JPH0320641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ガスを撚料とした暖炉に関するもの
である。

［従来の技術］ ガスバーナの上方に擬似薪（薪様部材）を配置
して、この擬似薪があたかも焼えているかの如き
外観を呈するように工夫したガスストーブは、実
開昭50−63955に掲載されている。

［従来技術の課題］ しかし、上記公知例の場合、擬似薪をガスバー
ナの炎で直接加熱して擬似薪自体を赤熱させる方
式のため、次の如き欠点がある。

ａ ガスバーナで擬似薪を赤熱させるためには、
この擬似薪が赤熱するまでに時間がかかり、そ
の間は薪が焼えている感じが出ない。

ｂ 擬似薪を赤熱させ、かつ炎の感じを出すため
には、ガスバーナの炎の長さを相当に長くする
必要があり、１ヶのガスバーナでこれを行おう
とすると、ガスバーナの燃焼性や排気に問題が
生じる。

ｃ 擬似薪を赤熱させたとしても、材質（耐火
物）の問題から、所謂薪が燃えている真赤な感
じが出ない。

ｄ 擬似薪にすすが付着しやすく、手入れを頻繁
に行う必要がある。

本考案の目的は、上記ａ〜ｄに記した欠点を有
しないガス暖炉を提供することである。

［課題を解決する手段］ 本考案の構成は次のとおりである。

前面にガードを設け、底部にロストルを敷き、
左右並びに天井と背後を閉塞した構成の燃焼室
と、前記ロストルの下部において上向きに取り付
けられたガスバーナと前記ガスバーナに対して給
気するために開放された給気口と、前記燃焼室の
一部に開口した排気口と入口側が接続されると共
に中間に排気熱交換器を形成し、末端が排気フア
ンを経由して排気筒に接続される排気熱回収通路
と、前記排気熱交換器を内部に位置させると共に
前記燃焼室の正面側に開口した温風吹出口に連通
し、モータフアンにより内部に強制対流を発生さ
せるように構成した温風発生通路と、前記ロスト
ル上に配置された擬似薪と、から成るガス暖炉に
おいて、 前記ガスバーナはメインガスバーナと赤火ガス
バーナの２種類から成ること、 を特徴とする暖炉。

なお、上記構成において、メインガスバーナ
は、擬似薪の下方全体にそのバーナ面を位置さ
せ、赤火ガスバーナは、炎が擬似薪の間から上昇
するようにその燃焼を制御すると効果的である。

［作用］ 擬似薪は、メインガスバーナにより赤熱し、同
時にこのメインガスバーナの照りにより赤化し
て、本物の薪が燃えている感じを出す。

一方、赤火ガスバーナは、この特徴である長い
炎を形成し、この長い炎が擬似薪の間から上昇
し、かつ赤火ガスバーナの炎は非常にソフトなた
め、擬似薪にまつわりつくようにして上昇する。
この結果、炎はあたかも薪全体から発生し、燃え
ているかの如き感じを出す。

なお、メインガスバーナ及び赤火ガスバーナの
排気熱は、排気熱回収通路及び温風発生通路で回
収され、この回収された熱が温風吹出口から暖炉
の前方に吹き出す。

［実施例］ 図は本考案の実施例を示し、符号の１は上部に
屋根２を形成した小屋状の暖炉本体にして、この
内部には前面に金網、耐熱ガラス等のガード４を
取り付け、底部にロストル５を置き、左右、天
井、背面を閉塞した構成の燃焼室３が設けてあ
る。前記ロストル５の下方には給気口７が開放し
てあり、この給気口７には上向きのメインガスバ
ーナとしての赤外線ガスバーナ６及び赤火ガスバ
ーナ１８が設置されている。

９は暖炉本体１の底部に給気口１０を開設する
と共に温風吹出口１１を暖炉本体１の正面上部に
開設した温風発生通路にして、この温風発生通路
９にはモータフアン１２が取り付けてあり、強制
的に通風が行なわれる。８は給気口１０に取り付
けられたエアーフイルターを示す。

１３は前記温風発生通路９内に設置された排気
熱交換器にして、この排気熱交換器１３の入口は
前記燃焼室３の一部に排気口１４として設けてあ
り、排気出口１５側には排気フアン１７が取り付
けられ、暖炉本体１の背部から排気筒に接続され
るようになつている。

１６はセラミツク製の擬似薪にして、ロストル
５上に置かれている。

上記暖炉についてその作用を説明する。

赤外線ガスバーナ６及び赤火ガスバーナ１８に
ガスが供給されて着火すると、赤外線ガスバーナ
６は擬似薪１６を赤化すると共に照らし、一方赤
火ガスバーナ１８の火炎はロストル５から擬似薪
１６をまくようにして上昇し、この上昇した火炎
はあたかも擬似薪１６が燃えて出来た火炎の如き
外観を呈する。

燃焼室３内に上昇した火炎及び赤化した擬似薪
１６は、ガード４越しに輻射熱を発生して暖房を
行なう。又その燃焼ガスは排気口１４から排気熱
交換器１３内に排気フアン１７により吸引され
る。一方、温風発生通路９内にはモータフアン１
２により強制的な通風が発生している。このた
め、排気熱交換器１３により強制通風は温められ
て温風吹出口１１から室内に吹き出す。この結
果、前記輻射熱暖房と共に温風暖房が同時に行な
われる。

［本考案の効果］ 本考案は以上のように、擬似薪の下方に炎長の
短いメインガスバーナ、例えば赤外線ガスバーナ
と、炎長の長い赤火ガスバーナを組み合わせて配
置したことにより、次の如き効果を期待できる。

ａ メインガスバーナは擬似薪の赤化のみを行う
ため、設計上燃焼性のみを考えればよい。

このため、燃焼効率の高い、高性能ガスバー
ナの使用が可であるから、立上りも早く、又真
赤に擬似薪を赤化することができると共に完全
燃焼により排気ガス中に残存する不純物の心配
もなくなり、安全である。

ｂ 赤火ガスバーナは、炎が赤い特徴を有し、炎
長が長く、ソフトなため、擬似薪の間からまく
ように上昇する。

このため、本物の薪が燃えている感じを出す
ことができる。

ｃ メインガスバーナの完全燃焼により、擬似薪
に付着するすすの量が少ないので、手入れが簡
単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る暖炉の正面図、第２図は
側面図、第３図はＡ−Ａ線断面図である。 １……暖炉本体、３……燃焼室、４……ガー
ド、５……ロストル、６……赤外線ガスバーナ、
９……温風発生通路、１１……温風吹出口、１３
……排気熱交換器、１８……赤火ガスバーナ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面にガ−ドを設け、底部にロストルを敷き、
   左右並びに天井と背後を閉塞した構成の燃焼室
   と、前記ロストルの下部において上向きに取り付
   けられたガスバーナと、前記ガスバーナに対して
   給気するために開放された給気口と、前記燃焼室
   の一部に開口した排気口と入口側が接続されると
   共に中間に排気熱交換器を形成し、末端が排気フ
   アンを経由して排気筒に接続される排気熱回収通
   路と、前記排気熱交換器を内部に位置させると共
   に前記燃焼室の正面側に開口した温風吹出口に連
   通し、モータフアンにより内部に強制対流を発生
   させるように構成した温風発生通路と、前記ロス
   トル上に配置された擬似薪と、から成るガス暖炉
   において、 前記ガスバーナはメインガスバーナと赤火ガス
   バーナの２種類から成ること、 を特徴とするガス暖炉。