JPH0319207A - 高透磁率、低鉄損の小型矩形状巻磁心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、１００ＫＨｚ以上の高い周波数において使
用される各種ノイズフィルター、ノイズアブソーバー、
可飽和リアクトル、高周波トランスその他のコイルやイ
ンダクタンス素子用の巻磁心に関するものであり、特に
スイッチング電源装置等に使用される磁心の形状小型化
に係わるものである． （従来の技術） 近年、電子機器の小型化が急速に進み、それにともない
電子機器に搭載する直流安定化電源装置の小型化、薄型
化、軽量化に対する市場の要求が強まっている．電源装
置の小型化には電源回路中に大きなスペースを占めるコ
イルやインダクタンス部品の小型化が急務である．その
手段として動作周波数を数百ＫＨｚ以上に高周波化した
スイッチング電源装置の開発が進められている．これら
スイッチング電源用磁性部品に用いられる磁心材料とし
て、例えば特公昭６０−３８４５４号公報に開示されて
いるようにＦｅ又はＣｏの少くとも１種にＢ又はＳｔを
混合した非品質合金、あるいは特開昭６３−３１７６３
９号公報の如（Ｃｏ，ＦｅにＣｒ，　Ｍｏ，　Ｗ，Ｃｒ
　十Ｍｏ等、さらにこれにＳｔ，Ｂ，Ｐ，Ｃから選ばれ
た１種以上からなる非品質合金などの合金薄帯を巻回し
た磁心が使用され始めている。非晶質合金磁性材料は、
電気抵抗が通常金属の約３倍高く、また製造プロセス的
に薄い材料が容易に得られることから、渦電流損失が少
ないという性質をもっている．このため高周波領域にお
いて高透磁率、低鉄損なる特性を有し、磁性部品の小型
化、高効率化二−ズに対して、極めて良い適合性をもっ
ている．しかしこのような非品質磁心材料にとっても、
電源回路の動作周波数が従来の数十ＫＨｚから数百κＨ
ｚさらには数Ｍｔｌｚと高周波化が進むにつれて、いっ
そう磁心形状の小型化が要求されるようになってきてい
る。

ところで非品質合金薄帯を用いてコイルやインダクタン
ス素子用の磁心を製造するには、ａ）　非品質合金薄帯
を巻回して磁心を形或する場合 ｂ）　広幅非品質合金薄帯を所望の形状にプレスで打抜
き、その打抜いた薄帯を多数枚積層して磁心を形威する
場合 とがある． 本発明は上記のうち非品質合金薄帯を巻回してなる磁心
に関する。

（発明が解決しようとする課題） 非品質合金薄帯を巻回して磁心を形威する場合、磁心の
形状は一般に円形状である。しかしその円形状磁心の内
径の半径は１ｍｍ以上であり、さらには半径が小さくな
るほど占積率が悪くなるため磁心の小型化には限界があ
る．これは非晶質合金薄帯が一般に１５〜２５μｍの厚
みをもっており、曲げ弾性も強いためである．このため
曲率半径が小さくなるほど巻回時の加工歪が大きくなり
、加工後歪取り焼鈍を施しても歪を十分に除去できず、
さらには占積率も不十分で眉間に隙間が多くなるため、
非品質合金が有する良好な軟磁気特性を完全に引き出す
ことができないからである．また円形状巻磁心に巻線を
施す必要のある場合、磁心内径をあまり小さくすると巻
線のためのスペース（窓面積）が確保できなくなるため
、磁心内径は半径で２閣が限界である．さらに円形状磁
心の場合、回路基板上に密着して実装することができず
安定性が悪いため、装置の振動等により絶縁不良を起こ
しやすいなどの欠点を有する． 窓面積を少しでも広くしようとする楕円形状の巻磁心も
存在するが曲率半径や安定性の面で、円形状巻磁心と同
様の問題がある． 実装時の安定性や窓面積を確保するためには、磁心形状
は矩形状であるのが最も望ましい．非晶質合金薄帯を矩
形状に巻回した磁心として、柱状トランス用磁心やイン
バーター式電源トランスなど数十ＫＨｚ以下の大電力で
使用するための比較的大型の磁心が作られている。しか
し、非品質合金薄帯の厚みが一般に１５〜２５μｍであ
るので、磁心最内周のコーナ一部の曲率半径が４１Ｉｌ
ｌ１以上となるため、厚みの関係でスイッチング電源に
使用するような１００ＫＨｚ以上の高周波で高透磁率を
要求されるような用途に使用されるような小型の磁心と
して、矩形状巻磁心の製造ができず、かかる磁心は未だ
かってない。これは小型の矩形状巻磁心を製作するため
には、巻磁心最内周のコーナ一部の曲率半径を十分に小
さくしないと、磁心の有効断面積を確保しようと薄帯を
何周も巻いているうちに外周が円形に近くなり、それに
つれて占積率も悪化するため、矩形状磁心のメリットが
生かせなくなるからである．また矩形状巻磁心でコーナ
一部の曲率半径を小さくすることは、窓面積を確保する
上でも重要である．しかしコーナ一部の曲率半径を１〜
２ＩＩＩ１以下に小さくすれば、巻回時に生じた歪が歪
取り焼鈍によっても十分除去できない上に、応力分布に
むらが生じてしまい、透磁率が低下したり保磁力や鉄損
が増大するなど磁気特性が著しく劣化する。一方、加工
技術上からも非品質合金薄帯の強い曲げ弾性力によって
小さな曲率半径にできないという問題がある．このよう
に従来技術によって形威された非品質合金磁心では、電
源装置の動作周波数の高周波化とそれにともなう装置の
小型化に対応して、磁気特性を満足したまま磁心形状を
いっそう小型化するには限界がある． （問題を解決するための手段と作用） 本発明の小型矩形状巻磁心はかかる従来技術の問題点を
解決し、動作周波数１００κＩｌｚ以上のスイッチング
電源等に搭載される各種コイルやインダクタンス部品用
磁心の一層の小型化要求に応えるべく、形状が小型化で
き、磁心装着時の安定性が良く、しかも巻線を数多く巻
くことのできる高透磁率、低鉄損の矩形状非晶質合金巻
磁心を提供することを目的としたものであって、磁気特
性に及ぼすコーナ一部の曲率半径と薄帯厚さの影響につ
いて鋭意検討した結果、曲率半径に応じた厚みを有し、
かつ零磁歪組成からなる極薄非晶質合金薄帯を用いるな
らば、磁気特性を劣化させることなしに、コーナ一部の
曲率半径の小さい矩形状磁心を得ることが可能であるこ
とを見いだしたのである． すなわち本発明の小型矩形状巻磁心は、組戒式（（Ｃｏ
ｄ−ａｒｅａ）　＋−ｂ　？ｌｂ）　＋−ｃ　Ｘｃを満
足させ、かつ飽和磁歪定数λ．が１λ，１≦１０−６で
ある非晶質合金の薄板を巻回してなる矩形状１！磁心に
おいて、その厚さｔが４≦ｔ≦１０ＩＩ　ｍ　％面粗さ
がＲ　＋ｍａヨ≦１．　５μであって、磁心最矩形状巻
磁心において、その厚さｔが５０≦ｒ　／　ｔ　，ｒ≦
１．５閣で、ひとつのコーナーのアール中心点からそれ
に隣接するコーナーのアール中心点までのコーナー部の
曲率半径ｒが５０≦ｒ／ｔ，ｒ＋ｎｔ）≦４としたもの
である． 以下に本発明に係わる巻磁心における形状の限？理由に
ついて説明する． 非品質合金薄帯の厚みｔは４〜１０μｍである必要があ
る。理論上、厚みはできるだけ薄いほどよい．しかし厚
みが４μｍ以下になると薄帯がコーナ一部で切れ易くな
り、巻回の作業性がきわめて悪くなる。また薄帯に張力
をかけて巻くことが出来なくなるため占積率が悪くなり
磁気特性も悪化する．一方厚みが１０μｍ以上になると
巻回時、矩形状のコーナ一部に発生した不均一応力がそ
の後の焼鈍によっても十分に除去できず、磁気特性が悪
化する．また薄帯自体に弾性があるため、所望の曲率半
径に薄帯を変形させることが難しくなる。

非品質薄帯の面粗さＲ■．はｌ．　５μｍ以下である必
要がある．好ましくは１μｍ以下がよい．面粗さＲ．．
８が１．　５μｍ以上では占積率の確保が難しいし、ヒ
ステリシス曲線の角形威が要求されるような可飽和リア
クトル用磁心などでは十分な角形比が得られない．また
薄帯が壱回作業中に切れやすくなり作業性が悪化する．
さらに薄帯中にピンホールが発生し易いため磁気特性も
悪化する．非品質合金の飽和磁歪λ．を１λ．１≦１０
−６に規定するのは、磁歪が存在するとコーナ一部での
磁歪に均一性がないため、磁気特性が悪化するためであ
る． さらに第１図に示す磁心（１）の最内周のコーナ一部（
２）の曲率半径（ｒ）と薄帯の厚みｔは５０≦ｒ　／　
ｔなる関係にある必要がある．使用される薄板は薄いほ
どコーナ一部の曲率半径を小さくできる，ｒ／ｔは５０
が下限である．これ以上小さいと、巻同時にコーナ一部
に生じた不均一応力を、その後の焼鈍によっても十分に
除去できず磁気特性が悪化する．またｒ≦１．５ｍに限
定するのは曲率半径（ｒ）が１．５ｓｍを越えれば強い
て極薄薄帯を使用する必要性が無く、通常の１５〜２０
μｍ程度の薄帯でも実用上十分な磁気特性を得ることが
可能である．しかし本発明では小さな曲率半径を要する
ので、１．　５　ｔｍ以下でなければならない． また上述の距離Ｌと・薄帯の巻数ｎとが５０≦ｒ／ｔ，
ｒ＋ｎｔ）≦４なる関係が必要なのは、Ｌ／（ｒ十ｎｔ
）が２より小さいと有効断面積を確保しようとすると何
回も薄帯を巻回するうちに磁心外周部の形状が円形状に
近くなってしまい、磁心を回路基板上に装着する際の安
定性を確保できなくなるためである．また非晶質合金薄
帯の弾性のため、かなり気を付けて巻回してもコーナ一
部とコーナ一部の間の直線部分の占積率がかなり悪くな
るという問題も生じる。一方、Ｌ／（ｒ＋ｎｔ）が４よ
り大きい場合は、なんら磁気特性にとって問題はないが
、磁心形状の小型化というこの発明の特徴が活かせなく
なる． なお、ｒ≦１．５■，Ｌ−０の円形状または楕円形状の
磁心であっても、５０≦ｒ／ｔであれば良好な磁気特性
が得られることは容易に推測できる．しかし、この場合
には、窓面積が十分確保できないためあまり実用的でな
い． 次に本発明において組威を限定するのは以下の理由によ
る． Ｃｏ基非品質合金に限定したのは、高透磁率、低鉄損の
零磁歪合金が得られ易いことによる．Ｆｅは磁歪を制御
する元素であり、Ｆｅ量を規定するａが０．０４〜０．
０７であるのは、磁歪を零に近づけるためである． ＭはＮｉ，　Ｃｒ，　Ｎｂ，　Ｍｏから選ばれる１種又
は２種以上であって、合金溶融時の粘性を下げ、ロール
との濡れ性を改善し面粗さの良好な薄帯を得るのに効果
がある。しかし特に添加しなければ本発明が達威されな
いというものではない。またＭＩＪを規定するｂの上限
を０．０５としたのは、添加による効果向上が期待され
ないためである。

ＸはＳｉ，　Ｂ，　　Ｐ，　　Ｃから選ばれる１種又は
２種以上であって、非品質化に必須の元素であり、あま
り少ないと非晶質化が困難であり、逆にあまり多いとキ
ュリー温度が低くなりすぎるため、Ｘの添加量は１８〜
３０ａｔ＄とした。

（実施例） 本発明の小型矩形状巻磁心は以下の方法により製造され
る． まず本発明の達威に必要な非晶質合金薄帯は単？ール法
．双ロール法など薄帯の製造に適した公知の液体急冷法
によって製造される．しかし薄帯の厚みをｌＯμｍ以下
に制御するには、製造技術上、単ロール法が最も望まし
い。すなわち、本発明組成を有する合金溶湯を、るつぼ
底部に設けたスリット状のノズルより回転冷却体の表面
に噴き出すことにより、非品質合金薄帯を製造する。回
転冷却体としては銅ロールまたは鉄ロールカ用いられる
．合金溶湯をロール上に噴き出す際の雰囲気圧は０．　
１〜１．　Ｏ　Ｔｏｒｒが適しており、雰囲気ガスは＾
ｒ，　Ｈｅ，　Ｎ■などの不活性ガスがよいが、減圧大
気であっても構わない．より好ましくは０．　１〜Ｑ，
　３　ＴｏｒｒのＨｅガス雰囲気がよい。雰囲気圧がこ
の程度であれば面粗さＲ，■≦１．５μｍの非品質合金
薄帯が容易にえられる．雰囲気圧がｌ　Ｔｏｒｒ以上に
高くなると薄帯中にガス巻き込みによる穴が発生しやす
く、特にｌＯμｍ以下の薄帯ではピンホールとなって薄
帯の面粗さを著しく損ねる．また雰囲気ガス圧がＱ．　
ｌ　Ｔｏｒｒ以下になると合金を高周波加熱によって溶
解中にワークコイル部でアーク放電を起こす可能性があ
り、作業上危険である。

また折れ曲がり傷のないきれいな薄帯を得るためには、
薄帯が回転冷却体から離れたのち途中でぶつかることな
く飛行する必要がある。このため単ロール装置の飛行管
長さは３ｍ以上、より好ましくは１０ｍ以上である必要
がある。

また非品質合金薄帯を矩形状巻磁心に威形するためには
ステンレス、銅、アルξ、石英などの中空バイブを矩形
状に加工し巻心として使用する。

もちろん巻心のコーナ一部の曲率半径は、巻磁心最内周
の曲率半径と等しく、またはやや小さくしておく必要が
ある． このようにして得られた巻心に上記の非品質合金薄帯を
巻回して矩形状巻磁心に成形する。成形後の巻磁心は巻
心をつけたまま歪取りのための熱処理を行う．また必要
であればその後磁場中で熱処理してもよい．このとき歪
取りのための焼鈍が不十分だと、磁気特性が悪化するの
みでなく、巻心を取り除いた際に薄帯に残留する弾性の
ためにアールが大きくなり、本発明の特徴である矩形状
が崩れてしまう場合がある．熱処理完了後磁心から巻心
を取り除くが、この際、あらかじめ巻心にセロハンなど
の可燃性のテープを巻き付けた後、非品質合金薄帯を巻
回しておくと、熱処理後に可燃性のテープが焼失してし
まうため磁心から巻心を取り除きやすくまた磁心形状を
崩したりする心配もない。

このようにして得られた矩形状巻磁心は、変形や損傷に
よる特性劣化を防止したり、巻線との電気的絶縁を行う
ため、フェノール樹脂などのケースにいれて使用するか
またはエボキシ粉体樹脂塗装して使用する。

いま第１表に示すような組威の合金を調合、溶解し非晶
質合金作製用母合金とした．非品質合金薄帯作製にあた
っては１０ｍの飛行管を有しチャンバー全体を減圧でき
る単ロール式液体急冷装置を使用した．非晶質合金薄帯
の代表的な製造条件は次のとおりであった．即ち、 ノズルスリット形状：５ｍＸ０．２〜０．　３　ｍ、ノ
ズル材質：石英または窒化珪素、ロール材質：？（ロー
ル表面はダイヤモンドバイトにて旋削し鏡面仕上げ）、
ロール径：φ３００ａｕａ，　　ロール回転数：　２５
００〜３５００ｒｐｍ　，噴出雰囲気：　０．　１　〜
０．　３　Ｔｏｒｒの減圧大気またはＨｅ，射出ガス圧
：　０．　０　２　Ｋｌｌｚ　／ａｍ３このような条件
にて合金溶湯を超急冷したところ、薄体厚み４．６〜９
．４μｍ，表面粗さＲ■８０．３〜１．２μｍの極薄非
晶質薄帯が得られた。この薄帯を、ステンレス製中空パ
イプを第１図に示すように矩形状に加工して作った巻心
に巻回し、第１表に示すような寸法の矩形状巻磁心を作
製した．なお薄帯間には眉間絶縁のためマグネシアを塗
布した。また巻心には、後工程で巻心を除去し易いよう
、あらかじめセロハンテープを２回巻いておいた． 引続き巻磁心はステンレス製巻心に巻回したままの状態
で４００℃にて約１時間歪取り焼鈍を行い、次いで水中
で急冷した．その後巻心を除去したが巻磁心の寸法形状
は矩形状巻心の寸法形状にほぼ等しく巻磁心の変形は認
められなかった，磁気特性の評価にあたっては、巻磁心
にエポキシ粉体塗装したのち巻線し測定に供した。第２
図によりｌＯＫＨｚにおける本発明の交流Ｂ−Ｈ特性曲
線を第３図に示す比較例の磁心の同曲線と比較して示し
た。第３図より明かなように比較例の磁心ではＢ−Ｈ特
性曲線のくっつきが悪く、コーナ一部の不均一応力が焼
鈍によっても十分に除去できず残留していることがわか
る。このため保磁力や磁心損失が大きくなっている．こ
れに対して本発明磁心はＢ−Ｈ特性曲線のくっつきが良
く磁心損失が小さい。第２図より本発明磁心の磁気特性
改善効果は明かである。また第４図は比透磁率の周波数
特性について本発明磁心と比較例の円形状の小型磁心と
を比較した図である。第４図より本発明磁心は１　０　
０　ＫＨｚ以上の高周波できわめて高い透磁率を示すこ
とがわかる。

（発明の効果） 以上に説明したように本発明によれば、コーナ一部の曲
率半径を小さくできるため形状がきわめて小型の矩形状
巻磁心を作ることが可能である。

この小型矩形状巻磁心は、磁気特性が従来の円形状巻磁
心に劣らず優れており、特に１００ＫＨｚ以上の高周波
において高透磁率を保有して、しかも鉄損が小さいとい
う優れた効果を有する。本発明の磁心は、可飽和リアク
トル、ノイズアプソーバー（可飽和型インダクタンス素
子）、ノイズフィルター（コモンモード用、ノーマルモ
ード用、高電圧パルス用）など、高周波で使用するコイ
ル、インダクタンス部品に用いることにより、スイッチ
ング電源などの電子機器の小型化に大きく寄与すること
が可能である．

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁心形状の概略図、第２図は本発明の
実施例のＩＯＫＨＺにおける交流Ｂ−Ｈ特性曲線図、第
３図は比較例の同曲線図、第４図は本発明の実施例と比
較例の比透磁率の周波数特性図。 一３４一

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１） 組成式〔（Ｃｏ＿１＿−＿ａＦｅ＿ａ）＿１＿−＿ｂＭ
   ＿ｂ〕＿１＿−＿ｃＸ＿ｃ但し、ＭはＮｉ，Ｃｒ，Ｎｂ
   ，Ｍｏから選ばれる１種又は２種以上、 ＸはＳｉ，Ｂ，Ｐ，Ｃから選ばれる１ 種又は２種以上、 ０．０４≦ａ≦０．０７，ｂ≦０．０５， １８≦ｃ≦３０ を満足させ、かつ飽和磁歪定数λ＿ｓが｜λ＿ｓ｜≦１
   ０＾−＾６である非晶質合金の薄板を巻回してなる矩形
   状巻磁心において、その厚さｔが４≦ｔ≦１０μｍ、面
   粗さがＲ＿ｍ＿ａ＿ｘ≦１．５μであって、磁心最内周
   のコーナー部の曲率半径ｒが５０≦ｒ／ｔ，ｒ≦１．５
   ｍｍで、ひとつのコーナーのアール中心点からそれに隣
   接するコーナーのアール中心点までの距離Ｌと薄帯の巻
   数ｎとが２≦Ｌ／（ｒ＋ｎｔ）≦４であることを特徴と
   する高透磁率、低鉄損の小型矩形状巻磁心。