JPH0317734B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、コンテナに複数個の荷物をまとめて
積み降しできるようにした荷物の積み降し装置に
関する。

（従来の技術） 従来、特公昭52−33864号公報や特開昭57−
107331号公報に見られるように、複数個の荷物を
前後方向に整列載置可能で且つこれら荷物を前後
動自在に支持するコンベア台をコンテナ内に進退
自在に設け、コンベア台上に複数個の荷物を載置
した状態でこれをコンテナ内に進入させた後、適
宜のストツパ手段によりこれら荷物の退動を阻止
して、該コンベア台のみを退動させ、これら荷物
を前端側のものから順次コンベア床面上に落下さ
せて、コンベアへの積み込みを行うようにしたも
の、或いは実願昭60−100327号公報に見られるよ
うに、複数個の荷物をその底面の脚片間部分で支
持する昇降自在な載置台を搭載したローダを用
い、該ローダをコンベア内にのびる伸縮自在なガ
イドレールに沿つて往復動自在とし、コンテナへ
の積み込みに際しては、先ず該載置台の上昇によ
り複数個の荷物を持上げた状態でローーダをコン
テナ内に進入させ、次いで該載置台を下降させて
これら荷物をその脚片においてコンテナ床面に載
置した後、該載置台を下げたまま該ローダを退去
させるようにし、これとは逆作動でコンテナから
の荷降しを行うようにしたものは知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記した前者の従来技術では、コンテナからの
荷降しができず、又荷積み時のコンベア台の退動
に際し、先ず荷物の前端側がコンベア台から外れ
て荷物が一旦前下りに傾斜し、その底面前縁が先
にコンテナ床面に落下された荷物から離間した位
置で床面に当接し、この状態でコンベア台から荷
物が落下して、前の荷物との間に隙間ができ、コ
ンテナへの収納効率が悪くなり、又落下による衝
撃で荷物に悪影響を与えることがある。

又、上記した後者の従来技術では、床面に載置
される荷物の底部の脚片間の空隙にローダを挿脱
し得るよう、ローダの高さ寸法を短縮する必要が
あつて、ローダに載置台用のリフトアツプシリン
ダを立設することができないため、載置台をロー
ダの後端部に設けたシリンダにより前後動自在と
し、その前後動によりカム機構を介して載置台を
昇降させるようにしており、荷物が軽量の場合は
良いが、重量物になるとカム機構やシリンダに負
担がかかつて、複数個の荷物を同時に持上げるこ
とは無理になり、対象物が限定される問題があ
る。

本発明は、上記問題点を解決すべく、重量物で
もコンテナへの荷積みと荷降しとを確実に行い得
られ、且つ収納効率の悪化や落下による荷物の損
傷も生じないようにした装置を提供することをそ
の目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成すべく、複数個の荷
物を前後方向に整列載置可能で且つこれら荷物を
前後動自在に支持するコンベア台を備え、該コン
ベア台をコンテナ内に進退させて荷物の積み降し
を行うようにした装置において、該コンベア台の
前端部に連結される移載ユニツトを備え、該移載
ユニツトは、コンテナの床面に載置される荷物の
底部の脚片間の空隙に挿入自在な前後方向に長手
方向の固定アームと、該固定アームに沿わせて設
けられる荷物の底面を受ける前後方向に長手の可
動アームと、該固定アームに枢支した互に同期回
転する前後複数のクランク軸から成るクランク機
構とで構成され、これらクランク軸のクランクピ
ンに該可動アームを前後複数箇所において枢支し
て、これらクランク軸の回転により該可動アーム
を垂直面上で円運動自在とし、該可動アームの円
運動により荷物を上下動させつつ前後方向に刻み
送りしてコンテナ床面と該コンベア台との間に荷
物を移載するようにしたことを特徴とする。

（作 用） コンテナへの荷積みに際しては、コンベア台上
に複数個の荷物を前後方向に整列載置した状態で
該コンベア台をコンテナ内に移載ユニツトの先端
がコンテナの前端近傍に達する位置まで進入さ
せ、次いでこれら荷物を移載ユニツト側即ち前方
に押出すと共に、該ユニツトの可動アームを後死
点位置から上死点位置を経て前死点位置に動くよ
うに即ち往動方向に円運動させる。

これによれば、先ず前端の１番目の荷物が該可
動アームの後死点位置から前死点位置への移動時
に該可動アームにより持上げられて前方に送ら
れ、前死点位置から後死点位置への移動時にその
底面の脚片においてコンテナ床面に載置され、引
続く後死点位置から前死点位置への移動時に再び
前方に送られ、この繰返しにより該荷物はその前
面がコンテナの前端に当接する迄前方に刻み送り
される。

次いで、コンベア台を荷物１個分後退させ、２
番目の荷物を上記と同様の作動で前方に刻み送り
するもので、これによれば該荷物はコンベア台か
らの落下による衝撃を受けることなく、１番目の
荷物に密着した状態でコンテナ床面に移載され
る。

以下同様にして、コンベア台上の荷物を順次コ
ンテナ床面に移載して、荷積み作業を完了する。

ここで、可動アームは荷物を前端のものから順
に刻み送りすれば足るもので、複数個の荷物を同
時に持上げて搬送する従来のものと異り、重量物
でもその刻み送りを確実に行い得られる。

又、荷降しに際しては、先ずコンテナに積込ま
れた後端の荷物の底部の脚片間の空隙に後方から
移載ユニツトを挿入し、次いで可動アームを前死
点位置から上死点位置を経て後死点位置に動くよ
うに即ち復動側に円運動させるもので、これによ
れば該荷物は該可動アームの前死点位置から後死
点位置への移動のたびに後方に刻み送りされてコ
ンベア台上に移載され、次いで荷物１個分コンベ
ア台を前進させて、移載ユニツトを後方から２番
目の荷物の底面の空隙に挿入し、上記と同様の作
動で該荷物をコンベア台に移載し、以下同様にし
てコンテナに積込まれた複数個の荷物を順次コン
ベア台に移載した後、該コンベア台を後退させて
これら荷物をコンテナから引出す。

（実施例） 第１図及び第２図を参照して、１はコンテナ、
２は該コンテナ１の床面と同一高さに設けた荷役
場のプラツトホームを示し、該プラツトホーム２
上にトラクタ３で移動されるコンベア台４を設
け、該コンベア台４に複数個の荷物Ｗを左右２列
で前後方向に整列載置自在とし、該コンベア台４
をコンテナ１内に進退させて荷物Ｗの積み降しを
行うようにした。

該コンベア台４は、第３図及び第４図に示す如
く、荷物Ｗの底面両側と中央とに設けた各脚片
Waを受ける前後方向に長手のローラコンベア５
を左右５列に備えると共に、これらローラコンベ
ア５，５間に位置させて後端のドライブスプロケ
ツト６ａと前端のドリブンスプロケツト６ｂとの
間に張設したチエーン６を左右４列に備え、該各
チエーン６に第５図示の如く荷物Ｗの背面に係合
するフツク６ｃを取付けて、該ドライブスプロケ
ツト６ａを油圧モータ６ｄで駆動することにより
該コンベア台４上の荷物Ｗを前方に押送するよう
にした。

又、該コンベア台４の前端部に、該各チエーン
６の前方に位置して左右４個の移載ユニツト７を
連結した。該各移載ユニツト７は、第６図及び第
７図に示す如く、コンテナ１の床面に載置される
荷物Ｗの底部の脚片Wa間の空隙に挿入自在な前
後方向に長手の固定アーム８に、荷物Ｗの底面
W_bを受ける前後方向に長手の可動アーム９をク
ランク機構１０により垂直面上で円運動自在に設
けて成るもので、図示のものでは該固定アーム８
を、その後端部にコンベア台４に向つて後上りに
傾斜してのびる傾斜部８ｂを有するものに構成す
ると共に、該可動アーム９を該固定アーム８の前
方の水平部８ａに設けた水平な第１アーム部９ａ
と、該傾斜部８ｂに設けた後上りに傾斜する第２
アーム部９ｂとを有するものに構成し、荷降し時
に該第２アーム部９ｂにより後記する如く荷物Ｗ
を迫上げてその脚片Waをローラコンベア５上に
送り込めるようにした。

尚、ローラコンベア５のローラ径を小さくし
て、コンベア台４に載置したときの荷物Ｗの底面
の高さが、第１アーム部９ａの上死点位置におけ
るその上縁の高さより低くなるようにすれば、上
記した傾斜部８ｂや第２アーム部９ｂは不要とな
るが、ローラ径を小さくすると荷物Ｗの移動性や
強度が低下する問題があり、実施例の如く第２ア
ーム部９ｂにより荷物Ｗを迫上げられるようにし
た方が、コンベア台４を無理なく設計でき有利で
ある。

又、第１アーム部９ａと第２アーム部９ｂとを
一体的に形成することも可能であるが、図示のも
のでは荷物Ｗを能率良く迫上げられるように、該
両アーム部９ａ，９ｂを分離構成して互に位相差
を存して円運動させるようにし、更に該両アーム
部９ａ，９ｂから成る可動アーム９を固定アーム
８に左右１対に設け、該両可動アーム９，９を互
に位相差を存して円運動させるようにした。

これを更に詳述するに、該固定アーム８の水平
部８ａにクランク機構１０の構成部材たる前後１
対の第１クランク軸１０ａ，１０ａと、傾斜部８
ｂに前後１対の第２クランク軸１０ｂ，１０ｂと
を横設し、該両第１クランク軸１０ａ，１０ａの
一端に突設した互に同位相のクランクピンX₁，
X₁に一側の可動アーム９の第１アーム部９ａを
連結すると共に、該両第２クランク軸１０ｂ，１
０ｂの一端にクランクピンX₁に対し図面で反時
計方向に90゜の位相差を存してクランクピンY₁，
Y₁を突設して、これに第２アーム部９ｂを連結
し、又該両第１クランク軸１０ａ，１０ａの他端
にクランクピンX₁に対し時計方向に90゜の位相差
を存してクランクピンX₂，X₂を突設して、これ
に他側の可動アーム９の第１アーム部９ａと、該
両第２クランク軸１０ｂ，１０ｂの他端にクラン
クピンY₁に対し反時計方向に90゜の位相差を存し
てクランクピンY₂，Y₂を突設して、これに第２
アーム部９ｂとを連結し、更に固定アーム８の後
端に正逆転自在な油圧モータ１０ｃを取付けて、
該モータ１０ｃからの動力をギア列１０ｄを介し
て後側の第２クランク軸１０ｂと、前側の第２ク
ランク軸１０ｂからギア列１０ｅを介して後側の
第１クランク軸１０ａとに伝達し、かくて該モー
タ１０ｃの作動によりこれら各アーム部９ａ，９
ｂに互に同期した円運動が与えられるようにし
た。図面で１０ｆは同期シヤフトを示す。

第８図を参照して、荷降し時のコンテナ１床面
からコンベア台４への荷物Ｗの移載作動を説明す
る。図中O₁，O₂は夫々第１第２クランク軸１０
ａ，１０ｂの回転中心を示す。先ず同図ａ示の如
く固定アーム８の水平部８ａをその両側の第１ア
ーム部９ａ，９ａを下げた状態でコンテナ１床面
に配置される荷物Ｗの底部の脚片Wa間の空隙に
挿入し、次いで第１第２クランク軸１０ａ，１０
ｂを図面で時計方向に回転させる。

これによれば、先ず他側の第１アーム部９ａが
同図ｂ示の如く前死点位置から上死点位置に上動
して、荷物Ｗが該第１アーム部９ａに支持された
状態で後方に送られ、次いで一側の第１アーム部
９ａが前死点位置から上動して同図ｃ示の状態を
経て該第１アーム部９ａにより荷物Ｗが後方に送
られ、該第１アーム部９ａの上死点位置近傍にお
いて同図ｄ示の如く一側の第２アーム部９ｂが前
死点位置に上動して荷物Ｗの底面Wb後縁に当接
し、以後荷物Ｗは同図ｅ示の如く後上りに迫上げ
られつつ後方に送られ、次いで該後縁は同図ｆ示
の如く他側の第２アーム部９ｂで受けられる。

ここまでがクランク軸１０ａ，１０ｂの１回転
目で行われる作動であり、次いで他側の第１アー
ム部９ａの前死点位置からの再度の上動により荷
物Ｗは該第１アーム部９ａと他側の第２アーム部
９ｂとに支持された状態で更に後方に送られて、
該第２アーム部９ｂの後死点位置近傍において同
図ｇ示の如く荷物Ｗの底面Wb後縁が固定アーム
８の傾斜部８ｂに当接する。

次いで、同図ｈ示の状態を経て一側の第２アー
ム部９ｂの前死点位置への上動により同図ｉ示の
如く該後縁が迫上げられ、荷物Ｗは該第２アーム
部９ｂと一側の第１アーム部９ａとに支持された
状態で同図ｊ示の如く後方に送られ、次いで他側
の第２アーム部９ｂが上死点位置の手前で同図ｋ
示の如く荷物Ｗの底面W_bに当接し、クランク軸
１０ａ，１０ｂの３回目の回転による他側の第１
アーム部９ａの前死点位置からの上動により荷物
Ｗは該第１アーム部９ａと該第２アーム部９ｂと
に支持された状態で後方に送られて、その脚片
Waが同図１示の如くローラコンベア５の最前端
のローラコンベア５の最前端のローラ５ａに乗
る。

以後、荷物Ｗは該ローラ５ａに支持された状態
で両側の第１アーム部９ａ，９ａの前死点位置か
ら後死点位置への移動のたびに後方に送り込ま
れ、コンベア台４への移載が行われる。

この場合、第１アーム部９ａや第２アーム部９
ｂにゴムや刻み等の滑り止めを施しておけば、荷
物Ｗの送りが確実となり有利である。

コンテナ１への荷積み時は、コンベア台４上の
荷物Ｗを前記チエーン６から成る押圧手段により
移載ユニツト７側に押出すと共に、第１第２クラ
ンク軸１０ａ，１０ｂを反時計方向に回転させる
もので、これによれば上記とは逆作動で荷物Ｗが
前方に刻み送りされ、コンテナ１の床面に荷物Ｗ
が移載される。

図面で１１はコンベア台４の後端部に設けたト
ラクタ３との連結片、１２はコンベア台４及び移
載ユニツト７の下面に取付けたキヤスタ、１３は
移載ユニツト７の先端に取付けたローラ、１４は
前記油圧モータ６ｄ，１０ｃにトラクタ３に搭載
した油圧源からの油を供給する油圧配管を示す。

尚、コンテナ１への荷積みと荷降しの全体的な
作動は、上記作用の項で説明した通りであり、再
度の説明は省略する。

（発明の効果） 以上の如く本発明によるときは、重量の有る荷
物でもコンテナへの荷積みと荷降しとを確実に行
い得られ、且つ荷積みに際し荷物をコンベア台か
らコンテナ床面に直接落下させることなく、移載
ユニツトに設けた可動アームの円運動により荷物
を前方に刻み送りしてコンテナ床面に移載するも
ので、荷物の損傷を防止して且つコンテナ内に隙
間無く荷物を積み込むことができ、収納効率を向
上できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の１例の側面図、第２図は
その平面図、第３図はその要部の拡大平面図、第
４図は第３図の−線截断背面図、第５図は第
４図のＶ−Ｖ線拡大截断側面図、第６図は移載ユ
ニツトの拡大平面図、第７図はその側面図、第８
図ａ乃至１は移載ユニツトの作動を説明する線図
である。 Ｗ……荷物、Wa……脚片、Wb……底面、１
……コンテナ、４……コンベア台、７……移截ユ
ニツト、８……固定アーム、８ａ……水平部、８
ｂ……傾斜部、９……可動アーム、９ａ……第１
アーム部、９ｂ……第２アーム部、１０……クラ
ンク機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個の荷物を前後方向に整列載置可能で且
   つこれら荷物を前後動自在に支持するコンベア台
   を備え、該コンベア台をコンテナ内に進退させて
   荷物の積み降しを行うようにした装置において、
   該コンベア台の前端部に連結される移載ユニツト
   を備え、該移載ユニツトは、コンテナの床面に載
   置される荷物の底部の脚片間の空隙に挿入自在な
   前後方向に長手方向の固定アームと、該固定アー
   ムに沿わせて設けられる荷物の底面を受ける前後
   方向に長手の可動アームと、該固定アームに枢支
   した互に同期回転する前後複数のクランク軸から
   成るクランク機構とで構成され、これらクランク
   軸のクランクピンに該可動アームを前後複数箇所
   において枢支して、これらクランク軸の回転によ
   り該可動アームを垂直面上で円運動自在とし、該
   可動アームの円運動により荷物を上下動させつつ
   前後方向に刻み送りしてコンテナ床面と該コンベ
   ア台との間に荷物を移載するようにしたことを特
   徴とする荷物積み降し装置。 ２ 該固定アームを、その後端部に該コンベア台
   に向つて後上りに傾斜してのびる傾斜部を有する
   ものに構成すると共に、該可動アームを該固定ア
   ームの前方の水平部に設けた水平な第１アーム部
   と、該傾斜部に設けた後上りに傾斜する第２アー
   ム部とを有するものに構成したことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の荷物積み降し装置。 ３ 該可動アームの該第１アーム部と該第２アー
   ム部とを互に分離すると共に、該クランク機構
   を、該第１アーム部を支持する少なくとも前後１
   対の第１クランク軸と該第２アーム部を支持する
   少なくとも前後１対の第２クランク軸とで構成
   し、該第１クランク軸のクランクピンと該第２ク
   ランク軸のクランクピンとの位相を互に異ならせ
   て、該両アーム部を、互に位相差を存して円運動
   させるようにしたことを特徴とする特許請求の範
   囲第２項記載の荷物積み降し装置。 ４ 該移載ユニツトを該コンベア台の巾方向に複
   数台並設すると共に、該各移載ユニツトの固定ア
   ームに該可動アームを左右１対に設け、該両可動
   アームを互に位相差を存して円運動させるように
   したことを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至
   第３項の何れかに記載の荷物積み降し装置。