JPH0315050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内視鏡に設けた鉗子チヤンネルに挿
入される処置具を案内するための処置具案内チユ
−ブに関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、内視鏡は、第１図に示したように、可
撓管から形成される生体腔内への挿入部１と、該
挿入部１を手許で操作するための操作部２とを備
えている。そして、この内視鏡には、第２図に示
したように、鉗子、高周波ナイフ、造影剤注入用
チユ−ブ等の処置具を挿通させる鉗子チヤンネル
３が形成されており、該鉗子チヤンネル３は操作
部２に形成した導入部３ａと、一端が該導入部３
ａに連通し、他端が挿入部１の先端部において閉
口するチヤンネル部３ｂとからなり、導入部３ａ
には、吸引器に接続される吸引通路４が連通して
いる。また、鉗子チヤンネル３の導入部３ａに
は、入口部の周囲に弁部材を装着するための装着
部５が突設されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、内視鏡に使用される処置具としては
種々のものがあり、例えば十二指腸鏡では膵臓結
石を効率的に破砕、除去するために大径の鉗子が
用いられるほか、膵臓管内に造影剤を注入するた
めのカニユレ−シヨンチユ−ブも使用されるが、
このカニユレ−シヨンチユ−ブはVATER氏乳頭
のように孔径の小さな部分を有する器管内に挿入
されるものであるから、細径のチユ−ブが使用さ
れることになる。このように、鉗子チヤンネルに
はそれぞれ径の異なる複数種類の処置具類が使用
されるようになつており、従つてこの鉗子チヤン
ネルの孔径は最大径の処置具を挿通されることが
できるような寸法となつている。

前述の如く、大径の鉗子チヤンネルを有する内
視鏡において、カニユレ−シヨンチユ−ブのよう
に細径の処置具を挿入すると、この処置具が鉗子
チヤンネルの内部で蛇行したり、屈曲したりする
だけでなく、挿入部の先端出口において処置具の
導出位置が定まらず処置対象部に対する狙撃性能
が劣るなど内視鏡としての操作性が悪いという欠
点があつた。また、前述のカニユレ−シヨンチユ
−ブにおいて、VATER氏乳頭への挿入を容易な
らしめるために、自然状態においてそれが所定の
方向に湾曲するように湾曲癖を付与するようにし
たものも用いられるが、この場合にはカニユレ−
シヨンチユ−ブを操作部から鉗子チヤンネル内に
挿入したときに、該鉗子チヤンネルの導入部で湾
曲癖を付けた部分が湾曲して誤つて吸引通路側に
入つてしまうなどの不都合を生じることもあつ
た。

本考案は、叙上の点に鑑みてなされたもので、
細径の処置具を内視鏡の鉗子チヤンネルに挿入す
る際における操作性を向上させる処置具案内チユ
−ブを提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

前述の目的を達成するために、本考案に係る内
視鏡の処置具案内チユ−ブは、内視鏡に設けた鉗
子チヤンネルに挿入可能で、細径処置具挿通用の
案内通路を備えるチユ−ブ本体の基端部には、鉗
子チヤンネルの導入部に形成した装着部に着脱可
能な固着部材を取着したことを特徴とするもので
ある。

〔作用〕

よつて、内視鏡に挿入される処置具として、大
径の鉗子等を使用する場合には、処置具案内チユ
−ブ使用することなく、処置具を鉗子チヤンネル
内に挿入する。

一方、カニユレ−シヨンチユ−ブのような細径
の処置具を使用する場合には、鉗子チヤンネルに
処置具案内チユ−ブを挿入し、この基端部に取着
してある固着部材によつて鉗子チヤンネルの導入
部に形成してある装着部に固着して処置具案内チ
ユ−ブを安定させ、該処置具案内チユ−ブにおけ
るチヤンネル本体の小径の案内通路を通してカニ
ユレ−シヨンチユ−ブの如き細径の処置具を挿入
すれば、該処置具に蛇行や屈曲を生じさせること
なく、容易かつ円滑に挿入させることができるよ
うになる。しかも、この案内通路に沿つて案内さ
せるようにするとにより、湾曲癖をもつた処置具
でも操作部側の挿入時における案内が良好に行わ
れると共に、挿入部先端から処置対象部に向けて
延出する際における処置具の狙撃性が良好になる
など、内視鏡の操作性の向上が図られる。

〔実施例〕

以下、従来技術として第１図と第２図に示した
内視鏡の鉗子チヤンネル３に装着使用し得る如く
なした本考案の実施例を図示した図面によつて本
考案の実施例を詳細に説明することとする。

まず、第３図において、処置具案内チユ−ブ１
０は、四弗化エチレン樹脂のように摩擦係数の低
い可撓性部材からなるチユ−ブ本体１１を基体と
し、該チユ−ブ本体１１の内部は、処置具を案内
する案内通路１２となされている。そして、チユ
−ブ本体１１の基端部には、口金１３が取付けら
れており、該口金１３には、弁としての作用を備
えている処置具類挿入用の切込み１４が施されて
いる固着部材１５が取付けられており、該固着部
材１５は従来技術について説明した導入部３ａに
形設した装着部５に嵌合、固着させることができ
るようになつている。

そして、この処置具案内チユ−ブ１０には、第
４図に示したように、内部に造影剤充填用の通路
を形成したカニユレ−シヨンチユ−ブ１６の如き
細径で柔軟な処置具を挿入・案内させることがで
きるようになつている。

すなわち、この処置具案内チユ−ブ１０は、第
１図に示した内視鏡の鉗子チヤンネル３内に着脱
可能に挿入させることができるようになつてい
る。

よつて、前述した膵臓結石の除去を行うために
用いられる鉗子のように大径の処置具を使用する
場合には、鉗子チヤンネル３はこれを挿入するに
適した孔径となつているのであるから、直接鉗子
チヤンネル内に挿入すればよい。

一方、カニユレ−シヨンチユ−ブ１６のように
細径で、しかも柔軟な部材からなる処置具を使用
する場合には、それを直接鉗子チヤンネル３内に
挿入するのではなく、まず鉗子チヤンネル３に処
置具案内チユ−ブ１０のチユ−ブ本体１１を挿入
する。ここで、チユ−ブ本体１１を前記の如く低
摩擦材で形成する外、第５図に示す如く、チユ−
ブ本体１１と鉗子チヤンネル３との間に若干の〓
間を生ずるようにしておくと、鉗子チヤンネル３
内への挿入操作はより円滑に行なわれる。そし
て、チユ−ブ本体１１の基端部に形成した固着部
材１５を導入部３ａに設けた装着部５に固着する
と、この処置具案内チユ−ブ１０の鉗子チヤンネ
ル３への装着が完了する。

上述の如く、処置具案内チユ−ブ１０の装着が
完了すると、固着部材１５の切込み１４からカニ
ユレ−シヨンチユ−ブ１６を挿入する。ここで、
鉗子チヤンネル３は処置具案内チユ−ブ１０の装
着によつて、その処置具の挿入路が案内通路１２
よりなる狭窄なものとなつているから、細径で柔
軟なカニユレ−シヨンチユ−ブ１６は蛇行した
り、屈曲したりすることなく、円滑に案内され
て、挿入部１の先端開口部から処置対象部位に確
実に突出せしめられることになり、内視鏡として
の操作性が向上する。しかも、チユーブ本体１は
低摩擦材で形成されているから、その処置具の案
内性は良好となり、また第５図のようにカニユレ
−シヨンチユ−ブ１６とチユ−ブ本体１１の内面
との間に僅かな〓間を生ずるようにしておけば、
カニユレ−シヨンチユ−ブ１６をさらに円滑に案
内することができる。さらに、カニユレ−シヨン
チユ−ブ１６が挿入部１から処置対象部位に向け
て突出させる場合に、案内通路１２の先端開口部
の口径が挿入部１の先端部に開口した鉗子チヤン
ネル３の口径より小径となつているから、該処置
対象部位への狙撃性は極めて良好となる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る処置具案内
チユ−ブは、案内通路を備え、かつ鉗子チヤンネ
ルに挿入させるチユ−ブ本体を基体とし、その基
端部にチユ−ブ本体の挿入状態安定用に供する固
着部材を取着したから、鉗子チヤンネルの孔径に
対して極めて細径の処置具を挿入する際における
該処置具の蛇行、屈曲等が確実に防止できると共
に、この処置具の処置対象部位に対する狙撃性能
も向上し、全体として内視鏡の操作性が良好にな
る。そして、このように細径の処置具を挿入する
際において、鉗子チヤンネルとの径差を問題にす
る必要がないので、該鉗子チヤンネルの孔径を最
大径の処置具のみに基準として決定することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は内視鏡の外観図、第２図は第１図のＡ
部拡大断面図、第３図は本考案の一実施例を示す
処置具案内チユ−ブの断面図、第４図はカニユレ
−シヨンチユ−ブの外観図、第５図は処置具案内
チユ−ブとカニユレ−シヨンチユ−ブとを鉗子チ
ヤンネルに挿入した状態の断面図である。 ３……鉗子チヤンネル、３ａ……導入部、５…
…装着部、１０……処置具案内チユ−ブ、１１…
…チユ−ブ本体、１２……案内通路、１４……切
込み、１５……固着部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内視鏡に設けた鉗子チヤンネルに挿入可能で、
   細径処置具挿通用の案内通路を備えるチユ−ブ本
   体の基端部には、鉗子チヤンネルの導入部に形成
   した装着部に着脱可能な固着部材を取着したこと
   を特徴とする内視鏡の処置具案内チユ−ブ。