JPH0319306B2 - - Google Patents
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- JPH0319306B2 JPH0319306B2 JP1864485A JP1864485A JPH0319306B2 JP H0319306 B2 JPH0319306 B2 JP H0319306B2 JP 1864485 A JP1864485 A JP 1864485A JP 1864485 A JP1864485 A JP 1864485A JP H0319306 B2 JPH0319306 B2 JP H0319306B2
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明はクロム酸を主体とした電解液から硬質
クロムを電着するための新規な組成物に関する。
クロムを電着するための新規な組成物に関する。
従来の技術
硬質クロムめつきは通常クロム酸溶液に触媒と
しての硫酸やフツ素化合物の単独又は両方を添加
した液を使用している。これらのめつき液から得
られるクロムめつき層は他の金属材料に比べて硬
度が高く、マイクロビツカースで、Hv700〜1000
の範囲の硬度値を有し、一般にはHv850前後のも
のが実用に供せられている。このようにクロムめ
つきは高い硬さを有するため耐摩耗性を必要とす
る機械部品に多用されている。
しての硫酸やフツ素化合物の単独又は両方を添加
した液を使用している。これらのめつき液から得
られるクロムめつき層は他の金属材料に比べて硬
度が高く、マイクロビツカースで、Hv700〜1000
の範囲の硬度値を有し、一般にはHv850前後のも
のが実用に供せられている。このようにクロムめ
つきは高い硬さを有するため耐摩耗性を必要とす
る機械部品に多用されている。
しかしながら、従来のクロムめつきにはいくつ
かの欠点がある。第1には使用する温度が高くな
ると硬さが著しく低下する。すなわち温度が500
℃以上になると硬さはHv300〜600にも低下し耐
摩性を著しく損うことになる。第2の欠点はめつ
き層に無数のクラツクがあり、耐食性が無いこ
と、第3は電流効率が低く実用範囲では15%前後
である。
かの欠点がある。第1には使用する温度が高くな
ると硬さが著しく低下する。すなわち温度が500
℃以上になると硬さはHv300〜600にも低下し耐
摩性を著しく損うことになる。第2の欠点はめつ
き層に無数のクラツクがあり、耐食性が無いこ
と、第3は電流効率が低く実用範囲では15%前後
である。
発明が解決しようとする問題点
本発明により得られるクロムめつきは上記の欠
点を改善するのみならず、新たな特徴をも有する
ものである。すなわち本発明によるクロムめつき
は電着のまゝでも従来のクロムめつきより硬く、
Hv1000前後を示し、更に熱処理により硬さが著
しく増加する特性がある。例えば、本発明による
クロムめつきを600℃で1時間熱処理するとその
硬さはマイクロビツカース硬度でHv1800にも達
する超硬質皮膜となる。また、めつき皮膜中のク
ラツク数は従来のクロムめつきに比べて極めて少
なく、高い防食性を有している。電流効率も従来
のクロムめつきは15%前後で一般に操業されてい
るが、本発明では25%前後となるので、めつき時
間を大巾に短縮することが可能である。更に、本
発明によるクロムめつきはX線回折および電子線
回析実験により非晶質構造を有することが判明し
ている。非晶質金属は結晶質金属に比べて幾多の
特異な性質を有していることは、これまでの多く
の研究により明らかにされている。例えば、鉄系
非晶質金属は従来の結晶質金属より耐食性に優れ
ていることが報告されているが、本めつき浴によ
り得られるクロムめつきも従来のクロムに比べて
耐塩酸性で約2〜3倍の耐食性を有することが明
らかになつた。また、一般に非晶質クロムは厚く
電着することが困難とされていたが、本発明によ
れば任意の厚さまで電着でき、めつきの外観も従
来のクロムめつきより光沢に優れ、いわゆる鏡面
光沢を呈する。
点を改善するのみならず、新たな特徴をも有する
ものである。すなわち本発明によるクロムめつき
は電着のまゝでも従来のクロムめつきより硬く、
Hv1000前後を示し、更に熱処理により硬さが著
しく増加する特性がある。例えば、本発明による
クロムめつきを600℃で1時間熱処理するとその
硬さはマイクロビツカース硬度でHv1800にも達
する超硬質皮膜となる。また、めつき皮膜中のク
ラツク数は従来のクロムめつきに比べて極めて少
なく、高い防食性を有している。電流効率も従来
のクロムめつきは15%前後で一般に操業されてい
るが、本発明では25%前後となるので、めつき時
間を大巾に短縮することが可能である。更に、本
発明によるクロムめつきはX線回折および電子線
回析実験により非晶質構造を有することが判明し
ている。非晶質金属は結晶質金属に比べて幾多の
特異な性質を有していることは、これまでの多く
の研究により明らかにされている。例えば、鉄系
非晶質金属は従来の結晶質金属より耐食性に優れ
ていることが報告されているが、本めつき浴によ
り得られるクロムめつきも従来のクロムに比べて
耐塩酸性で約2〜3倍の耐食性を有することが明
らかになつた。また、一般に非晶質クロムは厚く
電着することが困難とされていたが、本発明によ
れば任意の厚さまで電着でき、めつきの外観も従
来のクロムめつきより光沢に優れ、いわゆる鏡面
光沢を呈する。
問題点を解決するための手段及びその効果
本発明のクロム電気めつき浴は6価のクロムイ
オンをつくる少なくとも1つの化合物を20〜200
g/含有する水溶液に、第1に硫酸又はその塩
をクロムイオンと硫酸イオンの比(CrO3/
SO4 2-)において2〜40になる量を添加し、第2
にホルマリン、ホルムアミド、ぎ酸およびその塩
を2〜30g/添加することを特徴とするもので
ある。
オンをつくる少なくとも1つの化合物を20〜200
g/含有する水溶液に、第1に硫酸又はその塩
をクロムイオンと硫酸イオンの比(CrO3/
SO4 2-)において2〜40になる量を添加し、第2
にホルマリン、ホルムアミド、ぎ酸およびその塩
を2〜30g/添加することを特徴とするもので
ある。
6価のクロムイオンには無水クロム酸、クロム
酸ソーダ、クロム酸カリ、クロム酸アンモンなど
の6価クロムの化合物が用いられる。
酸ソーダ、クロム酸カリ、クロム酸アンモンなど
の6価クロムの化合物が用いられる。
硫酸には水に可溶性の硫酸および硫酸化合物が
使用できる。第2の添加剤にはホルマリン、ホル
ムアミド、ぎ酸の化合物、例えばぎ酸アンモン、
ぎ酸ソーダ、ぎ酸カリなども使用可能である。
使用できる。第2の添加剤にはホルマリン、ホル
ムアミド、ぎ酸の化合物、例えばぎ酸アンモン、
ぎ酸ソーダ、ぎ酸カリなども使用可能である。
従来の硬質クロムめつき浴は無水クロム酸(50
〜400g/)に硫酸をその重量比で100/1のも
のが使われており、実用上の限界は50/1〜
200/1の範囲とされている。これに対し、本発
明による浴はクロム酸/硫酸の比を2〜40とし、
硫酸量が多いのが1つ特徴である。
〜400g/)に硫酸をその重量比で100/1のも
のが使われており、実用上の限界は50/1〜
200/1の範囲とされている。これに対し、本発
明による浴はクロム酸/硫酸の比を2〜40とし、
硫酸量が多いのが1つ特徴である。
添加剤としてのホルマリン、ホルムアミド、ぎ
酸はこれまでクロムめつき浴の添加剤として広く
知られ、多くの文献や特許に見られるが、主な目
的は黒色クロムを得るためのものであつた。本発
明は6価クロム浴に従来のクロムめつき浴より硫
酸量をはるかに多く添加した浴に上記の有機物を
添加することにより、鏡面光沢を有する超硬質の
クロムめつきを得ることに成功したものである。
酸はこれまでクロムめつき浴の添加剤として広く
知られ、多くの文献や特許に見られるが、主な目
的は黒色クロムを得るためのものであつた。本発
明は6価クロム浴に従来のクロムめつき浴より硫
酸量をはるかに多く添加した浴に上記の有機物を
添加することにより、鏡面光沢を有する超硬質の
クロムめつきを得ることに成功したものである。
6価クロム浴に上記有機物を入れるとその一部
は酸化されて消耗し、6価のクロムイオンは3価
のクロムイオンに還元される。めつき時にも上記
有機物は電解酸化を受けて消耗するので適宜これ
らの有機物をめつき浴に補給する必要がある。ま
た、前記の有機添加剤はめつき浴中で僅かづつ分
解消耗するので浴中の6価クロム濃度は減少し、
3価クロム濃度が増加するので、隔膜電解や空電
解によつて3価クロムを6価クロムに酸化する。
3価クロムイオン量が多くなると光沢面が得られ
なくなるので全クロム量の3割を越えないように
管理する。
は酸化されて消耗し、6価のクロムイオンは3価
のクロムイオンに還元される。めつき時にも上記
有機物は電解酸化を受けて消耗するので適宜これ
らの有機物をめつき浴に補給する必要がある。ま
た、前記の有機添加剤はめつき浴中で僅かづつ分
解消耗するので浴中の6価クロム濃度は減少し、
3価クロム濃度が増加するので、隔膜電解や空電
解によつて3価クロムを6価クロムに酸化する。
3価クロムイオン量が多くなると光沢面が得られ
なくなるので全クロム量の3割を越えないように
管理する。
クロム酸濃度をあまり高くすると有機添加剤の
酸化が早くなるので200g/以下の濃度が望ま
しく、クロム酸濃度をあまり低くするとクロムめ
つきが析出しなくななるので、20g/が下限と
なる。
酸化が早くなるので200g/以下の濃度が望ま
しく、クロム酸濃度をあまり低くするとクロムめ
つきが析出しなくななるので、20g/が下限と
なる。
硫酸の量は従来のクロムめつきのようにクロム
酸と硫酸の比が40/1以上の場合には前述の有機
添加剤を入れても充分な鏡面光沢が得られず、比
が2/1以下になるとめつき表面にピンホールや
異状な突起物が出来るので好ましくない。
酸と硫酸の比が40/1以上の場合には前述の有機
添加剤を入れても充分な鏡面光沢が得られず、比
が2/1以下になるとめつき表面にピンホールや
異状な突起物が出来るので好ましくない。
ホルマリン、ホルムアミド、ぎ酸は、その添加
量が2g/以下では効果が無く、光沢クロムめ
つきが得られず、30ml以上になると光沢クロムめ
つきは得られるが電流効率が著しく低下するので
実用的でない。
量が2g/以下では効果が無く、光沢クロムめ
つきが得られず、30ml以上になると光沢クロムめ
つきは得られるが電流効率が著しく低下するので
実用的でない。
めつき液の温度を高くすると添加有機物の分解
反応が早くなり、3価クロムイオン量が増えるの
で、45℃以下に保つことが望ましい。めつきの電
流密度は5〜300A/dm2の範囲で使用でき、こ
れ以下の電流密度ではめつきが析出せず、
300A/dm2以上ではめつきは可能であるが被め
つき物への通電が困難となる。
反応が早くなり、3価クロムイオン量が増えるの
で、45℃以下に保つことが望ましい。めつきの電
流密度は5〜300A/dm2の範囲で使用でき、こ
れ以下の電流密度ではめつきが析出せず、
300A/dm2以上ではめつきは可能であるが被め
つき物への通電が困難となる。
実施例
次に本発明による実施例を示す。
実施例 1:
めつき液の組成、
無水クロム酸 100g/
硫酸 5g/
ぎ酸(85%) 20ml/
(3価クロムイオン 3〜30g/)
電着条件、
めつき液温度 15〜40℃
電流密度範囲 10A/dm2〜100A/dm2
上記の条件のうち、温度30℃、電流密度40A/
dm2の条件から得られた電着物は鏡面光沢を示
し、顕微鏡観察では従来のクロムめつきに見られ
る球状結晶は観察されず極めて平滑な面であり、
X線および電子線回析によりこのものが非晶質構
造であることが確認された。めつき層の硬さはめ
つきのまゝでHv950〜1050の範囲にあり、600℃、
1時間の熱処理により、その硬さはHv1700〜
1850に上昇する。
dm2の条件から得られた電着物は鏡面光沢を示
し、顕微鏡観察では従来のクロムめつきに見られ
る球状結晶は観察されず極めて平滑な面であり、
X線および電子線回析によりこのものが非晶質構
造であることが確認された。めつき層の硬さはめ
つきのまゝでHv950〜1050の範囲にあり、600℃、
1時間の熱処理により、その硬さはHv1700〜
1850に上昇する。
実施例 2:
めつき液の組成、
無水クロム酸 50g/
硫酸アンモン 3g/
ぎ酸(85%) 15ml/
(3価クロムイオン 2〜10g/)
電着条件、
めつき液温度 15〜45℃
電流密度 10〜60A/dm2
上記の条件で得られる電着物は実施例1と同じ
性能を有する。以下の例でも同様である。
性能を有する。以下の例でも同様である。
実施例 3:
めつき液の組成、
無水クロム酸 150g/
硫酸 10g/
ホルムアミド 25ml/
(3価クロムイオン 5〜40g/)
電着条件、
めつき液温度 15〜35℃
電流密度 10〜100A/dm2
実施例 4:
めつき液の組成、
無水クロム酸 80g/
硫酸 5g/
ホルマリン(35%) 20ml/
(3価クロム 2〜25g/)
電着条件、
めつき液温度 15〜40℃
電流密度 10〜80A/dm2
実施例 5:
めつき液の組成、
無水クロム酸 30g/
硫酸 2g/
ぎ酸アンモン 10g/
(3価クロムイオン 1〜8g/)
電着条件、
めつき液温度 10〜45℃
電流密度 10〜50A/dm2
Claims (1)
- 1 クロムを電着するための電解液において、6
価のクロムイオンをつくる少なくとも1つの化合
物を20〜200g/含有する水溶液に、第1に硫
酸又はその塩を6価のクロムと硫酸イオンの重量
比(CrO3/SO4 2-)において2〜40になる量を添
加し、第2にホルマリン、ホルムアミド、ギ酸お
よびその塩を2〜30g/添加し、第3に3価ク
ロムイオン濃度が全クロム量の30%より少ない量
を含むことを特徴とするクロムめつき浴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1864485A JPS61179890A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | 非晶質構造を有する硬質クロムのめつき浴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1864485A JPS61179890A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | 非晶質構造を有する硬質クロムのめつき浴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61179890A JPS61179890A (ja) | 1986-08-12 |
JPH0319306B2 true JPH0319306B2 (ja) | 1991-03-14 |
Family
ID=11977313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1864485A Granted JPS61179890A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | 非晶質構造を有する硬質クロムのめつき浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61179890A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011140700A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | C Uyemura & Co Ltd | クロムめっき方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01155062A (ja) * | 1987-12-10 | 1989-06-16 | Nippon Piston Ring Co Ltd | シリンダライナ |
JPH04214319A (ja) * | 1990-12-11 | 1992-08-05 | Teijin Ltd | ポリマーの溶融成形方法 |
JP2015044270A (ja) * | 2013-08-28 | 2015-03-12 | 三菱マテリアル株式会社 | ロータリーダイ |
-
1985
- 1985-02-04 JP JP1864485A patent/JPS61179890A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011140700A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | C Uyemura & Co Ltd | クロムめっき方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS61179890A (ja) | 1986-08-12 |
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