JPH0320818Y2 - - Google Patents

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JPH0320818Y2
JPH0320818Y2 JP11748286U JP11748286U JPH0320818Y2 JP H0320818 Y2 JPH0320818 Y2 JP H0320818Y2 JP 11748286 U JP11748286 U JP 11748286U JP 11748286 U JP11748286 U JP 11748286U JP H0320818 Y2 JPH0320818 Y2 JP H0320818Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、音響光学素子に係り、特に、作動時
における超音波伝播媒体中の温度勾配を少なくし
た音響光学素子に関する。
[従来の技術] 音波による光の散乱現象がレーザビームを変調
するための有用な手段であることは既に知られて
おり、このような現象を利用したものの1つに音
響光学素子がある。
この音響光学素子は、第5図と第6図とに示す
ように、通常、ガラス等で形成された超音波伝播
媒体101と、その一側面に取付けられたトラン
スデユーサ102とで構成されている。
この場合におけるトランスデユーサ102は、
超音波伝播媒体101側に配設される下側電極1
03と、この下側電極103上に配設される圧電
素子104と、この圧電素子104の上面に配設
される上側電極105とで、三層構造となつて形
成されている。
そして、上側電極105と下側電極103との
間に電気信号を印加することにより圧電素子10
4を励振し、超音波伝播媒体101中を超音波が
伝播するようになつている。
この時、超音波伝播媒体101はあたかも回折
格子が形成されたような状態となり、この超音波
伝播媒体101を透過するレーザビームは偏向さ
れ、回折光が得られるようになつている。
この場合、トランスデユーサ102を構成して
いる上側電極105は、一般に長方形形状を呈す
るものが多く用いられ、あるいは、超音波伝播媒
体101での超音波ビームの拡散を小さなものと
するため、楕円形や菱形などの形状を呈するもの
が用いられていた。
[考案が解決しようとする問題点] ところで、上記のようにして構成されている音
響光学素子は、その作動中における超音波の振動
エネルギーが超音波伝播媒体101自体の有する
粘性、もしくはトランスデユーサ102と超音波
伝播媒体101との境界面で生ずる摩擦などによ
り変換ロスが生じて発熱し、あるいは電極自体の
抵抗により発熱するなどして、超音波伝播媒体1
01を加熱し発熱させる傾向にある。
その場合、上側電極105に対向する部位の超
音波伝播媒体105の昇温が特に顕著である一
方、超音波伝播媒体101は外周面に近くなるに
つれて放熱性がよくなつて温度低下の度合が高く
なることから、超音波伝播媒体101中にはその
中央部に熱がこもつて特に高温となり、第7図に
示すような温度勾配が生ずることになる。
超音波伝播媒体101中に生ずるこのような温
度勾配は、本来、均一であるべき屈折率に変動分
布を生じさせ、入射ビーム106との関係で出射
ビーム107は、第8図に示すように本来は鎖線
方向へと出射すべきであるにもかかわらず、実線
方向へのドリフトを発生させる結果を招くという
不都合があつた。
本考案の目的は、超音波伝播媒体中におけるレ
ーザビームの透過方向における温度勾配をできる
だけ少なくした音響光学素子を提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] このような目的を達成するため、本考案は次の
ようにして構成した。
すなわち、本考案は、超音波伝播媒体とトラン
スデユーサとを備えてなる音響光学素子にあつ
て、トランスデユーサは、圧電素子と、この圧電
素子を挟持する上側電極と下側電極とで形成し、
該トランスデユーサは、その中央部に比してレー
ザビームの入射側と出射側に近接するにつれ発熱
量が大きくなるように変形させて形成したことに
構成上の特徴がある。
[作用] このため、変形させたトランスデユーサを介す
ることで、超音波伝播媒体におけるレーザビーム
の入射側と出射側とは、その中央部に比較してよ
り強く加熱することができ、外気に接して放熱さ
れることを考慮に入れるならば、結果的に、超音
波伝播媒体中におけるレーザビームの入射側から
出射側に至る部位における温度勾配の平坦化を図
ることができる。
したがつて、超音波伝播媒体中の屈折率を比較
的均一なものとすることができ、出射ビームの位
置にドリフトが生ずるのを抑制することができ
る。
[実施例] 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。
第1図は本考案の一実施例を示す斜視図であ
る。図においてPbMoO4等を用いて形成される超
音波伝播媒体1には、その一側を介してトランス
デユーサ2が配設されている。
このトランスデユーサ2は、結晶構造が36゜回
転Y板であるLiNbO3などで形成された圧電素子
4と、この圧電素子4を挟持するAu等で形成さ
れた下側電極3と上側電極5とで構成されてい
る。このトランスデユーサ2は、超音波伝播媒体
1における入射ビーム6側と出射ビーム7側との
両方向に行くに従いその発熱量が大きくなるよう
に変形させて形成されている。
第1図および第2図は、このようなトランスデ
ユーサ2に用いられる上側電極5の形状の一例を
示すものであり、その中央部における面積を最小
とし、両側方向、つまり入射ビーム6側と出射ビ
ーム7とに行くに従いその面積が大きくなるよう
に広幅に形成されている。
また、第3図は、上側電極5の形状の他例を示
すものであり、その中央部における肉厚が最大と
なり、両側方向、つまり入射ビーム6側と出射ビ
ーム7側とに行くに従い漸次その肉厚が薄くなる
ようにして形成されている。
なお、本考案において、上側電極5は、その側
縁8が超音波伝播媒体1の側縁9と合致するよう
にして配設し、あるいは、極く近傍にまで近接さ
せて配設するならば、超音波伝播媒体1に対する
加熱効果をより一層徹底させることができる。
また、本考案における第1図に示す実施例の上
側電極5の形状は、外側方向に行くに従いその面
積を大きくしてあるため、超音波ビームが拡散し
やすくなるとも考えられるが、使用する周波数が
高いのでその点での実用上の問題はない。
本考案に係る音響光学素子はこのようにして構
成されているので、超音波伝播媒体1における入
射ビーム6側近傍と出射ビーム7側近傍とを特に
強く加熱することができる。
すなわち、第1図における上側電極5のよう
に、中央部からその両側方向である入射ビーム6
側と出射ビーム7側とにかけてその面積が漸次広
くなるようにして形成してあるときは、面積の広
い部面において超音波による音響エネルギーを最
も強くすることができ、したがつてその発熱量も
最も大きなものとすることができるため、外気と
の接触面であり、放熱しやすい入射ビーム6側と
出射ビーム7側との近傍を最も加熱することがで
きる。
また、第3図における上側電極5のように、そ
の肉厚を変化させているときは、肉厚が薄ければ
薄いほど導体抵抗が高くなるため、その発熱量も
高いものとなる。したがつて、第1図の実施例と
同様に、超音波伝播媒体1における入射ビーム6
側と出射ビーム7側との近傍を最も強く加熱する
ことができる。
かくして、超音波伝播媒体1は、放熱量の大小
に比例させて加熱されることになり、結果的に、
第4図に示すようにその温度分布を平坦化するこ
とができ、超音波伝播媒体1におけるレーザビー
ムの透過方向に沿つた部位の屈折率を均一化させ
ることで出射ビームの位置にドリフトが生ずるの
を抑制することができる。
なお、本考案に係る音響光学素子の効果を確認
すべく、超音波伝播媒体1はPbMoO4を用いて縦
×横×高さが15×3×8(mm)のものを、圧電素
子4は36゜回転Y板のLiNbO3を、上下両側電極
3,5はAuをそれぞれ用いることで形成した音
響光学素子を用いて実験を行なつた。
この場合における上側電極5には、中央部の幅
1.0mm、両側端の幅を2.0mm、全長を14.5mmとした
ものを用い、あるいは中央部の厚さを2〜3μm、
両端部の厚さを1000Å、全長を14.5mmとしたもの
を用い、0.3Wの駆動電力をかけて作動させた。
その結果、超音波伝播媒体にPbMoO4を用いた
従来型の音響光学素子の場合、1mradのビームド
リフト量が検出されたのに対し、本考案の上記実
施例の場合、0.1mrad以内のビームドリフト量が
検出されたにとどまり、本考案によるときは、ド
リフトの発生を効果的に抑制することができるこ
とを確認することができた。
[考案の効果] 以上述べたように、本考案によれば、トランス
デユーサを変形させて形成してあるので、超音波
伝播媒体をその放熱量に比例させて加熱すること
で温度分布を平均化することができ、したがつ
て、超音波伝播媒体内における屈折率の均一化を
図ることで出射ビームの位置にドリフトの生ずる
のを効果的に防止することができ、精度の高い音
響光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す全体斜視図、
第2図は第1図の一部省略側面図、第3図は本考
案の他の実施例を示す一部省略側面図、第4図は
本考案の作動時における超音波伝播媒体中の温度
分布状況を示すグラフ図、第5図は従来例を示す
全体斜視図、第6図は第5図の一部省略側面図、
第7図は従来例の作動時における超音波伝播媒体
中の温度分布状況を示すグラフ図、第8図は従来
例にみられた出射ビームの位置についてのドリフ
ト発生の状況を示す斜視図である。 1……超音波伝播媒体、2……トランスデユー
サ、3……下側電極、4……圧電素子、5……上
側電極、6……入射ビーム、7……出射ビーム、
8,9……側縁。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 超音波伝播媒体とトランスデユーサとを備え
    てなる音響光学素子において、トランスデユー
    サは、圧電素子と、この圧電素子を挟持する上
    側電極と下側電極とで形成し、該トランスデユ
    ーサは、その中央部に比してレーザビームの入
    射側と出射側に近接するにつれ発熱量が大きく
    なるように変形させて形成したことを特徴とす
    る音響光学素子。 2 上側電極の形状は、レーザビームの入射側と
    出射側の幅が中央部の幅よりも広い実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の音響光学素子。 3 上側電極の形状は、レーザビームの入射側と
    出射側の厚さが中央部の厚さよりも厚い実用新
    案登録請求の範囲第1項記載の音響光学素子。
JP11748286U 1986-08-01 1986-08-01 Expired JPH0320818Y2 (ja)

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JP11748286U JPH0320818Y2 (ja) 1986-08-01 1986-08-01

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JPS6324528U JPS6324528U (ja) 1988-02-18
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