドポストを昇降摺動自在にし、該ガ
イドポストの上面にワ−ク端押上げ用のリフタを
固定して上型の下延先行ピンに対向させていると
共に、該リフタにワ−ク端案内用のガイドを付設
しているサブリフタ装置において、該リフタに穿
設した摺動孔に弾機を内装したサブガイドポスト
を昇降動自在に設け、而して、該サブガイドポス
ト上面に上記ガイドを固定すると共に、該サブガ
イドポストの上部底面よりガイドピンを下延し、
又、該ガイドピンの中途と下端の所定位置には上
記リフタ下面と上記サブリフタ本体の係合体とに
対する係止体を各々付設したことにより、ガイド
により案内されたパネル端部がプレス成形の直前
まで該ガイドによつて保持され、その結果、最初
の正規のワ−クセツト状態でプレス成形が確実に
行なわれ、プレス加工精度のバラツキが解消さ
れ、常に安定したプレス成形ができる優れた効果
が奏される。

加えて、プレス加工精度が向上することによ
り、プレス成品の品質が著しく高くなり、不良品
の減少により全体的に低コストで良品の量産がで
きるメリツトがある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は従来技術のプレス成形型のサブリ
フタ装置を示すものであり、第１図はプレス加工
前のサブリフタ装置の断面図、第２図はプレス加
工後のサブリフタ装置の断面図、第３図はサブリ
フタ装置のストロ−ク説明図、第４図以下はこの
考案の１実施例の説明図であり、第４，５，６図
は第１，２，３図の相当説明図である。 １……プレス成形型、２……下型、３……側延
ベ−ス、９′……サブリフタ本体、１２……弾機、
１０……ガイドポスト、５……ワ−ク、７′，
８′……リフタ、２６……上型、２７……先行ピ
ン、１４……ガイド、４′……サブリフタ装置、
１７……摺動孔、１９……弾機、１８……サブガ
イドポスト、２０……ガイドピン、２１……係合
体、２２，２４……係止体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス成形型の下型側延ベ−ス上に立設された
   サブリフタ本体内に弾機を内装したガイドポスト
   が昇降摺動自在にされ該ガイドポストの上面にワ
   −ク端押上げ用のリフタが固定されて上型の下延
   先行ピンに対向されていると共に該リフタにワ−
   ク端案内用のガイドが付設されているサブリフタ
   装置において、上記リフタに穿設された摺動孔に
   弾機を内装したサブガイドポストが昇降動自在に
   設けられ、而して該サブガイドポスト上面に上記
   ガイドが固定されると共に該サブガイドポストの
   上部底面よりガイドピンが下延され、又該ガイド
   ピンの中途と下端の所定位置には上記リフタ下面
   と前記サブリフタ本体の係合体とに対する係止体
   が各々付設されていることを特徴とするプレス成
   形型のサブリフタ装置。