JPH0316419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ ［産業上の利用分野］ 本考案は施肥機に係り、たとえば、石炭窒素や
炭カル等の異なる種類の肥料を混合した土壌改良
剤を圃場に散布するものに関する。

［従来の技術］ 従来、この種の施肥機としては、たとえば、実
公昭57−737号公報に記載されているように、ホ
ツパー内に区画形成された複数種の肥料を収納す
る収納部の下端部のそれぞれに繰出ロールを回動
自在に設け、この複数の繰出ロールの下方部の混
合室内に掻き出し板を有する円盤状の撹拌板を回
動自在に軸架した構造が知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記公報記載の構造では、複数の繰出ロールに
よつて混合室内に繰出された複数種の肥料は、撹
拌板の回動によつて撹拌混合されるとともに、混
合肥料は、その掻き出し板の移動によつて掻き出
されるものであるが、この際、複数の繰出ロール
から繰出される複数種の肥料は、撹拌板の上面部
に堆積することがあり、またその性状によつて撹
拌板の上面部において塊体化するおそれがあり、
また、繰出ロールから繰出された分量の肥料がそ
のまま充分に混合されて掻き出し板によつて掻き
出されないことがある、という問題がある。

そこで、本考案はこのような問題点に鑑みてな
されたもので、異なる種類の肥料を混合部に誘導
して集中化できるようにするとともに、これを摺
動しながら混合して排出施肥できるようにし、こ
れにより、混合部に肥料が堆積したり、塊体化す
ることを防止できるとともに、混合部に誘導され
た肥料がそのまま充分に混合されて排出施肥でき
る施肥機を提供することを目的とするものであ
る。

［考案の構成］ ［問題点を解決するための手段］ 本考案の施肥機は、異なる種類の肥料を収納す
る複数の収納部を形成するとともに、この各収納
部の下端部の繰出部内にそれぞれの肥料を下方に
繰出す繰出体を回動自在に設けたホツパーと、こ
のホツパーの下方部に揺動自在に設けられ前記各
繰出部から繰出される異なる種類の肥料を混合す
る揺動体と、を備え、前記ホツパーは、両側部に
吊持用の支軸を設けるとともに、前記一方の繰出
体の繰出軸の一端部に円盤を固着し、前記揺動体
は、両側部に吊持杆を有するフレームの前後部に
前記ホツパーの各繰出部から繰出される異なる種
類の肥料を前後方向から中間下部に向つて誘導す
る誘導体を設けるとともに、この前後の誘導体の
下端部間に異なる種類の肥料を混合して排出施肥
する混合施肥体を設け、前記フレームの両側部の
吊持杆を前記ホツパーの支軸に回動自在に吊持
し、前記フレームと前記一方の繰出体の円盤の偏
心位置との間に連動杆を回動自在に取着したもの
である。

［作用］ 本考案の施肥機では、ホツパーの各収納部内に
それぞれ異なる種類の肥料を収納する。そして、
各繰出部内の繰出体が回転されるとともに、この
各繰出体の繰出作用によつてそれぞれの収納部内
の肥料が繰出部から所定量ずつ下方の揺動体に向
つて繰出される。

また、一方の繰出体の回転によりこの繰出軸の
円盤が回転されるとともに、この円盤の回転によ
り支軸を介して連動杆が前後方向に進退回動さ
れ、この連動杆によつて揺動体が各支軸を支点と
して前後方向に揺動される。したがつて、繰出部
から所定量ずつ下方に繰出されるそれぞれの異な
る種類の肥料は、揺動体の揺動するそれぞれの前
後の誘導体上に落下されるとともに、この誘導体
の誘導作用によつてそれぞれが前後方向から前後
の誘導体の下端部間の混合施肥体上に導入され、
この異なる種類の肥料は、この混合施肥体の揺動
動作によつて混合され、かつ、この混合肥料は混
合施肥体から排出施肥される。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図において、１はホツパーで、このホツパー１
内には仕切板２を介して前後部に異なる種類の肥
料を収納する収納部３，４が形成され、この前後
の収納部３，４の下端部にはそれぞれに収納され
た肥料を繰出す繰出部５，６が形成されている。
この前後の繰出部５，６は、収納部３，４の円弧
状の底板７に多数の排出口８が所定の間隔毎に形
成され、この各底板７の下面部には上記各排出口
８に対応した調節口９を所定の間隔毎に形成した
円弧状の調節板１０が進退調節自在に取付けら
れ、さらに、前記各底板７の上面部には繰出体と
してのアジテータ１１がそれぞれ配設されてこの
それぞれのアジテータ１１の繰出軸１２の両端部
がそれぞれの左右の側板の下端近傍部に回動自在
に軸架されている。また、前記一方の繰出軸１２
の中間部には入力軸１３を前方に向けて回動自在
に突設したミツシヨン１４が連動連結され、上記
一方の繰出軸１２の一端部と他方の繰出軸１２の
一端部とは連動媒体１５を介して回動自在に連動
連結されている。

つぎに、前記ホツパー１の前後左右に水平状の
支軸１６が突設され、この各支軸１６のそれぞれ
には揺動体１７の四隅部に回動自在に立設された
各吊持杆１８の上端部の連繋部１９が回動自在に
嵌挿支架されている。この揺動体１７は、相対す
る左右のフレーム２０の前後の両端部間に相対す
る前後のフレーム２１が取付けられ、この前後の
フレーム２１の両端部に上記各吊持杆１８の下端
部の連結部２２が嵌挿されて回動自在に取付けら
れ、前後左右のフレーム２０の前後部上に支持片
２３が一体に突設されている。そして前後左右部
の相対する支持片２３間には誘導体としての前側
の誘導板２４がその上部を上記前側の繰出部５の
前方下部から後側下方に向つて所定の傾斜角度で
傾斜した状態で止着され、また前記後側左右部の
相対する支持片２３間には誘導体としての後側の
誘導板２４がその上部を前記後側の繰出部６の後
方下部から前側下方に向つて所定の傾斜角度で傾
斜した状態で止着され、この相対す前後の誘導板
２４の下端部間には混合施肥体としての網状体２
５が一体に張設されている。また前記一側後部の
吊持杆１８に連動杆２６の一端部が支軸２７を介
して回動自在に取付けられているとともに、この
連動杆２６の他端部が前記後部の繰出部６の繰出
軸１２の一端部に止着された円盤２８の偏心位置
に支軸２９を介して回動自在に取付けられてい
る。

なお、図中３０は連結突片、３１はホツパー１
に着脱自在に被覆された蓋体である。

このように構成されたものにおいて、ホツパー
１の各収納部３，４内にそれぞれ異なる種類の肥
料ａ，ｂを収納する。また、この各収納部３，４
の繰出部５，６における調節板１０を進退調節
し、底板７の排出口８に対する調節口９の連通度
合を調節設定する。

つぎに、入力軸１３が駆動されると、ミツシヨ
ン１４からの動力によつて前側のアジテータ１１
の繰出軸１２が連動されるとともに、連動媒体１
５を介して後側のアジテータ１１の繰出軸１２が
連動され、この前後のアジテータ１１がそれぞれ
の繰出部５，６内において回転され、この前後の
アジテータ１１の繰出作用によつてそれぞれの収
納部３，４内の肥料ａ，ｂが繰出部５，６の排出
口８から所定量ずつ下方の揺動体１１に向つて繰
出される。

また、後側のアジテータ１１の繰出軸１２が回
転されるとともに、この繰出軸１２の円盤２８の
回転により支軸２９を介して連動杆２６が前後方
向に進退回動され、この連動杆２６によつて揺動
体１７が各支軸１６を支点として前後方向に揺動
される。したがつて、繰出部５，６から所定量ず
つ下方に繰出されるそれぞれの異なる種類の肥料
ａ，ｂは、揺動体１７の揺動するそれぞれの前後
の誘導板２４上に落下されるとともに、この誘導
板２４の傾斜面にそつてそれぞれが前後方向から
前後の誘導板２４の下端部間の網状体２５上に導
入され、この網状体２５の揺動動作によつて混合
され、かつ、この混合肥料は網状体２５の各通孔
から排出され、かつ、圃場に散布施肥される。

前記実施例では、収納部３，４は仕切板２の前
後に設ける場合について説明したが、これに限ら
ず、収納部はさらに多く形成してもよく、その場
合、収納部毎に繰出機構を備えた繰出部を形成
し、そして、各繰出機構はミツシヨンの出力に連
動連結するようにするとよい。また、混合施肥体
は網状体からなる場合について説明したが、これ
に限らず、多数の貫通孔を有する多孔体であつて
もよい。

［考案の効果］ 本考案によれば、ホツパーの両側の支軸に揺動
体のフレームに設けた両側部の吊持杆を揺動自在
に吊持するとともに、このフレームとホツパーに
おける一方の繰出体の円盤の偏心位置との間に連
動杆を回動自在に取着したので、この揺動体は肥
料を繰出す繰出体の繰出作用に連動されて自動的
に確実に揺動動作させることができる。また、こ
の揺動体のフレームの前後部に前後方向から中間
下部に向つて肥料を誘導する誘導体を設けるとと
もに、この前後の誘導体の下端部間に異なる種類
の肥料を混合して排出施肥する混合施肥体を設け
たので、ホツパーの各繰出部から繰出される異な
る種類の肥料は前後の誘導体の誘導作用によつて
混合施肥体に集中化することができるとともに、
この混合施肥体の誘導混合作用によつて確実かつ
円滑に混合して排出施肥することができ、この混
合施肥体は回転しながら肥料を受けて肥料を混合
排出するものではないので、混合施肥体上に肥料
が排出されることなく堆積したり、塊体化するこ
とを防止できるとともに、混合部に誘導された肥
料がそのまま充分に混合されて排出施肥すること
ができる。したがつて、複数種の肥料は施肥時に
おいて簡便にかつ確実に混合して施肥することが
でき、作業性にすぐれた実用性の高い施肥機を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
施肥機の側面図、第２図は同上一部を切欠いた一
部の正面図、第３図は同上揺動体の一部を切欠い
た斜視図である。 １…ホツパー、３，４…収納部、５，６…繰出
部、１１…繰出体、１２…繰出軸、１６…支軸、
１７…揺動体、１８…吊持杆、２０，２１…フレ
ーム、２４…誘導体、２５…混合施肥体、２６…
連動杆、２８…円盤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 異なる種類の肥料を収納する複数の収納部を形
   成するとともに、この各収納部の下端部の繰出部
   内にそれぞれの肥料を下方に繰出す繰出体を回動
   自在に設けたホツパーと、このホツパーの下方部
   に揺動自在に設けられ前記各繰出部から繰出され
   る異なる種類の肥料を混合する揺動体と、を備
   え、 前記ホツパーは、両側部に吊持用の支軸を設け
   るとともに、前記一方の繰出体の繰出軸の一端部
   に円盤を固着し、 前記揺動体は、両側部に吊持杆を有するフレー
   ムの前後部に前記ホツパーの各繰出部から繰出さ
   れる異なる種類の肥料を前後方向から中間下部に
   向つて誘導する誘導体を設けるとともに、この前
   後の誘導体の下端部間に異なる種類の肥料を混合
   して排出施肥する混合施肥体を設け、 前記フレームの両側部の吊持杆を前記ホツパー
   の支軸に回動自在に吊持し、 前記フレームと前記一方の繰出体の円盤の偏心
   位置との間に連動杆を回動自在に取着したことを
   特徴とする施肥機。