JPH0314887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、冷却方式を改良した例えばコントロ
ールセンタなどの多段積み閉鎖配電盤に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ コントロールセンタは、低圧電動機や低抗負荷
などの開閉および保護を目的とし、発電所や一般
産業の補機の集中制御に用いられている。その構
造は正面側にユニツトを多段積みにしており、電
動機の速度を可変するインバータ装置がそのユニ
ツト回路によつてはその下部段に取り付けられる
機器配置とされている。

ここで言うユニツトとは、配線用しや断器と電
磁接触器等の主回路部品や過電流継電器等の制御
回路部品を単位回路ごとに共通なフレームにまと
めたものである。そしてユニツトとインバータ装
置とは、電線で接続される構成となつている。

この種の閉鎖配電盤における従来の機器構成で
は、フレームの正面にユニツトおよびインバータ
装置を多段積みにした場合、通電時にユニツトお
よびインバータ装置の発熱により、閉鎖配電盤内
の空気温度が約20deg上昇し、したがつて盤外の
周囲温度40degに盤内空気温度上昇20degが加わ
つて60degとなり、インバータ装置の周囲温度制
御（通常50℃）をオーバーする。このため、盤の
扉に換気口を設けて自然換気あるいは強制換気を
行つている。この換気は従来、盤の上部に一括し
て排気口を設け、盤の各所に吸気口を分散して設
けることにより行つており、換気効果が低く、ま
た、換気口により盤外から入る塵埃が問題となつ
ていた。

［考案の目的］ 本考案は、閉鎖配電盤内に収納されるインバー
タ装置の冷却効果を高め、さらに盤内各機器を防
塵構造にした閉鎖配電盤を提供することを目的と
する。

［考案の概要］ 本考案による閉鎖配電盤は、回路部品を有する
ユニツトと交互に多段積みにした各インバータ装
置に、その上部、背部及び下部を包む形で風洞を
設け、かつその風洞の断面積を背部に位置する部
分が上部、下部に位置する部分よりも小さくなる
ように構成して背部での流速を高めて換気するよ
うにしたことを特徴とする。

［考案の実施例］ 以下本考案を第１図および第２図に示す実施例
について説明する。箱体１の内部は、ユニツト２
およびインバータ装置３が交互に多段積みされて
おり、そのユニツト２およびインバータ装置３の
背面側に垂直母線４があり、この母線４とユニツ
ト２が主回路断路部５を通して接続されている。
ユニツト２は、負荷側断路部６を通して電線７に
よりインバータ装置３と接続されている。

各インバータ装置３の外側にはインバータ装置
３の下部９ａ、背部９ｂ、上部９ｃに沿つて連続
するコ字形の風洞９が設けられている。この風洞
９の背部９ｂの断面積は下部９ａ、上部９ｂの断
面積より小さくしてある。風洞９には、インバー
タ装置３の背部９ｂと係合する位置に穴が設けら
れており、インバータ装置３は、その背面に設け
た冷却フイン８がこの穴を通して風洞９内に突出
するように風洞９に固着されている。風洞９は、
下端開口部がインバータ装置３の正面パネル１０
の下に吸気口１１として設けられ、また上端開口
部が正面１０の上に排気口１２として設けられて
おり、排気口に近い上部９ｃの風洞内にはフアン
１３が設置されている。箱体１に設けられたイン
バータ装置３用の扉１４には、風洞９の吸気口１
１、排気口１２と対向する位置に通気口１４ａが
それぞれ設けられている。

かかる構成の閉鎖配電盤において、インバータ
装置３の下に設けられた吸気口１１により矢示の
ように外気を取り入れ、下部９ａから背部９ｂ、
上部９ｃへと通じる風洞９により空気を通し、イ
ンバータ装置３の上部９ｃに設けたフアン１３に
より排気を行う。ここで、風洞９の背部９ｂの断
面積が下部９ａ、上部９ｃの断面積より小さいた
め、風洞９内を通る空気の流速は下部９ａではゆ
つくりと、背部９ｂでか速く、上部９ｃではゆつ
くりとなる。インバータ装置３で発生した熱は冷
却フイン８により冷却するが、冷却フイン８部分
が位置する背部９ｃでの空気の流速がはやくなつ
ているため、冷却効果が高められる。これは一般
に固体から流体への熱の伝達はその接触面積が大
きい程、又流体の速度が速い程、その効果が高く
なるからである。一方吸気口１１部での流速が遅
いことは外気とともに入り込む塵埃の量を少なく
し、さらに排気口１２部での流速が遅いことは、
箱体１の前に立つ人体に排気が吹き付けられる不
快感を緩和することになる。また、風洞９を通る
外気は箱体１内のインバータ装置３やユニツト２
内の主回路および制御回路部品に触れることがな
いため、各機器に塵埃が入り込まないので防塵効
果を得ることが可能となる。

［考案の効果］ 以上のように考案によれば、インバータ装置の
上部、背部、下部を風洞で包んで換気するにあた
つて、インバータ装置を冷却する部分の流速を速
くすることによつて特にインバータ装置の冷却効
果が向上し、また、風洞内に吸入した外気が盤内
の主回路部品や制御回路部品に触れないため、防
塵効果を得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による閉鎖配電盤
の一実施例を示す断面側面図および正面図であ
る。 １……箱体、２……ユニツト、３……インバー
タ装置、８……フイン、９……風洞、１１……吸
気口、１２……排気口、１３……フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回路部品を収納するユニツトと、そのユニツト
   の回路に接続される電動機速度制御用インバータ
   装置とを交互に多段積みに収納したものにおい
   て、前記インバータ装置の下部、背部およぴ上部
   に沿つて連続する風洞をその背部の断面積が下
   部、上部の断面積より小さくなるように形成し、
   その風洞の上、下部に排気口、吸気口を設けると
   ともに風洞の上部または下部にフアンを設け、か
   つ風洞の背部に前記インバータ装置の背面に設け
   たフインを収納したことを特徴とする閉鎖配電
   盤。