JPH0318804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、おがくず、粉炭などの粉体燃料を用
いるのに敵したボイラに関するものである。

従来技術及び問題点 おがくず、粉炭などを燃料として用いるボイラ
として、たとえばきのこ栽培用の菌糸培養基とし
て用いたおがくずをきのこを収穫したのちに、こ
れを、培養基を蒸気殺菌するボイラの燃料として
用いるおがくず炊きボイラが知られている。しか
し、この種のボイラは、ボイラ内に粒状に炭化し
た燃料がたまつて燃焼ガスの流れを妨げ、ボイラ
の効率を低下させ、極端な場合はボイラが使用不
能になる欠点があつた。そのためにボイラの外筒
下部に開閉可能な窓を設け、この窓からボイラ内
に堆積物を掻き出すものも考えられているが、多
数の水管がボイラ内には収納されているため、作
業が面倒で時間がかゝり、しかも完全な堆積物除
去は望み得なかつた。

解決手段 本考案はこのような事情に対処してなされたも
のであつて、その要旨はおがくずなどの粉体燃料
を燃焼させる燃焼室６と該燃焼室６に連通する燃
焼ガス流路を形成する外筒３とこの外筒３中に燃
焼ガスと熱交換可能に配設された水管７，７，…
…とから成る粉体燃料燃焼ボイラにおいて、外筒
下端８の周縁付近の全周にわたつて、掃除用開口
部２を形成し、この開口部２に遮蔽体１を開閉自
在に外嵌したことを特徴とする粉体燃料燃焼ボイ
ラにある。以下図面に基づいて詳細に説明する。
第１図において、きのこの栽培の培養基として用
いた後のおがくず１６を燃料として用いる燃焼炉
４は、ホツパ１１中にモータ１２によつて回転駆
動される攪拌棒１３を有し、ホツパ下部にスクリ
ユーコンベア１４を備えたおがくず燃料供給機１
５に連結しており、該供給機１５から連続してお
がくずの供給を受け、送風機４ａによつて燃焼室
６中の燃焼ガスは、ボイラ１０に入る。燃焼炉４
の燃焼室６の開口部周縁６ａには、円筒状の外筒
３が載置されて固定されることにより、燃焼ガス
流路をなしており、この外筒３中には環状をなす
上部胴管７ａ及び下部胴管７ｂに於て、互に連通
する多数の水管７，７，……が収納されて燃焼ガ
スにより加熱されて蒸気を発生すると共に燃焼ガ
スは煙突１６に抜けて大気中に放出される。３ａ
は、耐火性断熱材、３ｂは取外し可能な蓋体、７
ｃは燃焼ガスが短絡的に煙突に流れることを防止
して水管との熱交換率を高めるため、最内側に並
ぶ水管群の相互間に、水管上部を残して張設され
た燃焼ガス案内板である。このようなボイラの構
成は従来のものと何ら変りはない。本願ボイラの
特徴は、外筒３の下端周縁８の付近に外筒３の全
周にわたる開口部２が形成されており、この開口
部２に、該開口部２を開閉できるようにリング状
の遮蔽体１が外嵌している点にある。遮蔽体１の
外筒３への取付方法としては、たとえば開口部２
の上縁２ａ及び下縁２ｂを若干幅だけ立ち上げ、
この立上げ部を遮蔽体の上縁及び下縁に設けたコ
状部１ａ，１ｂで挟む状態で嵌合せしめる。１
７，１８は耐熱性パツキング材である。開口部２
を開く場合は、輪状把手１ｃを持つて上に摺動さ
せ、外筒上部に一端を固定したくさり付きのフツ
ク（図示せず）によつて該把手１ｃを吊つておい
て燃え屑等を掻き出せばよい。第３図は遮蔽体の
他の実施例であつて、炉筒３の下方に配管などが
ない構造の場合に適する。外筒３に設けた開口部
２の上縁と下縁の対向位置に支持腕２６，２７を
突設して、該支持腕間に軸２８を設け、この軸２
８に半円形部材２１ａ，２１ｂから成る遮蔽体２
１を、該部材２１ａ，２１ｂの一端に夫々設けた
軸受部２２ａ，２２ｂを嵌合させて、固定ボルト
２９によつて固定し、軸２８を支点として蝶番様
に半円形部材２１ａ，２１ｂを動かすことによ
り、外筒３の開口部２を開閉するように構成した
ものである。２１ｃは遮蔽体２１の内側に張設し
た耐火性断熱材であつて、遮蔽体の気密性向上の
役割も兼ねている。２９は、固定ボルトである。

効果 この種の装置は、不完全燃焼した燃えかすが、
ボイラ内壁や水管表面に付着堆積しボイラ効率を
低下させ使用状態にもよるが、１〜２月掃除を怠
るとボイラ内が全く閉塞状態となり使用不能にな
つてしまう程であるが、ボイラ内は多数の水管が
林立し、或は蛇行しており、その除去は容易でな
かつた。本願装置は、掃除用開口部がボイラ下部
の全周にわたつて設けられているので、その掃除
がきわめて容易となり、３〜５日に一度は必ず行
う必要のあるボイラ内の掃除が従来とくらべて極
めて短時間のうちにしかも完全に行うことができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す説明図、第
２図は、第１図の遮蔽体の取付部を示す部分拡大
部、第３図は、遮蔽体の他の実施例を示す斜視
図、第４図は、第３図に示す遮蔽体の取付状態を
示す部分断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 粉体燃料燃焼室と該燃焼室に連通する燃焼ガ
   ス流路を形成する外筒と該外筒中に燃焼ガスと
   熱交換可能に配設された水管とから成る粉体燃
   料燃焼ボイラにおいて、外筒下端周縁付近の全
   周にわたつて掃除用開口部を形成し、該開口部
   に遮蔽体を開閉自在に外嵌したことを特徴とす
   る粉体燃料燃焼ボイラ。 (2) 遮蔽体がリング状をなし、外筒に沿つて上下
   動して開口部を開閉する請求の範囲第１項記載
   のボイラ。