JPH0318021Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は線材から針金製品の形状成形を行うワ
イヤフオーミングマシンに取り付けて健康ばり、
安全ピンなどの線材の端部に先細形状を持つ針金
製品の先端の先細部を加工する装置に関する。

従来技術 先細形状を持つ針金製品の加工を線材から１台
の機械で一貫して完成品まで加工する機械は今ま
でになく、線材からワイヤフオーミングマシンに
より針金製品の形状成形の後別工程で先端の先細
部の加工を行うか若しくは先端の先細加工を行つ
た定寸材に対しワイヤフオーミングマシンにより
針金製品の形状成形まで行うという２工程に分け
て完成品まで作るものであつた。

考案が解決しようとする問題点 今までの工程別に分けて加工する方法では加工
に手間がかかるものであり、加工を一貫して行え
ないため完成品までの作業効率が悪く、工程上で
の無駄（例えば中間加工品の運搬等）が生じ、製
造コストの上昇という不都合があつた。

問題点を解決するための手段 そこで、この考案は製造を１台の機械装置で一
貫して行つて製造コストを低くすることを目的と
して創出されたもので、この目的を達成するため
針金製品の先端を先細に成形する装置をワイヤフ
オーミングマシンに並設して１つの駆動源で作動
する１台の成形加工機となし、これにより線材か
ら完成品まで連続成形加工を可能としたことに存
するものである。

実施例 本考案の１つの実施例を示す第１図〜第４図に
於いて、ワイヤフオーミングマシン１０の機台１
１の上には前面プレート１２が設けられ、前面プ
レート１２には構造物１３を設置する。構造物１
３には成形工具保持体１４（作成する製品の形状
により３〜４個取着するが１個のみ図示する）を
支軸１５によつて軸支する。また構造物１３の中
央にはクイル１６を着脱自在に設ける。クイル１
６の後側にクイル中心線の下位置に送り出しロー
ラ１７ａ、上位置に押さえローラ１７ｂが配置さ
れている。送り出しローラ１７ａは円周にＶ溝を
有し回転可能に軸承されて駆動源から歯車列を介
して回転される。押さえローラ１７ｂは上下移動
可能に支持されたブロツクに回転可能に軸承され
て圧縮量調整可能に設けたばね受けとの間に介装
したばね１８によつて送り出しローラ１７ａに押
接される。そしてフープに巻取られている線材を
上下のローラ１７ａ，１７ｂにより挾持してクイ
ル１６より送り出す。成形工具保持体１４はカム
１９にリンク機構を介して連結し、制御され、支
軸１５を中心として揺回し、先端に取着した成形
工具２０がクイル１６の前を横切る。すなわち、
成形工具保持体１４の先端には成形工具２０が保
持され、尾端には連結棒２１と引張ばね２２が取
着される。連結棒２１は押しレバー２３の一端に
ピン結合され、引張ばね２２の他端は機枠の後壁
に取着する。押しレバー２３は軸２４を軸に揺動
でき、カムレバー２５は軸２６を軸に揺動でき
る。そして押しレバー２３とカムレバー２５は部
材２７で連結する。カムレバー２５にはカムロー
ラ２８が回転自在に取着され、引張ばね２２によ
つて常にカム軸２９のカム１９の外周上に押しつ
けられる。前面プレート１２の前面に設けたクイ
ル先端の工作部下方にクイル軸心と平行にガイド
棒３０ａ，３０ｂを前面プレート１２に固着した
固定プレート３１と前面プレート１２に固着した
外枠プレート３２の間に取着する。ハウジング体
３３の２つの脚部３３ａがガイド棒３０ａ，３０
ｂで案内され、ハウジング体３３が前面プレート
１２に向かつて前後移動自在となる。このハウジ
ング体３３の保持部３３ｂの前板には自動調心軸
受３４を介して回転体保持機構３５が支持され
る。この回転体保持機構３５は自動調心軸受３４
に取り付く外枠３５ａと外枠３５ａ内に止めねじ
で固定保持されるエアーグラインダー３５ｂとか
らなる。この自動調心軸受３４によりエアーグラ
インダー３５ｂの先端は回転円運動可能となり、
エアーグラインダー３５ｂの後端より空気源（図
示せず）まで配管される。そしてエアーグライン
ダー３５ｂの先端にはけずり部材３６を軸着す
る。このけずり部材３６はエアーグラインダー３
５ｂに保持される軸部３６ａと軸部３６ａの先端
にある円筒形をした砥石部３６ｂとよりなり、止
めねじ３７ａで外枠３５ａに取着位置調節可能に
止着したＬ形の保持板３７の押部３７ｂと砥石部
３６ｂの円筒形外周面とをクイル軸心を中心とし
て対峙させる。つまりハウジング体３３の保持部
３３ｂの後板にはブツシユ３８を介して回転自在
に回転部材３９が取着され、回転部材３９に後板
をはさむようにして偏心歯車４０を止着する。回
転部材３９および偏心歯車４０の中央には小判形
をした小判孔４１が穿設され、外枠３５ａの後端
部に形成された小判形をした小判形状部が小判孔
４１内に挿通される。この挿通位置は上下に回転
部材３９を通して設けた調節ねじ４２により上下
方向に位置調節可能とされ、この調節によりクイ
ル１６の軸心に対し保持板３７の押部３７ｂ側面
と砥石部３６ｂの円筒形外周面とを第５図に示す
ように要求される製品先端の形状に一致させたＶ
字形に対峙させる。さらにハウジング体３３の上
には保持部３３ｂと平行して駆動モータ４３が取
着され、この駆動モータ４３の回転軸に駆動歯車
４４を止着し、駆動歯車４４と偏心歯車４０とを
噛み合わせる。またハウジング体３３の一方の脚
部３３ａの下に平行して突部３３ｃが設けられ、
突部３３ｃ間に横棒４５を架設する。また脚部３
３ｃと前面プレート１２間にばね４６が取着され
る。機台１１の上に設けたホルダー４７により回
転自在に保持される軸４８の一方端に押動アーム
４９が固着され、押動アーム４９はカム５０にリ
ンク機構を介して連結し、横棒４５をばね４６に
抗しながら押し、ハウジング体３３をガイド棒３
０ａ，３０ｂに沿つて移動させる。すなわち、押
動アーム４９を固着した軸４８の他端には連結ア
ーム５１を固着し、連結アーム５１の先端には機
台１１に設けた支軸５２を中心として揺回するカ
ムレバー５３の先端との間に長さ調節可能な連結
棒５４を枢着する。このカムレバー５３の中央に
カムローラ５５が回転自在に取着され、ばね４６
によつて常にカム軸５６のカム５０の外周上に押
しつけられる。

作 用 本実施例では製品を製作する前に空気源からの
空気をエアーグラインダー３５ｂに導通させ、さ
らには駆動モータ４３の電源を入れる。このため
エアーグラインダー３５ｂには空気源より圧縮空
気が常に送り込まれ、その先端に保持するけずり
部材３６は常時回転してその砥石部３６ｂの円筒
形外周面に当接する材料を削り取ることが可能で
ある。また駆動モータ４３の回転軸が回転するこ
とで駆動歯車４４、偏心歯車４０を介して回転部
材３９が回転される。この回転部材３９の回転に
より回転部材３９に穿設の小判孔４１にその後端
部がはめ合わされた小判形状部を有する外枠３５
ａは自動調心軸受３４を支点としてその後端部が
回転偏心円運動する。これにより外枠３５ａ内に
保持されるエアーグラインダー３５ｂはその先端
のけずり部材３６を同じく外枠３５ａに止着した
保持板３７と共にその両者の中央に位置するクイ
ル軸心を中心として回転円運動することになる。
この状態に続いてワイヤフオーミングマシン１０
を作動させる。送り出しローラ１７ａ，１７ｂが
図示しない駆動源から歯車列を介して回転され、
挾持した線材をクイル１６より前方に定寸送り出
す。クイル１６より線材が定寸送り出されると、
同じく駆動源より歯車列を介してカム軸５６が回
転されるため、カム軸５６に取着のカム５０によ
り支軸５２を中心としてカムレバー５３が下方に
揺動される。つまり、ばね４６がハウジング体３
３を前面プレート１２方向へ引き寄せるよう常に
付勢しているため、ハウジング体３３に設けた横
棒４５、押動アーム４９、軸４８、連結アーム５
１、連結棒５４を介して支軸５２を中心として揺
動可能なカムレバー５３は中央に取着のカムロー
ラ５５をカム５０の外周にばね４６の力で常に押
しつけられており、カム５０の回転でカム５０の
山部５０ａより谷部５０ｂにカムローラ５５が移
行することで下方に揺動し、押動アーム４９は軸
４８を中心に前面プレート１２方向に揺動する。
このためハウジング体３３はガイド棒３０ａ，３
０ｂに沿つて前面プレート１２方向へ移動し、ハ
ウジング体３３に設置のエアーグラインダー３５
ｂに保持されたけずり部材３６の砥石部３６ｂ及
び保持板３７の押部３７ｂがクイル１６より前方
に定寸送り出された線材の先端に当接する位置ま
で移動した停止する（第５図）。このとき上述す
るように、エアーグラインダー３５ｂに取着した
けずり部材３６の砥石部３６ｂは自身が回転しな
がら保持板３７の押部３７ｂと対峙しつつクイル
軸心を中心として回転運動しているため、クイル
１６より定寸送り出された線材の先端に対し先細
部を加工する。その後続いてカム軸５６の回転で
カム５０の谷部５０ｂより山部５０ａにカムロー
ラ５５が移行する。このため支軸５２を中心にカ
ムレバー５３は上方に揺動し、連結棒５４、連結
アーム５１、軸４８を介して押動アーム４９は横
棒４５をばね４６に抗して押す。よつて横棒４５
を取着するハウジング体３３はガイド棒３０ａ，
３０ｂに沿つて前面プレート１２方向から後方へ
後退し、その後行うワイヤフオーミングマシン１
０による針金製品の形状成形の際の妨げとならな
い。続いて送り出しローラ１７ａ、押さえローラ
１７ｂの回転による線材のクイル１６からの送り
出し、さらにはカム軸２９の回転によりカム１９
がカムレバー２５、部材２７、押しレバー２３、
連結棒２１を介して支軸１５を中心に成形工具保
持体１４を揺動させ、成形工具保持体１４に取着
の成形工具２０をクイル１６の前面に進出させる
という公知の手段で、複数の成形工具をクイル前
面に進出させて先端が先細に加工された線材に対
し所望の形状成形を行うがワイヤフオーミングマ
シン１０による針金製品の形状成形は公知の方法
を用いればよいので詳細は省略する。

考案の効果 線材の先端の先細加工及びワイヤフオーミング
マシンによる針金製品の形状成形をワイヤフオー
ミングマシンからの駆動を利用して動作させるよ
うにしているため、１台の機械の１サイクルで線
材の先端の先細加工及び針金製品の形状成形を連
続して行えるものであり、線材から完成品まで一
貫して加工でき、作業効率が格段と良くなるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の側面断面図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図はハウジング体の
詳細を示す側面断面図、第４図は同正面図、第５
図はクイルと砥石部との位置関係を示す図であ
る。 １０……ワイヤフオーミングマシン、１６……
クイル、２０……成形工具、３０ａ，３０ｂ……
ガイド棒、３３……ハウジング体、３４……自動
調心軸受、３５……回転体保持機構、３５ｂ……
エアーグラインダー、３６……けずり部材、３６
ｂ……砥石部、３７……保持板、３７ｂ……押
部、３９……回転部材、４１……小判孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クイルより送り出される線材に対しクイル周辺
   に位置させた各種成形工具をクイルに向つて前後
   させて針金製品を作るワイヤフオーミングマシン
   の工作部下方に取付けたクイル軸心と平行なガイ
   ド棒と、ガイド棒に案内されるハウジング体と、
   ワイヤフオーミングマシンからの駆動力でガイド
   棒に沿つてハウジング体をクイルからの線材送り
   のタイミングに合わせて移動させる機構と、ハウ
   ジング体に自動調心軸受を介して保持される回転
   体保持機構と、回転体保持機構に回転可能に保持
   される軸部とクイル前面の斜め方向に向けて保持
   される砥石部とよりなるけずり部材と、けずり部
   材の砥石部とクイル軸心を中心として対称位置で
   回転体保持機構に取着した保持板と、回転体保持
   機構の後端部を偏心位置調節自在にして固定する
   回転部材と、回転部材に止着の偏心歯車と、偏心
   歯車と噛合う駆動歯車を回転軸に取着した駆動モ
   ータをハウジング体に固定することで、砥石部を
   回転させながらクイル軸心の周囲を回転させるこ
   とによりクイルより送り出された線材の先端を先
   細に削ることを特徴とする先細形状をもつ針金製
   品の成形装置。