JPH0320698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は管型太陽熱集熱器などのヘツダーパイ
プにおける弁構造の改良に関するものである。

従来の管型太陽熱集熱器の構造の一例は第１図
に示すごとくであり並列する管状の集熱素子９，
９…の片側にヘツダーパイプ２が配置され該ヘツ
ダーパイプ２の途中に抵抗部４が設けられこれに
よつてヘツダーパイプ２が入口側ヘツダー部２ａ
と出口側ヘツダー部２ｂとに区画されている。し
たがつて入口側ヘツダー部２ａに流入した流体は
抵抗部４があるためにまず抵抗部４下方の集熱素
子９，９に流入し太陽熱により加熱された後集熱
素子９，９から抵抗部４上方の出口側ヘツダー部
２ｂに流出するようになつている。そして上記抵
抗部４としては通常第２図に示すベンチユリー管
１０あるいは第３図に示すオリフイス１１が使用
されているために入口側ヘツダー部２ａに流入す
る流体の流量が例えば第４図に示す管型太陽熱集
熱器１ａの場合のように集熱素子９ａを連結する
Ｕ字管形のヘツダーパイプ５を使用するときより
も数倍の流量がないと入口側ヘツダー部２ａから
流体の大部分が集熱素子９，９に分流しないで抵
抗部４を通つて出口側ヘツダー部２ｂに短絡して
しまい集熱効率が著しく低下する欠点があつた。
このために上記の太陽熱集熱器においては最低で
も集熱素子が４台以上となる多面設置を必要とす
るために集熱素子を１台あるいは２台程度しか使
用しない家庭用には使用できない不都合があつ
た。なお上記欠点を解消するために抵抗部４に従
来からある特種構造の複雑な弁体を使用する方法
もあるがこのような弁体は通常極めて高価であり
採用しにくいものであつた。

本考案の目的は上記欠点のない太陽熱集熱器用
弁構造を提供することにある。

本考案は、太陽熱集熱器の流体が通過するヘツ
ダーパイプの途中に絞り部を形成し、絞り部の入
口及び出口側のヘツダーパイプ内壁に支持部を有
する案内部材を対向して設け、対向する案内部材
の支持部間に絞り部を介して移動自在な軸体を設
けるとともに入口側ヘツダーパイプ内の軸体に水
圧によつて絞り部を閉塞するフランジ部を設けた
ことを特徴とする太陽熱集熱器用弁構造に関す
る。

以下本考案を図面により説明する。

第５図は本考案の一実施例になる太陽熱集熱器
用弁構造の要部縦断面図であり、弁本体６には中
央に絞り部６ａが形成され、該絞り部６ａの両側
から外側に向い拡大する壁部６ｂ，６ｂの両端に
入口側ヘツダー部２ａと出口側ヘツダー部２ｂと
に嵌合する接続部６ｃ，６ｃが設けられている。

７は弁部材であり、該弁部材７は弁本体６内の
絞り部６ａを遊貫する軸体７ｂと、該軸７ｂの入
口側ヘツダー部２ａ側に流体の流れによつて入口
側ヘツダー部２ａ側の絞り部６ａに近接する壁部
６ｂの内側に接触しまたはこれから離されて絞り
部６ａを閉開するフランジ部７ａから構成されて
いる。

また８，８は上記弁本体６の接続部６ｃ，６ｃ
と入口側ヘツダー部２ａおよび出口側ヘツダー部
２ｂとの間に取付けられた案内部材であり中央に
設けられた支持部８ａ，８ａに軸体７ｂの両端部
分が貫通される。

なお本実施例において絞り部６ａの閉塞時、フ
ランジ部７ａが壁部６ａを完全にシールしなくて
もよい。この点からもフランジ部７ａの形状は特
に限定する必要はない。

第６図のイ，ロ，ハ，ニは円すい、半円球、円
板、半楕円球で内部を充填したものやくりぬいた
各種の弁部材である。

なお本実施例における弁本体の材質は金属製で
あるが、場合によつては耐熱性のプラスチツクや
ゴムなどであつてもよい。

さらに本実施例は弁本体の両側に入口側ヘツダ
ー部、出口側ヘツダー部を接続する構造である
が、これに限定する必要はなく、例えば、上記入
口側ヘツダー部と出口側ヘツダー部自体の端部を
絞つておきこれら相互を接続して本実施例のよう
な絞り部を形成するようにしてもよい。また場合
によつては出口側ヘツダー部２６の案内部材８は
なくてもよい。

本考案は上記のように構成されているので入口
側ヘツダー部から流入する流体はフランジ部を押
圧するので絞り部が簡単に閉塞され大部分の流体
が集熱素子側へ流入するが、この場合従来のベン
チユリー管やオリフイスを使用した場合の数分の
１から数十分の１程度の流体の流量で集熱素子へ
分流することができる。集熱素子において太陽熱
により加熱された流体は出口側ヘツダー部に入り
この出口から温水をうることができる。

さらにヘツダー内の流体を抜きとる場合には出
口側ヘツダー部が入口側ヘツダー部よりも高く設
置してあるので入口側を開くと出口側ヘツダー部
内の流体は絞り部に入り弁部材のフランジ部を押
圧し入口側ヘツダー部に流れここから外部に放出
される。

このように本考案によると従来よりも構造が簡
単でかつ高度の精度さを有しない弁構造をうるこ
とができ安価に製造しうるとともにヘツダーパイ
プ内の流体を容易に放出することもできるのでヘ
ツダーパイプにおける腐蝕や凍結の事故を防止し
うるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の管型太陽熱集熱器の要部平面
図、第２図は第１図のヘツダーに使用されるベン
チユリー管の縦断面図、第３図は第２図のベンチ
ユリー管の代りに使用されるオリフイスの縦断面
図、第４図は従来の他の管型太陽熱集熱器の要部
平面図、第５図は本考案の一実施例になる管型太
陽熱集熱器用弁構造の要部縦断面図、第６図はフ
ランジ部の形状の異なる弁部材の側面図である。 符号の説明、１，１ａ……太陽熱集熱器、２…
…ヘツダーパイプ、２ａ……入口側ヘツダー部、
２ｂ……出口側ヘツダー部、３……連結管、４…
…抵抗部、５……ヘツダーパイプ、６……弁本
体、６ａ……絞り部、６ｂ……壁部、６ｃ……接
続部、７……弁部材、７ａ……フランジ部、７ｂ
……軸体、８……案内部材、８ａ……支持部、
９，９ａ……集熱素子、１０……ベンチユリー
管、１１……オリフイス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 太陽熱集熱器の流体が通過するヘツダーパイプ
   の途中に絞り部を形成し、絞り部の入口及び出口
   側のヘツダーパイプ内壁に支持部を有する案内部
   材を対向して設け、対向する案内部材の支持部間
   に絞り部を介して移動自在な軸体を設けるととも
   に入口側ヘツダーパイプ内の軸体に水圧によつて
   絞り部を閉塞するフランジ部を設けたことを特徴
   とする太陽熱集熱器用弁構造。