JPH0318490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、潜熱蓄熱材封入容器に関する。

従来、潜熱蓄熱材を蓄放熱する場合、化学反応
を利用しているため蓄放熱速度が極めてゆるやか
であり、熱伝導性の向上を図る必要があつた。ま
た、封入容器として蓄熱材に最適な材料は耐食性
の問題からプラスチツクにすることが望ましいが
プラスチツクは熱伝導性が悪い。

本考案は上記問題を解決し、伝熱性にすぐれ、
かつ、強度もすぐれた潜熱蓄熱材封入容器を提供
することを目的とする。

このため、本考案は、プラスチツク容器本体の
壁内に熱良導体からなる伝熱部材が埋め込まれた
ことを要旨とする。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづき説明
する。

第１，２図において、プラスチツク円筒容器本体
１の壁内部に、耐食性にすぐれた熱良導体からな
る伝熱部材２として銅線の網体が埋め込まれてい
る。この容器内に、蓄熱材として塩化カルシウム
６水塩、硫酸ナトリウ10水塩、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム等無機塩類及び有機物が封
入される。

このように、密封容器壁内に伝熱部材を埋め込
むことにより容器内面又は外面へ向けての熱伝導
性が向上し、蓄熱材の冷却あるいは、加熱速度が
向上され、蓄放熱速度が改善される。

第３図は、第２実施例を示す。伝熱部材３は容
器本体１の壁内部に埋め込まれた部分３ａと壁内
面から銅線の網体となつて容器の中心部へ放射状
に延びた部分３ｂとを持つ。これによつて伝熱部
材３は蓄熱材に直接接触することにより熱伝導性
が更に向上する。

第４図および第５図は第３実施例を示す。伝熱
部材４は板状体からなり、容器本体の壁内に埋込
まれた部分４ａと、そこから容器の外側および内
側に突出した部分４ｂ，４ｃとを持つ。これによ
つて熱伝導性が尚一層向上する。

なお、前記容器本体１の材料として金属その他
が用いられ、形状として角筒、球状体、六面体、
四面体、袋状体なども適用される。

前記の如く、伝熱部材に要求される材質は、熱
伝導性が良いもの、強度があること、プラスチツ
クとの適合性が広いこと、蓄熱材との適合性（耐
食性）が良いことであり、銅、ステンレス、鉄な
どが用いられる。また形状として、フレキシビリ
テイ（柔軟性）のあること、加工しやすいこと、
プラスチツクに含浸させやすいことであり、メツ
シユ（網）状、ラセン（コイル）状、繊維状、板
状のものなどが用いられる。更に、容器の肉厚が
できるだけ薄いことが望ましい。

更に伝熱部材としてニツケル等の触媒性のある
ものを含んだ合金等の材質のものを用いるなら
ば、表面での蓄熱材の結晶成長を熱伝達の改良だ
けでなく物理化学的面からも促進することにな
り、結晶の生成融解性すなわち蓄放熱スピードの
大幅な向上ができる。

本考案は、住宅暖房蓄熱器用の蓄熱材、農業温
室暖房蓄熱器用の蓄熱材、原発温排水対策用およ
び工業廃熱回収用蓄熱材、ビル冷暖房用蓄熱材等
に幅広く適用される。

本考案は以上の如く、密封容器の壁内に伝熱部
材を埋込むことにより、密封容器内での蓄熱材の
熱伝導性を向上させ、蓄放熱速度を改善させるこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の蓋を除く平面
図、第２図はその一部切欠正面図、第３図は第２
実施例の蓋を除く平面図、第４図は第３実施例の
斜視図、第５図は第４図の水平断面端面図であ
る。 １…容器本体、２，３，４…伝熱部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツク容器本体の壁内に熱良導体からな
   る伝熱部材が埋め込まれたことを特徴とする潜熱
   蓄熱材封入容器。