JPH0323399B2 - - Google Patents

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JPH0323399B2
JPH0323399B2 JP18256783A JP18256783A JPH0323399B2 JP H0323399 B2 JPH0323399 B2 JP H0323399B2 JP 18256783 A JP18256783 A JP 18256783A JP 18256783 A JP18256783 A JP 18256783A JP H0323399 B2 JPH0323399 B2 JP H0323399B2
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JP
Japan
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propeller
rotation speed
blade angle
control
variable pitch
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JP18256783A
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JPS6076499A (ja
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Yoshifumi Kawakami
Akira Obara
Rinzo Tokue
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NIPPON KOKU UCHU KOGYOKAI
SUMITOMO SEIMITSU KOGYO KK
Original Assignee
NIPPON KOKU UCHU KOGYOKAI
SUMITOMO SEIMITSU KOGYO KK
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Publication date
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Publication of JPS6076499A publication Critical patent/JPS6076499A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ブレード角度とプロペラ回転数を
連続制御する可変ピツチプロペラのピツチ制御方
法とその装置に係り、例えば刻々と変化する航空
機の運航状態に応じて、所要の関数で表される可
変ピツチプロペラの性能データに基づいて、プロ
ペラ作動効率の連続的最大化を計り、ブレード角
度とプロペラ回転数を共に連続制御する可変ピツ
チプロペラのピツチ制御方法とその装置に関す
る。
従来の技術 一般に、航空機用プロペラ、ヘリコプター用ロ
ーター、船舶用プロペラ、産業用フアン及び風車
の回転翼は、そのピツチを調整することにより、
推力、吸収パワー及び風量等の制御が容易にな
り、性能特性を著しく向上させることができる。
例えば、航空機の場合、可変ピツチプロペラの
自動ピツチ制御には、与えられたパワーに拘わら
ず設定された一定の回転数を得るようにブレード
角度を自動的に選択する制御方式の定速制御、あ
るいは、地上走行時に手動で直接ブレード角度を
変化させて推力を変える制御方式のベータβ制御
が代表的である。
また、プロペラの推力発生原理に基づく具体的
技術として実用化されているものに、特定のエン
ジン、プロペラの設計ポイントの性能、すなわ
ち、設計条件として仮定した飛行速度とエンジン
回転速度において最大プロペラ推進効率を得るよ
うプロペラ翼形状を設計し、この設計ポイントの
性能を実現する手段として、ガバナにより固定的
に設定したプロペラ回転数(減速ギヤを介してエ
ンジン回転数に対応)を維持するガバナ定速制御
技術がある。
この定速制御方式は設定プロペラ回転数を、巡
航状態で最適となるよう選定するため、離陸時、
上昇時等の巡航状態以外の作動状態では、効率
上、必ずしも最適なプロペラ制御が行なわれてい
るとは言い難い。例えば、定速制御の場合、機速
の変化あるいはエンジンパワーの変化に対してブ
レード角度を変化させることによつてエンジンパ
ワーとプロペラ吸収パワーを釣り合わせている
が、最適プロペラ効率は設計飛行条件である巡航
条件でしか実現できない。
発明が解決しようとする課題 航空機においても省資源の立場から、エネルギ
ー効率のすぐれた航空機、エンジン等が望まれて
おり、特に、エネルギー効率にすぐれた高速プロ
ペラが注目され、種々の研究がなされている。こ
の点からも、効率の良いプロペラ制御が切望され
ている。
さらに、航空機のプロペラ制御系は、いかなる
条件下でも十分に安定した過渡応答を有するもの
でなければならず、このためプロペラ制御の主要
素であるピツチ交換機構とその制御はもちろんの
こと、機体、エンジン、プロペラの詳細な特性と
これらの相互関係を十分に検討した制御系が必要
であるが、従来、かかる見地に立つて検討された
可変ピツチプロペラのピツチ制御は皆無であつ
た。
この発明は、上記の現状に鑑み、任意の飛行条
件に応じてプロペラ運用条件の最適化を実現する
プロペラの適応制御を目的とし、また、可変ピツ
チプロペラの作動効率の最大化を計つた自動ピツ
チ制御方法の提供を目的とし、また、航空機の運
航条件の変化にリアルタイムに対応して、常に最
大効率状態で作動するようプロペラを制御する自
動ピツチ制御方法の提供を目的としている。
またこの発明は、いかなる条件下でも十分に安
定した過渡応答を有するプロペラの制御系の提供
を目的とし、さらに、フエザリング、リバーシン
グ等のプロペラに要求される多機能をも合せて制
御できる自動ピツチ制御方法とその装置の提供を
目的としている。
課題を解決するための手段 この発明は、 連続的に変化する運航中のマツハ数、高度、大
気全温及びエンジン軸出力のデータに基づいて、
演算器にて、記憶されたマツハ数Mn、機体速度
V、プロペラ回転数N及びブレード角度βの関数
で表される可変ピツチプロペラの性能データよ
り、最適プロペラ作動条件のプロペラ回転数
Nsetとブレード角度βsetを算出し、さらに現在
のブレード角度β及びプロペラ回転数Nと比較し
て、最適プロペラ作動条件になるように制御器を
介して可変ピツチ機構及びエンジン出力を連続制
御することを特徴とする可変ピツチプロペラのピ
ツチ制御方法(以下この発明の制御方法をβ−N
複合制御という)である。
また、この発明は、 パイロツトの選択により、β−N複合制御方法
と直接ブレード角度βを制御する制御方法とを選
択することを特徴とする可変ピツチプロペラのピ
ツチ制御方法である。
さらに、この発明は、 速度計、高度計、大気全温計、ブレード角度検
出器、プロペラ回転数検出器の各計器と、 マツハ数、高度、大気全温のエアーデータとパ
イロツトの指令及び予め設定したプログラムチヤ
ートにより出力制御を行なうエンジン制御装置
と、マツハ数Mn、機体速度V、プロペラ回転数
N及びブレード角度βの関数で表される可変ピツ
チプロペラの性能データに基づく最大効率作動条
件の記録手段と、 エンジン制御装置からのマツハ数、高度、大気
全温、エンジン軸出力データと上記プロペラの最
大効率作動条件に基いて最適プロペラ作動条件の
プロペラ回転数Nsetとブレード角度βsetを算出
する演算手段と、 上記の最適プロペラ回転数Nsetに従つて現在
のプロペラ回転数を制御するプロペラ回転数補正
手段と、 上記の最適ブレード角度βsetに従つて現在のブ
レード角度を制御するピツチ補正手段とから構成
し、 上記エアーデータとエンジン軸出力データに基
づいて、常に最適プロペラ作動条件となるようブ
レード角度とプロペラ回転数を連続制御すること
を特徴とする可変ピツチプロペラのピツチ制御装
置である。
作 用 この発明によるβ−N複合制御は、プロペラ制
御の主要素であるピツチ変換機構とその制御及び
機体、エンジン、プロペラの詳細な特性とこれら
の相互関係を考慮し、コンピユータを用いて、プ
ロペラと機体・エンジン間の制御系を一体化し
て、機体の運航条件の時々刻々の変化にリアルタ
イムに対応して、常に最大効率状態で作動するよ
うに、連続してブレード角度とプロペラ回転数を
制御してプロペラの作動効率の最大化を図る制御
方法である 具体的に説明すると、この発明による制御装置
は、フライトコントロール、エンジンコントロー
ル(FADEC)及びマツハ数、高度、大気全温の
エアーデータコンピユータとのデータリンクを形
成し、飛行状態をリアルタイムに把握し、メモリ
ー内のプロペラ性能データとを組合せることによ
り、最適なプロペラ回転数N−setを求め、連続
してプロペラ回転数を制御するとともに、センサ
ーから得た実際のプロペラ回転数及びブレード角
度をコンピユータにフイードバツクし、アクチユ
エータを介してピツチすなわちブレード角度βを
制御し、プロペラの作動効率を連続的に最大化す
るものである。
この発明は、上述する如くプロペラの効率制御
に際して、適応制御であるβ−N複合制御を行な
うもので、プロペラ回転数を連続制御することか
ら、フリータービンエンジンの採用が前提とな
る。
この発明において、速度計、高度計、大気全温
計は、機体のフライト状態を示すエアーデータを
得るもので、可変ピツチプロペラの最適作動条件
を決定するのに不可欠である。このデータを1個
の装置で統括処理するのもよい。
ブレード角度検出器とプロペラ回転数検出器
は、実際のブレード角度、回転数を得るもので、
演算した最適値と比較してこれを補正するために
不可欠であるが、検出器の構成は公知のいかなる
ものでも利用でき、例えば、プロペラ回転数はマ
グネテイツクまたは光学的エンコーダー、タコジ
エネレータ、ブレード角度はマグネテイツクまた
は光学的アブソリユートエンコーダーが利用でき
る。
エンジン制御装置は、エアーデータとパイロツ
トの指令及び予め設定したプログラムチヤートに
より出力制御を行なうもので、公知の種々の制御
装置が使用でき、演算手段により設定した最適プ
ロペラ回転数に運航中の回転数を制御するプロペ
ラ回転数補正手段は、このエンジン制御装置内に
配置される構成であつてもよい。
マツハ数Mn、機体速度V、プロペラ回転数N
及びブレード角度βの関数で表される可変ピツチ
プロペラの性能データに基づくプロペラ最大効率
作動条件は、当該可変ピツチプロペラの理論上及
び実際の性能データ並びに使用するエンジン性
能・特性に基づいて、また、航空機及びびプロペ
ラに要求される多種の機能を十分に果すよう考慮
し、航空機の種々走行、飛行条件、すなわち、タ
キシング、テイクオフ、クライム、クルージン
グ、最大水平飛行、アプローチ、リバース等にお
いて、可変ピツチプロペラの作動効率が常に最大
となる条件を、連続的に計算して求めるものであ
り、かかる可変ピツチプロペラの性能データは、
演算手段と同一あるいは別個の記憶手段に記憶さ
れる必要がある。
最適プロペラ作動条件の演算手段は、エンジン
制御装置からあるいは別個の装置からのマツハ
数、高度、大気全温、及びエンジン軸出力データ
と記憶手段のプロペラの最大効率作動条件に基い
て最適プロペラ作動条件のプロペラ回転数Nset
とブレード角度βsetを算出するもので、演算手段
はいかなる方式、構成、装置であつてもよい。
上記の最適プロペラ回転数Nsetに従つて現在
のプロペラ回転数を制御するプロペラ回転数補正
手段と、上記の最適ブレード角度βsetに従つて運
航中のブレード角度を制御するピツチ補正手段と
は、フイードバツク制御として別個の装置として
構成する他、同一のコンピユータであつてもよ
く、例えば、プロペラ回転数の補正はエンジン制
御装置内で行なつたり、ブレード角度の補正をサ
ーボモータドライブ可変ピツチ機構へ信号制御す
るなど多種の構成が利用でき、上記エアーデータ
とエンジン軸出力データに基づいて、常に最適プ
ロペラ作動条件となるようブレード角度とプロペ
ラ回転数を連続制御できる構成であればよい。
実施例 実施例 1 以下に、この発明のβ−N複合制御の実施例を
第1図から第4図に基づいて詳述する。
ここでは、前記のプロペラ最大効率作動条件の
記憶手段、最適プロペラ作動条件の演算手段、プ
ロペラ回転数及びブレード角度の補正手段を内蔵
したプロペラ・コントロール・ユニツト(PCU)
を使用した例を説明する。
エアーデータコンピユータには、マツハ数
Mn、高度H、大気全温℃が各計測器より入力さ
れており、エアーデータはエンジンコントロール
(例えば、FADEC;Full Authority Digital
Engine Control)に出力される。
FADECは、エンジン制御のパラメーター計算
を行ない実際のエンジン出力をフイードバツク
し、アクチユエーターを介して出力制御を行な
う。
また、コツクピツトにおいて、パイロツトの操
作によるパワーレバーの設定角度に従うパワー設
定指令による出力制御と、β−N複合制御、フエ
ザリング、リバース及び直接βコントロールのう
ちいずれのプロペラ制御を実行するのかの選択が
行なわれる。
さらに、コツクピツトにはFADECによる制御
状況、推力、プロペラ回転数やエアーデータ等が
表示される。
PCUは、FADECを通して機体側のエアーデー
タコンピユータから、マツハ数Mn、高度H、大
気全温℃及びエンジン軸出力ESHPの情報を得
る。
PCUの記憶回路には、可変ピツチプロペラの
理論上及び実際の性能データ並びに使用するエン
ジン性能・特性並びに、航空機及びプロペラに要
求される多種の機能を十分に果すよう考慮し、パ
イロツトが選択指令するフエザリング、リバース
を除く全ての航空機の種々の走行、飛行条件、す
なわち、タキシング、テイクオフ、クライム、ク
ルージング、最大水平飛行、アプローチ等におい
て、可変ピツチプロペラの作動効率が常に最大と
なる条件を、連続的に計算で求めるために必要な
可変ピツチプロペラの性能データが記憶してあ
る。
具体的には、マツハ数Mn、機体速度V、プロ
ペラ回転数N及びブレード角度βの関数で表され
る可変ピツチプロペラの性能データであり、パラ
メータの選定は任意であるが、例えば、横軸にア
ドバンスレイシオJ(J=V/nD)、縦軸はパワ
ー係数CP(CP=PHP/ρn3D5)を採り、効率を等
高線の如く表しかつブレード角度をパラメータと
して表した第4図に示す如きチヤートを、所要の
マツハ数毎に多数用意するが如く想定した可変ピ
ツチプロペラの性能データーを予めPCUの記憶
回路に記憶させておく。
この可変ピツチプロペラの性能データー並びに
上記エアーデータとエンジン軸出力ESHP情報に
基づいて、運航中の最適プロペラ作動条件である
プロペラ回転数Nとブレード角度βを演算し、さ
らに、ブレード角度検出器による現在のブレード
角度(β信号)及びプロペラ回転数検出器による
現在のプロペラ回転数(N信号)がフイードバツ
クされ、算出した最適条件と比較されて、制御補
正信号の推力Thrust及びプロペラ回転数Nの各
信号はFADEC及びコツクピツト表示システムへ
出力される。目標ブレード角度ブβsetは可変ピツ
チ機構のアクチユエータであるサーボモーターへ
出力される。
次に、上述したプロペラ制御系統において、β
−N複合制御を実現するための制御ブロツクダイ
ヤグラムを第2図に基づいて説明する。
第2図において、sはプラス演算子、PHPは
プロペラ吸収馬力、ΔMはトルク差、ωは角速
度、nはrps、Nはrpm、wfは燃料流量、Jはア
ドバンスレイシオ、Thrustは推力、DRAGは機
体抵抗、Sは機体面積を示す。
また、第2図において、1はPCU、2は
FADEC、3はデジタルコンピユータ、4はデジ
タル補償要素、5,9,11,12は比較要素、
6はホールド回路、7は可変ピツチ機構のアクチ
ユエータを示し、さらに領域8はアクチユエータ
7及びブレード角度の制御物理系、領域10は制
御対象のプロペラの物理系、領域13はエンジン
の制御物理系、領域14は機体の制御物理系を示
してあり、制御信号である最適プロペラ回転数
Nset、最適ブレード角度βsetが、制御対象であ
るプロペラなどの実際の物理系内でどのように関
与するかを示している。
PCU1には、フライト状態情報としてFADEC
2からマツハ数Mn、大気全温℃、高度H、機速
V、エンジン軸出力ESHPが入力され、デジタル
コンピユータ3でPCU1の記憶回路に記憶され
たマツハ数Mn、機体速度V、プロペラ回転数N
及びブレード角度βの関数で表される可変ピツチ
プロペラの性能データより、最適プロペラ回転数
Nset、効率η、最適ブレード角度βsetを求める
ように演算される。
例えば、演算例を前述した第4図に示す如きマ
ツハ数をパラメータとしたチヤートに基づいて説
明すると、現在のマツハ数におけるプロペラの性
能データから、現在の機速とエンジン軸出力の条
件のもとで発揮できる最大推進効率を達成しうる
プロペラ回転数Nset及びブレード角度βsetを演
算で求める。
また第2図に示す如く、プロペラの回転数Nと
ブレード角度βは独立して制御されるのではな
く、プロペラ吸収馬力PHPとプロペラの回転数
Nとブレード角度βの関数関係を通してブレード
角度βを直接制御することで間接的にプロペラの
回転数Nの制御が行われる。
まず、演算されたブレード角度βsetは、ブレー
ド角度の制御系である可変ピツチ機構のアクチユ
エータ7に入力されてプロペラ(領域10)のブ
レード角度を所要値になるよう制御されるが、プ
ロペラの回転数の偏差とデジタル補償要素4によ
り修正された最適ブレード角度βset実測した現在
のブレード角度βと比較(比較要素9)されてそ
の偏差がアクチユエータ7へ出力される。
また、演算され出力する最適プロペラ回転数
Nsetは、実測した現在の回転数Nと比較(比較
要素5)されてその偏差が制御系へ出力され、そ
の偏差に基づく操作量がブレード角度の制御系へ
出力されて回転数のオーバーシユートが発生しな
いように制御される。
すなわち、制御対象のプロペラ(領域10)の
回転数Nを検出器で検出したものを適切に選択し
たサンプル幅でサンプリング(ホールド回路6)
し、離散時間系列としてフイードバツクし、目標
プロペラ回転数Nsetとの偏差に基づいて回転数
のオーバーシユートが発生しないように設計され
たデジタル補償要素4により変形された操作量を
可変ピツチ機構のアクチユエータに加えてブレー
ド角度を変化させ、ブレード角度変化に伴いプロ
ペラ回転数が変化して目標値まで制御される。
同様にエンジン軸出力ESHPとプロペラ吸収馬
力PHPの偏差に基づくトルク差により、プロペ
ラ回転数が増減され、変更されたプロペラ回転数
NがPCUにフイードバツクされる。すなわち、
プロペラ(領域10)の回転数はプロペラ回転軸
まわりの角運動量に関する運動方程式で決定さ
れ、具体的にはエンジン軸出力ESHPとプロペラ
吸収馬力PHPとの差異パワーをプロペラ回転数
で除算して求められる差異トルクと、プロペラ慣
性能率と角加速度の積とを等置して得られる方程
式で時事刻々と変化する。
領域10に示す如く、プロペラ吸収馬力PHP
はプロペラの回転数Nとブレード角度βの関数で
あるため、物理系では両者の変更により自動的に
プロペラ吸収馬力PHPの変更が実現される。
また、機体速度Vも推推力Thrustと機体抵抗
DRAGの偏差に基づいて機体速度が変更され、
変更された機体速度(修正V)がPCU1にフイ
ードバツクされる。
このようにプロペラの回転数Nとブレード角度
βは独立して制御されるのではなく、プロペラ吸
収パワーとプロペラの回転数Nとブレード角度β
の関数関係を通してブレード角度βを直接制御す
ることで間接的にプロペラの回転数Nの制御が行
われる。
なお、β−N複合制御の行われている過渡応答
過程では実際の物理系では下記現象が発生する。
すなわち、プロペラの回転数Nとブレード角度β
が変更されるとその関数として表現されるプロペ
ラ推力が変更され、機体の抵抗との差異により機
体の加速あるいは減速が発生する。それによつ
て、機体速度が変更され、エンジン軸出力及びア
ドバンス・レイシオJを通してプロペラ吸収馬力
PHPに影響を与える。これらの変更が修正量と
してそれぞの物理量の評価に盛り込まれ、変更さ
れエンジン軸出力(修正ESHP)がPCU1にフ
イードバツクされる。
上記のPCU1制御系統は、運航中のマツハ数
Mn、高度H、大気全温及びエンジン軸出力
ESHPのデータに基づいて、マツハ数Mn、機体
速度V、プロペラ回転数N及びブレード角度βの
関数で表される可変ピツチプロペラの性能データ
より最適プロペラ作動条件のプロペラ回転数
Nsetとブレード角度βsetを算出し、さらに現在
のプロペラ回転数N及びブレード角度βと比較し
て、ブレード角度の偏差に基づいて可変ピツチ機
構のアクチユエーター7を最適プロペラ作動条件
に制御し、また、プロペラ回転数の偏差に基づい
てFADEC2に推力と回転数Nの信号を出力し、
FADEC2を介してエンジン出力に最適プロペラ
作動条件に制御する。
すなわち、PCU及びFADECは、刻々変化する
運航中の各データに基づいて、最適プロペラ作動
条件に可変ピツチ機構及びエンジン出力を連続し
て制御することにより、プロペラと機体・エンジ
ン間の制御系を一体化でき、機体の運航条件の変
化にリアルタイムに対応して、プロペラを常に最
大効率状態で作動させることができる。
このプロペラ制御システムは、以上に詳述した
β−N複合制御のほかに、フライトモードによる
制御の切り替え及び緊急事態に対応してシステム
の保全を図る機能を備えている。
詳述すると、第3図に示す航空機に要求される
種々の機能、タキシング、テイクオフ、クライ
ム、クルージング、最大水平飛行、アプローチな
どのプロペラ制御モード選択フローチヤートの如
く、フライトモードに合わせて直接βコントロー
ルとβ−N複合制御とを自由に選択できるように
構成してある。
通常、飛行時にはこの発明によるβ−N複合制
御が常時選択され、プロペラを常に最大効率状態
で作動させることができ、フライトモードによる
パイロツトの選択によりタキシング時は直接βコ
ントロールを選択するのが望ましく、緊急時、故
障時にフエザリング、ピツチロツク、リバースが
状況に応て選択され、コツクピツトにその表示が
行われる。
従つて、この発明による制御システムはパイロ
ツトの選択あるいは緊急時及び故障時の対応を考
慮したプロペラ制御システムであり、運航中のあ
らゆる条件において、安全性と高効率が達成でき
る。
従つてPCUは、パイロツトからのフエザリン
グ指令、リバース指令の如く、航空機の機能指令
が発せられた場合には直ちに、β−N複合制御か
ら外れて所定ブレード角度を選択しFADEC及び
可変ピツチ機構へ出力制御できる構成であり、ま
た、過回転をチエツクしその防止を計るリミツタ
も有し、PCUの制御状態を自己診断して、コツ
クピツトに表示する構成を有している。
実施例 2 次に、この発明によるβ−N複合制御によるプ
ロペラ制御の効果を評するため、現用のターボプ
ロツプエンジン(63E60−19)について、従来の
定速制御と、β−N複合制御のプロペラ作動条件
の比較を行なつた。
このときの飛行条件は、高度0、5000ft、
10000ft、15000ft、機速50〜160m/s、エンジ
ン出力2500HPとした。
得られた結果は、第4図のプロペラ作動状態比
較と第5図及び第6図のプロペラ効率比較に示
す。第4図は横軸にアドバンスレイシオJ、縦軸
にパワー係数CPをとり、プロペラ効率曲線群中
に、プロペラの作動状態をプロツトして比較した
ものである。図中、〇はβ−N複合制御の場合で
あり、★は従来の定速制御の場合である。
第5図と第6図は、横軸に機速、縦軸にプロペ
ラ効率を取つたもので、第5図は高度0の場合、
第6図は高度5000ftの場合を示し、巡航領域では
どちらの制御方法も効率差はないが、低速領域で
は、β−N複合制御方法のほうが、最大5%もプ
ロペラ効率が高いことが分る。
フライトミツシヨンに占める巡航領域以外の領
域は、475海里のミツシヨンで約32%、1500海里
のミツシヨンでは約12%と報告されているから、
短距離ミツシヨンではβ−N複合制御方法の効果
が大きいことが分かる。
発明の効果 この発明によるβ−N複合制御方法および装置
は、連続的に変化する運航中のマツハ数、高度、
大気全温及びエンジン軸出力のデータに基づい
て、マツハ数Mn、機体速度V、プロペラ回転数
N及びブレード角度βの関数で表される可変ピツ
チプロペラの性能データより最適プロペラ作動条
件、プロペラ回転数Nsetとブレード角度βsetを
算出し、さらに現在のブレード角度β及びプロペ
ラ回転数Nと比較して、最適プロペラ作動条件に
なるように可変ピツチ機構及びプロペラ回転数を
連続制御するもので、実施例にも明らかな如く、
今後もますます増大すると予想される都市間の短
距離飛行において、高いプロペラ効率で飛行で
き、高速化、省エネルギー化に最適な可変ピツチ
プロペラのピツチ制御である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明による可変ピツチプロペラ
のピツチ制御を示すフローチヤートである。第2
図はこの発明におけるデジタル制御を示すブロツ
クダイアグラムである。第3図はこの発明による
β−N複合制御を選択可能に構成したプロペラ制
御のモード選択を示すフローチヤートである。第
4図は従来の定速制御と本発明のβ−N複合制御
のプロペラ作動状態を比較したグラフであり、横
軸はアドバンスレイシオJ、縦軸にパワー係数
CPを示す。第5図と第6図はプロペラ効率を比
較したグラフであり、横軸に機速、縦軸に効率を
示し、グラフ中、〇はβ−N複合制御の場合であ
り、★は従来の定速制御の場合であり、第5図は
高度0の場合、第6図は高度5000ftの場合を示
す。 1……PCU、2……FADEC、3……デジタル
コンピユータ、4……デジタル補償要素、5,
9,11,12……比較要素、6……ホールド回
路、7……アクチユエータ、領域8……アクチユ
エータ及びブレード角度の制御物理系、領域10
……制御対象のプロペラの物理系、領域13……
エンジンの制御物理系、領域14……機体の制御
物理系、s……ラプラス演算子、PHP……プロ
ペラ吸収馬力、ΔM……トルク差、ω……角速
度、n…rps、N……rpm、wf……燃料流量、J
……アドバンスレイシオ、Thrust……推力、
DRAG……機体抵抗、S……機体面積。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 連続的に変化する運航中のマツハ数、高度、
    大気全温及びエンジン軸出力のデータに基づい
    て、演算器にて、記憶されたマツハ数Mn、機体
    速度V、プロペラ回転数N及びブレード角度βの
    関数で表される可変ピツチプロペラの性能データ
    より、最適プロペラ作動条件のプロペラ回転数
    Nsetとブレード角度βsetを算出し、さらに現在
    のブレード角度β及びプロペラ回転数Nと比較し
    て、最適プロペラ作動条件になるように制御器を
    介して可変ピツチ機構及びプロペラ回転数を連続
    制御することを特徴とする可変ピツチプロペラの
    ピツチ制御方法。 2 直接ブレード角度βを制御する制御方法と、
    連続的に変化する運航中のマツハ数、高度、大気
    全温及びエンジン軸出力のデータに基づいて、演
    算器にて、記憶されたマツハ数Mn、機体速度
    V、プロペラ回転数N及びブレード角度βの関数
    で表される可変ピツチプロペラの性能データよ
    り、最適プロペラ作動条件のプロペラ回転数
    Nsetとブレード角度βsetを算出し、さらに現在
    のブレード角度β及びプロペラ回転数Nと比較し
    て、最適プロペラ作動条件になるように制御器を
    介して可変ピツチ機構及びプロペラ回転数を連続
    制御する制御方法とを選択可能にしたことを特徴
    とする可変ピツチプロペラのピツチ制御方法。 3 速度計、高度計、大気全温計、ブレード角度
    検出器、プロペラ回転数検出器の各計器と、マツ
    ハ数、高度、大気全温のエアーデータとパイロツ
    トの指令及び予め設定したプログラムチヤートに
    より出力制御を行なうエンジン制御装置と、マツ
    ハ数Mn、機体速度V、プロペラ回転数N及びブ
    レード角度βの関数で表される可変ピツチプロペ
    ラの性能データに基づく最大効率作動条件の記憶
    手段と、エンジン制御装置からのマツハ数、高
    度、大気全温、エンジン軸出力データと上記プロ
    ペラの最大効率作動条件に基いて最適プロペラ作
    動条件のプロペラ回転数Nsetとブレード角度
    βsetを算出する演算手段と、上記の最適プロペラ
    回転数Nsetに従つて現在のプロペラ回転数を制
    御するプロペラ回転数補正手段と、上記の最適ブ
    レード角度βsetに従つて現在のブレード角度を制
    御するピツチ補正手段とから構成し、上記エアー
    データとエンジン軸出力データに基づいて、常に
    最適プロペラ作動条件となるようブレード角度と
    プロペラ回転数を連続制御することを特徴とする
    可変ピツチプロペラのピツチ制御装置。
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