JPH0316308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、例えばチユーナユニツトやホームコ
ンバーターなどの電子機器におけるプリント基板
の保持構造に係り、特にアース金属板などの支持
部材上にプリント基板を重ねて位置決めするプリ
ント基板の保持構造に関するものである。

〔考案の背景〕

電子機器などにおける従来のプリント基板の保
持構造、特にアース金属板などの支持板の上、あ
るいは（および）下にプリント基板を重ねて支持
板との相対的な位置関係を保持するのに、複数本
の連結ピンが用いられていた。

ところがこの構造では、連結ピンのためのスペ
ースが特別に必要であるから、チツプ部品の実装
密度が高いプリント基板の場合はスペース的に不
利である。

また支持板とプリント基板の２層あるいは３層
積層体に小さい連結ピンをそれぞれ打ち込む必要
があり、作業能率が悪い。さらにガイド孔に連結
ピンを挿入するために、ガイド孔の孔径と連結ピ
ンの外径との間にはクリアランスが設けられてい
るが、このクリアランスが大きいと、ガイド孔が
円形で連結ピンが丸ピンであることから支持板に
対してプリント基板がいずれの方向にも位置ずれ
を生じてしまう。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、支持部材に対してプリント基板を位置精
度よく取り付けることのできるプリント基板の保
持構造を提供するにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するため、本考案は、アース金
属板などの支持部材に切起し突部の幅方向が互に
鎖交するように複数の切起し部を設け、一方、プ
リント基板には前記切起し部と対応する位置にそ
れぞれ透孔を形成し、前記支持部材とプリント基
板を重ね合わせることにより、透孔の周縁に切起
し部の一部を圧接して支持部材とプリント基板の
相対的な位置関係を保持したことを特徴とするも
のである。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図とともに説明する。第
１図および第２図は一実施例に係るプリント基板
の保持構造を示す分解斜視図および一部拡大断面
図、第３図は切起し部の一部拡大斜視図、第４図
ないし第６図は切起し部の変形例を示す一部拡大
斜視図である。

前記実施例は、アースを兼ねた金属製の支持部
材２の上側に第１プリント基板１を、下側に第２
プリント基板３をそれぞれ重ねて保持する例を示
している。プリント基板１，３にはそれぞれ所定
の導電パターンが形成されているが、図の簡略の
ためそれらの図示は省略されている。

第１図に示すように支持部材２に枠状をしてお
り、上方および下方に向けてほぼ直角に屈曲した
切起し部４が多数設けられている。この切起し部
４は、それの幅方向が互に直交するように、平面
から見て切起し部４が前後方向に向いたものと左
右方向に向いたものと２種類が、上方および下方
にそれぞれ不規則に多数設けられている。

前記上方に屈曲した切起し部４が係合する第１
プリント基板１には、それら切起し部４に対向し
た位置にそれぞれ前後方向あるいは左右方向に長
い長方形の透孔５が形成されている。

また下方に屈曲した切起し部４が係合する第２
プリント基板３には、それら切起し部４に対向し
た位置にそれぞれ前後方向あるいは左右方向に長
い長方形の透孔５が形成されている。

さらに前記切起し部４の一部もしくは全部に
は、それからさらに切起された弾性片部６が設け
られている。

第２図は、第１プリント基板１ならびに第２プ
リント基板３を支持部材２へ取り付けた状態を示
している。同図に示すように切起し部４に突設さ
れた弾性片部６が、その弾性を利用して透孔５の
周縁に弾接されて仮止めされ、その後切起し部４
の周囲が半田７によつて本固定されるとともに、
プリント基板１，３のアースパターン（図示せ
ず）が半田７を介してアース用の支持部材２に電
気的に接続される。このようにして第１プリント
基板１ならびに第２プリント基板３が、積層状態
で支持部材２に位置ずれなく保持固定される。第
２図において図中の８はチツプ部品である。

第４図ないし第６図は、切起し部４の変形例を
示す図である。第４図に示す変形例の場合は弾性
片部６がくの字状に屈曲され、切起し部４をプリ
ント基板１，３の透孔５に圧入したとき、透孔５
の周縁が弾性片部６の頂部６ａを乗り越えてそれ
と係合するから、頂部６ａによつてプリント基板
１，３の抜け止めがなされる。

第５図に示す変形例の場合、切起し部４の両側
端部に鋸歯状の係止爪４ｂがそれぞれ形成され、
透孔５に切起し部４に圧入したときに前記係止爪
４ｂが透孔５の周縁と係合してプリント基板１，
３の抜け止めがなされる。

第６図に示す変形例の場合、切起し部４の形状
がほぼ台形をしており、それの先端部４ｃの幅寸
法は透孔５の幅寸法よりも小さく根元部４ｄの幅
寸法は透孔５の幅寸法よりも大きく設計されてい
る。

従つて切起し部４を透孔５に注入することによ
り、前記根元部４ｄの側端部が透孔５の周縁に圧
接されてプリント基板１，３が支持部材２に位置
決め保持される。

〔考案の効果〕

本考案は前述のような構成になつており、簡単
な構造でプリント基板が支持部材にがたつきなく
適正な位置に保持される。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例に係る
プリント基板の保持構造を示す分解斜視図および
要部断面図、第３図はその保持構造における切起
し部の拡大斜視図、第４図、第５図および第６図
は切起し部の変形例を示す拡大斜視図である。 １，３……プリント基板、２……支持部材、４
……切起し部、５……透孔、６……弾性片部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 切起し部の幅方向が互に鎖交するように複数
   の切起し部を設けた支持部材と、前記切起し部
   と対応する位置にそれぞれ透孔を形成したプリ
   ント基板とを備え、支持部材とプリント基板を
   重ね合せて前記透孔の周縁に切起し部の一部を
   圧接したことを特徴とするプリント基板の保持
   構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載におい
   て、前記支持部材が導電性のアース板であるこ
   とを特徴とするプリント基板の保持構造。 (3) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載におい
   て、切起し部に弾性片部が設けられ、この弾性
   片部が前記透孔の周縁に弾接されていることを
   特徴とするプリント基板の保持構造。 (4) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載におい
   て、前記切起し部の側端部に係止爪が前記透孔
   の周縁に圧接係止されていることを特徴とする
   プリント基板の保持構造。 (5) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載におい
   て、前記切起し部の先端部の幅寸法が前記透孔
   の幅寸法より小さく、切起し部の根元部の幅寸
   法が透孔の幅寸法より大きくなつており、切起
   し部の側端部の一部が透孔の周縁に強嵌合され
   ていることを特徴とするプリント基板の保持構
   造。 (6) 実用新案登録請求の範囲第(2)項記載におい
   て、前記切起し部と透孔との係合部が半田付け
   されていることを特徴とするプリント基板の保
   持構造。