JPH0319163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は電磁接触器の主可動接触子支えと補
助可動接触子支えとの連結装置に関し、特に主可
動接触子支えは主回路接点の近傍に位置するので
耐アーク性の良好な材料を使用し、補助可動接触
子支えは主回路に対して小さな電流を開閉する補
助接点の近傍に位置するので摩耗粉の発生を防止
するために耐摩耗性の良好な材料を使用し、主可
動接触子支えと補助可動接触子支えとに分割され
たものにおいて、主可動接触子支えと補助可動接
触子支えとの連結装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種の連結装置が採用された電磁接触器には
たとえば第１図および第２図に、その縦断面図お
よび補助接触子の縦断面図を示すものが知られて
いる。図において電磁接触器は主な構成要素とし
て負荷を開閉する主接触子１、自己保持回路や信
号伝達回路用の補助接触子２およびこれらを一括
収納するケース３、カバー４を備えている。主接
触子１はその可動部が、可動鉄心５にピン６を介
して結合された主可動接触子支え７と、主可動接
触子支え７の枝分かれした各極それぞれが備える
窓７ａに挿入された主可動接触子８およびそれら
の接触ばね９などとで構成されている。またその
固定部は可動鉄心５に対向配置された固定鉄心１
０と、固定鉄心１０に巻枠１１を介して巻回され
た励磁コイル１２と、図示されていない可動鉄心
５の復帰ばねなどとで構成されている。そして補
助接触子２はケース３の案内壁３ａに前後方向
（可動鉄心５の移動方向）に移動可能に案内され
合成樹脂成形による補助可動接触子支え２１と、
補助可動接触子支え２１が備える窓２１ａに挿入
された正面側の常閉可動接触子２２、背面側の常
開可動接触子２３および両接触子２２，２３間に
介挿された接触ばね２４と、補助可動接触子支え
２１の正面側端に設けられ後述の連結子３０との
結合孔２１ｂとで構成され、常閉固定接触子２５
が取付けられた端子金具２６および常開固定接触
子２７が取付けられた端子金具２８はそれぞれケ
ース３側に取付けられるようになつている。連結
子３０は主可動接触子支え７に補助接触子２を連
結するためのもので、主可動接触子支え７の両側
壁に設けられ極配列と直角になる軸線上の深穴７
ｂに一端が圧入されるようになつており、結合孔
２１ｂとは遊嵌されている。なお連結子３０は一
般的にナイロンなどの熱可塑性樹脂で成形されて
いる。

この構成においての動作は励磁コイル１２に通
電していないときには図示のように主可動接触子
支え７が図示しない復帰ばねによりカバー４の正
面側に押し付けられている。励磁コイル１２に通
電すると可動鉄心５が復帰ばねに抗して固定鉄心
１０に吸引され、主可動接触子支え７と補助可動
接触子支え２１とを同時に移動させ主接触子組体
１の両接触子を閉じるとともに、補助常開接触子
２３，２７を閉じ、補助常閉接触子２２，２５を
開く。励磁コイル１２の通電を断てば復帰ばねの
ばね力により元に戻る。

このような電磁接触器において、まず励磁コイ
ル１２に通電されていない状態すなわち補助常閉
接触子２２，２５が閉成状態にある間、補助接触
子組体連結装置としての連結子３０は補助常閉固
定接触子２５の反力を受け接触ばね２４の力によ
り常開可動接触子２３が図において下方に押圧さ
れることにより下方に押されている。これに対し
て可動鉄心５および主可動接触子支え７は復帰ば
ね（図示せず）の力で図において上方に押され、
主可動接触子支え７は連結子３０を駆動点Pbに
おいて図示上方に押圧している。このように連結
子３０が上方の力を受けるPb点と接触ばね２４
により下方の力を受ける点（接触ばね２４の軸線
上の点）が同一軸線上でないため連結子３０は曲
げ応力を受け補助可動接触子支え２１との間で摩
擦し合うことになる。また動作時においてもすな
わち補助常開接触子２３，２７が閉成状態にある
間は主可動接触子支え７により連結子３０は駆動
点Paにおいて下方に押圧され、前述の復帰状態
と同様にこのPa点が接触バネ２４との軸線とず
れていることから連結子３０は曲げ力を受け補助
可動接触子支え２１との間で摩擦し合うことにな
る。その結果連結子３０と補助可動接触子支え２
１との材質の違いによる組合せの如何によつては
相互間に異常摩耗が生じ、相互間の材質組合範囲
に制約が生じるとともに、耐摩耗性のよい高価な
材料を必要とするなどの欠点があった。

〔考案の目的〕

この考案は上述した従来の欠点を除去しコスト
上昇をともなうことなく機械的寿命の延長された
電磁接触器の補助接触子連結装置を提供すること
を目的とする。

〔考案の要点〕

この考案は上述の目的を達成するために、励磁
コイルの巻回された固定鉄心に対向配置される可
動鉄心に連結された主可動接触子支えの両側壁に
突設された連結子と、該連結子それぞれに嵌合可
能な結合孔を有し前記主可動接触子支えの支持す
る可動接触子と連動して開閉操作される補助接触
子の補助可動接触子支えとを連結するものにおい
て、前記連結子と結合孔との係合点を前記補助可
動接触子支えの備える接触ばねの軸線と同軸上に
設け、前記連結子に加わる曲げ応力をなくしたも
のである。

〔考案の実施例〕

この考案による電磁接触器の補助接触子連結装
置の一実施例を図面にもとづき説明する。第３図
および第４図はその一実施例の縦断面図および要
部拡大断面図を示すものであつて、前記第１図の
従来装置に示すものと同一構成若しくは同一機能
を有するものには同一符号を付している。この実
施例において従来装置と最も異なる点は開閉動作
時に相互に係合する主可動接触子支え７の連結子
３０と補助可動接触子支え２１の結合孔２１ｂの
駆動力点Pa１，Pb１（前述の第１図の従来装置
におけるPa，Pbに対応）を接触ばね２４軸線と
同軸上に設けたことである。詳述すると第４図の
拡大図に示すように連結子３０は主可動接触子支
え７の移動方向にあたる両面を平行な平面とした
ことに対し、結合孔２１ｂは補助可動接触子支え
２１の移動方向にあたる内壁の接触ばね２４の軸
線２４ａが通る点すなわちPa１，Pb１点を頂点
とする山形に形成したことである。

この構成による動作を第３図ないし第４図を用
いて説明する。励磁コイル１２の通電による可動
鉄心５が固定鉄心１０に吸引されると、これに連
動して主可動接触子支え７が移動し、連結子３０
に連結された補助可動接触子支え２１も同方向に
移動する。補助可動接触子支え２１の移動により
補助常開可動接触子２３が補助常開固定接触子２
７に当接し、さらに同方向の移動が進むにつれて
接触ばね２４が圧縮され接触圧力が増大する。こ
の接触ばね２４の反力は補助可動接触子支え２１
を図において上方に向けて押し出す力となつて発
生する。しかしながらこの反力と同一軸線上に補
助可動接触子支え２１の駆動力点Pa１が設けら
れているので連結子３０には曲げ応力が加えられ
ることがない。ついで釈放動作時は励磁コイル１
２の通電が断たれると図示されてない復帰ばねの
ばね力で可動鉄心５とともに主可動接触子支え７
が正面側に移動する。この移動により補助可動接
触子支え２１も同方向に移動して補助常開可動接
触子２３は補助常開固定接触子２７より離れ、補
助常閉可動接触子２２が補助常閉固定接触子２５
と当接し接触ばね２４により接触圧力が付与され
る。このとき接触ばね２４は接触圧力の反力とし
て補助可動接触子支え２１を図において下方に押
しつける。しかしながらこの場合も前述の閉成動
作時と同時にこの反力と同一軸線上に補助可動接
触子支えの駆動力点Pb１が設けられているので
連結子３０に曲げ応力が加えられることがない。
したがつて以上の開閉両動作とその過程で連結子
３０に曲げ力が付与されるような場合はなく、補
助可動接触子支え２１と連結子３０との間の摩擦
力の増大や、相互間の異常摩耗が起ることは少な
いので、材質の組合せ上の制約が少なく高価な材
料を使用する必要はない。

なお以上の実施例では連結子側を平行とし結合
孔側を断面山形としたが、第５図に他の実施例の
要部を示すようにこれを逆にしてもよいことはい
うまでもない。

〔考案の効果〕

この考案によれば連結個所における駆動力点を
補助可動接触子の接触ばねの軸線と同軸上に設け
ることにより、コスト上昇をともなうことなく機
械的寿命の延長された電磁接触器の補助接触子の
連結装置を得ることができるという利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の電磁接触器の補助
接触子連結装置の一例を示す図で、第１図は縦断
面図、第２図は第１図のＩ−１線に沿う断面図、
第３図および第４図はこの考案による電磁接触器
の補助接触子連結装置の一実施例を示す図で、第
３図は縦断面図、第４図は第３図の要部拡大断面
図、第５図はこの考案による電磁接触器の補助接
触子連結装置の他の実施例の要部拡大断面図であ
る。 ２……可動接触子、５……可動鉄心、７……主
可動接触子支え、９……主可動接触子、２１……
補助可動接触子支え、２１ｂ……結合孔、２４…
…接触ばね、３０……連結子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 励磁コイルの巻回された固定鉄心に対向配置
   される可動鉄心に連結された主可動接触子支え
   の両側壁に突設された連結子と、該連結子のそ
   れぞれに嵌合可能な結合孔を有し前記主可動接
   触子支えの支持する可動接触子と連動して開閉
   操作される補助接触子の補助可動接触子支えと
   を備えたものにおいて、前記連結子と補助可動
   接触子支えの結合孔との係合点を前記補助可動
   接触子支えの備える接触ばねの軸線と同軸上に
   設けたことを特徴とする電磁接触器の補助接触
   子連結装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のものに
   おいて、前記連結子の補助可動接触子支えの結
   合孔への挿入部分を平坦に形成し、前記結合孔
   の内壁に前記連結子と点または線接触する突起
   を形成してなることを特徴とする電磁接触器の
   補助接触子連結装置。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のものに
   おいて、前記連結子の前記主可動接触子支えの
   結合孔に挿入される部分に突起を形成し、前記
   結合孔の両壁を平行にしたことを特徴とする電
   磁接触器の補助接触子連結装置。