JPH0321576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は電柱などの支柱に腕木等を直交状に
装設するための支柱用バンドに関する。

（従来の技術） 従来より、電力送電、電気通信などのために、
一定間隔ごとに電柱が設置され、その間にケーブ
ルが架設されている。しかし、このケーブルは干
渉を防ぐため電柱から離し、あるいはケーブル同
士も相互に離さなければならない。また、柱上変
圧器の設置、ジヨイントボツクスの設置のため
に、支柱に台座を設ける必要がある。従つて、こ
のために各種の支柱用バンドが提案されている。

例えば、半円弧状に屈曲したバンド片の両端に
外向きの鍔部を延設し、２枚のバンド片を電柱に
あてがつて各バンド片の鍔部を重合し、ボルトと
ナツトで重合する鍔部を締着するとともに一方の
バンド片に設けたブラケツトに腕木を挿着するよ
うにした支柱用バンドが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 腕木にはケーブルの自重による垂直荷重、ケー
ブルの水平張力、風圧による左右への揺動力、ま
た寒冷地においては積雪による荷重の増大などが
発生し、過大な負荷が加わつている。

この負荷を前述のような２本のバンド片で支持
した場合、バンド片の構造上、重合する鍔部はボ
ルトナツトで締着した場合にも空隙を残しておく
必要がある。しかも、ボルトナツトを締着した場
合に、鍔部が平行に締らずに変形して充分な締結
力が得られず、また腕木の取付け後に一方向の過
大な荷重が加わると、一方の鍔部が伸びて空隙を
つぶすように変形して、締着が緩む欠点があつ
た。

（問題点を解決するための手段） この考案は、支柱の外面に添設する複数のバン
ド片からなり、各バンド片の端部には締着用ボル
トを通す通孔を開設するとともに、各バンド片の
端部外面には上記通孔に連通状の透孔を開設した
受座を設け、支柱の外面に各バンド片を添設した
状態で、隣接するバンド片の端部内面と支柱外面
とで構成される空隙部分に装着するライナーに、
両バンド片の端部を個々に受け止める受片を所定
の角度で隔離して形成し、上記ライナーの各受片
にはバンドの通孔に一致する長孔を開設し、支柱
の外面に各バンド片を添設するとともに空隙部分
にライナーを装着したとき受座の透孔からバンド
片の通孔に通すボルトを各受片の長孔に通すとと
もに隣接するバンド片の通孔から受座の透孔に通
してナツトで締着させてなる。

（作用） 本考案は、バンド片の両端部に受座を設け、隣
接するバンド片の端部内面と支柱外面とで構成さ
れる空隙部分にライナーを装着し、ボルトを受座
の透孔からバンド片の通孔、各受片の長孔、更に
隣接するバンド片の通孔、受座の透孔に通してナ
ツトで締着する。従つて、ナツトを締めるとバン
ドの受座は各受片にそつて移動するとともに、ラ
イナーは長孔内でボルトを摺動させながら、支柱
の中心方向に押圧され、またバンド片の中央部も
支柱の外面に圧接する。

（実施例） 本考案の支柱用バンドの一例を図面について説
明する。

バンド片１の端部２に締着用のボルト３を通す
通孔４を開設する。このバンド片１の端部２の外
面に上記通孔４と連通するような透孔５を開設し
た受座６を固着する。受座６は直角を挟む内斜面
７及び外斜面８をもつアングル状であつて、前記
透孔５はバンド片１の両端の受座６，６の相対す
る内斜面７，７に開設する。この内斜面７は隣接
するバンド片１の受座６の内斜面７と互に平行に
向い合うようになつている。

一方、上記のようなバンド片１を支柱９の外面
に添設した状態としたときに、隣接する各バンド
片１の受座６を設けた位置の内面と支柱９の外面
とで構成される空隙部分１０にライナー１１を装
着する。ライナー１１は受片１２を所定の角度例
えば直角で隔離して形成する。各受片１２には前
記バンド片１の通孔４に一致する長孔１３を開設
する。各受片１２によつて挟まれる部分に補強リ
ブ１４を設ける。補強リブ１４の開放端は受片１
２の面取りをした先端より奥まつていて、ライナ
ー１１を支柱９に添設したときに、支柱９の外面
に当接することがない。

バンド片１の一つにパイプ状の腕木受１５を設
け、該腕木受１５内に腕木１６を嵌合させ、これ
をボルトナツトで固定する。

尚、この実施例では隣接するバンド片１，１の
締着を、バンド片１に上下二段に開設した通孔４
及びこれに対応する受座６の透孔５、ライナー１
１の長孔１３並に二組のボルト３及びナツト１７
で行なつているが、締着は一段または三段以上と
することもできる。

以上のように構成した三組のバンド片１及びラ
イナー１１からなる支柱用バンドの支柱９への添
着は、まず一組の隣接する二本のバンド片１，１
の受座６，６の下面及び支柱９の外面とによつて
構成される空隙部分１０内にライナー１１を装着
して、ボルト３を一方のバンド片１の受座６の内
斜面７の透孔５から挿入し、バンド片１の通孔
４、ライナー１１の各長孔１３、他方のバンド片
１の通孔４、受座６の透孔５に一連に通してナツ
ト１７で締着し、ついで他の二組の隣接するバン
ド片１，１についても同様な操作を繰り返して締
着すればよい。各ナツト１７を締めると、夫々の
バンド片１はバンド片１の長手方向に引かれ、受
座６はライナー１１の各受片１２にそつて移動
し、向い合う受座６の内斜面７が平行にすぼまる
とともに、ライナー１１が長孔１３内でボルト３
を摺動させながら支柱９に向つて押圧され、ライ
ナー１１の各受片１２の先端が支柱９へ食い込
み、またバンド片１の中央部分も支柱９の外面に
圧接する。

上記のようにして支柱９に添着した支柱用バン
ドの一つのバンド片１に設けられている腕木受１
５内に腕木１６を嵌合させ、ボルトナツトによつ
て固定すれば、腕木を支柱に取付けることができ
る。

（考案の効果） 本考案の支柱用バンドによれば、ボルトの頭と
バンド片との間に空隙が生せず、ボルトの締結力
が充分にバンド片に伝わり、強固な装着を得るこ
とができる。また、腕木に過大な負荷が加わつた
場合にも、バンド片が変形せず、バンド片とボル
ト頭との間に空隙が発生しない。従つて、長期間
にわたつて強固な装着が維持される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の支柱用バンドの横方向の一部
断面図、第２図は側面図、第３図はバンド片の斜
視図、第４図はライナーの斜視図である。 １……バンド片、４……通孔、５……透孔、６
……受座、１１……ライナー、１３……長孔、１
６……腕木。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 支柱の外面に添設する複数のバンド片からな
   り、各バンド片の端部には締着用ボルトを通す
   通孔を開設するとともに、各バンド片の端部外
   面には上記通孔に連通状の透孔を開設した受座
   を設け、支柱の外面に各バンド片を添設した状
   態で、隣接するバンド片の端部内面と支柱外面
   とで構成される空隙部分に装着するライナー
   に、両バンド片の端部を個々に受け止める受片
   を所定の角度で離隔して形成し、上記ライナー
   の各受片にはバンドの通孔に一致する長孔を開
   設し、支柱の外面に各バンド片を添設するとと
   もに空隙部分にライナーを装着したとき受座の
   透孔からバンド片の通孔に通すボルトを各受片
   の長孔に通すとともに隣接するバンド片の通孔
   から受座の透孔に通してナツトで締着させてな
   る支柱用バンド。 (2) バンド片は３枚で、受座及びライナーがアン
   グル状である実用新案登録請求の範囲第(1)項に
   記載の支柱用バンド。