JPH0315139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化学工業等で反応器や伝熱装置とし
て利用されている流動床装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来装置を第４図に基づいて説明する。

第４図において、２段流動床容器５にはガス分
散板２，６が上下２個フランジにてとりつけられ
ている他、ガス導入口１、ガス排出口８、粒子導
入機７、傾斜管と垂直管とで形成された粒子循環
ライン９、粒子排出流管４がとりつけられてい
る。又、サイクロン１２、ホツパ１３をへて粒子
循環ライン１１は分散板２上部の流動床容器５に
とりつけられている。ガス導入口１から入るガス
は、分散板２をへて流動床３の粒子を流動化し、
さらに分散板６をへて流動床１０を流動化後、ガ
ス排出口８をへてサイクロン１２へ至る。粒子
は、導入機７により流動床１０に供給され、粒子
循環ライン９内を動落下し流動床３へ入り、粒子
排出管４より排出される。以上の流動床３，１０
にて、ガスと粒子の接触により、必要な反応、伝
熱等がなされる。また、ガスにより搬送された粒
子はサイクロン１２に至りサイクロン１２でガス
と粒子とに分離され、サイクロン１２で分離され
た粒子は、ホツパ１３をへて循環ライン１１によ
り流動床３へ供給される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の粒子循環ライン９では、粒子循環の停止
任意の起動、及び粒子流量のコントロールができ
なかつた。

これは循環ライン９が傾斜管と垂直管で構成さ
れているため、粒子に働く重力の作用により、管
径の最大輸送量にて粒子流量が定まり、また任意
の停止ができないためである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記問題点を解決するために、下部
流動床への粒子循環ラインに垂直管部とその途中
に連通する水平管部を形成し、また、上記垂直管
部の下部に多孔板を配置し、更にその下方にガス
供給管を連通させた流動床装置を提供するもので
ある。

〔作用〕

本考案の装置では、粒子循環ラインに形成した
垂直管部の多孔板上で粒子が滞積する。多孔板下
方で垂直管部に連通したガス供給管からガスを送
り込めば、多孔板上の粒子は流動化して水平管部
から粒子が排出される。

〔実施例〕

まず、第１図に示す第１の実施例について説明
する。

２段流動床容器５には、ガス分散板２，６が上
下２個フランジにより取り付けられ、ガス分散板
２の下方には空間が形成されている。ガス分散板
２より下方の容器５には、ガス導入口１が取り付
けられ、容器５の頂部にはガス排出口８が取り付
けられている。ガス分散板６の上方、および、ガ
ス分散板２の上方に位置する容器５の側部にそれ
ぞれ粒子導入機７、粒子排出管４が設けられてい
る。

１４は粒子循環ラインで、ガス分散板６の上部
に形成される流動床１０に連通する傾斜管部１４
Ａと、それに連通する垂直管部１４Ｂと、この垂
直管部１４Ｂの途中に連通する水平管部１４Ｃ、
および、ガス分散板２の上部に形成される流動床
３に通じる傾斜管部１４Ｄとから構成されてい
る。多孔板１５は、水平管部１４Ｃの連通位置よ
り下方の垂直管部１４Ｂ内に配置されており、更
にその下方にガス供給管１６が連通している。な
お、垂直管部１４Ｂの下端は閉じており、また、
ガス供給管１６は、図示しない圧力ガス源に通じ
ている。

ガス導入口１からガス分散板２の下方の空間に
ガスが供給され、空間からガス分散板２を通つて
ガス分散板２上の粒子間に噴出されて粒子を流動
化して流動床３を形成する。粒子を流動化したガ
スは、流動床３の上部フリーボード部に達し、こ
こから更にガス分散板６を通つてガス分散板６上
の粒子を流動化して流動床１０を形成する。流動
床１０を形成したガスは、上部のフリーボード部
からガス排出口８を通つて排出される。

粒子は、粒子導入機７によりガス分散板６上の
流動床１０に供給され、流動床１０の上側部分の
粒子が粒子循環ライン１４の傾斜管部１４Ａから
入り、多孔板１５上の垂直管部１４Ｂに滞積す
る。

多孔板１５上の粒子は、ガス供給管１６より供
給され、多孔板１５の孔を通つて噴出されるガス
により流動化される。流動化される粒子の量は、
ガス供給管１６から供給されるガス量によつて定
まり、その粒子は水平管部１４Ｃ、傾斜管部１４
Ｄを経て、ガス分散板２上の流動床３に落下す
る。流動床３の粒子は、粒子排出管４から排出さ
れる。

本装置によれば、粒子循環ライン１４に垂直管
部１４Ｂと水平管部１４Ｃとを設け、粒子を一時
滞留させるようにした。また、垂直管部１４Ｂの
下部に多孔板１５を配置し、粒子をこの上で滞留
させるようにし、ガス供給管１６から供給される
ガスで、滞留している粒子を流動化し、水平管部
１４Ｃへ流すようにした。

従つて、流動床３への粒子の循環を停止した
り、あるいは、循環させる量を調整することは、
ガス供給管１６からのガス量を調整することによ
り行うことができる。

次に第３図に示す他の実施例について説明す
る。この図では先の実施例の第２図に相当する部
分のみを示してあり、同一の符号を付したものの
構造・作用は同一であり説明を省く。

１７はガス投入用ノズルで、水平管部１４Ｃの
垂直管部１４Ｂへの取付開口位置に臨んで配置さ
れており、図示しない圧力ガス源に連通されてい
る。

この実施例では、ガス供給管１６から供給され
るガスにより流動化された多孔板１５上の粒子は
ガス投入用ノズル１７から噴出されるガスにより
水平管部１４Ｃへ送り込まれることになる。

本実施例の装置では、先の実施例と比べ、流動
床３へ循環させる粒子の量の調整がしやすくな
る。第１及び第２の例ともに第４図に示した従来
の流動床装置における粒子循環ライン１１を省略
しているが、第１及び第２の例ともに粒子循環ラ
イン１１にも採用することはもちろん可能であ
る。

〔考案の効果〕

本考案の装置によれば、粒子循環の起動停止、
および、循環粒子流量の調整が極めて簡単に行え
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す装置の縦断面
図、第２図は第１図の部拡大図、第３図は第１
図における部の他の例を示す図、第４図は従来
の流動床装置を示す図である。 ２，６……ガス分散板、３，１０……流動床、
５……流動床容器、９，１１，１４……粒子循環
ライン、１４Ａ，１４Ｄ……傾斜管部、１４Ｂ…
…垂直管部、１４Ｃ……水平管部、１５……多孔
板、１６……ガス供給管、１７……ガス投入用ノ
ズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下多段に流動床が形成され、上方の流動床の
   粒子を直下の流動床に循環させる粒子循環ライン
   を具えた流動床装置において、上記粒子循環ライ
   ンに垂直管部とその途中に連通する水平管部を形
   成し、上記垂直管部の下部に多孔板を配置し、同
   多孔板の下側の上記垂直管部にガス供給管を連通
   させたことを特徴とする流動床装置。