JPH03174332A - 板ガラスの成形用型およびその製作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラスを板状に成形するために用いる成形用
型およびその製作方法に関するものである。

〔従来の技術〕

仮ガラスの成形用型として耐火材を使用することが知ら
れている。しかし、ガラスの゛種類、使用条件等により
耐火材は接触するガラスによって侵食され、ガラス内部
に異物を生じるばかりでなく、耐火材の表面形状、精度
を悪化させるという問題がある。そこでその解決策とし
て耐火材表面を白金または白金合金で被覆することが行
われている（特開昭６３−１３９０２０号公報参照）。

耐火材を白金または白金合金で被覆したこの種の従来の
仮ガラス成形用型を第７図に示す、この型は耐火材から
なる底壁１と、一部が溶融ガラスの流出のために切欠い
てある、同様に耐火材からなる側壁２とを有し、底壁１
の上面と側壁２の内面は、薄板状の白金または白金合金
製被覆板３によって被覆されている。底壁１とそれを被
覆する被覆板は、最も深いガラス溜りを形成するガラス
流入部４、このガラス流入部４に続き徐々に浅くなると
共に幅が広がるように形成された、上り勾配面を有する
誘導傾斜部５、およびこの誘導傾斜部５の頂部に連なる
下り勾配面を有する流出リップ部６を備えている。

ガラス溶融槽（図示せず）の流出バイブ７から流出した
溶融ガラス８は、ガラス流入部４から誘導傾斜部５を経
て流出リンプロから流れ落ち、ロール９．１０の間を通
り、仮ガラスとなって図示していない徐冷炉に送り込ま
れる。

〔発明が解決しようとする課題］ しかしながら、この仮ガラスの成形用型にあっては、高
温での使用時に、耐火材からなる底壁１と白金または白
金合金製の被覆板３との間に熱膨張差が発生する。その
ため、短い使用期間（例えばｌか月）で、耐火材と白金
または白金合金の間の密着性が全体または部分的に失わ
れ、白金または白金合金が耐火材から遊離変形し、その
形状および表面精度が著しく損なわれる。従って、流出
リップ部６から流れ落ちる溶融ガラスの厚さが不均一と
なり、成形された板ガラスの肉厚が−様にならないので
、成形用型は短い使用期間で使用不可能となる。

本発明は、上記問題点乃至欠点を除去するためになされ
たものであり、その目的は、高温での使用時に形状およ
び表面精度が高く、それによって肉厚の−様な板ガラス
を成形することができると共に寿命が長い仮ガラスの成
形用型とその製作方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、耐火材からなる底壁および
側壁と、この底壁の上面と側壁の内面を被覆する薄板状
の白金または白金合金製の被覆板とを備え、この底壁と
それを被覆する被覆板が、最も深いガラス溜りを形成す
るガラス流入部、このガラス流入部に続き徐々に浅くな
ると共に幅が広がるように形成された、上り勾配筒を有
する誘導傾斜部、およびこの誘導傾斜部の頂部に連なる
下り勾配面を有する流出リップ部を備え、流出すの成形
用型は、少なくとも流出リップ部の範囲の耐火材がその
表面全体を白金または白金合金製被覆板で被覆され、こ
の被覆板が使用温度よりも高い温度で真空吸引によって
耐火材表面に密封密着されていることを特徴とする。こ
の場合、流出リップ部の全部と誘導傾斜部の一部の耐火
材が、それらの表面全体を白金または白金合金製被覆板
で被覆され、この被覆板が使用温度よりも高い温度で真
空吸引によっての耐火材表面に密封密着されていること
が望ましい。

更に、本発明による、板ガラスの成形用型の製作方法は
、少なくとも流出リップ部の範囲の耐火材の表面全体を
薄板状の白金または白金合金製の被覆板で被覆し、この
被覆板と耐火材との間の空気を真空吸引しながら、被覆
板と耐火材を使用温度よりも高い温度まで昇温しで、被
覆板を耐火材表面に密着させ、真空状態を保ちながら被
覆板を密封し、この流出リップ部の被覆板を、他の部分
の被覆仮に溶接することを特徴とする。この場合、流出
リップ部の耐火材を白金または白金合金製の被覆板で被
覆する前に、この耐火材の表面に、多数の溝を間隔をお
いて形成することが望ましい。

本発明において、“耐火材°゛は、白金または白金合金
を腐食しない電鋳レンガ、耐火レンガ、セラミックス等
の耐火物と、腐食はするがその表面をアルミナ質で被覆
した耐火物と、モリブデン、タングステン等を含み、特
に限定されるものではない。

〔実施例〕

次に、図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。

第１図と第２図は、本発明の実施例による板ガラスの成
形用型の縦断面図と平面図である。この成形用型は、耐
火材からなる底壁１１および側壁１２と、この底壁１１
と側壁１２を被覆する薄板状の白金または白金合金製被
覆板１３とからなっている。

底壁１１とそれを被覆する被覆抜工３は、最も深いガラ
ス溜りを形成するガラス流入部１４、このガラス流入部
１４に続き徐々に浅くなると共に幅が広がるように形成
された、上り勾配面を有する誘導傾斜部１５、およびこ
の誘導傾斜部５の頂部に連なる下り勾配面を有する流出
リップ部１６を備えている。

ガラス流入部１４はガラス溶融槽（図示せず）の底に取
付けられた流出バイブ１７の下方に位置していて、その
上面は平坦である。誘導傾斜部１５の勾配は、溶融ガラ
ス１８が部分的に停滞することなく層流となって連続的
に流出するように、緩やかな方が良く、１０”前後が好
ましいが、求めるガラスの品質に応じて適宜選択すれば
よい。

流出リップ部１６の勾配も同様で、好ましい角度は約４
５°であるが、適宜選択すればよい、特に、比較的薄肉
の板ガラスを得ようとするときには、この勾配は大きめ
に、比較的厚肉の板ガラスを得ようとするときには小さ
めにする。

板ガラスの成形にとって重要である流出リップ部１６の
全部と誘導傾斜部１５の一部は、本発明に従って、型の
他の部分とは別体に製作され、後でその被覆板１３ａが
他の部分の被覆仮１３に溶接されて一体となっている。

誘導傾斜部１５の一部と流出リップ部１６の全部の耐火
材１１ａはその表面全体を白金または白金合金製被覆板
１３ａで被覆され、この被覆板１３ａは型の使用温度よ
りも高い温度で真空吸引によって流出リップ部の耐火材
表面に密封密着されている。

なお、板ガラスの成形用型は、その温度制御を正確に行
うために、給電フランジを取りつけることが望ましい（
例えば特開昭６３−１３９０２０号公報参照）。

次に、上記構造の仮ガラスの成形用型の製作方法につい
て説明する。誘導傾斜部１５の一部と流出リップ部１６
の全部を除く型の部分は、底壁１１と側壁１２を形成す
る耐火材を所定形状に加工または成形し、底壁１１の上
面と側壁１２の内面に、白金または白金合金製の被１Ｆ
［１３を被覆して製作される。

誘導傾斜部１５の一部と流出リップ部１６の全部を製作
する場合には先ず、耐火材１１ａを所定形状に形成し、
耐火材１１ａの表面に溝１９を加工する。この溝１９は
第３図、第４図および第５図において、見易くするため
に、二点Ｍ線で示しである。溝１９は耐火材１１ａの表
面全体にわたって互いに間隔をおいて多数形成され、し
かも耐火材１１．ａの各面の溝ができるだけ互いに接続
するように形成されている。第４図と第５図に、溝１９
の配置構造の一例が正面図と平面図で示しである。溝１
９の大きさは、後述のごとく白金または白金合金製液ｒ
ｇ１１板１３ａと耐火材１１ａとの間の空気を高温真空
吸引したときに前記被覆板１３ａが溝１９にたわみ込ま
ないように選択され、例えば白金または白金合金製被覆
板１３ａの厚さが１−の場合には、幅が約０．３ｍ、深
さが約０．２−で、溝１９相互の間隔が約５０ａ＊であ
ることが好ましい、この溝１９は、後述の高温真空吸引
の際に、真空吸引力が耐火材１１ａの表面全体に達する
ようにするためのものである。

次に、上記耐火材１１ａを白金または白金合金製被覆板
１３ａで被覆する。これは、白金または白金合金の薄板
を板金加工して互いに溶接することによって行う、そし
て、白金または白金合金製のパイプ２０を被覆板１３ａ
に溶接し、被覆板１３ａと耐火材１１ａとの間の隙間と
パイプ２０とを連通ずる（第３図参照）、このパイプ２
０の寸法は例えば肉厚１閣、内径６ｍｍである。

次に、パイプ２０を図示していない真空ポンプに接続し
、白金または白金合金製被覆板１３ａと耐火材１ｆａの
間の空気を真空吸引しながら、被覆板１３ａと耐火材１
１ａを、型の使用温度よりも高い温度まで昇温する。そ
れによって、白金または白金合金製被覆板１３ａが耐火
材１１ａの表面に密着すると共に、耐火材１１ａの内部
の空気や水が除去される。このときの白金または白金合
金製被覆板１３ａ、耐火材１１ａおよび溝１９の断面状
態を第６図に拡大して示す。

そして、目標温度（例えば１２５０°Ｃ）で所定の真空
度（例えばｅ　１０−’ｔｏｒｒ）に達した後で、真空
状態を保ちながらパイプ２０を溶封切断し、被覆板１３
ａを密封することにより、誘導傾斜部１５の一部と流出
リップ部１６の全部の製作が終了する。

この誘導傾斜部１５の一部と流出リップ部１６の全部は
前述のように、その被覆＋Ｉｉ　１３　ａを型の他の部
分の被覆ｖｉ、１３に溶接することにより、他の部分と
一体化される。

このようにして製作された板ガラスの成形用型は、誘導
傾斜部１５の一部と流出リップ部１６の全部の耐火材１
１ａと被覆板１３ａの間の空気を真空吸引しながら、型
の使用温度よりも高い温度まで耐火材１１ａと被覆板１
３ａを昇温したので、型の実際の使用時に白金または白
金合金性被覆板１３ａと耐火材１１ａの間に熱膨張差が
生じても、耐火材１１ａと被覆板１３ａとの間の密着性
が保証され、安定した形状および表面精度が得られる。

更に、耐火材１１ａの表面に溝１９を形成したので、真
空吸引力が耐火材１１ａの全表面に達し、被覆板１３ａ
の密着性が良好になると共に、耐火材１１ａ内部の空気
や水を充分に除去することができ、従って使用時に空気
や水が存在しないため、この空気や水の熱膨張によって
、誘導傾斜部１５の一部と流出リップ部１６の全部の形
状および表面精度を損なうことがない。

次に、上記の板ガラスの成形用型の作用について説明す
る０図示していないガラス溶融槽の底に取付けられた流
出パイプ１７から流出した溶融ガラス（例えばホウケイ
酸クラウンガラス）１８は、ガラス流入部１４から誘導
傾斜部１５を経て流出リップ部６から流れ落ちる。この
とき、誘導傾斜部１５がその頂部に向けて幅が緩やかに
拡大しているため、溶融ガラス１８は徐々に幅を広げつ
つ流れる。そして、誘導傾斜部１５の頂部からオーバー
フローしたガラス１８は、その幅を維持したまま流出リ
ップ部１６の下り勾配面を伝って流れ落ち、仮ガラスと
なって図示していない徐冷炉に送り込まれる。成形され
た仮ガラスは例えば幅が４２０ｍ＋＊　、厚さが２．８
ｍｍ±０．１開である。

前述のように、板ガラスの成形にとって重要である流出
リップ部１６の全部と誘導傾斜部１５の一部が、使用時
に変形を起こさず、長期間にわたって正確な形状および
表面精度を有するので、成形される板ガラスの厚さが均
一であり、かつ型の寿命が従来のものと比べて非常に長
くなり、例えば３倍以上となる。

上記実施例について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではない０例えば、使用温度よりも高い温度で
真空吸引によって被覆板１３ａを密封密着する範囲は、
流出リップ部１６の全部と誘導傾斜部１５の一部に限定
されない、すなわち、流出リップ部１６はその形状およ
び表面精度が板ガラスの成形にとって最も重要であるの
で、必ず被覆板１３ａによって密封密着する必要がある
が、その他の部分（例えば誘導傾斜部１５、ガラス流入
部１４および側壁１２）は前記の被覆板１３ａによって
全く密封密着しなくてもよいし、その−部または全部を
被覆板１３ａで密封密着してもよい、被覆板１３ａによ
って密封密着されない範囲は、従来のごとく被覆板１３
によってただ単に被覆される。

更に、溝１９の加工は必ずしも必要なものではない、更
に、型の形状精度または表面精度を一層高める必要があ
る場合には、高温真空処理後、真４゜空状態を保ちなが
ら白金または白金合金製被覆板１３ａにフライス研削等
の機械加工を施せばよい。

更に、耐火材１１．ｌｌａとしては、電鋳レンガだけで
なく、白金または白金合金を腐食しないその他の耐火物
（例えば耐火レンガ、セラくツクス）、腐食はするがそ
の表面をアルξす質で被覆した耐火物、モリブデン、タ
ングステン等の金属、腐食しない耐火物や金属をアルミ
ナ質で被覆したものを使用することができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明では、少なくとも流出リッ
プ部の範囲の被覆板と耐火材の間の空気を真空吸引しな
がら、被覆板と耐火材を型の使用温度よりも高い温度ま
で昇温させて、被覆板を耐火材に密封密着したので、型
の使用時に、少なくとも流出リップ部が変形を起こさず
、長期間にわたって正確な形状および表面精度を有する
。従って、底形される仮ガラスの厚さが均一であり、か
つ型の寿命が従来のものと比べて非常に長くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による仮ガラスの成形用型の縦
断面図、第２図は第１図の型の平面図、第３図は第１図
に示した型の一部を製作するときの、耐火材を白金また
は白金合金製被覆板で被覆した状態を示す部分破断斜視
図、第４図と第５図は溝を有する第３図の耐火材の正面
図と平面図、第６図は被７！ｌ仮、耐火材およびその溝
の部分拡大断面図、第７図は従来の仮ガラス成形用型の
縦断面図である。 ＩＩ・・・底壁、　ｌｌａ・・・底壁の一部（耐火材）
、　１２・・・・側壁、　　　１３゜１３ａ・・・白金
または白金合金製被覆板、１４・・・ガラス流入部、　
　工５・・・誘導傾斜部、　　１６・・・流出リップ部
、　　エフ・・・流出パイプ、　　１８・・・溶融ガラ
ス、　　１９・・・溝、 ２０　・ ・パイプ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、耐火材からなる底壁および側壁と、この底壁の上面
   と側壁の内面を被覆する薄板状の白金または白金合金製
   の被覆板とを備え、 この底壁とそれを被覆する被覆板が、最も深いガラス溜
   りを形成するガラス流入部、このガラス流入部に続き徐
   々に浅くなると共に幅が広がるように形成された、上り
   勾配面を有する誘導傾斜部、およびこの誘導傾斜部の頂
   部に連なる下り勾配面を有する流出リップ部を備え、 流出リップ部から溶融ガラスが流れ落ちるように、流出
   側の側壁が部分的に切欠いてある 板ガラスの成形用型において、 少なくとも流出リップ部の範囲の耐火材がその表面全体
   を白金または白金合金製被覆板で被覆され、この被覆板
   が使用温度よりも高い温度で真空吸引によって耐火材表
   面に密封密着されていることを特徴とする板ガラスの成
   形用型。 ２、流出リップ部の全部と誘導傾斜部の一部の耐火材が
   、それらの表面全体を白金または白金合金製被覆板で被
   覆され、この被覆板が使用温度よりも高い温度で真空吸
   引によって耐火材表面に密封密着されていることを特徴
   とする、請求項１記載の板ガラスの成形用型。 ３、少なくとも流出リップ部の範囲の耐火材の表面全体
   を薄板状の白金または白金合金製の被覆板で被覆し、 この被覆板と耐火材との間の空気を真空吸引しながら、
   被覆板と耐火材を使用温度よりも高い温度まで昇温して
   、被覆板を耐火材表面に密着させ、真空状態を保ちなが
   ら被覆板を密封し、 この流出リップ部の被覆板を、他の部分の被覆板に溶接
   することを特徴とする請求項１記載の板ガラスの成形用
   型の製作方法。 ４、流出リップ部の範囲の耐火材を白金または白金合金
   製の被覆板で被覆する前に、この耐火材の表面に、多数
   の溝を間隔をおいて形成することを特徴とする、請求項
   ３記載の板ガラスの成形用型の製作方法。