JPH03152293A - キヤストコート紙の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、キャストコート紙の製造法に関するものであ
る。特に、高光沢性、高平滑性を保持し、表面強度、密
着ムラ等の面不良が解消され、しかもカール、紙ぐせの
改善されたキャストコート紙を得ることが出来るキャス
トコート紙の製造法に関するものである。

〔従来の技術〕

キャストコート紙は、その表面の高光沢性、高平滑性等
により印刷の再現性が極めて優れ、精密な高級印刷用に
供され、美術印刷物、高級カタログ、雑誌の表紙、ラベ
ル、包装紙等に広く使用されている。

−ｆｆｉに、キャストコート紙は、原紙の表面に、顔料
および接着剤を主成分とする水性顔料塗料を塗被して塗
被層を設け、続いて塗被層を加熱された金属製の鏡面ド
ラムに圧着、乾燥することにより製造されている。

このキャストコート紙の製造法は、塗被層を加熱された
金属製の鏡面ドラムに圧着、乾燥してキャストコート層
を得る光沢仕上げを行なう処理方法によって、ウェット
法（直接法）、ゲル化法（凝固法）およびリウェツト法
（間接法）に大別される。

すなわち、塗被層がウェット状態にあるうちに加熱され
た金！ｉｃ製の鏡面ドラムに圧着、乾燥して光沢仕上げ
するのがウェット法である。また、ウェット状態あるい
は半乾燥状態にあるキャスト塗被層を凝固浴によりゲル
化状態にした後、加熱された金属製の鏡面ドラムに圧着
、乾燥して光沢仕上げするのがゲル化法である。そして
、ウェット状態にある塗被層を一旦乾燥した後、そのま
まもしくはスーパーキャレンダー処理後、湿潤液で塗被
層を再湿潤し、可塑状態にしてから加熱された金属製の
鏡面ドラムに圧着、乾燥して光沢仕上げするのがリウェ
ツト法である。

〔発明が解決しようとする課題〕

キャストコート紙のこれらの製造法は、いずれも塗被層
が湿潤または可塑状態にあるうちに金属製の鏡面ドラム
に圧着、乾燥するものである。

このため、塗被層の水分は、原紙層を通して蒸発する。

一方、塗被層の水分の一部は、キャスト塗被層を通して
鏡面ドラム方向に向って蒸発する。

蒸発速度がある限度３越えて高くなると、得られるキャ
ストコート層の表面にピンホールが発生し、製品として
印刷に供することが比来す、生産性を低下させる原因と
なる。

さらに、急激な加熱と蒸発を紙面に与えるとブリスター
が起き、あるいは塗被層の一部または全面が鏡面ドラム
にｒ寸着して、キャスト不能の事態を招く。逆に、ドラ
ム温度が低い状態で通紙した場合には、乾燥、剥離が不
充分な状態で行われるため、塗被面の浮き上り、ピック
が生じあるいはキャスト不良により充分な光沢が得られ
ないことも往々にして起きる。また、温度条件が適正な
範囲に区たれている場合でも、経時によって鏡面ドラム
表面が汚れて剥離性が低下し、キャスト面の面不良、光
沢低下、ピッキングが除々に進行していることも多い。

さらに、キャス）−条件に問題がなく、良好な面のキャ
ストコート紙が得られた場合でも、通常のキャストコー
ト紙は、片面塗工で塗工面の加熱、乾燥が行なわれるた
めに、カールが起き易くなる。

この傾向は、キャストコート紙の秤量が小さいすなわち
薄物になるにつれて強く現れる。そして、充分な乾燥が
剥離の前提になるため、製品は低水分化し、吸湿によっ
て容易にカール、波打ちなどの変形を起こす。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、各種キャストコート紙の製造法のこれら
の欠点を解消するために鋭意検討した結果、強光沢仕上
げする工程に工夫を加えることにより問題を解決するこ
とに成功し、本発明を完成させた。

すなわち、本発明は、原紙の表面に、顔料および接着剤
を主成分とする水性顔料塗料を塗被して塗被層を設け、
塗被層を加熱された金属製の鏡面ドラムに圧着、乾燥す
るキャストコート紙の製造法において、該塗被層が可塑
状態にある間に加熱された金属製の鏡面ドラムに圧着、
乾燥する一段鏡面ドラム処理を施した後、続いて、該塗
被層を再湿潤液で湿潤させてから加熱された金属製の鏡
面ドラムに圧着、乾燥する二段鏡面ドラム処理を施すこ
とを特徴とするキャストコート紙の製造法である。

〔発明の作用および態様〕

キャストコート紙の高光沢性、高平滑性を付与するには
、塗被層の顔料、ラテックス、添加剤の選択配合や加熱
された金属製の鏡面ドラムへの圧着条件により改善され
ることが知られているが、反面、通気性、剥離性等が損
われることもあって単に上記の手段によるだけでは充分
満足出来る結果は得られない。また、急速な水分の蒸発
によって塗被層が破壊され、ピンホールやブリスターが
起きることが知られている。これを解消するために原紙
の通気性を高めたり、顔料やラテックス配合の改良によ
り、塗被層の通気性を改良することが実施されているが
、改善の程度には限界があり、また水性顔料塗料の大巾
な変更は、塗料の粘性、キャストコート紙の品質等に悪
影響を及ぼすことも多く、充分満足出来る結果は得られ
ていない。

一方、キャストコート紙のカール、波打ちについては、
キャスト温度を下げて急速な水分の蒸発を抑さえ含有水
分を増加させることにより改善されることが知られてい
るが、生産性の低下を招くだけでなく充分満足８来る結
果は得られていない。

本発明者は、これ等の開題点を改善するために二段階鏡
面ドラム処理による穏和な強光沢仕上げ処理により、高
光沢性、高平滑性を保持し、表面強度、密着ムラ等の面
不良が解消され、しかも、カール、波打ちの改善される
ことを見出し、本発明を完成させた。

本発明における二段階鏡面ドラム処理による効果は、−
段目の鏡面ドラム処理により高光沢性、高平滑性を付与
した状態で、塗被層を再湿潤液で再度湿潤させ、表面温
度１００°Ｃ以下に、好ましくは９０℃以下の鏡面ドラ
ムへの圧着、乾燥による穏和な塗被層の処理によって、
より一層の高光沢性、高平滑性が付与されること、表面
強度、密着ムラ等の面不良が解消されること、さらに、
穏和な乾燥条件と再湿潤液処理により、キャストコート
紙の水分の増加を計れることからカール、波打ちが顕著
に改善されることである。

以下、本発明の詳細を記すか、−段目の鏡面ドラム処理
は、ウェット法（直接法）、ゲル化法（凝固法）および
リウェツト法（間接法）のいずれの方法においても顕著
な効果が発揮される。

先ず、原紙の表面にキャストコート層を設けるにあたり
使用される水性顔料塗料は、紙の水性顔料コーティング
に通常供されるものでよく、組成分は顔料、接着剤、離
型剤、着色剤、消泡剤、粘性改良剤、耐水化剤等が必要
に応じて用いられる。

すなわち、顔料としては、クレー、カオリン、水酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、サチンホワイト、各種プラスチックピグメント等が
用いられる。また、接着剤と　しては、　スチレン−フ
タジエンラテックス　、　メチルメタアクリレートブタ
ジェンラテックス　、　スチレン−酢酸ビニルラテック
ス等の合成樹脂ラテックスおよびカゼイン、大豆蛋白、
酸化デンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール等
の水溶性接着剤等が用いられる。これらの接着剤は、顔
料１００重１部に対して合計で１５〜３５重量部の範囲
で配合される。そして、水性顔料塗料の調製にあなっ添
加剤として離型剤、消泡剤、着色剤、粘性改良剤、耐水
化剤等も必要に応じて配合することが出来る。

顔料および接着剤とを主成分とし、必要に応じて添加剤
を配合して調製された固型分濃度４０〜７０％の水性顔
料塗料は、エアーナイフコーター、　ブレードコーター
、　ロールコータ−、ロッドコーター　等で坪量４０〜
３５０　　ｇｒ／　ｍ”の原紙の表面に塗被量が１０〜
３０ｇｒ／ｍ２になるように塗被され塗被層は設けられ
る。

このようにして原紙の表面に設けられた塗被層は、ウェ
ット法、ゲル化法およびリウェツト法にしたがって金属
製の鏡面ドラムに圧着、乾燥されて一段目の鏡面ドラム
処理が施される。すなわち、ウェット法では、原紙の表
面に設けられた塗被層は、湿潤状態で一段目の鏡面ドラ
ム処理される。

また、ゲル化法では、塗被層は、湿潤状態もしくは半乾
燥の状態でゲル化剤で凝固処理した後−段目の鏡面ドラ
ム処理される。そして、リウット法では、塗被層は、熱
風ドライヤーにて１００〜１８０℃の温度で乾燥して塗
被層を設け、要すればスーパーキャレンダー、グロスキ
ャレンダー、サーモブラニツシャー、ソフトキャレンダ
ー等その他の手段により表面処理し平滑化後、再湿潤液
で湿潤させ可塑状態にさせ、８０−１５０”Ｃに加熱さ
れた鏡面ドラムに圧着、乾燥させ一段目の鏡面ドラム処
理される。

かくして−段目の鏡面ドラム処理された塗被層は、再湿
潤液で再度湿潤させ可塑状態にさせてから加熱された金
属製の鏡面ドラムに圧着、乾燥させて、二段目の鏡面ド
ラム処理をすることにより高光沢性、高平滑性を保持し
、表面強度、密着ムラ等の面不良が解消され、しがもカ
ール、波打ちの改善されたキャストコート紙を得ること
が出来る。

そして、さらに裏面の原紙面に対して、再湿潤液で鏡面
ドラムに圧着直、前ないしは鏡面ドラム上で再湿潤させ
ることによりカールの改善により効果を発揮させること
が出来る。

再湿潤液としては、水またはへキサメタリン酸ソーダ、
トリポリリン酸ソーダ、ビロリン酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸ソーダ等の分散剤、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸アンモニウム、ステアリン酸カルシウム、オレ
イン酸ナトリウム、オレイン酸アンモニウム、オレイン
酸カルシウム、マイクロクリスタリンワックス、ポリエ
チレンエマルジョン、ステアリン酸エマルジョン等の離
型剤等を単独または混合したもので、さらに、要すれば
蟻酸、クエン酸、コハク酸等の有機カルボン酸、各種界
面活性、刑、硫酸ｆヒ油等を混合した通常リウェツトキ
ャスト法に使用されている再湿潤液を使用することが出
来る。

〔実施例〕

さらに、実施例によって本発明を説明する。

実施例１ 塗被層配合組成　　　　　　　　　重量部カオリン　　
　　　　　　　　　　１００ポリアクリル酸ソーダ　　
　　　　０．７カゼイン　　　　　　　　　　　　１５
スチレン−ブタジェンラテックス　　　　　　　　　　
　　　　　　　１５ステアリン酸カルシウム　　　　　
０．２上記塗被層配合組成で固形分４５％の水性顔料塗
料を調製し、坪量６５ｚｒ、／ｙｎ”の原紙の表面に乾
燥重量が２４ｇｒ／ｍ”になるようにエアーナイフコー
ターで塗被し、半乾燥状態で凝固液として蟻酸カルシウ
ムの２％水溶液で凝固処理し、表面温度１２０　”Ｃに
加熱された金属製の鏡面ドラムにプレス圧１２０ｋｇ／
ｃｍの線圧で圧着、乾燥させた後、水にて再度湿潤させ
可塑状態゛にさせてがら表面温度９０’Ｃに加熱された
鏡面ドラムにプレス圧４０ｋｇ／ｃｍの線圧で圧着、乾
燥させ、本発明によるキャストコート紙を得た。

実施例２ 塗被層配合組成　　　　　　　　　重量部カオリン　　
　　　　　　　　　６゜ 軽質炭酸カルシウム　　　　　　　４゜ポリアクリル酸
ソーダ　　　　　　０．７カゼイン　　　　　　　　　
　　　６ スチレンーフクジエンラテツクス　　　　　　　　　　
　　　　　　　１８ポリエチレンエマルジヨン　　　　
０．５再湿潤液配合組成　　　　　　　　重量部水　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１００ポ
リエチレンエマルジヨン　　　　０．５コハク′Ｆｉ０
．２ 上記塗被層配合組成で固形分４５％の水性顔料塗料を調
製し、坪量６５ｇｒ／ｍ”の原紙の表面に乾燥重量が２
４ｇｒ／ｍ”になるようにエアーナイフコーターで塗被
、１３０°Ｃの熱風で乾燥した。次いで、塗被層を上記
再湿潤液配合組成の再湿潤液で処理し、表面温度１２０
°Ｃに加熱された金属製の鏡面ドラムにプレス圧２００
　ｋｇ／　ｃｒｓの線圧で圧着、乾燥させたた。続いて
、塗被層および裏面の原紙層を上記再湿潤液で湿潤、可
塑化させた後、表面温度９０℃に加熱された金属製の鏡
面ドラムにプレス圧４０ｋｇ／Ｃ１ｎの線圧で圧着、乾
燥させ、本発明によるキャストコート紙を得た。

実施例３ 下塗り塗被層配合組成 カオリン 軽質炭酸カルシウム ポリアクリル酸ソーダ 変性デンプン スチレン−ブタジェンラテックス ステアリン酸カルシウム 重量部 ０ ０ ０．１５ ０ ０ ０．５ 上塗り塗被層配合組成　　　　　　重量部カオリン　　
　　　　　　　　　９０ 軽質炭酸カルシウム　　　　　　　エ０ポリアクリル酸
ソーダ　　　　　　０，１５カゼイン　　　　　　　　
　　　　８ スチレン−ブタジェンラテックス　　　　　　　　　　
　　　　　　　１４ステアリン酸カルシウム　　　　　
０．３上記下塗り塗被層配合組成で固形分６５％の水性
顔料塗料を調製し、坪量６５ｇｒ／ｍ”の原紙の表面に
乾燥重量が１２ｇｒ／ｍ”になるようにブレードコータ
ーで塗被、１２０℃の熱風で乾燥後、上記上塗り塗被層
配合組成で固形分４５％の水性顔料塗料を調製し、下塗
り塗被層上に乾燥重量が１２ｇｒ／ｍ２になるようにエ
アーナイフコーターで塗被、表面温度８５℃に加熱され
た金属製の鏡面ドラムにプレス圧５０ｋｇ／ａｍの線圧
で圧着、乾燥させた。続いて、塗被層および裏面の原紙
層を水にて湿潤、可塑化させた後、表面温度８５℃に加
熱された金属製の鏡面ドラムにプレス圧４０ｋｇ／ｃｍ
の線圧で圧着、乾燥させ、本発明によるキャストコート
紙を得た。

実施例４ 実施例１の塗被層配合組成および固形分濃度で水性顔料
塗料を調製し、坪量１０７　ｇｒ／　ｍ２の原紙を用い
て実施例１と同様にして、本発明のキャストコート紙を
得た。

比較例１ 実施例１の一段鏡面ドラム処理までの製造条件により、
比較用のキャストコ−１・紙を得た。

比較例２ 実施例２の一段鏡面ドラム処理までの製造条件により、
比較用のキャストコート紙を得た。

比較例３ 実施例３の一段鏡面ドラム処理までの製造条件により、
比較用のキャストコート紙を得た。

比較例４ 実施例４の一段鏡面ドラム処理までの製造条件により、
比較用のキャストコート紙を得た。

各実施例および比較例で得られたキャストコート紙につ
いて品質試験を行った。

品質試験の結果は、次表の通りで、本発明のキャストコ
ート紙は、光沢性、平滑性に優れ、含有水分も高く、カ
ール、波打ちの優れたキャストコート紙が明らかに得ら
れていることが判る。

品質試験結果 白紙光沢： 印刷光沢： 平滑度　： 含有水分： カール 波打ち ＪＩＳ　Ｐ−８１４２による。（％） ＪＩＳ　Ｐ−８１４２による。（％） ＪＩＳ　Ｐ−８１１９による。（秒） ＪＩＳ　Ｐ−８１２７による。（％） 試料１０ｃｍＸ　１０ｃｍ、２０℃、６５％ＲＨの環境
下における試料耳部のカ ール状態　（＋ｍ） エツジ部での発生状況 〔発明の効果〕 以上のように、本発明の二段階鏡面ドラム処理によるキ
ャストコート紙の製造法によると、得られるキャストコ
ート紙は、キャストコート紙特有の高光沢性、高平滑性
を保有し、表面強度、密着ムラ等の面不良が解消され、
しかも、含有水分、カール、波打ちが改良されたキャス
トコート紙を効率的に製造することが出来る。

したがって、その効果は計りしれないものがある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 原紙の表面に、顔料および接着剤を主成分とする水性顔
   料塗料を塗被して塗被層を設け、塗被層を加熱された金
   属製の鏡面ドラムに圧着、乾燥するキャストコート紙の
   製造法において、該塗被層が可塑状態にあるうちに加熱
   された金属製の鏡面ドラムに圧着、乾燥する一段鏡面ド
   ラム処理を施した後、続いて、該塗被層を再湿潤液で湿
   潤させてから加熱された金属製の鏡面ドラムに圧着、乾
   燥する二段鏡面ドラム処理を施すことを特徴とするキャ
   ストコート紙の製造法。