JPH03173745A - 高強度ボルト用鋼 - Google Patents
高強度ボルト用鋼Info
- Publication number
- JPH03173745A JPH03173745A JP31265389A JP31265389A JPH03173745A JP H03173745 A JPH03173745 A JP H03173745A JP 31265389 A JP31265389 A JP 31265389A JP 31265389 A JP31265389 A JP 31265389A JP H03173745 A JPH03173745 A JP H03173745A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- delayed fracture
- strength
- bolt steel
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 52
- 239000010959 steel Substances 0.000 title claims abstract description 52
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 11
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 claims abstract description 10
- 229910052720 vanadium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 10
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims abstract description 7
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims abstract description 4
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 abstract description 24
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 abstract description 10
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 abstract description 4
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 abstract description 3
- 229910052717 sulfur Inorganic materials 0.000 abstract description 3
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 abstract description 2
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 229910052698 phosphorus Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 12
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 10
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 7
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 6
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 6
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 description 5
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 description 5
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N iron Substances [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 5
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 4
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 4
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 4
- 230000002776 aggregation Effects 0.000 description 3
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 3
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 3
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 3
- 238000009628 steelmaking Methods 0.000 description 3
- 238000009864 tensile test Methods 0.000 description 3
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 3
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000005054 agglomeration Methods 0.000 description 2
- 229910001567 cementite Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- KSOKAHYVTMZFBJ-UHFFFAOYSA-N iron;methane Chemical compound C.[Fe].[Fe].[Fe] KSOKAHYVTMZFBJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 2
- -1 Iron carbides Chemical class 0.000 description 1
- 229910000954 Medium-carbon steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000746 Structural steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000009825 accumulation Methods 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 230000000996 additive effect Effects 0.000 description 1
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 1
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 238000004220 aggregation Methods 0.000 description 1
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 1
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910001566 austenite Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000001627 detrimental effect Effects 0.000 description 1
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 1
- 150000002431 hydrogen Chemical class 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 239000004615 ingredient Substances 0.000 description 1
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- ZLANVVMKMCTKMT-UHFFFAOYSA-N methanidylidynevanadium(1+) Chemical class [V+]#[C-] ZLANVVMKMCTKMT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 1
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 description 1
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 230000001737 promoting effect Effects 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 238000010998 test method Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼に関
する。
する。
交】ム鉦皮術−
近年、軽量化のために、高強度ボルトに対する要望が建
築、橋梁、自動車部品等の分野でますます高まっている
。高強度ボルトとして、JISBII8B−を窃19で
はF8T、FIOT及びFIITが規定されており、こ
れらの材料としては従来JISG4105−8CM43
5あるいは30M44G鋼の焼入れ・焼戻しを施したも
のが一般に使用されている。
築、橋梁、自動車部品等の分野でますます高まっている
。高強度ボルトとして、JISBII8B−を窃19で
はF8T、FIOT及びFIITが規定されており、こ
れらの材料としては従来JISG4105−8CM43
5あるいは30M44G鋼の焼入れ・焼戻しを施したも
のが一般に使用されている。
しかし、上記ボルトに関するJIS規格では、最も強度
の高いF11Tボルト(引張強さ110〜130kgf
/+a鳳りの使用は推奨されていない、これは、引張強
さが120kgf/a+a”を超えるボルトを、高応力
下で、主として湿潤環境において長時間使用したとき、
切欠等を起点として、はとんど塑性変形を伴わずに破壊
する遅れ破壊という現象が生じるためである。
の高いF11Tボルト(引張強さ110〜130kgf
/+a鳳りの使用は推奨されていない、これは、引張強
さが120kgf/a+a”を超えるボルトを、高応力
下で、主として湿潤環境において長時間使用したとき、
切欠等を起点として、はとんど塑性変形を伴わずに破壊
する遅れ破壊という現象が生じるためである。
その原因としては、環境から水素が鋼中に侵入し、粒界
や不純物の周辺等の微視的型が発生している箇所に凝集
するためであるとされている。
や不純物の周辺等の微視的型が発生している箇所に凝集
するためであるとされている。
と
構造物あるいは機械部品の締結において、溶接が不可能
あるいは不適切な場合には、ボルトによる摩擦接合を用
いざるを得ないが、重量的にはどうしても不利となるた
め、高応力化によるボルト自体の軽量化が依然強く望ま
れている。そこで、本発明では、遅れ破壊の問題を解決
しつつ、 140kgf/mm2以上の引張強さを有
する高強度ボルト用鋼を提供するものである。
あるいは不適切な場合には、ボルトによる摩擦接合を用
いざるを得ないが、重量的にはどうしても不利となるた
め、高応力化によるボルト自体の軽量化が依然強く望ま
れている。そこで、本発明では、遅れ破壊の問題を解決
しつつ、 140kgf/mm2以上の引張強さを有
する高強度ボルト用鋼を提供するものである。
さらに、従来、高強度ボルトに関し、種々の合金設計あ
るいは熱処理法を用いた考案が提案されているが、いず
れも遅れ破壊問題の解決のみを課題とするものであった
。しかし、高強度ボルトでは、遅れ破壊の問題の解決は
もちろん重要であるが、それ以外にも、使用環境によっ
て種々の要求を満たさなければならない0例えば、高温
地帯の、しかも夏期の直射日光に長時間さらされるとい
う使われ方をするボルトの場合には、高温環境下におけ
る長期的特性についても十分に考慮する必要がある。す
なわち、温度による応力緩和(リラクセーション)に対
する考慮が必要となる。
るいは熱処理法を用いた考案が提案されているが、いず
れも遅れ破壊問題の解決のみを課題とするものであった
。しかし、高強度ボルトでは、遅れ破壊の問題の解決は
もちろん重要であるが、それ以外にも、使用環境によっ
て種々の要求を満たさなければならない0例えば、高温
地帯の、しかも夏期の直射日光に長時間さらされるとい
う使われ方をするボルトの場合には、高温環境下におけ
る長期的特性についても十分に考慮する必要がある。す
なわち、温度による応力緩和(リラクセーション)に対
する考慮が必要となる。
そこで、本発明は、遅れ破壊のみならず、高温(100
〜P0.℃)環境下での使用をも考慮にいれた高強度ボ
ルト用鋼を提供することを目的とする。
〜P0.℃)環境下での使用をも考慮にいれた高強度ボ
ルト用鋼を提供することを目的とする。
めの
上記目的を達成するため、本発明に係る高強度ボルト用
鋼は、重量比にして、C0,38〜0.50%、S L
0.18〜1.00%、Mn 0.10〜0.70
%、Cr0.50〜2.00%、M o 0.20〜1
.00%、V 0.05〜0.50%、AIo、005
〜0.050%、N 0.008〜0.020%、P
0.015%以下、S 0.005%以下、O0.00
3%以下を含有し、残部Feならびに不純物元素から成
り、かつ、C,Cr、Mo及び■の含有量がなる関係式
を満足することを特徴とする。
鋼は、重量比にして、C0,38〜0.50%、S L
0.18〜1.00%、Mn 0.10〜0.70
%、Cr0.50〜2.00%、M o 0.20〜1
.00%、V 0.05〜0.50%、AIo、005
〜0.050%、N 0.008〜0.020%、P
0.015%以下、S 0.005%以下、O0.00
3%以下を含有し、残部Feならびに不純物元素から成
り、かつ、C,Cr、Mo及び■の含有量がなる関係式
を満足することを特徴とする。
また、上記元素に加え、さらに、Ni0.5〜2゜5%
を含有してもよい。
を含有してもよい。
本発明による成分限定の理由を次に述べる。
Cは鋼の強度を上げるための基本的元素であり、本発明
の強度目標である140kgf/+im2を得るために
、その下限を0.36%とした。しかし、過度の添加は
靭性の低下を招き、また、粒界に析出する炭化物量が増
加することによる遅れ破壊強度の低下という問題も生ず
る。そこで上限を0.50%と定めた。
の強度目標である140kgf/+im2を得るために
、その下限を0.36%とした。しかし、過度の添加は
靭性の低下を招き、また、粒界に析出する炭化物量が増
加することによる遅れ破壊強度の低下という問題も生ず
る。そこで上限を0.50%と定めた。
Siは、脱酸剤として、構造用鋼の製造には必須の元素
であるが、オーステナイト化時の高温加熱による粒界酸
化を助長するため、遅れ破壊に対しては好ましくない元
素であると考えられている。
であるが、オーステナイト化時の高温加熱による粒界酸
化を助長するため、遅れ破壊に対しては好ましくない元
素であると考えられている。
しかし、オーステナイト化時の温度が厳しく管理された
熱処理状況下では、粒界酸化はそう問題とはならない、
むしろ、本発明では、Siの次のような効果に着目し、
これを積極的に利用することとした。まず、後述するよ
うに、Siは金属炭化物の組成を)hC型からM23C
11型に変える働きを有し、これが遅れ破壊抑制に有効
に作用する。また、Siは焼戻し軟化抵抗性を有し、同
一の強度に調整する場合に、より高温で焼き戻すことが
できるようになる。これは、熱処理後の粒界及び炭化物
−マトリックス間の微視的型を緩和し、水素の凝集を抑
制する。また、ボルトは高応力が負荷された状態で長時
間使用されるものであるが、このような状況下で、Si
は応力緩和(リラクセーション)を阻止し、高応力状態
を長時間に亘って維持する効果も有する。特にボルトの
使用環境が高温となる場合に、この耐リラクセーション
特性は重要なものとなる。このような観点から、本発明
鋼ではSiを最低0.18%添加することとした。望ま
しくは0.40%以上添加する。しかし、過度の添加は
上述の熱処理時の粒界酸化の危険性を増大させ、また、
他の型の炭化物の生成をも抑制して遅れ破壊強度を低下
させるようになるため、上限を1.00%とした。
熱処理状況下では、粒界酸化はそう問題とはならない、
むしろ、本発明では、Siの次のような効果に着目し、
これを積極的に利用することとした。まず、後述するよ
うに、Siは金属炭化物の組成を)hC型からM23C
11型に変える働きを有し、これが遅れ破壊抑制に有効
に作用する。また、Siは焼戻し軟化抵抗性を有し、同
一の強度に調整する場合に、より高温で焼き戻すことが
できるようになる。これは、熱処理後の粒界及び炭化物
−マトリックス間の微視的型を緩和し、水素の凝集を抑
制する。また、ボルトは高応力が負荷された状態で長時
間使用されるものであるが、このような状況下で、Si
は応力緩和(リラクセーション)を阻止し、高応力状態
を長時間に亘って維持する効果も有する。特にボルトの
使用環境が高温となる場合に、この耐リラクセーション
特性は重要なものとなる。このような観点から、本発明
鋼ではSiを最低0.18%添加することとした。望ま
しくは0.40%以上添加する。しかし、過度の添加は
上述の熱処理時の粒界酸化の危険性を増大させ、また、
他の型の炭化物の生成をも抑制して遅れ破壊強度を低下
させるようになるため、上限を1.00%とした。
Mnも製鋼時に脱酸剤として用いられるものであるが、
本発明では、焼入れ性向上作用を利用するため、0.1
0%以上添加することとした。しかし、Mnはセメンタ
イト中に固溶し、析出したセメンタイトの成長を促進す
ることから、遅れ破壊に対して悪影響を及ぼす、従って
上限を0.70%とした。
本発明では、焼入れ性向上作用を利用するため、0.1
0%以上添加することとした。しかし、Mnはセメンタ
イト中に固溶し、析出したセメンタイトの成長を促進す
ることから、遅れ破壊に対して悪影響を及ぼす、従って
上限を0.70%とした。
Crは焼入れ性を上げるのに有効な元素であり、大径の
ボルトに対して完全な熱処理を保障するために必要な元
素である。また、鋼の焼戻し時の軟化を遅らせ、より高
温での焼戻しを可能にするという効果も有する。従って
、0.50%以上添加することとしたが、2.00%を
超えても焼入れ性向上効果はそれ以上促進されず、粒界
炭化物の量を増加させるため、2.00%を上限値とし
た。
ボルトに対して完全な熱処理を保障するために必要な元
素である。また、鋼の焼戻し時の軟化を遅らせ、より高
温での焼戻しを可能にするという効果も有する。従って
、0.50%以上添加することとしたが、2.00%を
超えても焼入れ性向上効果はそれ以上促進されず、粒界
炭化物の量を増加させるため、2.00%を上限値とし
た。
Moも焼入れ性向上に顕著な効果を有し、また、鋼に焼
戻し軟化抵抗を付与する元素であるため、0.20%以
上添加することとした。しかし、1.00%以上添加し
てもそれらの効果は飽和し、逆に粒界炭化物の成長を促
進するため、上限を1.00%と定めた。
戻し軟化抵抗を付与する元素であるため、0.20%以
上添加することとした。しかし、1.00%以上添加し
てもそれらの効果は飽和し、逆に粒界炭化物の成長を促
進するため、上限を1.00%と定めた。
■は焼戻し時に微細な炭化物を形成することにより、2
次硬化作用を顕す、これにより、同一の強度を得るため
の焼戻し温度を高くすることができるため、0.05%
以上を添加することにした。しかし1.過度の添加は炭
化物の凝集肥大化及び粒、界への析出をもたらし、水素
の凝集源となることから、上限を0.50%とした。
次硬化作用を顕す、これにより、同一の強度を得るため
の焼戻し温度を高くすることができるため、0.05%
以上を添加することにした。しかし1.過度の添加は炭
化物の凝集肥大化及び粒、界への析出をもたらし、水素
の凝集源となることから、上限を0.50%とした。
Alは脱酸剤として用いられるとともに、鋼中では窒素
と結合してAllを形成し、結晶粒の微細化に寄与する
。従って、o、oos%以上添加することとしたが、過
度の添加は鋼中の非金属介在物量を増大させることから
、0.050%を上限とした。
と結合してAllを形成し、結晶粒の微細化に寄与する
。従って、o、oos%以上添加することとしたが、過
度の添加は鋼中の非金属介在物量を増大させることから
、0.050%を上限とした。
Nは上述の通り、Alとともに結晶粒微細化に寄与する
ものであるため、o、ooa%(80ppm)以上添加
することとした。しかし、過度の添加は製鋼時(凝固時
のブローホール発生)及び圧延時(熱間加工性の低下)
の困難をもたらすため、本発明ではその上限を0.02
0%(P0.ppm)とした。
ものであるため、o、ooa%(80ppm)以上添加
することとした。しかし、過度の添加は製鋼時(凝固時
のブローホール発生)及び圧延時(熱間加工性の低下)
の困難をもたらすため、本発明ではその上限を0.02
0%(P0.ppm)とした。
SはMnSとして非金属介在物を形成し、Pは鋼を著し
く脆化させる元素であるため、現在の一般的製鋼能力を
勘案して、ともにその上限値を前記の通り規制した。ま
た、0(酸素)は鋼中の非金属介在物形成源となり、遅
れ破壊に有害に作用するため、上限を0.003%(3
0ppm)とした。
く脆化させる元素であるため、現在の一般的製鋼能力を
勘案して、ともにその上限値を前記の通り規制した。ま
た、0(酸素)は鋼中の非金属介在物形成源となり、遅
れ破壊に有害に作用するため、上限を0.003%(3
0ppm)とした。
本発明における特徴は、各元素の量を各々上記の通りに
規制するとともに、さらに、C,Cr、MO及びVの含
有量が上記不等式を満足するように定めたことである。
規制するとともに、さらに、C,Cr、MO及びVの含
有量が上記不等式を満足するように定めたことである。
これは、鋼中の金属炭化物の組成について検討を重ねた
結果、以下の知見を得たためである。
結果、以下の知見を得たためである。
鋼中における鉄炭化物はおもにFe5C1FeasC・
等の形で存在する。Cr、Mo等、他の金属が存在する
場合には、それらの炭化物中のFeの一部がそれら金属
により置き換えられて一般にMsC,LsCaとなるが
、基本的には同様である。ただし、■が存在する場合に
は、上述の通り、焼戻し過程で微細なバナジウム炭化物
が析出し、Fe2sce+Vac*となる。
等の形で存在する。Cr、Mo等、他の金属が存在する
場合には、それらの炭化物中のFeの一部がそれら金属
により置き換えられて一般にMsC,LsCaとなるが
、基本的には同様である。ただし、■が存在する場合に
は、上述の通り、焼戻し過程で微細なバナジウム炭化物
が析出し、Fe2sce+Vac*となる。
いずれの炭化物も鋼マトリックスとは全く別の結晶構造
を有しているため、炭化物とマトリックスの境界では原
子配列の不整合が生じ、微視的な歪を引き起こすが、そ
の中でもFezOはマトリックスとの整合性が悪く、特
に粒界に析出した場合には、主要な水素集積箇所となり
、遅れ破壊強度を著しく低下させる。それに対し、Fe
25Cs+V4Csの方ば比較的マトリックスとなじみ
が良く、そのおそれが少ない。
を有しているため、炭化物とマトリックスの境界では原
子配列の不整合が生じ、微視的な歪を引き起こすが、そ
の中でもFezOはマトリックスとの整合性が悪く、特
に粒界に析出した場合には、主要な水素集積箇所となり
、遅れ破壊強度を著しく低下させる。それに対し、Fe
25Cs+V4Csの方ば比較的マトリックスとなじみ
が良く、そのおそれが少ない。
鋼中にCr、Mo、Vを添加した場合、Cの量がそれら
炭化物形成金属の量に対して相対的に多い場合、Fe*
Cmの炭化物の量が多くなる。そこで、本発明では、こ
の効果に対する各添加元素の寄与率の違いを勘案して、
式 %式% の値が0.6を超えないように各元素の相対的な量を規
制し、耐遅れ破壊特性に悪影響を及ぼすFe5CIJの
炭化物の量を抑制することにした。Siも、この炭化物
のFezOからFeasts÷Va Csへの変化を促
進する効果を有する。
炭化物形成金属の量に対して相対的に多い場合、Fe*
Cmの炭化物の量が多くなる。そこで、本発明では、こ
の効果に対する各添加元素の寄与率の違いを勘案して、
式 %式% の値が0.6を超えないように各元素の相対的な量を規
制し、耐遅れ破壊特性に悪影響を及ぼすFe5CIJの
炭化物の量を抑制することにした。Siも、この炭化物
のFezOからFeasts÷Va Csへの変化を促
進する効果を有する。
1敷1
以下、本発明鋼の具体例の特性を、比較鋼及び従来鋼と
比較して説明する。第1表に、本発明鋼、比較鋼及び従
来鋼の化学成分及び前記式の計算結果を示す、第1表に
おいて、A、B、C,D及びEは第1発明鋼であり、F
はNiを含有する第2発明鋼である。G、H,I、J及
びKは比較鋼であり、 「従来鋼」としたLはJIS−
8CM440鋼である。
比較して説明する。第1表に、本発明鋼、比較鋼及び従
来鋼の化学成分及び前記式の計算結果を示す、第1表に
おいて、A、B、C,D及びEは第1発明鋼であり、F
はNiを含有する第2発明鋼である。G、H,I、J及
びKは比較鋼であり、 「従来鋼」としたLはJIS−
8CM440鋼である。
これらの供試鋼をφ10mmの線材に圧延した後、あら
かじめ、焼入れ温度及び焼戻し温度と引張強さとの関係
を調査した。焼入れは850℃〜960℃の各温度で行
い、焼戻しは350〜600℃の各温度×60分で行な
った。その結果、引張強さが140kgf/mm2以上
となるときの各供試鋼の焼入れ温度及び焼戻し温度は、
第2表に示す通りであった。ここで、焼入れ温度は、加
熱時のオーステナイト結晶粒度がJIS G 0551
試験方法による結晶粒度番号7よりも大きく(結晶粒が
細かく)なり、かつ、焼戻し温度が最も高くなるように
設定した0本発明鋼はCr 、 M o 、 Vを含有
するばかSiを0.18%以上含有するため、焼戻し軟
化抵抗が大きく現れ、引張強さを140kgf/am2
以上とするための焼戻し温度は、従来鋼(SCM440
)が450℃であるのに比べ、本発明鋼では480〜6
00℃と高くなっている。
かじめ、焼入れ温度及び焼戻し温度と引張強さとの関係
を調査した。焼入れは850℃〜960℃の各温度で行
い、焼戻しは350〜600℃の各温度×60分で行な
った。その結果、引張強さが140kgf/mm2以上
となるときの各供試鋼の焼入れ温度及び焼戻し温度は、
第2表に示す通りであった。ここで、焼入れ温度は、加
熱時のオーステナイト結晶粒度がJIS G 0551
試験方法による結晶粒度番号7よりも大きく(結晶粒が
細かく)なり、かつ、焼戻し温度が最も高くなるように
設定した0本発明鋼はCr 、 M o 、 Vを含有
するばかSiを0.18%以上含有するため、焼戻し軟
化抵抗が大きく現れ、引張強さを140kgf/am2
以上とするための焼戻し温度は、従来鋼(SCM440
)が450℃であるのに比べ、本発明鋼では480〜6
00℃と高くなっている。
各供試鋼より引張試験片(JIS Z 220114A
号)を製作し、第2表に示す各温度で焼入れ及び焼戻し
を行なった後、引張試験を行なった。その結果を第2表
に示す0本発明鋼は従来鋼及び比較鋼と比べ、伸び、絞
り値で表わされる延性が高いことがわかる。
号)を製作し、第2表に示す各温度で焼入れ及び焼戻し
を行なった後、引張試験を行なった。その結果を第2表
に示す0本発明鋼は従来鋼及び比較鋼と比べ、伸び、絞
り値で表わされる延性が高いことがわかる。
次に、各供試鋼よりボルトを製造し、引張試験と同じ条
件で(すなわち、引張強さが140kgf/m+i’と
なるように)熱処理した後、遅れ破壊試験及びリラクセ
ーション試験を行なった。その結果も第2表に示す、遅
れ破壊試験の方法は次の通りである。
件で(すなわち、引張強さが140kgf/m+i’と
なるように)熱処理した後、遅れ破壊試験及びリラクセ
ーション試験を行なった。その結果も第2表に示す、遅
れ破壊試験の方法は次の通りである。
熱処理した供試ボルトを5%HCI溶液中に30分浸漬
し、水素を吸蔵させた後、種々の応力で締め付けて放置
し、P0.時間後に破断しない最大の付加応力σP0.
の引張強さσ8に対する比σ2oo/σ酋(遅れ破壊強
度比)により、遅れ破壊に対する強さを評価した。この
遅れ破壊強度比では、従来鋼が0.35、比較鋼が0.
25〜0.88と低い値であるのに対し、本発明鋼は0
.9以上と非常に高い値を示しており、高応力でも遅れ
破壊の心配がなく使用することができることが判明した
。リラクセーションは、供試ボルトを0.8Xσ8の応
力まで締め付け、P0.℃の温度下で100時間放置し
た後の応力低下量Δσを0.8Xσ8で除した値[Δσ
バ0.8Xσ@)]で評価した。
し、水素を吸蔵させた後、種々の応力で締め付けて放置
し、P0.時間後に破断しない最大の付加応力σP0.
の引張強さσ8に対する比σ2oo/σ酋(遅れ破壊強
度比)により、遅れ破壊に対する強さを評価した。この
遅れ破壊強度比では、従来鋼が0.35、比較鋼が0.
25〜0.88と低い値であるのに対し、本発明鋼は0
.9以上と非常に高い値を示しており、高応力でも遅れ
破壊の心配がなく使用することができることが判明した
。リラクセーションは、供試ボルトを0.8Xσ8の応
力まで締め付け、P0.℃の温度下で100時間放置し
た後の応力低下量Δσを0.8Xσ8で除した値[Δσ
バ0.8Xσ@)]で評価した。
本発明鋼は、比較鋼及び従来鋼と比較して応力低下量が
少なく、比較的高温環境下でも安定した締め付は力が維
持されることを示している。
少なく、比較的高温環境下でも安定した締め付は力が維
持されることを示している。
見班夏羞釆
以上説明した通り、本発明では、中炭素鋼をペースとし
てS i、Mn、Cr、Mo、V、Al、Nを添加し、
かつ、C,Cr、Mo及びVの含有量について所定の関
係式を定めることにより、金属炭化物の組成を、遅れ破
壊に有害なM3C型から比較的無害なM23C6型に変
える。Siの添加も、この炭化物の組成変化に寄与する
。また、Siを積極的に添加させることにより、比較的
高温(100〜P0.℃)環境下でのりラグセーション
特性を向上させた。これにより、本発明鋼による高強度
ボルトは遅れ破壊強度が高く、高応力で使用することが
できるため、構造物等の軽量化に大きく寄与する。また
、高耐リラクセーション性により、使用環境温度が高く
なった場合でも締め付は力が低下することなく、初期の
接合力を長時間保つことができる。
てS i、Mn、Cr、Mo、V、Al、Nを添加し、
かつ、C,Cr、Mo及びVの含有量について所定の関
係式を定めることにより、金属炭化物の組成を、遅れ破
壊に有害なM3C型から比較的無害なM23C6型に変
える。Siの添加も、この炭化物の組成変化に寄与する
。また、Siを積極的に添加させることにより、比較的
高温(100〜P0.℃)環境下でのりラグセーション
特性を向上させた。これにより、本発明鋼による高強度
ボルトは遅れ破壊強度が高く、高応力で使用することが
できるため、構造物等の軽量化に大きく寄与する。また
、高耐リラクセーション性により、使用環境温度が高く
なった場合でも締め付は力が低下することなく、初期の
接合力を長時間保つことができる。
Claims (2)
- (1)重量比にして、C0.36〜0.50%、Si0
.18〜1.00%、Mn0.10〜0.70%、Cr
0.50〜2.00%、Mo0.20〜1.00%、V
0.05〜0.50%、Al0.005〜0.050%
、N0.008〜0.020%、P0.015%以下、
S0.005%以下、O0.003%以下を含有し、残
部Feならびに不純物元素から成り、かつ、C、Cr、
Mo及びVの含有量が C/((1/4)・Cr+Mo+2・V)<0.6なる
関係式を満足することを特徴とする高強度ボルト用鋼。 - (2)上記元素に加え、さらに、Ni0.5〜2.5%
を含有することを特徴とする請求項1記載の高強度ボル
ト用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31265389A JPH03173745A (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 高強度ボルト用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31265389A JPH03173745A (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 高強度ボルト用鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03173745A true JPH03173745A (ja) | 1991-07-29 |
Family
ID=18031802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31265389A Pending JPH03173745A (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 高強度ボルト用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03173745A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1598437A1 (en) * | 2003-02-20 | 2005-11-23 | Nippon Steel Corporation | High strength steel product excellent in characteristics of resistance to hydrogen embrittlement |
US7070664B2 (en) | 2001-03-22 | 2006-07-04 | Nippon Steel Corporation | High strength bolt superior in delayed fracture resistant property and steel material for the same |
-
1989
- 1989-11-30 JP JP31265389A patent/JPH03173745A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7070664B2 (en) | 2001-03-22 | 2006-07-04 | Nippon Steel Corporation | High strength bolt superior in delayed fracture resistant property and steel material for the same |
EP1598437A1 (en) * | 2003-02-20 | 2005-11-23 | Nippon Steel Corporation | High strength steel product excellent in characteristics of resistance to hydrogen embrittlement |
EP1598437A4 (en) * | 2003-02-20 | 2006-11-22 | Nippon Steel Corp | HIGH STRENGTH STEEL PRODUCT WITH EXCELLENT RESISTANCE TO HYDROGEN INJURY |
EP1832666A3 (en) * | 2003-02-20 | 2007-12-12 | Nippon Steel Corporation | High-strength steel material with excellent hydrogen embrittlement resistance |
US8016953B2 (en) | 2003-02-20 | 2011-09-13 | Nippon Steel Corporation | High-strength steel material with excellent hydrogen embrittlement resistance |
US8557060B2 (en) | 2003-02-20 | 2013-10-15 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | High-strength steel material with excellent hydrogen embrittlement resistance |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4381355B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた引張強さ1600MPa級以上の鋼およびその成型品の製造方法 | |
US20160010191A1 (en) | High-hardness low-alloy wear-resistant steel sheet and method of manufacturing the same | |
JP5608145B2 (ja) | 耐遅れ破壊性に優れたボロン添加高強度ボルト用鋼および高強度ボルト | |
US2791500A (en) | High strength aircraft landing gear steel alloy elements | |
JP3932995B2 (ja) | 高周波焼もどし用鋼およびその製造方法 | |
JP2007070654A (ja) | 焼き入れ性に優れた耐熱ディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼板 | |
CN111705261B (zh) | 一种高应力弹簧钢及其制备工艺 | |
JP4207137B2 (ja) | 高硬度高耐食ステンレス鋼 | |
CN113166901B (zh) | 蠕变强度优异的铬钼钢板及其制备方法 | |
JP4846916B2 (ja) | 特に自動車用車両部品を製造するために有用な極めて高い弾性限度及び機械的強度を有している熱間圧延鋼 | |
RU2681074C1 (ru) | Способ производства коррозионностойкого проката из низколегированной стали | |
JP2001140041A (ja) | ばね用複層組織クロム系ステンレス鋼およびその製造方法 | |
JP4344126B2 (ja) | ねじり特性に優れる高周波焼もどし鋼 | |
JPS59129724A (ja) | 厚肉超高張力鋼の製造方法 | |
KR101795278B1 (ko) | 초고강도 스프링강 | |
JPH03173745A (ja) | 高強度ボルト用鋼 | |
CN111961991A (zh) | 一种超高强塑积trip型双相不锈钢及其制备方法 | |
JP2505235B2 (ja) | 高強度ばね鋼 | |
CN114196873A (zh) | 一种低窄淬透性带20CrMnTiH齿轮钢、棒材及其制造方法 | |
JPH0436441A (ja) | 高強度・高靭性ステンレス鋼およびその製造方法 | |
JP3999915B2 (ja) | 加工性に優れた冷間鍛造用電縫鋼管とその製造方法 | |
JPH07126799A (ja) | 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルトの製造方法 | |
JPS6130653A (ja) | 高強度ばね鋼 | |
JP4331731B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼およびその鋼で製造されたばね | |
JPH03193845A (ja) | 高強度ボルト用鋼 |