JPH0320111A - 耐アルカリ性に優れた塗工紙用ロール - Google Patents

耐アルカリ性に優れた塗工紙用ロール

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JPH0320111A
JPH0320111A JP14943089A JP14943089A JPH0320111A JP H0320111 A JPH0320111 A JP H0320111A JP 14943089 A JP14943089 A JP 14943089A JP 14943089 A JP14943089 A JP 14943089A JP H0320111 A JPH0320111 A JP H0320111A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗工紙用ロール、特に強アルカリ性塗工剤を
使用する環境において優れた耐食性を示す、いわゆる耐
アルカリ性に優れた塗工紙用ロールに関するものであり
、白板紙塗工工程用のグロスカレンダロールおよび同工
程に付属する各種のロールに適用するものである.適用
される前記各種ロールとしては、ドライヤロールやマシ
ン力.レンダロールなどがある.また、本発明は、白板
紙以外の各種塗工用紙製造ライン用ロールとしても使用
できるものである. 〔従来の技術〕 ダンボール箱や化粧箱などに使用される厚紙の特性とし
ては、紙質が硬くかつ腰の強いものが好まれるが、一般
にこうしたものを板紙と呼んでいる.これらのうち化粧
品や医薬品などの高級紙器に用いられるものを白板紙と
呼び、カラー印刷を施して使用している。
かかる白板紙の最も重要な品質特性は、表面の印刷特性
であり、通常この特性を得るためにカオリン(粘土:主
成分Al zsizOs (011) a)や炭酸カル
シウムを主威分とする塗料をコーティングする,いわゆ
る塗工処理を施している.この処理により、紙表面の平
滑度.光沢および印刷特性が改善されるのである。この
塗工処理の工程は、塗エバートとも呼ばれ、抄紙ライン
の下流側に位置している.第1図は、塗エラインの概略
を示すものである.以下に図面に従って塗工処理の工程
を説明する。
まず、この工程は、抄造され乾燥された白板祇lが、ド
ライヤパートと称されるA部を経て、カレンダコートバ
ートB部に至る過程である。この工程において、白板紙
1は、マシンカレンダロール2を経てコータマシン3,
 (コータ)ドライヤー5.マシン力レンダロール6に
達する間に、バルプ繊維の平滑化塗工が施される。次い
で、グロスカレンダロール7において、厚さの均一化お
よび光沢を付与している。
この均一化と光沢の付与のための処理として、従来、前
記グロスカレンダロールの表面に硬質クロムめっき(以
下、単に「クロムめっき」という)を施して使用してい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、このクロムめっき皮膜を被成したグロスカレン
ダロールでは、塗工紙原紙への光沢付与が不十分であり
、後工程においてスーパーカレンダロール処理の追加が
不可欠となるという問題点があった。また、クロムめっ
き皮膜を具える塗工紙用ロールは、板紙塗工面に供給し
た塗工剤4中の微小硬質粒子(例えば、AlzSizO
s(OH)4を主成分とする粘土)による摩耗を受けや
すく、短期間でロールの光沢が消失するため、グロスカ
レンダロールとして必要な鏡面維持機能に乏しくなると
いう欠点があった。
さらに、塗工処理工程では、ロール運転中に表面に付着
した余剰の塗工剤を除去するため、刃物鋼などの硬質の
金属性ドクターブレードを使用して表面の清浄化をはか
っている。ところが、クロムめっき面にドクターブレー
ド方式を採用するとめっき面が損傷しやすく、その機能
が短期に消失するという欠点があった。
上述のような理由から、従来のクロムめっき施工のグロ
スカレンダロールは、2〜6ケ月毎、またチルド鋼製の
マシンカレンダロールでは2週間〜1ケ月毎の交換を余
儀なくされており、保守管理費の増大やラインの停止に
よる生産性の低下をも招いていた。
これに対して従来、塗工処理工程の簡略化による生産性
の向上および品質の向上を目指し、グロスカレンダロー
ル表面温度を現状の150℃前後から300℃近傍へ上
昇させることも検討された。しかし、クロムめっき皮膜
を300℃に加熱すると硬度の低下を招き、耐摩耗性が
甚だしく劣化することがわかり、この方法も有効な解決
手段を提供するものではなかった。
このような状況に対し、本発明者らは、さきに特願昭6
2 − 307650号として、鋼製ロールに対し、硬
質のタングステンカーバイド(WC)とコバルトまたは
ニッケルークロム合金との混合物からなる炭化物サーメ
ットを溶射し、気孔率を1.2%以下とすると共に皮膜
表面粗さR maxを1.8μm以下の溶射皮膜とする
ことにより、上述の諸問題の解決を試みた。
ところが、最近では、塗工紙表面の平滑度や光沢、印刷
特性などについては、より一層高度なものが要請される
ようになっており、その対策として、塗工紙原紙を処理
する塗工剤の改良が精力的に行われるようになってきた
。その結果、水素イオン濃度(pH)が著しく高い強ア
ルカリ性の塗工剤が出現してきた。
このような状況にあっても、前記特願昭62−3076
50号は、十分にその期待に応えているが、この強アル
カリ性の塗工剤を使用すると、運転時間(使用時間)の
経過に伴って、鏡面光沢の炭化物・金属のサーメット溶
射皮膜が、次第に曇り、塗工紙の光沢が低下する現象が
見られはじめた。
本発明者らは、その原因について鋭意究明した。
その結果、かかる現象は、塗工剤中に含まれている強ア
ルカリ成分(例えばCa(OH)z, NaOH, K
Ot{など}が、炭化物サーメット溶射皮膜の金属質と
反応し、極めて僅かであるが、これを腐食させる結果に
よるものであることが判明した。
本発明の目的は、強アルカリ性の塗工剤を使用する塗工
祇ライン用のロールに対し、耐アルカリ性に優れるとと
もに塗工剤中の粉体による摩耗に耐え、長期間に亘って
塗工祇へ高度な光沢性を付与することのできる高機能性
皮膜を形威した塗工紙用ロールを開発し提案するところ
にある.〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、強アルカリ性の塗工剤と接触するグロスカレ
ンダロールやマシンカレンダロール、ドライヤーロール
などの表面に、高硬度、高緻密度のWCとTiCとから
なるタングステンチタンの複合炭化物(以下、rWTi
cJと略記する)をとくに選定し、これに金属として耐
アルカリ性に優れたニッケル(Ni)を混合したサーメ
ット溶射材料を用い、これを鋳鉄もしくは鋼製のロール
の表面に溶射して所定の皮膜を形威させ、その後この溶
射皮膜を鏡面仕上げすることによって、所期の目的を達
成することとしたのである。
すなわち、本発明は、金属製ロールのそのロール胴表面
に、サーメット溶射皮膜を設けてなる塗工紙用ロールに
おいて、このサーメット溶射皮膜を、タングステンカー
バイドおよびチタンカーバイドからなるタングステンチ
タン複合炭化物と金属ニッケルとからなる炭化物サーメ
ット材料の溶射皮膜で構或すると共に、その溶射皮膜に
つき、気孔率を1.4%以下とすると共に、皮膜表面粗
さRmaxを1.8μ園以下としたことを特徴とする耐
アルカリ性に優れた塗工紙用ロール、である。
このような着想は、耐アルカリ性に優れたNiとよく共
存し、かつ高硬度、高緻密性の溶射皮膜を形威すること
のできるWTi C複合炭化物を発見したことに基づい
ており、このようなWTiC複合炭化物のサーメット溶
射材料を用い、得られる溶射皮膜の気孔率を1.4%以
下とし、その表面粗さRWaXを1.8μ鵬以下とする
ことによって、本発明の上記目的を達威することができ
るのである。
〔作 用〕
本発明において、鋼製ロールのロール胴表面に溶射する
WTI Cのサーメント溶射皮膜は、クロムめっき層(
 Hv : 800〜900)より硬く、ビンカース硬
度Hvが1100〜1300程度もあり、耐摩耗性に優
れている.その表面をξクロ的に観察すると、鋭角を有
するWTI C微粒子が林立した状態を呈しているもの
である.そのため、このままの状態では塗工祇に対しス
リ傷や圧痕を発生させ易く、また紙くずや塗工粕が付着
しやすくなる.また、このようなサーメソト溶射材料は
、高硬質のWTiC粒子と金属との混合体であり、これ
をプラズマで溶射して得られる皮膜は、WTiC粒子の
周囲に金属粒子が配置された組織を有している。しかし
、W T iC粒子は硬質で塑性変形しないため、溶射
時の衝突によってWTiC自身が破壊してその一部が脱
落したり、またその衝突エネルギーによって既威膜にク
ラックを発生させたりするため、溶射皮膜に気孔が発生
しやすい傾向がある.そして、溶射皮膜中に気孔が内在
するようになると、該溶射皮膜を研磨した場合に前記気
孔が露出し、これが鏡面研磨面のビットとなってあらわ
れる。その結果、グロスカレンダロールやその他のロー
ル類としては不適当な鏡面となるのである。
このような意味において、本発明の塗工紙用ロールは、
最終的には鏡面仕上げをする必要があることから、溶射
皮膜の性質として密度が高く (気孔率が低い)かつ、
たとえ気aを内在していたとしても、該気孔が鏡面光沢
仕上げに影響しない程度に微細であることが必要条件と
なる.一方、溶射皮膜を破戒したロールの表面を要求さ
れる鏡面に仕上げるには、WTiC粒が非常に硬いため
、多大の労力と経費を必要とする。したがって、グロス
カレンダロールとしては、これらの問題点を十分勘案し
た溶射皮膜を形威させること、および適度な研磨仕上度
を選定することが大切である. そこで、本発明者らは、まず緻密な溶射皮膜を得るため
の溶射条件について検討し、(1)雰囲気温度の上昇に
よる溶射粒子の軟質化、(2)被溶射体表面への衝突エ
ネルギーの増大に着目した.゛シかし前記(11の方法
は、高温化するためにWTiCが酸化物に変質し、炭化
物としての高硬度を利用することができなくなる。した
がって、本発明者らは第(2)の方法についてさらに検
討した.具体的には、酸素一水素ガス燃焼炎などを熱源
とし、溶射ガンへのガス供給圧力を上昇させることによ
って、燃焼ガスの噴射速度(燃料ガスの供給圧力が高い
ほど燃焼ガスの噴射速度が速くなる)を大きくし、もっ
て溶射粒子の衝突エネルギーを高くして溶射皮膜の気孔
率減少を目指した。
第2図は、酸素一水素ガスの溶射ガンへの供給圧力と得
られた溶射皮膜の気孔率の関係を示したものである。こ
の図から明らかなように、燃料ガスの供給圧力が高くな
るほど気孔率の低い溶射皮膜が得られることが判る。
次に、各種の気孔率を有するWTiCサーメット溶射皮
膜を形威したロールを用い、第1図に示すグロスカレン
ダロールおよびこれに付属するマシン力レンダロールを
使って実験的に塗工処理工程を行い、その作用機構を観
察した。その結果、次のようなことを特徴とすることが
判った。
(1)非常に硬いWTiCサーメット溶射皮膜を鏡面仕
上げしたロールを使用すると、塗上紙はもとより塗工面
へも傷が全く入らず、極めて美麗な塗工加工紙が得られ
る。
(2)WTiCサーメット溶射皮膜は非常に硬いため、
塗工剤中に含まれている粘土質の摩耗にもよく耐え、溶
射皮M(ロール表面)に傷がつくようなことがない。
(3)  高速度鋼製の硬いドクターブレードを使用し
ても、WTiCサーメット溶射皮膜には損傷がなく塗工
剤や紙くずなどの異物が完全に除去できるので、ロール
表面を常に健全な状態に維持でき、長期間にわたって保
守管理を不要とするなどコストダウンに資するところが
大きい。
(4》  上記各機能は、ロール表面温度が300℃と
なっても全く変わることがなく、加熱ロールの使用によ
り塗工面の光沢は一段と向上し、高品質の塗工紙の生産
に適していることが判明した。
(5)ただ、WTi Cサーメント皮膜でも気孔率の高
い皮膜では、鏡面仕上げを行っても気孔に起因するビッ
トが多数表面に現れるため、鏡面が得られない。その結
果、凹部に余分な塗料や塗工粕が残留し、これが塗工面
の光沢不良,塗膜厚さの不均一,ドクターブレードの使
用効果を減殺し、その機能が十分に発揮されないことと
なり、戒品としての価値が低下した。
以上のような知見から、本発明のグロスカレンダロール
としては、WTi Cサーメソト溶射皮膜の気孔率とそ
の表面仕上げ度の兼ね合いを決めることが重要であると
の結論を得た。
第3図は、WTiCサーメット溶射皮膜の気孔率を表面
研磨面の粗Rmaxの関係を求めたものである。
この結果から明らかなように、気孔率の低い皮膜はいわ
ゆる鏡面研磨が可能であり、表面粗さRmax1.0μ
m以下のものも可能である。反面、気孔率の大きい溶射
皮膜は、内在する気孔が研磨面にビットとなって顕在す
るため、鏡面仕上げすることが不可能である。なお、W
TiCサーメッ[8射皮膜の研磨は、合戒ダイヤモンド
砥石やペーストを用いて行い、表面粗さは触針弐表面粗
さ計によって測定した。また、溶射皮膜の気孔率は、溶
射皮膜の断面を光学顕微鏡により500倍に拡大した写
真を撮影した後に空孔部を着色し、その面積を画像解析
装置により求めた数値である。さらに、溶射皮膜の表面
粗さについては、すべてRmaxで統一した。その理由
は、一般に表面粗さを表わす記号として、Ra, Rz
, Ra+axの3通りがあるが、粗さ曲線の中心線平
均粗さを示すRaや10点平均粗さを示すRzが小さく
とも、1カ所でも粗いところが存在するとこれが塗工面
へのキズ発生や光沢不良,光沢不均一.ドクターブレー
ド損傷の原因となるので、本発明ではRmaxを重視し
、これを採用することとした。
次に、炭化物と、これと混合させるサーメ,ット用金属
の種類を変化させた各種のサーメント溶射材料を用い、
溶射して皮膜を形成させ、皮膜の硬さ、気孔率および耐
アルカリ性を調査した。第1表はこの調査結果を示すも
のである。
第  1 表 〔備考〕耐アルカリ性試験条件 水にNaOHを添加してpH14に調整し、90℃に加
温した後、鏡面研摩して溶射試験片を3ケ月間浸漬し、
表面の光沢の変化を調査した. ■ 変化なし  Oやや曇る  Δ 曇る?記第1表に
よると、WCサーメット溶射皮膜は硬い皮膜をつくるが
、Co, Ni−Crを混合させた材料を溶射したもの
は、強アルカリに腐食される傾向がある.また、WCに
Niを添加したものでは、良好なアルカリ性を示すが、
気孔率が高くなる傾向が見られた。
これに対し、Cr,C■TiCにNiを混合させた溶射
材料を溶射したものでは、耐アルカリ性には優れている
が、皮膜が軟質で使用時にキズや摩耗を起こす可能性が
ある。さらに、WTiCにCo, Ni−Crを混合さ
せた溶射皮膜は、耐アルカリ性に問題があった. 本発明のWTiCにNiを加えたものは、WCo高硬度
とともにTICとNiとの良好な親和力による耐摩耗性
と耐アルカリ性の向上作用を兼備しており、所期の目的
に叶うサーメット溶射材料として最適であり、Ni含有
量を7〜30%重量の範囲で使用できることが明らかと
なった. 次に、本発明の塗工紙用ロールにおいて、W T iC
サーメット皮膜の気孔率が1.4%以下に限定される理
由および皮膜表面粗さRmaxが1.8μ一以下に限定
される理由について、以下の実施例の記載に併せて説明
する. (実施例) 大豊輿:土 第1図に、この実施例で使用した白板紙の塗エラインを
示す.図において、右側から抄造および乾燥などの所定
の製紙工程を経た白板紙lが送られてくる。この白板紙
は、8段のマシンカレンダロール2を経ることによって
パルプ繊維の平滑化,すなわち仮表面の平滑化が施され
てから塗工剤槽3へ導かれる。コーターマシン(塗工剤
槽)3中には、塗工剤4(主威分:カオリン,炭酸カル
シウム.アクリル樹脂,ワックス乳濁液)が収容してあ
り、この塗工剤中を通過した白板紙lは、ドライヤ5に
よって乾燥されつつ、再び4段のマシンカレンタロール
6を通りグロス力レンダロール7に達する。該グロスカ
レンダロール7は、合或ゴム巻きロール8と一対となっ
ており、白板祇lが両ロール7.8の接触面を通過する
際に塗工部がグロスカレンダロール7面に強く圧着され
、優れた光沢面が付与されるような仕組みとなっている
.前記グロスカレンダロール7には高速度鋼製のドクタ
ーブレード9の先端が当接させてあり、このドクターブ
レード9によってグロスカレンダロール7表面に付着し
た塗工粕や紙屑を除去する。
以上のような工程を経て光沢を付与された白板祇lは、
冷却ロール10を通過し巻取られたり、ときには印刷工
程へ送られる。
本実施例では、直径1200mx長さ2000 mの鋳
鉄製ロールに、第2表に示すような皮膜気孔率および皮
膜表面粗さに調整したWCサーメット溶射皮膜Nal2
〜20を溶射したグロスカレンダロール7を製作し、こ
のグロスカレンダロール7をpH’9及びpH14の塗
工剤を用いて運転した。
なお、この実施例におけるグロスカレンダロール7の運
転温度は、280〜310℃、ドクターブレード9の材
質はJIS G 4401炭素工具鋼鋼材SK7で硬さ
HRC 57のものである.また、比較例として次.の
ものを準備した。
(1)  炭化物サーメット溶射皮膜(N121〜24
)WC−12%Co O&L21) WC − 20%Ni−7%Cr (Nl22)WC 
− 20%Ni (m23) TiC−17%Ni (N[l24) (2)硬質クロムめっき(Ilb25)めっき厚100
μm ,表面粗さRmax 0.1μm評価項目として
、グロスカレンダロール7通過後の白板紙塗工面の光沢
、グロスカレンダロール7表面の曇り、汚染および損傷
状況、ドクターブレード9の損傷状況および皮膜の硬さ
変化をそれぞれ観察,調査した。
第2表はそれぞれのグロスカレンダロールを約3カ月間
連続運転して調査したときの結果を示すものである。
この表から明らかなように、比較例として用いたクロム
めっきロール(Nl25)は、その表面が極めて平滑に
仕上げられた鏡面状態をしているために、白板紙に対し
優れた光沢を付与(特に使用初期)したが、次のような
欠点も観察された。すなわち、運転期間の経過とともに
次第にロール表面の汚tjI;すなわち塗工粕や紙屑類
の付着が次第に多くなり、その結果、これらをドクタブ
レード9を用いて除去する際に軟質化しているめっき皮
膜がスリ傷を受け易くなっていることが判った,そして
、一旦めっき皮膜にスリ傷が発生すると、その部分に塗
料粕や紙屑類がさらに付着しやすくなり、これに伴って
ドクタブレード9の使用頻度が一層多くなる結果、めっ
き皮膜はもちろんドクタブレードそのものも損傷させる
こととなり、2カ月の運転後に両者とも取替えざるを得
なくなった.また、WC−サーメソト溶射皮膜の比較例
(11121〜23)は、pH9の塗工剤環境下では、
白板紙のの光沢がよく、ロール表面の汚損,ドクタブレ
ードによる皮膜の損傷.ドクタブレード自体の損傷など
認められず、極めて良好であった.しかし、高pH(ρ
H : 14)の塗工剤を使用したケースでは、鏡面光
沢を示していた皮膜が次第に乳白色となり曇る現象が認
められた。さらに、TiC−サーメント溶射皮膜の比較
例(旭24)では、曇り現象は認められなかったが、皮
膜硬さが低く軟質であるため、ドクタブレードとの接触
や塗工剤中の顔料によってカスリ傷状のものが無数に発
生し、この機械的なキズの発生によって溶射皮膜面に曇
りが発生した. これに対し、本発明のWTiC/Ni系の溶射皮膜を形
威させたグロスカレンダロールは、塗工粕ヤ紙屑類の付
着が少なく、PHの高い塗工剤を用いてもロール表面は
曇らず、常に清浄な状態に維持されており、このためド
クターフ゛レード9自身の損傷が少なかった。また、W
TiCサーメット皮膜の硬さは運転期間中の高温状態(
280℃〜310℃)にさらされても全く変化がなく、
優れた硬さを維持しており、ドクターブレード9による
皮膜の損傷は全く認められなかった.ただ、本発明と同
材質のWTiC/Niを用いて試験Na18〜2oの皮
膜を形威したグロスカレンダロールでも、皮膜の気孔率
,表面粗さなどが本発明の範囲を逸脱すると、白板紙へ
の光沢付与が十分でなく、塗工紙としての市場価値を多
少低下させることがうかがえた.以上の実施結果から、
本発明の目的に合致するグロスカレンダロール用WTi
Cサーメット皮膜の気孔率と表面仕上粗さは、第3図の
斜線を入れた領域となる.すなわち、気孔率1.4%以
下,表面粗さRmax 1.8μ一以下のWTiCサー
メット皮膜が適用できることを確認した。
実施例2 この実施例(試験11h26〜31)は、第1図の白板
祇塗工工程のマシンカレンダロール6 (ロール寸法:
直径400flx長さ2000麿m) 6および乾燥ロ
ール5〈ロール寸法:直径800mmx長さ2000m
m)に対し、実施例lで用いた本発明のWTiC/Ni
系サーメット溶射皮膜(11h12〜17)を適用し、
pH14の強アルカリ塗工剤を使用する条件で6カ月間
運転したものである.比較例( Nl32, 33)と
して現用のクロムめっきロール(仕様実施例lと同じ)
及びチルド鋼製の研摩ロールを供試した.第3表はその
結果を示したもので、マシン力レンダロール6および乾
燥ロール5においても、本発明のWTiC/Niサーメ
ット皮膜の表面は、塗工粕や紙屑類に汚染されず全く無
キズであるばかりか、高PH塗工剤の化学作用にも耐え
、曇り現象は認められなかった。
これに対し、比較例のクロムめっきロールは、塗工粕や
紙屑類の付着により2週間毎に清掃を必要としたため、
その都度、ラインを停止してめっき面を清掃せざるを得
なかった。また、チルド鋳鋼でも同様な現象が認められ
た。6カ月運転後のロール表面をみると、クロムめっき
表面は塗工剤中に含−まれでいるカオリン粒子による摩
耗を受け微細なスリ傷が無数に発生しており、ロール皮
膜としての寿命が短かいことがうかがえた。また、チル
ド鋼研摩ロールは、表面摩耗やキズの発生のため2週間
から1カ月の周期で交換せざるをえなかった。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の白板紙塗工紙用ロールに
よれば、硬質で耐アルカリ性に優れたWTiC複合炭化
物とNiとからなるサーメソト溶射材料を溶射した皮膜
を、気孔率1.4%以下、表面粗さRmax 1.8μ
m以下の鏡面に仕上げたものであるので、強アルカリ性
の塗工剤を仕様しても曇ることがなく、塗工祇への良好
な光沢付与性を長期間に亘って維持することができる。
その上、硬質のドクタブレードの仕様が可能となるため
、塗料粕や紙屑類の付着が少なくなり、ロールの運転温
度を高くしても、上記WTiC/Niサーメット皮膜の
硬さが変化しないので、塗工紙の光沢を一段と向上させ
ることができ、高品質の塗工紙を効率よく製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、白板紙の塗エラインのフロー図、第2図は、
溶射熱源用燃料ガスの熔射ガンへの供給圧力とその燃焼
ガスによって形成された溶射皮膜中の気孔率との関係を
示すグラフ、第3図は、WCサーメット溶射皮膜の気孔
率と該皮膜の表面仕上げ粗さとの関係を示すグラフ(図
中の符号の■〜■は実施例1においてテストした溶射皮
膜の性状)である。 l・・・白板紙、 2・・・マシンカレンダロール、 3・・・コータマシン、 4・・・塗工剤、5・・・乾
燥ロール、 6・・・マシン力レンダロール、 7・・・グロスカレンダロール、 8・・・合或ゴムロール、 9・・・ドクタブレード、 10・・・冷却ロール. 第2図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、金属製ロールの胴周面に、サーメット溶射皮膜を設
    けてなる塗工紙用ロールにおいて、このサーメット溶射
    皮膜を、タングステンカーバイドおよびチタンカーバイ
    ドからなるタングステンチタン複合炭化物と金属ニッケ
    ルとからなる炭化物サーメット材料の溶射皮膜で構成す
    ると共に、その溶射皮膜につき、気孔率を1.4%以下
    とすると共に、皮膜表面粗さRmaxを1.8μm以下
    としたことを特徴とする耐アルカリ性に優れた塗工紙用
    ロール。
JP14943089A 1989-06-14 1989-06-14 耐アルカリ性に優れた塗工紙用ロール Expired - Fee Related JP2571849B2 (ja)

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