JPH03179052A - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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JPH03179052A
JPH03179052A JP23062290A JP23062290A JPH03179052A JP H03179052 A JPH03179052 A JP H03179052A JP 23062290 A JP23062290 A JP 23062290A JP 23062290 A JP23062290 A JP 23062290A JP H03179052 A JPH03179052 A JP H03179052A
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JP
Japan
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particles
polyester
film
particle size
average particle
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Application number
JP23062290A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Saito
斎藤 安彦
Tetsuo Ichihashi
哲夫 市橋
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリエステル成形品特にポリエステルフィル
ム、ポリエステル繊維等の底形に適したポリエステル組
成物に関し、更に詳しくは特定の複合粒子を含有する、
滑り性、耐摩耗性に優れた成形品を形式し得るポリエス
テル組成物に関する。
[従来技術] 一般にポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート
もしくはポリエチレンナフタレートはその優れた力学特
性、化学特性を有するためフィルム、繊維等に広く用い
られている。しかしながら、その透明性、光輝性を十分
に生かしたフィルムあるいは繊維を製造する場合には、
その成形過程および加工工程において、往々にして工程
不良をひきおこしていた。その原因は多くの場合高い摩
擦係数によるものである。
従来から、ポリエステルの摩擦係数を低下させる方法と
して、ポリエステル中に不活性粒子を存在させる方法が
数多く提案されているが、該粒子とポリエステルとの親
和性が充分でなく、フィルム、繊維等の滑り性、耐摩耗
性がいずれも満足すべきものではなかった。この方法を
更に具体的に説明すると、ポリエステルの表面特性を向
上させる手段としては、従来から、 ■ ポリエステル合成時に使用する触媒などの一部また
は全部を反応工程で析出させる方法(内部粒子析出方式
〉 ■ 炭酸カルシウム、酸化ケイ素などの粒子を重合時ま
たは重合後に添加する方法(外部粒子添加方式) が数多く提案されている。
しかしながら、■の内部粒子析出方式は、粒子がポリエ
ステル成分の金属塩等であるため、ポリエステルとの親
和性はある程度良好である反面、反応中に粒子を生成さ
せる方法であるため、粒子量、粒子径のコントロールお
よび粗大粒子の生成防止などが困難である。
一方■の方法は粒径、添加量などを適切に選定し、さら
に粗大粒子を分級等により除去した粒子を添加すれば易
滑性の面では優れたものとなる。
しかしながら、耐摩耗性の面で、脱落した粒子による摩
耗促進等の問題がある。
添加粒子のポリエステルに対する親和性を向上させる手
段としてシラン系化合物あるいはチタネート系化合物と
無機粒子とのカップリング反応による表面処理が提案さ
れているが、処理工程が複雑であること、効果が期待は
どでない等の種々の問題がある。
さらに、特開昭63−162728号のようにシリカを
無機粒子に付着させる方法、特開昭63−202671
号のようにシリコーンを吸着被覆する方法等にみられる
無機粒子の表面改質方法、特開昭63−304047号
のようにチタン水和酸化物もしくはチタン酸化物で被覆
する方法、あるいは特開昭64−16860号のように
酸化ケイ素で被覆する方法等にみられる有機粒子の表面
改質方法も知られているが、耐摩耗性、場合によっては
透明性について満足のいく効果は未だに見い出されてい
ないのが現状である。
[発明の目的] 本発明者らは、上述の実情にかんがみ、滑り性、耐摩耗
性、場合によっては透明性等に優れた成形品の成形に好
適なポリエステル組成物を得るために鋭意検討した結果
、有機高分子粒子または不活性無機粒子の表面にアルミ
ナ微粒子を固着被覆させた複合粒子を含有させたポリエ
ステル組成物が優れた特性を有することを見出し、本発
明に到達した。
従って、本発明の目的は、ボイドが小さく、滑り性、特
に耐摩耗性に優れた成形品を形成し得るポリエステル組
成物を提供することにある。
[発明の構成・効果] 本発明の目的は、本発明によれば、平均粒径0.05〜
5μmの有機高分子粒子または不活性無機粒子の表面に
該平均粒径に対する平均粒径の比が175以下であるア
ルミナ微粒子を固着被覆させた複合粒子を含有すること
を特徴とするポリエステル組成物によって達成される。
本発明におけるポリエステルとは芳香族ジカルボン酸を
主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコー
ル成分とするポリエステルである。
かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィ
ルムもしくは繊維形成性特に溶融成形によるフィルムも
しくは繊維形成性を有する。
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエタ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタツールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
本発明において、ポリエステルとしては、例えばアルキ
レンテレフタレートおよび/またはアルキレンナフタレ
ートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられる
かかるポリエステルのうちでも、例えばポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートは
もちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モル
%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%
以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。
その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および
/または2゜6−ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳
香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピ
ン酸、セパチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロ
ヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボ
ン酸等であることができる。また、全グリコール成分の
20モル%以下は、エチレングリコール以外の上記グリ
コールであることができ、また例えばハイドロキノン、
レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル〉
プロパン等の如き芳香族ジオール、1.4−ジヒドロキ
シメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール
:ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール
、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレ
ングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等で
あることもできる。
また、本発明におけるポリエステルには、例えばヒドロ
キシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω−ヒドロキシカ
プロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に
由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボ
ン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは
結合するものも包含される。
さらに本発明におけるポリエステルには実質的に線状で
ある範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量
で、三官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ
化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール
等を共重合したものも包含される。
さらに本発明におけるポリエステルには、例えば顔料、
染料、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤
、遮光剤(例えばカーボンブラック、二酸化チタン等)
等の如き添加剤を必要に応じて含有させることもできる
本発明における有機高分子粒子または不活性無機粒子は
、その表面にアルミナ微粒子を固着被覆させることがで
きるものであれば、その種類、製法は限定されない。
有機高分子粒子としては、シリコーン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、スチレン・アクリル酸
系架橋樹脂、ポリテトラフルオルエチレン樹脂、ポリフ
ェニルエステル樹脂などの粒子が好ましく挙げられる。
また、不活性無機粒子としては、特に炭酸塩、硫酸塩、
シリカ、二酸化チタンなどの粒子が好ましく挙げられる
。炭酸塩、硫酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミ
ニウム等が挙げられる。これらの中では炭酸カルシウム
、硫酸バリウムが特に好ましい。またシリカとしては、
例えば乾式法もしくは湿式法(ケイ酸ナトリウムの脱ア
ルカリ法、アルコキシシランの加水分解・縮合法等)に
よるものが好ましく挙げられ、二酸化チタンとしては、
例えば塩素法、硫酸法、アルコキシチタンの加水分解・
縮合法によるものが好ましく挙げられる。なおシリカの
場合はアルミニウム成分を30%以下含有したものであ
ってもよい。
粒子の形状も特に限定はないが、できるだけ球形の形状
を有するものが好ましい。
なお、球形粒子としては、下記の体積形状係数φで定義
すると、 φ=V/d’ 好ましい。また粒子群全体のφtとしては、各粒子のφ
の数平均で表わし、φLは0.40〜π/6であること
が好ましい。
さらに球形粒子の下記で定義される相対標準偏差は、0
.7以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。
相対標準偏差= 有機高分子粒子および不活性無機粒子の平均粒径は0.
05〜5.0 μmであり、0.05〜3.0 μmが
好ましい。この平均粒径が0.05μmより小では滑り
性および耐摩耗性の向上効果が不十分であり、好ましく
ない。一方、5.0μmより大ではフィルム表面に粗大
突起を生じる可能性があるため好ましくない。
ここで、平均粒径とは、測定した全粒子の50重量%の
点にある粒子の「等偏球形直径」を意味する。この「等
偏球形直径」とは粒子と同じ容積を有する想像上の球の
直径を意味するが、真球状粒子を使用した場合には直径
の重量平均となる。平均粒径は粒子の電子顕微鏡写真ま
たは、通常の沈降法による測定から計算することができ
る。
これらの有機高分子粒子または不活性無機粒子は単独で
用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また複合
塩の形で用いてもさしつかえない。
有機高分子粒子または不活性無機粒子の表面にアルミナ
微粒子を固着被覆させる方法としては、乾式法が好まし
く挙げられるが、他の方法で行ってもかまわない。乾式
法で行う方法としては、例えばメカノケミカルな反応を
利用した方法が挙げられる。さらに具体的には、有機高
分子粒子および/または無機粒子とアルミナ微粒子を所
定呈混合し、ボールミル、振動ミル、ジェットミル、ヘ
ンシェルミキサー等によりエネルギーを与え、有機高分
子粒子または不活性無機粒子の表面にアルミナ微粒子を
固着被覆させるものが挙げられる。
本発明ではアルミナ微粒子の平均粒径は、有機高分子粒
子または不活性無機粒子の平均粒径の175以下の小さ
な粒径のものを用いる必要があり、好ましくはl/10
以下である。この粒径比が115を超えると、有機高分
子粒子または不活性無機粒子1個当りの固着可能なアル
ミナ微粒子数が減少し、アルミナ微粒子が固着していな
い有機高分子粒子または不活性無機粒子が存在するよう
になり、好ましくない。
アルミナ微粒子の平均粒径は、0.005μm以上1゜
0μm以下であることが好ましい。アルミナ微粒子の平
均粒径が1.0μmを超えると粒径比が115を超える
ようになって好ましくなく、一方0、005μm未満の
微粒子は工業的に製造または入手し難い。
アルミナ微粒子は、通常ボーキサイトをアルカリ中で加
熱分解させることで製造されるが、製法によって特に限
定されるものではない。
例えば、アルコキシドの加水分解により生成した酸化ア
ルミニウム粒子も使用できる。この場合には、AI <
0C3H7)もしくはAI (OC4H9)等を原料と
し、加水分解条件を適正化することにより10μm以下
のアルミナ微粒子のスラリーを得ることができる。
また、このスラリーに酸を添加して透明化し、このゾル
をゲル化させた後450℃以上に加熱することにより、
焼結体とする方法も用いることができる。
さらに別の方法としてアルミン酸ソーダ溶液に酢酸メチ
ルや酢酸エチルを加え攪拌しA100Hを得た後加熱す
ることによって酸化アルミニウム微粉末を得ることがで
きる。
また、本発明で用いられるアルミナ微粒子の結晶構造は
特に限定されるものではない。例えば、−膜内に広く用
いられるα−アルミナをはじめとしてβ−アルミナ、さ
らに中間アルミナとしに。
θ、δ、γ、η、χ、ρの7種の結晶構造の異るアルミ
ナ微粒子を単独で、あるいは二種以上併用してもかまわ
ない。なお、これらのアルミナ微粒子の結晶構造はX線
回折による分析で構造差を明らかにできる。
さらに、本発明におけるアルミナ微粒子としては、次に
挙げるようなアルミナ水和物の微粒子を用いてもかまわ
ない。
例えば、A1□Q・3H20の組成をとるジブサイトや
バイヤライトを用いることができる。ジブサイトはバイ
ヤー法と呼ばれる工業的製法でアルミン酸ソーダを加水
分解して容易に得ることができ、一方パイヤライトはア
ルミン酸ソーダにCO2ガスを吹き込むことによって得
ることができる。
また、Al103・H2Oの組成をとるベーマイトやダ
イアスポアを用いることもできる。ベーマイトはアルミ
ナ3水和物を約200℃程度の水熱中で処理することに
より簡単に得られる。そして、この処理でアルカリを存
在させれば、3水和物からベーマイトへの転移温度が低
くなり、また処理時間も短くなることがわかっている。
同じく、ダイスポアも水熱中の処理で得られる。
アルミナ微粒子の固着被覆量は、有機高分子粒子または
不活性無機粒子に対して0.001〜10重量%の範囲
が好ましい。0.01〜1重量%の範囲が特に好ましい
アルミナ微粒子の被覆量が0.001重量%1未満では
有機高分子粒子または無機粒子とポリエステルとの親和
性向上効果が発現されなくなるので、好ましくない。一
方、10重量%を超えると親和性向上効果は頭うちとな
り、有機高分子粒子や無機粒子の凝集により粗大粒子を
形成するので好ましくない。
本発明における有機高分子粒子または不活性無機粒子の
表面にアルミナ微粒子を固着被覆させた複合粒子の添加
含有量はポリエステルに対して0.005〜5重量%が
好ましく、さらに0.01〜3重量%が好ましい。この
添加含有量が0.005重量%未満であれば、ポリマー
中の粒子数が少なすぎるため、例えばフィルム表面突起
数が少なくなり滑り性、耐摩耗性が不十分となる。一方
この添加含有量が5.0重量%を超えた場合は、粒子の
凝集がポリマー中で起こりやすくなり、粗大突起数の面
から不適となる。
本発明において複合粒子はポリエステルに含有させる前
に精製プロセスを用いて粗大粒子の除去を行うことが好
ましい。分級手段としては、例えば湿式もしくは乾式遠
心分離機、フィルター濾過等が挙げられる。なおこれら
の手段は二種以上を併用し、段階的に精製してもよい。
複合粒子のポリエステルへの含有方法は任意の時、任意
の方法で行われるが、重合後の溶融ポリマーにスクリュ
ー型二軸混練押出機やバンバリーミキサ−等を用いて粉
体添加し、混練を行うという添加方法が好ましい。もち
ろん、−膜内な方法としてポリエステル反応の重合反応
以前に、殊にエステル交換もしくはエステル化反応終了
前にグリコールスラリーとして添加する方法であっても
かまわない。
ポリエステル成形品、例えば繊維、フィルムは上記ポリ
エステル組成物をそのまま、あるいは他のポリエステル
〈複合粒子を所定割合で含有していないポリエステル)
で希釈して製糸、製膜する等のことにより得ることがで
きる。希釈に用いる他のポリエステルとしては、例えば
従来の析出法や添加法により製造されたポリエステルま
たは粒子を含有していないポリエステルを挙げることが
できる。いずれにしても最終的に得られる成形品中には
複合粒子を所定量含有していることが必要である。
本発明のポリエステル組成物は公知の方法で、フィルム
、繊維等の成形品とすることができる。
フィルムの場合の製膜は公知の方法、例えば通常280
〜300℃でシート状に溶融押出し、急冷固化して無定
形シートとした後、例えば縦方向および横方向、あるい
は縦、横、縦の方向に逐次二軸延伸する方法、縦方向お
よび横方向に同時二軸延伸する方法等を採用することが
できる。
繊維の場合の製糸は公知の方法、例えば通常280〜3
00℃で溶融押出して、500〜800 m 7分の速
度で紡糸した後、例えば延伸、あるいは仮撚、あるいは
熱処理する方法等を採用することができる。
本発明のポリエステル組成物は滑り性に優れ、かつ粒子
とポリエステルとの親和性に優れているため耐摩耗性が
良好等の各種利点を有する成形品を形成でき、各種の用
途に利用できる。特に滑り性、耐摩耗性、さらには透明
性を要求されるフィルム分野、繊維分野に好ましく用い
ることができる。
[実施例] 以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例での「部」は重量部を意味する。また実施
例での各特性値の測定は下記の方法に従った。
(1)粒子の粒径 粒子粒径の測定には次の状態がある。
l) 粉体から、平均粒径、粒径比等を求める場合 フィルム中粒子の平均粒径、粒径比等を求める場合 1) 粉体からの場合 電顕試料台上に粉体を個々の粒子ができるだけ重ならな
いように散在させ、金スパッター装置によりこの表面に
金薄膜蒸着層を厚み200〜300人で形成し、走査型
電子顕微鏡に2) て、例えば10.000〜30.000倍で観察し、日
本レギュレーター■製ルーゼックス500にて、少なく
とも100個の粒子の長径(D!i〉、短径(Dsi 
)および面積円相当(Di)を求める。
そして、これらの値から平均粒径を算出する。
2) フィルム中の粒子の場合 試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し
、日本電子■製スパッターリング装置(JFC−110
0型イオンエツチング装置〉を用いてフィルム表面に下
記条件にてイオンエツチング処理を施す。条件は、ペル
ジャー内に試料を設置し、約10−’Torrの真空状
態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流12.5
mAにて約10分間イオンエツチングを実施する。さら
に同装置にて、フィルム表面に金スパッターを施し、走
査型電子顕微鏡にて10.000〜30、000倍で観
察し、日本レギュレーター■製ルーゼックス500にて
少なくとも100個の粒子の長径(Dli)、短径(D
si )および面積円相当径(Di)を求める。そして
、それらの値から平均粒径を算出する。
(2)親和性 上記<1)−2)の方法に従ってフィルム中(表面〉の
粒子周辺を!iL、少なくとも50個の粒子の長径とボ
イドの長径を測定し、次式 ボイド比=ボイドの長径/粒子の長径 で表わされるボイド比の数平均値を求める。
この数平均値をもって、次のような判定基準で表示して
いる。
1級:1≦ボイド比<1..5  (即ちボイドが存在
しない、もしくは非常に小さい〉 2級:1.5≦ボイド比<2.0 3級:2.0≦ボイド比く3.0 4級=3.0≦ボイド比<4.0 (3)削れ性 フィルムの走行面の削れ性を5段のミニスーパーカレン
ダーを使用して評価する。カレンダーはナイロンロール
とスチールロールの5段カレンダーであり、処理温度は
80℃、フィルムにかかる線圧は200 K17cm、
フィルムスピードは50m/分で走行させる。走行フィ
ルムは全長6000m走行させた時点でカレンダーのト
ップローラ−に付着する汚れでフィルムの削れ性を評価
する。
く4段階判定〉 ◎ ナイロンロールの汚れ全くなし ○ ナイロンロールの汚れほとんどなし× ナイロンロ
ールが汚れる ×× ナイロンロールが非常に汚れる (4)ヘーズ(曇り度) JIS−に674に準じ、日本精密光学社製、積分球式
HTRメーターによりフィルムのヘーズを求める。
実施例1 [有機高分子粒子の表面処理] 平均粒径0.7μmのメチルトリメトキシシランの加水
分解・縮合によって製造された球状のシリコーン粒子9
8部と平均粒径0.05μmのγ型アルミナ微粒子2部
をハイブリダイザ−(奈良機械■製)にて分散混合し、
シリコーン粒子の表面にアルミす微粒子を機械的衝撃に
て融着固定化し被覆した。
得られた複合粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、5万倍の倍率でシリコーン粒子の表面にアルミ
ナ微粒子が均一に打ち込まれ固着被覆されている様子が
、観察できた。
[ポリエステルへの添加] 固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0、62
dl/gのポリエチレンテレフタレートチップと上記で
得られた粉体く複合粒子〉を粉体含有量0.2重量%と
なるようブレンドし、スクリュー式二軸押出機により混
練押出した。この際固有粘度の低下を押えるべく、押出
機ノズル2ケ所より0.1〜Q、2Torrとなるよう
真空吸引した。押出し後水冷し、チップ化したところ、
固有粘度は0.60dl/gであった。
[フィルムの製造] 次いで、得られたポリエチレンテレフタレート組成物チ
ップを180℃で乾燥後、溶融押出機によりシート化し
、続いて90℃で縦延伸倍率3.5倍、横延伸倍率4.
0倍に二軸延伸し、その後熱固定し、厚さ15μmのフ
ィルムとした。
このフィルムの特性を表−1に示す。得られたフィルム
中の粒子周辺のボイドはないものが主で、あっても極め
て小さいものであった。またフィルムの耐摩耗性、透明
性とも良好であった。
実施例2 実施例1の方法で、γ型アルミナ微粒子のかわりにα型
アルミナ微粒子を用いること以外同じように行ってフィ
ルムを得た。この結果を表−王に示す。
得られたフィルムは、実施例1のフィルムと同様にボイ
ドが小さく、耐摩耗性、透明性ともに良好であった。
実施例3 実施例1の方法で、γ型アルミナ微粒子のかわりにδ型
アルミナ微粒子を用いること以外同じように行ってフィ
ルムを得た。この結果を表−王に示す。
得られたフィルムは、実施例1のフィルムと同様にボイ
ドが小さく、耐摩耗性、透明性ともに良好であった。
比較例1 実施例1の方法で、シリコーン粒子の表面にアルミナ微
粒子を固着被覆しない以外同じように行ってフィルムを
得た。この結果を表−1に示す。
得られたフィルムは、耐摩耗性、ヘーズとも劣ったもの
であった。
比較例2 実施例1の方法で、アルミナ微粒子として、この平均粒
径がシリコーンの平均粒径の1/4のものを用いたこと
以外は同じように行ってフィルムを得た。この結果を表
−1に示す。
得られたフィルムは親和性、ヘーズともに極めて悪く、
耐摩耗性、透明性とも劣ったものであった。
実施例4 実施例1でシリコーン粒子に替えて平均粒径が0.6μ
mの架橋ポリスチレン粒子を用いる以外は同じように行
ってフィルムを製造した。
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに良好であった。
比較例3 実施例4の方法で、架橋ポリスチレン粒子の表面にアル
ミナ微粒子を固着被覆しない以外は同じように行ってフ
ィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表−1に示すが、耐摩耗性、
透明性とも劣ったものであった。
実施例5 実施例1の方法で、シリコーン粒子に替えて、平均粒径
が0.8μmの炭酸カルシウムを用い、かつアルミナ微
粒子を被覆した炭酸カルシウムのポリエステルへの添加
量を0.2重量%とする以外は同じように行ってフィル
ムを得た。
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに極めて良好であった。
比較例4 実施例1の方法で、炭酸カルシウム粒子の表面にアルミ
ナ微粒子を被覆しない以外は同じように行ってフィルム
を得た。この結果を表−1に示す。
得られたフイルムヘーズは15.0%と極めて悪く、か
つ粒子径の3〜4倍のボイドが点在し、親和性も悪かっ
た。
実施例6 実施例5で炭酸カルシウムに替えて平均粒径が0.6μ
mの硫酸バリウムを用い、かつアルミナ微粒子を被覆し
た硫酸バリウムのポリエステルへの添加量を3500p
pmとする以外は同じように行ってフィルムを製造した
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに良好であった。
実施例7 実施例5の方法で、炭酸カルシウムに替えて、平均粒径
が0.7μmの真球状シリカを用い、かつアルミナ微粒
子を被覆した真球状シリカのポリエステルへの添加量を
0.2重量%とする以外は同じように行ってフィルムを
得た。
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに極めて良好であった。
実施例8 ポリエチレンテレフタレートをポリエチレン2.6−ナ
フタレートに変更する以外は実施例7と同様に行ってフ
ィルムを製造した。
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに良好であった。
実施例9 [球状二酸化チタンの合成] チタンテトラエトキシドのエアロゾルをエチレングリコ
ール・水の飽和蒸気を有する窒素ガス雰囲気下で加水分
解・脱水反応を行い真球状の二酸化チタンを得た。この
二酸化チタンの平均粒径は0゜6μm、直径相対標準偏
差は0.5であり、大きさが均一な球状であった。
[フィルムの製造] 実施例5の方法で、炭酸カルシウムに替えて上記の球状
二酸化チタンを用い、かつアルミナ微粒子を被覆した球
状二酸化チタンのポリエステルへの添加量を0.2重量
%とする以外は同じように行ってフィルムを製造した。
フィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、透明性と
もに良好であった。
比較例5 比較例4の方法で、炭酸カルシウムの替わりに通常の二
酸化チタンを用いた以外同じように行ってフィルムを製
造した。
得られたフィルムの特性は表−1に示すが、耐摩耗性、
透明性とも劣ったものであった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、平均粒径0.05〜5μmの有機高分子粒子又は不
    活性無機粒子の表面に該平均粒径に対する平均粒径の比
    が1/5以下であるアルミナ微粒子を固着被覆させた複
    合粒子を含有することを特徴とするポリエステル組成物
    。 2、アルミナ微粒子の平均粒径が0.005〜1μmで
    あり、かつこの固着被覆量が有機高分子粒子又は不活性
    無機粒子に対して0.001〜10重量%である請求項
    1記載のポリエステル組成物。 3、複合粒子の含有量がポリエステルに対して0.00
    5〜5重量%である請求項1記載のポリエステル組成物
JP23062290A 1989-09-14 1990-09-03 ポリエステル組成物 Pending JPH03179052A (ja)

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JP1-239462 1989-09-14

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209315A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Teijin Dupont Films Japan Ltd ポリエステルフィルム
JP2010117558A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Teijin Dupont Films Japan Ltd 光学用積層フィルム
CN101725503A (zh) * 2008-10-17 2010-06-09 上海三电贝洱汽车空调有限公司 一种压缩机滑动件
KR101010996B1 (ko) * 2007-10-23 2011-01-26 코오롱인더스트리 주식회사 폴리에스테르 필름
JP6427644B1 (ja) * 2017-09-20 2018-11-21 太平洋セメント株式会社 アルミナ質中空ファイバーの製造方法

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