JPH03189308A - カムシャフトの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はカムシャフトの製造方法に関する。

（従来の技術） エンジンの多弁化等に伴い、複雑な形状のカムシャフト
が要求されるようになってきたため、カムシャフトの製
造方法としては、従来から知られている鍛造若しくは鋳
造により得たカムシャフト素材を機械加工する方法に代
えて、実開昭４８−９８０５号公報に示されるような方
法が知られている。すなわち、この製造方法は、第６図
に示すように、中空部を有するカム部材ａとパイプ製の
シャフト部材すとを別個に設けておき、カム部材ａをシ
ャフト部材すに嵌合して位置決めした後、これらカム部
材ａとシャフト部材すとを溶接するものである。

（発明が解決しようとする課題） ところが、上記のようなカムシャフトの製造方法におい
ては、カム部材ａの軸方向の両側端部Ｃと上記シャフト
部材すとを溶接せざるを得ないため、カム部材ａの内周
面における中途部とシャフト部材の外周面とは溶接され
ない状態である。

このため、上記のようなカムシャフトをエンジンに組み
込むと、カム部材の内周面とシャフト部材の外周面との
間にフレッティング摩耗（微動摩耗）現象が生じるとい
う問題、つまり相対的な繰返し微少滑りにより赤錆の摩
耗粉が生じて異常摩耗の原因になるという問題がある。

また、カム部材及びシャフト部材の製造上における精度
誤差が避けられないため、カム部材の内周面とシャフト
部材の外周面との間のクリアランスを正確に確保できな
いので、カム部材の内周面とシャフト部材の外周面との
間における非溶接部からノイズが発生するという問題も
ある。

上記に鑑みて、本発明は、カム部材をパイプ製のシャフ
ト部材の外周に嵌合した後、カム部材の軸方向の両側端
部とシャフト部材とを溶接する方法であるにも拘らず、
カム部材の内周面とシャフト部材の外周面との間にフレ
ッティング摩耗が発生しないようにすることを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本発明は、カム部材の内周
面とシャフト部材の外周面との間にろう材を介在させた
状態で、これらカム部材及びシャフト部材とを浸炭する
ことにより、上記ろう材を溶融させ、これによりカム部
材内周面とシャフト部材外周面とをろう付けするもので
ある。

具体的に本発明が講じた解決手段は、軸方向に貫通する
中空部を有するカム部材をパイプ製のシャフト部材の外
周に該カム部材の内周面と該シャフト部材の外周面との
間にろう材を介在させて嵌合し、次に、上記カム部材の
軸方向の両側端部と上記シャフト部材とを溶接してカム
シャフト素材を得た後、該カムシャフト素材を浸炭する
構成とするものである。

（作用） 上記の構成により、カム部材の内周面とシャフト部材の
外周面との間にろう材を介在させて両者を嵌合した後、
カムシャフト素材を浸炭するため、ろう材が浸炭時の熱
により溶融して軸方向へ拡散し、カム部材の内周面とシ
ャフト部材の外周面とがろう付は接合される。

この場合、カム部材の軸方向の両側端部とシャフト部材
とを予め溶接しているので、溶融したろう材は浸炭時に
外部へ漏出しない。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図に基づいて説
明する。

まず、例えばＪ　Ｉ　Ｓ−ＳＣ５−５Ｃの鋼材料、つま
り重量比で、Ｃ：０．０２％、ＳＬ：０．２６％、Ｍｎ
：０．７１％、Ｃｒ：１．０１％、Ｍｏ：０．２６％、
残部がＦｅよりなる鋼材料からなる素材を準備した後、
該素材を機械加工して次のようなカム部材１を得る。す
なわち、第１図に示すように、カム部材１には軸方向に
貫通する円形断面の中空部１ａが設けられていると共に
、該カム部材１の内周面における軸方向の略中央部には
環状の凹部１ｂが形成されている。

また、例えばＪ　Ｉｓ−ｌ５−５ＴＫの鋼材料、つまり
重量比で、Ｃ：０．１６％、Ｓｉ：０．２５％、Ｍｎ：
０．４２％、残部がＦｅよりなる鋼製のパイプを所定形
状に機械加工して得たシャフト部材２を準備しておく。

さらに、カム部材１の凹部１ｂに挿入できる形状の環状
のろう材３を準備した後、該ろう材３をカム部材１の凹
部１ｂに挿入し、さらに、該カム部材１をシャフト部材
２の外周に嵌合する。

次に、第２図に示すように、カム部材１の軸方向の両側
端部１ｃ、ｌｃとシャフト部材２とを高エネルギービー
ム４例えばレーザービーム或いは電子ビームにより全周
に亘って溶接してカムシャフト素材５を得る。

次に、第３図に示すように、カムシャフト素材５を浸炭
する。この場合の浸炭条件については、通常のものでよ
いが、その−例としては、カムシャフト素材５をカーボ
ンポテンシャル＝０．８％の浸炭ガス雰囲気中における
９００℃の温度下で３時間保持した後、冷却することに
より浸炭焼入れをし、その後、該カム部材１及びジャー
ナル部材２を１７０℃の温度下で１．５時間保持した後
、徐冷して焼戻しをするような浸炭条件を採用すること
ができる。尚、この場合の焼戻しは、カムシャフト素材
５に靭性を付与すると共に焼入れにより生じた歪みを除
去するために行なうものである。

以上のようにして浸炭焼入れをすると、浸炭時の加熱に
よりカム部材１の四部１ｂに嵌入されたろう材は溶融し
、カム部材１の内周面とシャフト部材２の外周面との間
を軸方向へ拡散して、カム部材１の内周面とシャフト部
材２の外周面とをろう付は接合する。従って、カム部材
１の内周面における中途部とシャフト部材２の外周面と
の間のフレッティング摩耗が避けられると共に、カム部
材１とシャフト部材２とは溶接による接合の他にろう付
けにより接合されるので、接合部の信頼性が向上する。

この場合、カム部材１の軸方向の両側端部１ｃ。

１ｃとシャフト部材２とが予め溶接されているので、溶
融したろう材が浸炭時に外部へ漏出するという不具合は
避けられる。

第４図は上記実施例の第１変形例を示し、該第１変形例
においては、カム部材１の軸方向の両側端部１ｃ、ｌｃ
には軸方向外方へ突出するフランジｌｄ、ｌｄが設けら
れている。このようにすると、高エネルギービーム４を
シャフト部材２に対してその法線方向から照射してカム
部材１とシャフト部材２とを溶接することができるので
、高エネルギービーム４の熱効率が向上する。

第５図は上記実施例の第２変形例を示し、該第２変形例
においては、カム部材１の内周面に凹部１ｂが設けられ
ていない代わりに、シャフト部材２におけるカム部材１
の軸方向中央部と対向する部位に環状の凹部２ｂが設け
られており、該凹部２ｂにろう材３が挿入される。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明に係るカムシャフトの製造
方法によると、カム部材の内周面とシャフト部材の外周
面との間にろう材を介在させて両者を嵌合し、カム部材
の軸方向の両側端部とシャフト部材とを溶接した後、カ
ムシャフト素材を浸炭するため、カム部材の内周面とシ
ャフト部材の外周面とがろう付は接合されるので、カム
部材の内周面とシャフト部材の外周面との間のフレッテ
ィング摩耗を防止できると共に、カム部材とシャフト部
材とは溶接による接合の他にろう付けにより接合されて
接合部の信頼性が向上する。

また、カム部材の内周面とシャフト部材の外周面とがろ
う付は接合されているので、カム部材及びシャフト部材
に若干の精度誤差が生じていても、カム部材内周面とシ
ャフト部材外周面との間から発生するノイズを確実に防
止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の一実施例であるカムシャフト
の製造方法を示し、第１図はカム部材のシャフト部材へ
の嵌合工程を示す断面図、第２図はカム部材とシャフト
部材との溶接工程を示す断面図、第３図は溶接後の状態
を示す断面図であって、第４図は上記実施例の第１変形
例を示、す断面図、第５図は上記実施例の第２変形例を
示す断面図、第６図は従来のカムシャフトの製造方法を
示す断面図である。 第４図 １・・・カム部材 １ａ・・・中空部 ＩＣ・・・側端部 ２・・・シャフト部材 ３・・・ろう材 ４・・・高エネルギービーム ５・・・カムシャフト素材 ＊５ｍ 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）軸方向に貫通する中空部を有するカム部材をパイ
   プ製のシャフト部材の外周に該カム部材の内周面と該シ
   ャフト部材の外周面との間にろう材を介在させて嵌合し
   、次に、上記カム部材の軸方向の両側端部と上記シャフ
   ト部材とを溶接してカムシャフト素材を得た後、該カム
   シャフト素材を浸炭することを特徴とするカムシャフト
   の製造方法。