JPH0317102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、通信・動力用のケーブル、電線
管、水道管等のパイプ、ダクトその他のケーブル
類をケーブルラツク内、適宜なブラケツトの如き
支持架台に支持バンドにて支持固定するとき、ケ
ーブル類を仕分けするスペーサー装置に関する。

（従来の技術） 従来、ケーブルラツク内でケーブル、電線管等
を支持固定するには、例えば、特公昭56−27749
号でのケーブル等の支持装置がある。この支持装
置は、正面からみて台形状のクリート本体を軽量
リツプ溝形製鋼の子桁材上にねじ止め固定し、こ
のクリート本体にてケーブル類を挟着支持するも
のとなつている。これによれば、ケーブル類のサ
イズの変化に対応でき、小径のものから大径のも
のに至るまで任意のものに適用できる利点があ
る。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上述した従来の支持装置によると、
ケーブル類の１本毎に挟着して仕分けしなければ
ならず、大径のものであれば、その１本毎の仕分
け支持は確実となる半面、小径のものであれば、
１本毎の仕分け支持は極めて面倒である。すなわ
ち、並列状態で多数の小径のケーブル類を支持す
る場合は、ケーブル数に１個多いクリート本体数
を要し、夫々の仕分けのためのクリート本体のね
じ止め固定は、面倒な作業であつた。

また、クリート本体での側面傾斜角度と、支持
すべきケーブル類の径での彎曲面とがしつくりと
対応しない場合には、ケーブル類のガタつきが生
じ、抜け出すこともある。

そこで、この考案は、叙上のような従来存した
点に鑑み案出されたものであり、ケーブル類の大
径、小径に限らず整列状態で複数本に纏めて支持
バンドによつて支持架台に支持するものとすると
き、この支持バンド内でのケーブル類の仕分けを
支持架台上で極めて簡単に行うことができ、しか
も、作業能率を大きく向上できるようにすること
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上述した目的を達成するため、この考案にあつ
ては、リツプ部分を有する支持架台に載置したケ
ーブル類の外形に沿つて当接せしめて、ケーブル
類の一側方位置と他側方位置とでの支持架台部位
に支持バンドを固定する支持バンドでのスペーサ
ー装置において、支持架台のリツプ部分内縁に係
合する係合盤と、支持架台上に跨装される断面ほ
ぼ溝形の台座盤と、所定高さを有する筒状の仕分
け材と、この仕分け材内に貫挿される仕分けボル
トとから成り、係合盤と台座盤とで支持架台のリ
ツプ部分を挟み込んで仕分けボルトを係合盤にね
じ止めすることとした。

また、ケーブル類の一側方位置と他側方位置と
での支持架台部位に支持バンドを固定すると共
に、支持バンドの中間位置を仕分けボルトに固定
することとした。

（作用） この考案に係るケーブル類を支持する支持バン
ドでのスペーサー装置において、支持架台上に載
置通線した所定の通信・動力用のケーブル、電線
管、水道管等のパイプ、ダクトその他のケーブル
類の上側において、ケーブル類の外形に沿つて、
支持バンドを彎曲ないし折曲して当接しておく。

そして、所定高さを有する筒状の仕分け材内及
び台座盤に貫挿させて仕分けボルトを係合盤にね
じ込んでおく。

次いで、支持架台でのケーブル類の仕分け部位
において、支持架台のリツプ部分内縁に係合盤を
係合し、台座盤を支持架台上に跨装した状態で仕
分けボルトをねじ込んでいけばよい。このよう
に、支持架台のリツプ部分を係合盤と台座盤とで
挟み込んでいることから、仕分けボルトを係合盤
にねじ込むことで、係合盤と台座盤とで支持架台
のリツプ部分を堅固に挟着し、仕分けボルトに貫
挿した仕分け材と、係合盤及び台座盤が支持架台
に固定される。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説
明する。

図面にあつては、ケーブルラツク内に通信・電
力用のケーブル、電線管その他の配線資材のケー
ブル類Ｃを支持する場合を示しており、リツプ部
分を有する支持架台Ｌとして、例えば、ケーブル
ラツクにおける上向き開口の軽量リツプ溝形鋼材
製の子桁に固定されるものとしてある。

支持架台Ｌにケーブル類Ｃを固定するには、先
ず、支持架台Ｌ上に断面ほぼ溝形状の合成樹脂製
の台座部材Ｔを装着し、この台座部材Ｔ上にケー
ブル類Ｃを載置することでケーブルラツク内に引
き込み通線し、位置決めした後、支持架台Ｌに固
定装置１０を介してねじ止め固定される支持バン
ドＢによつてケーブル類Ｃを支持架台Ｌに支持固
定する。

そして、支持バンドＢ内で、ケーブル類Ｃを仕
分けするには、この考案スペーサー装置を使用す
る。

すなわち、この考案スペーサー装置は、第１図
に示すように、支持架台Ｌのリツプ部分内縁に係
合する係合盤１と、支持架台上に跨装される断面
ほぼ溝形の台座盤２と、所定高さを有する筒状の
仕分け材３と、この仕分け材３内に貫挿されて係
合盤１にねじ止めされる仕分けボルト４とから成
る。

係合盤１は、第１図に示すように、支持架台Ｌ
のリツプ部分相互間の間〓から直接に挿入され、
支持架台Ｌ内でほぼ90度回転されてリツプ部分内
縁に係合する窪みを有する平面ほぼ平行四辺形状
に形成されている。また、係合盤１の略中央部に
は、仕分けボルト４の雄ネジ部分６をねじ込んで
係合盤１に仕分けボルト４を固定するための雌ネ
ジ孔５が設けられている。

台座盤２は、第１図に示すように、支持架台Ｌ
の幅員に比し小さくはない内法幅員を有し、支持
架台Ｌの長さ方向と台座盤２との溝方向とは合致
される。また、台座盤２の溝方向での長さは支持
固定すべきケーブル類Ｃ相互間での間〓幅にほぼ
対応し、場合によつては複数の台座盤２を並列さ
せることで間〓幅に対応させる。台座盤２自体に
は、仕分けボルトＢを貫挿させるための透孔が開
穿されており、場合によつては、強制的に仕分け
ボルト４が嵌め込まれる。

尚、支持バンドＢは、偏平な所定幅員の帯状に
形成され、その両側部分に金属線が埋入された可
撓性の合成樹脂を素材としており、手指等による
外力によつてケーブル類Ｃの外形に沿うよう彎曲
ないし折曲され、それを維持するようになつてい
る。また、支持バンドＢ自体は、ホール構造の切
断刃を有するパンチ工具にて所定径の透孔が樹脂
部分の任位置に開穿され、切断工具にて任意長さ
で切断されるものとしてある。

次に、これが使用の一例を説明するに、支持架
台Ｌ上に載置通線した所定のケーブル類Ｃの上側
において、ケーブル類の外形に沿つて、支持バン
ドＢを彎曲ないし折曲して当接し、固定装置１０
にて支持架台Ｌに固定する。

次いで、所定高さを有する筒状の仕分け材３内
及び台座盤２に仕分けボルト４を貫挿して、仕分
けボルト４の雄ネジ部分６を係合盤１の雌ネジ孔
５にねじ込んでおく。そして、支持架台Ｌでのケ
ーブル類Ｃの仕分け部位において、係合盤１を支
持架台Ｌのリツプ部分相互間の間〓から挿入し、
支持架台Ｌ内でほぼ90度回転させて支持架台Ｌの
リツプ部分内縁に係合盤１の窪みを係合させる。
このとき、台座盤２は、支持架台Ｌ上に跨装した
状態にしておく。この状態で仕分けボルト４を係
合盤１の雌ネジ孔５に更にねじ込むと、係合盤１
が支持架台Ｌのリツプ部分内縁にしつかり係合
し、同時に台座盤２が支持架台Ｌのリツプ部分を
外側から押え付けることとなる。即ち、支持架台
Ｌのリツプ部分を係合盤１と台座盤２とで挟みこ
んだ状態で仕分けボルト４を係合盤１の雌ネジ孔
５にねじ込み、仕分けボルト４に貫挿した仕分け
材３と、係合盤１及び台座盤２を支持架台Ｌに固
定するのである。尚、仕分けボルト４に貫挿した
仕分け材３は、第２図に示すように、その一端が
台座盤２に当接した状態で他端を仕分けボルト４
のボルト頭によつて押え付けられ、支持架台Ｌに
しつかりと固定される。

そして、第２図に示すように、本考案に係るス
ペーサー装置によつてケーブル類Ｃを仕分けした
上で、支持架台Ｌに設置した固定装置１０に支持
バンドＢをねじ止め固定し、ケーブル類Ｃを支持
架台Ｌに支持固定するのである。このとき、第１
図及び第３図に示すように、仕分けボルト４と仕
分け材３の間に支持バンドＢを貫挿させて、支持
バンドＢの中間位置を仕分けボルト４に固定して
仕分けボルト４を係合盤１の雌ネジ孔５にねじ込
んだときには、ケーブル類Ｃを仕分けすると共
に、支持バツドＢの中継固定を図り、より確実に
ケーブル類Ｃを支持架台Ｌに支持固定できる。

（考案の効果） 上述したこの考案によると、複数のケーブル類
Ｃを纏めて支持バンドＢにて支持架台Ｌに支持固
定するとき、ケーブル類Ｃの相互間でそれらを極
めて簡単に仕分けでき、しかもそれを低コストで
確実に行うことができる。

即ち、この考案は、支持架台Ｌのリツプ部分内
縁に係合する係合盤１と、支持架台Ｌ上に跨装さ
れる断面ほぼ溝形の台座盤２と、所定高さを有す
る筒状の仕分け材３と、この仕分け材３内に貫挿
される仕分けボルト４とから成り、係合盤１と台
座盤２とで支持架台Ｌのリツプ部分を挟み込んで
仕分けボルト４を係合盤１にねじ止めすることか
ら、支持架台Ｌ上でのケーブル類Ｃの仕分けは確
実であり、外力によつて簡単に外れることはな
く、しかも、作業は能率的に実施できるものであ
る。

尚、支持バンドＢにおいては、必要とする長さ
に切断すればよく、支持架台Ｌへの固定位置も任
意に設定でき、それは例えば、支持バンドＢに対
しての透孔の開穿でよいから、現場での加工対応
性に優れる。

更に、ケーブルに限らず、電線管、水道管等の
パイプ類、空調用のダクトその他をも支持固定す
るものとして実施できるのは勿論である。

また、ケーブルラツク内での支持架台Ｌ上での
仕分けのみならず、壁面固定のブラケツトでの仕
分け等、支持架台Ｌの設置形態に制限されずに実
施でき、しかも、ケーブル類Ｃの支持固定面がわ
からの施工でよく、能率的に行うことが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案を例示するもので、第１図は分
解斜視図、第２図は支持固定状態での正面図、第
３図は他の支持固定状態での一部切欠正面図であ
る。 Ｃ……ケーブル類、Ｌ……支持架台、Ｔ……台
座部材、１……係合盤、２……台座盤、３……仕
分け材、４……仕分けボルト、５……雌ネジ孔、
６……雄ネジ部分、１０……固定装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ リツプ部分を有する支持架台に載置したケー
   ブル類の外形に沿つて当接せしめて、ケーブル
   類の一側方位置と他側方位置とでの支持架台部
   位に支持バンドを固定する支持バンドでのスペ
   ーサー装置において、支持架台のリツプ部分内
   縁に係合する係合盤と、支持架台上に跨装され
   る断面ほぼ溝形の台座盤と、所定高さを有する
   筒状の仕分け材と、この仕分け材内に貫挿され
   る仕分けボルトとから成り、係合盤と台座盤と
   で支持架台のリツプ部分を挟み込んで仕分けボ
   ルトを係合盤にねじ止めしたことを特徴とした
   ケーブル類を支持する支持バンドでのスペーサ
   ー装置。 ２ ケーブル類の一側方位置と他側方位置とでの
   支持架台部位に支持バンドを固定すると共に、
   支持バンドの中間位置を仕分けボルトに固定し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載のケーブ
   ル類を支持する支持バンドでのスペーサー装
   置。