JPH0319171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、乾電池の製造機において組立工程
を経た製品乾電池の搬出移送経路中で部品の組立
不良品のあることを検出して該不良品を取出すた
めの装置に関する。より詳しくは組立工程を経た
乾電池を完成品搬出用回転ホイルの外周部に一定
ピツチで形成した半円形凹部に係入保持して連続
移送するとともに、その移送途中において数ある
乾電池のなかから組立不良品をセンサーで検出
し、検出された不良品を回転ホイルの所定回転位
相において押し出し機構で半円形凹部より外方に
押し出し、押し出した不良品を該回転ホイルに同
期して軸動される不良品取出し用回転ホイルの外
周部に形成した半円形凹部に移し替えるようにし
た不良品取出し装置であつて、不良品の移し替え
が確実に行なえるようにすることを主眼とする。

すなわち、この種の不良品取出し装置において
は、、完成品搬出用回転ホイルの半円形凹部から
不良品取出し用回転ホイルの半円形凹部への移し
替えタイミングが性能上極めて重要であり、この
タイミングが狂うと電池を両ホイル間にかみ込ん
でしまう。そのため、従来は移し替えタイミング
を余裕を似てとれるように回転ホイルの駆動速度
を抑えており、これが高速運転による高能率化の
妨げになつていた。

この考案は、かかる実情に着目して完成品搬出
用回転ホイルの半円形凹部から不良品取出し用回
転ホイルの半円形凹部への乾電池移行を極めて簡
単な手段で高速かつ確実に行なえるようにしよう
とするものである。

以下、その詳細を図面に基づき説明すると、第
１図は完成した乾電池を示しており、図中の符号
１は亜鉛缶であつて、電解液を含浸させたセパレ
ータ２、炭素棒３、二酸化マンガンとアセチレン
ブラツクを主体とする陽極合剤４、およびつば紙
５が内装されている。６は炭素棒３の上端に外嵌
されるポリエチレンなどからなる合成樹脂製の封
口体であつて、これによつて亜鉛缶１の開口部が
閉塞されている。７は熱収縮性塩化ビニル等から
なる樹脂チユーブであつて、亜鉛缶１の外側を絶
縁被覆するとともに、上部が封口体６の上面に折
り曲げ重複されている。８は炭素棒３の上端に嵌
着されるとともに封口体６の上面に沿つて被着さ
れた鉄板製の太陽極端子板であり、また９は亜鉛
缶１の底面に接合される鉄板製の陰極端子板であ
る。以上の部材によつて素電池が構成され、これ
が薄い鉄板製の外装缶１０に挿入され、この素電
池の上部に装填された合成樹脂製の絶縁リング１
１上に外装缶１０の上部解放端縁１０ａが折り曲
げカールされて電池上端が封口されている。

この考案は、上記構成の乾電池の製造機におい
て、外装缶１０の開放端をカール封口して完成し
た乾電池を搬出する途中で、前記陽極端子板８や
絶縁リング１１等の組立不良を検出して不良品を
取出す装置を次のようにしたものである。

第２図は不良品取出し装置の全体平面図であ
り、外装缶１０に素電池を挿入するまでの工程を
経た未完成乾電池は封口処理用回転ホイル２０の
周部に形成した凹部２１に係入支持され、適宜ガ
イドレール２２で案内されつつ矢印方向に連続移
送され、その間に最終的な前記絶縁リング１１の
装填および外装缶１０のカール封口処理が施され
る。封口処理されて完成した乾電池２３に中継用
回転ホイル２４に受け継がれ、ガイドレール２５
で案内されて方向転換移送されたのち、完成品搬
出用回転ホイル２６の周部に形成した半円形凹部
２７に移し替えられる。

この回転ホイル２６に受け渡された乾電池２３
は、ガイドレール２８に案内されて移送される間
に、不良品検出機構２９によるチエツク箇所を通
過し、部品組立不良品が検出される。良品はその
まま移送されて該回転ホイル２６に接続された良
品回収ライン３０に送り出される。しかし、検出
された不良品２３’は回転ホイル２６に隣接配置
された不良品取出し用回転ホイル３１の周部に形
成した半円形凹部３２に移し替えられ、その後に
該回転ホイル３１に接続された不良品回収ライン
３３に送り出される。

第３図において、中継用回転ホイル２４、完成
品搬出用回転ホイル２６、および不良品を取出し
用回転ホイル３１の回転軸３４’３５’３６はフ
レーム３７に立設支承されて、互いにギヤ連動さ
れて同期駆動され、かつ封口装置の回転ホイル２
０にもギヤ連動されている。

そして、重要なことは完成品搬出用回転ホイル
２６に設けた各半円形凹部２７は内奥面および不
良品取出し用回転ホイル３１の各半円形凹部３２
の内奥面には、上下一組の磁石３８・３９がそれ
ぞれ埋設され、乾電池２３’２３’の外装缶１０
を吸着保持するようにした点である。

完成品搬出用回転ホイル２６の内側には、各凹
部２７に対応してエアーシリンダ４０が設けら
れ、そのピストンロッド先端のプツシヤー４１が
凹部２７の内奥面から出退する。乾電池押し出し
機構としてのエアーシリンダ４０は内装バネでピ
ストンを退入付勢した単動型が用いられ、そのエ
アー給排ホース４２が第３図に示すごとく回転ホ
イルボス２６ａの内周面に接続されている。この
ホース接続ポート群４３a'４３ｂはホイルボス２
６ａの外周面に上下２列に開口され、隣接するエ
アーシリンダ４０に対応するポート４３a'４３ｂ
が上下互いに違いになるように配列されている。

前記ホイルボス２６ａの外周面の所定回転位相
部位には、上下の接続ポート群４３a'４３ｂに対
応する一組の摺動接手４４a'４４ｂがフレーム上
に立設したサポート４５を介して水平スライド自
在に支持されていて、ボス外周面にバネ４６で圧
接されている。摺動接手４４a'４４ｂ各ポート４
３a'４３ｂへの連通口４７a'４７ｂは第６図に示
すごとく周方向に幅広となつている。

第４図および第５図において、不良品検出機構
２９は移送される乾電池２３の上下における部品
の存否や形状を光センサや電磁センサ等のセンサ
群４８a'４８b'４８ｃ検出する。そして、検出さ
れた不良品２３’が交互に二分された凹部２７群
のいずれに属しているかは、ホイル回転軸３５の
下部に取付けたディスク４９群と、これの回転位
相を感知するセンサ５０群からなる回転位相検出
機構５１で判別される。

これら検出機構２９’５１は、前記摺動接手４
４a'４４ｂへのエアー給排を制御する電磁弁５２
a'５２ｂの制御回路５３に接続されていて、いず
れかのセンサ４８a'４８b'４８ｃで不良品２３’
が検出されると、その不良品２３’が取出し用ホ
イル３１への移し替え位置近くに至ったところ
で、該当する摺動接手４４ａ又は４４ｂの電磁弁
５２ａ又は５２ｂが作動されて所定のシリンダ４
０にエアーが供給され、プツシヤー４１の突出作
動で不良品２３’が取出し用回転ホイル３１に移
し替えられる。

ここで、不良品２３’はプツシヤー４１の突出
作動で搬出用回転ホイル２６側の凹部２７の磁石
３８からある程度離されるので、取出し用回転ホ
イル３１の凹部３２の磁石３９に吸着され、脱落
することなく回転ホイル３１側に受け取られる。
なお、万一の移し替えミスがあつたときに、脱落
した不良品２３’を回収する回収箱５４が移し替
え位置の直下方に設けてある。

なお、上記実施例では不良品２３’の押し出し
機構４０としてエアーシリンダを利用したが、電
磁ソレノイドを用いてもよい。また、取出し用回
転ホイル３１側の磁石３９の吸着力を搬出用回転
ホイル２６側の磁石３８のそれよりもやや強くし
ておけば、不良品２３’に移し替え保持が一層確
実に行なえる。前記磁石３８’３９は必ずしも各
凹部２７’３２の内奥部に埋設する必要はなく、
例えば凹部２７’３２の内面にシート状磁石を貼
着した形態でもよく、場合によつては凹部２７’
３２の上部もしくは下部の外れた位置に配置して
凹部内に乾電池を吸着係入させる形態で実施する
ことも可能である。また前述した摺動接手４４a'
４４ｂ等の不良品移送手段は、３連、４連に増設
する事により、更に高速運転が可能である。

以上説明したように、本考案による乾電池製造
機における不良品取出し装置は、組立処理を経た
乾電池２３を連続移送する完成品搬出用回転ホイ
ル２６に形成した電池係入用の半円形凹部２７に
乾電池２３の外装缶１０に作用する磁石３８を設
けるとともに、この凹部２７から押し出し機構４
０で押し出された不良品２３’を受け継ぐ不良品
取出し用回転ホイル３１の半円形凹部３２にも同
様な磁石３９を装備したので、完成品搬出用回転
ホイル２６の回転に伴う遠心力を受けて飛び出そ
うとする乾電池２３は、押し出し機構４０が働く
まで確実に保持しておき、所定の回転視点位相に
至つて押出し機構４０が働いて磁石３８の吸着力
に抗して不良品２３’を押し出した途端に、対向
位置にある不良品取出し用回転ホイル３１の凹部
３２内にこれ側の磁石３９で不良品２３’を吸着
保持させることができ、この不良品２３’の受け
渡しを極めて高速で行なうことが可能となつた。

すなわち、完成品搬出用回転ホイル２６上で検
出機構２９にて検出済みの乾電池２３の良品は、
該回転ホイル２６からこれに接続した良品回収ラ
イン３０に送り出されてそのまま回収できるもの
でありながら、不良品２３’は不良品取出し用回
転ホイル３１からこれに接続した不良品回収ライ
ン３３に送り出されて、これまた効率的に回収で
きる。

その結果、単に出し機構４０で不良品を一方の
凹部２７から他方の凹部３２へ移し替えていた従
来方式に比べて、受け渡しタイミングをとるため
の長い余裕時間が不要となり、回転ホイル２６’
３１の高速化によつて高能率の運動が行なえ、毎
分1000個以上の処理も可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は完成した乾電池の一部切欠き正面図、
第２図は不良品取出し装置全体の一部切欠き平面
図、第３図はその一部切欠き縦断正面図、第４図
は第２図における−線断面図、第５図は第２
図における−線断面図、第６図は第３図にお
ける−線断面図、第７図は押し出し機構の作
動回路図である。 １０……外装缶、２３……乾電池、２６……完
成品搬出用回転ホイル、２７’３２……半円形凹
部、２９……検出機構、３１……不良品取出し用
回転ホイル、３８’３９……磁石、４０……押し
出し機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外周部に組立工程を経た乾電池２３を係入保持
   する半円形凹部２７が一定ピツチで成型された完
   成品搬出用回転ホイル２６と、 該回転ホイル２６による乾電池２３の連続移送
   途中において乾電池２３のなかの組立不良品２３
   ’を検出する検出機構２９と、 検出された不良品２３’を回転ホイル２６の所
   定回転位相において半円形凹部２７から外方に押
   し出す押し出し機構４０と、 回転ホイル２６に同期して駆動され、外周部に
   押し出し機構４０で半円形凹部２７から押し出さ
   れた不良品２３’を受け止め保持する半円形凹部
   ３２が一定ピツチで形成された不良品取出し用回
   転ホイル３１と、 完成品搬出用回転ホイル２６に接続されて、前
   記検出機構２９で検出済みの乾電池２３の良品を
   該回転ホイル２６からそのまま回収する良品回収
   ライン３０と、不良品取出し用回転ホイル３１に
   接続されて、前記不良品２３’を該回転ホイル３
   １から回収する不良品回収ライン３３とからな
   り、 完成品搬出用回転ホイル２６の半円形凹部２７
   と不良品取出し用回転ホイル３１の半円形凹部３
   ２とに、乾電池２３の鉄板製外装缶１０を吸着す
   る磁石３８’３９がそれぞれ取付けてあることを
   特徴とする乾電池製造機における不良品取出し装
   置。