JPH0314220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は賞球受皿の底部に開閉可能な排出口を
形成したパチンコ機用賞球受皿に関するものであ
る。

〈従来の技術〉 従来のパチンコ機にあつては、賞球受皿が一杯
になつて賞球を箱などの容器に移す場合に、賞球
受皿の球をいちいち手でつかんで取り出したり、
賞球受皿の上縁から箱にかき出さなければなら
ず、極めて面倒であつた。この球が移動の際にこ
ぼれ落ちるなどのトラブルがあつた。

そこで、賞球受皿の底部に賞球の排出口を開設
し、この排出口に手動式のスライド蓋を装着した
賞球受皿（実開昭50−49279号公報、実開昭52−
85585号公報）や、スライド蓋に二本のスプリン
グをほゞＶ字状に掛け渡し排出口の閉止方向に付
勢したもの（実開昭52−31508号公報、実開昭52
−132678号公報）や、スプリングとリンク機構に
よりスライド蓋を排出口の閉止方向に付勢したも
の（実公昭54−6553号公報）が提案されている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、手動式のスライド蓋を装着したものに
あつては、スライド蓋を閉めるのが厄介であるば
かりではなく、閉め忘れにより賞球が床面に落ち
てしまうことが多かつた。また、スプリングによ
りスライド蓋を付勢するものにあつてもスライド
蓋をスムーズに移動させるために複雑なリンク機
構を必要とするので構造が複雑となり、スライド
蓋の装着に著しく手数を要した。更に、賞球受皿
にガイド溝を形成しスライド蓋を支持しているだ
けなので、スライド蓋から延びるスライド蓋の操
作用の摺動レバーにガタツキを生じ、操作感を著
しく損なうと共に、摺動レバーのガタツキにより
スライド蓋が摺動してスライド蓋がスムーズに開
閉しなくなつてしまつていた。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑み提案されたもので、パチン
コ機前面に装着する賞球受皿の底部に賞球の排出
口を開設し、上記賞球受皿の裏面に上記排出口を
開閉するスライド蓋機構を取り付けた賞球受皿に
おいて、上記賞球受皿の前方下縁に、下方へ向け
て突出する案内縁を長手方向に沿つて形成し、上
記スライド蓋機構は、排出口の閉止方向にスプリ
ングにより付勢された摺動蓋と、摺動蓋を摺動可
能に上記賞球受皿の裏面に支持する蓋枠部材と、
摺動蓋に一体的に設けた摺動レバーとで構成し、
上記摺動レバーと上記摺動蓋との連接部分には、
上方に向けて開口し、上記賞球受皿に設けた案内
縁が摺接状態で嵌入可能なように、案内縁に対応
する開口断面を有する受溝を摺動方向に形成し、
上記スライド蓋機構を賞球受皿の底部に取り付け
た状態において、摺動蓋の長手方向に沿う外側端
面と案内縁の長手方向に沿う内側端面とを摺接さ
せると共に、摺動蓋の長手方向に沿つた後向きの
端面と蓋枠部材の長手方向に沿つた前向きの端面
とを摺接させ、上記摺動レバーを賞球受皿の前縁
側下方に外部操作可能に位置させたものである。

〈作用〉 摺動レバー１４と摺動蓋１１との連接部分に形
成した受溝１６に、賞球受皿１に突設した案内縁
９が嵌入して、摺動蓋１１の長手方向に沿う外側
端面（前脚片１１ｂ）と案内縁９の長手方向に沿
う内側端面とが摺接し、摺動蓋１１の長手方向に
沿つた後向きの端面である後脚片１１ｃの外面又
は前脚片１１ｂの内側面と、蓋枠部材１３の長手
方向に沿つた前向きの端面である内後壁２０ａの
前面又はレール部２３の外側面とが互いに摺接す
る。

〈実施例〉 以下、本考案を図示の実施例について説明する
と、パチンコ機前面に取り付ける賞球受皿１は、
底部２ａに賞球の排出口３を開設し、該排出口３
に開閉可能なスライド蓋機構４を装着した賞球を
溜める凹状の貯留部２と、回転可能な灰皿本体５
を取り付けた受枠部６とより成り、後面１ａに植
立した螺杆…７によりパチンコ機の前面板に取り
付けることができる。

上記貯留部２は賞球受皿１と一体成形されてお
り、上縁部２ｂの一側に浅い溝８を形成し、賞球
のかき出しを併用可能としている。そして、貯留
部２の裏面２ｃには前方下縁に断面略Ｖ字状の案
内縁９を下方へ向けて長手方向に沿つて突設する
と共に、ねじ穴を有する複数のボス部１０…を形
成する（第２図、第３図）。

上記したスライド蓋機構４は、排出口３を開閉
する摺動蓋１１と、該摺動蓋１１を排出口３の閉
止方向に付勢するスプリング１２と、摺動蓋１１
を貯留部２の裏面２ｃに対して摺動可能に支持す
る蓋枠部材１３と、摺動蓋１１に一体的に設けて
当該摺動蓋１１を操作するための摺動レバー１４
とより成る（第４図）。

上記摺動蓋１１は、一端側が半円形状であつて
上記排出口３を閉止可能な平板状の蓋部１１ａ
と、該蓋部１１ａの下面から下方へ延びる高さ確
保用の前脚片１１ｂ及び後脚片１１ｃとを有し、
上記摺動レバー１４と共に合成樹脂により一体成
形する。そして、蓋部１１ａの他端下面側には上
記したスプリング１２の先端部を嵌入する断面横
コ字状の受枠１５を形成する。

上記摺動レバー１４は、摺動蓋１１の前脚片１
１ｂの下縁より前方（パチンコ機に向かつて手
前）に延びる断面略逆Ｖ字状である。また、当該
摺動レバー１４と上記摺動蓋１１との連接部分、
即ち摺動レバー１４と前脚片１１ｂとの間には、
上記貯留部２の案内縁９が摺接状態で嵌入するよ
うに、上向きに開口すると共に上記案内縁９に対
応する開口断面を有する断面略Ｖ字状の受溝１６
を形成する。また、上記受溝１６の下方位置に
は、蓋枠部材１３の長手方向に沿つた前縁部と係
合する段部１７を形成し、摺動レバー１４の位置
を規制可能とする。尚、摺動レバー１４を本実施
例においては摺動蓋１１と一体成形したが、これ
に限らず摺動蓋と別個に形成し、摺動蓋１１にビ
スなどで取り付けるようにしてもよい。

上記蓋枠部材１３は合成樹脂により一体成形し
て成り、長方形の平板状の底部１３ａと、該底部
１３ａの後縁から長手方向に沿つて上方へ延びる
後壁部１３ｂと、左右の側縁から短手方向に沿つ
て上方へ延びる側壁部１３ｃ，１３ｄとを有し、
長手方向に沿う前縁が前面１３ｅとして摺動レバ
ー１４を嵌入するために開放している。そして、
底部１３ａには上記した排出口３と対向する位置
に排出口３と同程度の賞球が通過可能な開口部１
８を一方の側壁部１３ｃに近接させて開設し、該
開口部１８の周縁に上方へ突出する円弧状の縁部
１８ａを形成すると共に、該縁部１８ａに上記摺
動蓋１１の前脚片１１ｂと後脚片１１ｃが嵌入で
きる切欠部１８ｂを形成する。

また、底部１３ａの周辺部分には上記貯留部２
のボス部１０と対応して取付孔１９…を形成す
る。更に、後壁部１３ｂの内側には内後壁２０ａ
を当該後壁部１３ｂに沿つて向い合うように設け
ると共に、第４図において左側に位置する側壁部
１３ｄの内側には摺動蓋１１の端部が衝突する内
側壁２０ｂを当該側壁部１３ｄに沿つて向い合う
ように設けて、言わば二重構造とする。

そして、蓋枠部材１３の上面側に、上記内後壁
２０ａ、内側壁２０ｂ及び側壁部１３ｃで囲まれ
ると共に、前面１３ｅが開放する摺動蓋１１のた
めの摺動空間２１を形成する。また、内側壁２０
ｂの中央に前記スプリング１２の基端側を挿通す
る軸２２を片持ち状に突設する。

上記スプリング１２は、先端を摺動蓋１１の受
枠１５に嵌入し、基端を蓋枠部材１３の軸２２に
挿通して支持され、蓋枠部材１３の摺動空間２１
内に位置させた摺動蓋１１を排出口３の閉止方向
に常に付勢する。更に、底部１３ａの前縁近傍に
は摺動レバー１４の段部１７と係合するレール部
２３を蓋枠部材１３の長手方向の長さの途中まで
隆設しておく。

前記した灰皿本体５は灰を溜める凹部５ａを有
し、前方上縁にたばこの灰落しのための切欠部５
ｂを形成する（第５図）。そして、左右の側部５
ｃ，５ｃの前方外面に円柱状の支持軸２４，２４
を片持ち状に設け、一方の支持軸２４の端部に後
向きの爪片２５を形成すると共に、後部５ｄの上
方に受枠部６に係合する突出部５ｅを形成する。

また、受枠部６は断面Ｌ字状であつて、平板状
の後受枠板６ａと底受枠板６ｂとより成り、賞球
受皿１と一体成形する。

そして、後受枠板６ａの上方に灰皿本体５の突
出部５ｅを載置する段部６ｃを形成し、上記底受
枠板６ｂに灰皿本体５の底部５ｆの回転の妨げと
ならないよう切欠部６ｅを形成する。また、受枠
部６の両側壁２６，２６の前方中央に灰皿本体５
の各支持軸２４を回転可能に枢支する切欠部２
７，２７を形成し、一方の切欠部２７に支持軸２
４の爪片２５に衝突して灰皿本体５の回転を制限
する係止片２８を側壁２６の外方に形成する。

上記した賞球受皿１にスライド蓋機構４を取り
付けるには、蓋枠部材１３の軸２２にスプリング
１２の先端を挿通し、蓋枠部材１３の摺動空間２
１内に摺動蓋１１を嵌入すると共に、摺動蓋１１
の受枠１５にスプリング１２の先端を嵌入する。
そして、蓋枠部材１３を貯留部２の裏面２ｃにあ
てがい、蓋枠部材１３の取付孔１９を貯留部２の
ボス部１０に挿入し、該取付孔１９にねじを螺着
し、蓋枠部材１３を固定する。

このようにすると、摺動蓋１１は、後脚片１１
ｃの外面を後向きの端面として蓋枠部材１３の前
向きの端面である内後壁２０ａに摺接しながら摺
動空間２１内で賞球受皿１の長手方向に沿つて移
動可能であつて、スプリング１２により排出口３
の閉止方向に常に付勢される。そして、閉止状態
においては摺動蓋１１の蓋部１１ａの半円形状を
成す先端が蓋枠部材１３の一方の側壁部１３ｃに
衝合し、摺動レバー１４の外部操作により摺動蓋
１１をスプリング１２の付勢に抗して摺動させて
排出口３を開放すると、摺動蓋１１の受枠１５側
の他端が蓋枠部材１３の内側壁２０ｂに衝合し、
これにより摺動蓋１１の摺動位置を規制してい
る。

また、摺動レバー１４は摺動蓋１１と一体的に
移動可能であつて、受溝１６内に貯留部２の案内
縁９が上方から嵌入して、前脚片１１ｂの外側面
が摺動蓋１１の長手方向に沿つた外側端面として
案内縁９の内側端面に摺接する。更に、蓋部材１
３の前縁近傍に隆設したレール部２３の外側面が
長手方向に沿つた前向きの端面として摺動蓋１１
の長手方向に沿つた後向きの端面である前脚片１
１ｂの内側面に摺接すると共に、段部１７が蓋枠
部材１３の前縁上に摺動可能に載置される。従つ
て、上記のような摺動レバー１４は上下方向及び
前後方向のガタツキが防止されている。

排出口３を開放するには、摺動レバー１４をス
プリング１２の付勢に抗して摺動すればよく、排
出口３が開放すると賞球受皿１の貯留部２に溜つ
ている賞球は、排出口３を通り、蓋枠部材１３の
開口部１８を通過して予め用意した箱などの容器
（図示せず）内に落下する（第６図ｂ）。

また、排出口３を閉塞するには、摺動レバー１
４の指による押圧状態を解除すれば、摺動蓋１１
はスプリング１２の復元力によつて元の位置に戻
るので排出口３は摺動蓋１１により閉塞する（第
６図ａ）。

一方、前記した灰皿本体５を取り付けるには、
受枠部６の切欠２７，２７に灰皿本体５の支持軸
２４，２４を挿入し前方に回転可能に支持する。
従つて、灰皿本体５は突出部５ｅが受枠部６の段
部６ｃの上面に係合すると共に、灰皿本体５の底
部５ｆが底受枠板６ｂの上面に載置されて受枠部
６に支持される。

また、灰皿本体５が前方に回転した場合は灰皿
本体５の爪片２５が受枠部６の係止片２８により
上方より係止して、灰皿本体５の凹部５ａを下方
に向けた状態で灰皿本体５の回転が係止される
（第７図）。このため、灰皿本体５の凹部５ａの下
方に予め用意したゴミ箱などの容器（図示せず）
を位置させれば、灰皿本体の凹部５ａに溜つたた
ばこの吸殻は容器内に落下し、簡単に灰皿の掃除
ができる。

以上、本考案を図面の実施例について説明した
が、本考案は上記した実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載した構成
を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、上
記実施例では、摺動蓋１１の長手方向に沿つた後
向きの端面を、後脚片１１ｃの外面及び前脚片１
１ｂの内側面とし、蓋枠部材１３の長手方向に沿
つた前向きの端面を、内後壁２０ａの前面及びレ
ール部２３の外側面としているが、何れか一組が
摺接すればよい。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、賞球受皿に取り
付けるスライド蓋機構の部品点数を従来品に比べ
て減少できると共に、組立が簡単で且つ確実に動
作する賞球受皿を提供することができる。また、
摺動レバーと摺動蓋との連接部分に、賞球受皿に
設けた案内縁が摺接状態で嵌入可能な受溝を摺接
方向に形成し、摺動蓋の長手方向に沿う外側端面
と案内縁の長手方向に沿う内側端面とを摺接させ
ると共に、摺動蓋の長手方向に沿つた後向きの端
面と蓋枠部材の長手方向に沿つた前向きの端面と
を摺接させ、上記摺動レバーを賞球受皿の前縁側
下方に外部操作可能に位置させたので、摺動レバ
ーにガタツキがなく操作がスムーズになると共
に、ゴミなどが摺動部分に入り込むことがない。
従つて、耐久性が向上し、長期間にわたつて初期
のスムーズさを失うことがない。しかも、摺動レ
バーを賞球受皿の前縁側下方に位置しているで、
製造工程やパチンコ店での設置作業中、或いは遊
技中に工具や球箱等が当つて摺動レバーが破損す
ることがなく実用的価値が高い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
賞球受皿の一部を欠截した平面図、第２図は第１
図の底面図、第３図は第１図の−線断面図、
第４図はスライド蓋機構の分解した斜視図、第５
図は受枠部と灰皿本体の一部断面斜視図、第６図
ａは排出口の閉止状態を示す要部の断面図、第６
図ｂは同上の排出口の開放状態を示す要部の断面
図、第７図は受枠部と灰皿本体との係合状態を示
す一部断面図である。 図中、１はパチンコ機用賞球受皿、２ａは底
部、３は排出口、４はスライド蓋機構、９は案内
縁、１１は摺動蓋、１１ｂは前脚片、１１ｃは後
脚片、１２はスプリング、１３は蓋枠部材、１４
は摺動レバー、１６は受溝、２０ａは内後壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パチンコ機前面に装着する賞球受皿の底部に賞
   球の排出口を開設し、上記賞球受皿の裏面に上記
   排出口を開閉するスライド蓋機構を取り付けた賞
   球受皿において、 上記賞球受皿の前方下縁に、下方へ向けて突出
   する案内縁を長手方向に沿つて形成し、 上記スライド蓋機構は、排出口の閉止方向にス
   プリングにより付勢された摺動蓋と、摺動蓋を摺
   動可能に上記賞球受皿の裏面に支持する蓋枠部材
   と、摺動蓋に一体的に設けた摺動レバーとで構成
   し、 上記摺動レバーと上記摺動蓋との連接部分に
   は、上方に向けて開口し、上記賞球受皿に設けた
   案内縁が摺接状態で嵌入可能なように、案内縁に
   対応する開口断面を有する受溝を摺動方向に形成
   し、 上記スライド蓋機構を賞球受皿の底部に取り付
   けた状態において、摺動蓋の長手方向に沿う外側
   端面と案内縁の長手方向に沿う内側端面とを摺接
   させると共に、摺動蓋の長手方向に沿つた後向き
   の端面と蓋枠部材の長手方向に沿つた前向きの端
   面とを摺接させ、上記摺動レバーを賞球受皿の前
   縁側下方に外部操作可能に位置させたことを特徴
   とするパチンコ機用賞球受皿。