JPH0317907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は体育館用支柱支持金具に関し、詳し
くは床下に設置固定される床下金具の上方に取付
けられる床上金具の改良に関する。

従来のこの種体育館用支柱支持金具は、床下に
設置固定される筒状の床下金具と、その床下金具
の上方に位置して床に取付けられる床上金具とで
構成され、床上金具における蓋体を開動又は取り
外して床下金具に支柱を差し込み、支柱を起立さ
せない場合は蓋体を閉鎖状にセツトして床上金具
に開口された差込口を閉鎖するようになつてい
る。

しかしながら、床上金具における蓋体は開閉又
は脱着をスムーズに行なうことが出来るようにと
の配慮からある程度ガタが設けてある。そのた
め、蓋体を閉鎖状にセツトした状態にて床上で運
動をした場合、床板の振動等によつて浮き上がつ
てその一部が床上に乗り上がつたりし、その結果
運動中に蓋体に足を引つ掛けたり、或いは足を差
込口に入れて怪我をするといつた危険がある。

そこで、この支柱支持金具における床上金具に
ついては種々研究されているが、充分に満足し得
るものは存在していないのが実状である。

本考案は上述したような事情に鑑みてなしたも
ので、支柱を起立させない時は床表面材と同質材
によつて床下金具上面が覆われ、しかも床板の振
動等によつて分離、離脱するといつたことが起き
ないようにしたものである。

斯る目的を達成する本考案支持金具は、床下に
設置固定される筒状の床下金具と、その床下金具
の上方に位置して床に取付けられる床上金具より
なる体育館用支柱支持金具に於いて、床上金具を
蓋受具とこれに嵌合する蓋体とによつて構成し、
蓋受具は床表面材に穿設した凹部に面一となして
嵌合固定すると共に、蓋受具の内周面にＯリング
嵌合溝を刻設し、他方、蓋体は蓋枠の外周面にＯ
リングを固着すると共に、中央にフツク掛着用金
具を固着し、且蓋枠内部に床表面材と同質材を充
填固着し、床表面と面一としたことを要旨とする
ものである。

本考案の支柱支持金具を構成する床下金具は有
底筒状に形成された今日周知の形態をなしてお
り、床下のコンクリート等に埋め込み固定される
と共に、床上金具の蓋受具下面にネジ止めによつ
て連結されるものである。

床上金具は床表面材に穿設した凹部に嵌合固定
する蓋受具と、その蓋受具内に嵌合定着する蓋体
とで構成され、蓋体及び蓋体が嵌合される凹所の
平面形状は円形、角形の何れでもよい。

又、蓋受具の凹所に嵌合される蓋体の定着を維
持するＯリング及びＯリング嵌合溝は１本に限ら
れるものでなく、複数本でもよい。

蓋受具に嵌合される蓋体の脱着は、蓋体に取付
けたフツク掛着用金具にフツクを取付け、そのフ
ツクを持ちて引つ張つたり、押し込むことにより
行なうもので、フツクを着脱し得るフツク掛着用
金具の構造としては、螺着用ナツト、略鍵孔状の
孔を開設した金具等何れでもよい。又、蓋体は蓋
枠に床表面材と同質材の木板、樹脂板を面一状に
嵌め込み固着し、それにより床表面に現出する異
質物の量を極力少なくし、運動時における床面の
弾性の違いを少なくするようにしてある。尚、蓋
体に嵌め込み固着する材料が木材である場合は、
周囲の木材を木目と合致するように蓋体が嵌め込
まれるようにすべく蓋受具との間に凹凸の位置決
め手段を設けるとよい。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、Ａは床下金具、Ｂは床上金具で、床下金
具Ａは有底筒状に形成され、床下の基礎コンクリ
ート１９にその上端部を突出させて埋込み固定さ
れると共に、上端は床を構成する捨板２０に開口
した孔２１に臨ませて捨板２０上に定着固定する
床上金具Ｂの蓋受具１下面にビス２２で連結固定
されている。

床上金具Ｂは金属製の蓋受具１と、蓋受具１に
嵌合する蓋体２とで構成し、蓋受具１は捨板２０
に開穿した孔２１と同心的に配して表面材２３に
穿設した凹部３に嵌合すると共に、捨板２０に木
ネジ２４で固着する。

上記蓋受具１は平面円形をなし表面材２３の厚
みと同じ高さを有すると共に、内側に擂り鉢状の
凹所２５が形成され、且その凹所２５の内周面に
は蓋体２側に固着されるＯリング７が嵌合するＯ
リング嵌合溝４が刻設されている。又、蓋受具１
はその底部に床下金具Ａの内径よりも大径な通孔
５を開穿し、支柱２４を床下金具Ａに差し込み起
立し得るようになつている。尚、蓋受具１におけ
る凹所２５の上端側径は外径より稍々小径ならし
め床表面に現出する蓋受具１の金属部面が極力少
なくなるようにする。

蓋体２は金属板によつて形成した凹所３と同形
の蓋枠６の外周面にＯリング７を添設定着して成
り、蓋枠６の中央部にはネジ孔８′を穿設したフ
ツク掛着用金具８がナツト９で着脱可能に取付け
られ、且蓋枠６の内部には床表面材２３と同質の
充填材１０が充填された床表面材２３の表面と面
一となるようにしてある。充填材１０としては床
表面材と同材或いは床表面材と同じ硬度の樹脂材
を選択使用する。

蓋体２を蓋受具１に対し嵌合・取外しするフツ
ク１１は金属棒を用いて正面Ｔ字形に形成し、そ
の垂直杆部下側にフツク掛着用金具８のネジ孔
８′と螺合するネジ部１１′が形成され、フツク１
１を蓋体２に掛着一体化ならしめて蓋体２の脱着
を行なう。

又、上記蓋体２における蓋枠６の外側底面には
位置決めピン１２が一体に固着され、蓋受具１の
底部に穿設したピン受孔１３に合致することによ
つて蓋体２の充填材１０の木目模様等を床表面材
と合わせることが出来る。

第３図及び第４図は蓋体２に掛着するフツクの
他の実施例を示し、フツク掛着用金具１４は上面
に略一状の差込孔１５を開穿すると共に、その差
込孔１５の下方に大径の掛止凹部１６を形成し、
他方フツク１７は垂直杆部下端に差込孔１５に嵌
合す掛止棒１８がＴ字状に連結固定され、その掛
止棒１８を差込孔１５に合わせて嵌合し、掛止棒
１８を掛止凹部１６に入れ、フツク１７を右又は
左方向に約90゜回動して上方に引つ張ることによ
り掛止棒１８は掛止凹部１６の上面に当接係合
し、蓋体２を一体化して引き上げることが出来
る。

以上の如き構成により、蓋体２を蓋受具１に嵌
合した場合、蓋体２はＯリング７により緊密に係
合し、床板の振動等によつて蓋体２が蓋受具１よ
り離脱するといつた危険は全くない。

又、蓋体２には床表面材２３と同質材が充填し
てあるため、蓋体全体が金属製であつた従来のも
のに比して金属部分の現出が少なく外観がスツキ
リすると共に、運動時に作用する弾性は周囲部分
と変りなく、従つて運動競技者に好まれるもので
ある。

本考案は以上の如き構成としたものであるか
ら、蓋体を嵌合定着した状態にあつてはＯリング
の嵌め合いにより運動に伴なう床の振動があつて
も蓋受具から蓋体が分離するといつた不具合は全
くない。

又、蓋体には床表面材と同質材を充填してある
ため、蓋体全体が金属製であつた従来のものに比
して金属部分の現出が少なく、体育館の床面が非
常にスツキリすると共に、床上金具が取付けられ
た部分と他の部分とで弾性に差異がなく、運動競
技に非常に便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
正面図、第２図は同平面図、第３図及び第４図は
蓋体に対するフツクの掛着構造の他の実施例を示
し、第３図は縦断面図、第４図は平面図である。 図中、Ａ：床下金具、Ｂ：床上金具、１：蓋受
具、２：蓋体、３：凹部、４：Ｏリング嵌合溝、
６：蓋枠、７：Ｏリング、８：フツク掛着用金
具、１０：充填材、２３：床表面材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床下に設置固定される筒状の床下金具と、その
   床下金具の上方に位置して床に取付けられる床上
   金具よりなる体育館用支柱支持金具に於いて、床
   上金具を蓋受具とこれに嵌合する蓋体とによつて
   構成し、蓋受具は床表面材に穿設した凹部に面一
   となして嵌合固定すると共に、蓋受具の内周面に
   Ｏリング嵌合溝を刻設し、他方、蓋体は蓋枠の外
   周面にＯリングを固着すると共に、中央にフツク
   掛着用金具を固着し、且蓋枠内部に床表面材と同
   質材を充填固着し床表面と面一とした体育館用支
   柱支持金具。