JPH0313992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、内燃機関における燃焼室内に圧力を
検知し電気信号に変換する圧力センサーが組み込
まれた圧力センサー内蔵式スパークプラグに関す
るものである。

（従来の技術） 内燃機関の点火時期、エミツシヨン、出力、燃
費等の燃焼状況を制御するためには、燃焼室内の
圧力の大きさ及び時間的変化を知ることが重要な
ことである。燃焼室内の圧力を測定しようとする
場合圧力センサーが用いられるが、シリンダヘツ
ドの壁にスパークプラグとは別に孔をあけて取付
ける方法と、圧力センサーをスパークプラグに組
み合わせ合体させて用いる方法とがある。
DOHC型エンジンあるいは４バルブ／シリンダ
化に対しては後者の方が都合が良く、今日では広
く用いられている。この圧力センサーとスパーク
プラグとを合体させる構造としては、圧力センサ
ーを座金型としたものとスパークプラグに内蔵さ
せたものとがある。

第２図は、環状の座金型圧力センサーをシリン
ダヘツドに装着した状態を示す一部縦断面図であ
り、スパークプラグ本体１が取付金具４の座面４
−₅と、シリンダヘツド９の座面９−₁との間に座
金型圧力センサー６と環状座金１０とを介して取
付金具４の六角形頭部４−₁により締付けられシ
リンダヘツド９に螺着されている。座金型圧力セ
ンサー６は圧電素子及び内部電極が組み込まれ金
属ケースに収納されてなるものであり、６−₂は
内部電極に接続された出力取出し用リード線であ
り、その導出部分はリード線取出し口金６−₃で
被われ保護されている。

また圧力センサーをスパークプラグに内蔵させ
た構造のものは数多くの提案がなされ試用あるい
は実用されているが、その代表的な従来例を以下
に説明する。第３図は、圧力センサーを内蔵した
スパークプラグの従来例を示す一部切截断面図で
ある。同図において、２は内部に中心電極３を貫
装固定した絶縁体であり、４は取付金具でプラグ
をシリンダヘツドに装着する際のプラグレンチ嵌
合部となる六角形頭部４−₁と、胴部４−₂及びね
じ部４−₃からなつており、絶縁体２を外周から
固定支持しており、ねじ部４−₃の先端に突設し
た外側電極５と中心電極３の先端部との間で火花
間隙が形成されている。取付金具４の胴部４−₂
の座面４−₅に環状の金属被覆型圧力センサー６
が当接して嵌装され、胴部４−₂に穿設された導
出孔４−₆から圧力センサーの出力取出し用リー
ド線６−₂が導出され、圧力センサー６の金属ケ
ース６−₁の外周上端縁部が取付金具胴部４−₂の
座面４−₅の外周縁部にスポツト溶接等によつて
接合固着されている。８は耐熱ゴムまたは中空の
金属からなるＯリングである。

更に第４図は、圧力センサー内蔵式スパークプ
ラグの他の従来例の一部切截断面図であり、従来
例の第３図と同一部分は説明を省き同一符号で示
すが、絶縁体２が取付金具４にて外周から固定支
持されており、取付金具４の六角形頭部４−₁の
内面と絶縁体２との間にパツキン１１を介して環
状の金属被覆型圧力センサー６が嵌装され、該圧
力センサーの出力取出し用リード線６−₂を取付
金具の六角形頭部４−₁の頭頂端部から導出する
とともに、圧力センサー６の上部に加締めパツキ
ン１２を当接して、取付金具の六角形頭部４−₁
の頭頂端縁を通常の熱加締めによつて加締め固定
されてなるものである。

（考案が解決しようとする問題点） 第３図の如き圧力センサー内蔵式スパークプラ
グは圧力センサーがスパークプラグ本体にろう接
等によつて固着されており、また第４図の如き圧
力センサー内蔵式スパークプラグは圧力センサー
が取付金具の内腔に嵌挿され取付金具の六角形頭
部の頭頂端縁が加締められて固定されているた
め、スパークプラグ本体あるいは圧力センサーの
いずれかの機能故障を生じた場合スパークプラグ
本体と圧力センサーとを分離することができない
ので、不良となつたスパークプラグ本体あるいは
圧力センサーを良品と交換することが不可能で良
部分を含めて廃棄するほかはなく無駄になる。

第２図に示す如き座金型圧力センサーを用いる
場合は上記の如くスパークプラグ本体あるいは圧
力センサーのいずれかの機能故障が生じてもスパ
ークプラグ本体と圧力センサーの分離は容易であ
るので、不良になつたスパークプラグ本体あるい
は圧力センサーを良品と交換すれば故障を生じて
ない良品部分はそのまま生かして使用できるので
好都合であるが、圧力センサーのリード線が横か
ら取出され口金部が取付金具の外周縁よりも外側
に配置されるので、リード線及び口金部をシリン
ダヘツドより導出するためのスペースが必要とな
り、プラグ挿入孔が断面が円形でなく、かつ大き
くする必要があるので、そのように設計されたシ
リンダヘツドのみにしか使用できず汎用性がな
い。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の如き実状に鑑みてなされたも
ので、取付金具の胴部に軸方向のスリツトが形成
し、圧力センサーをその口金部を上記スリツトに
挿入して取付金具の胴部の座面に当接し、その外
側から金属製支持環によつて担持し、支持環の環
の内側面と取付金具との間にＯリングを挟装して
支持環を保持する構造とする。該支持環は、断面
がＵ形状をなす環状の溝に圧力センサーを収納で
きるよう外側壁と底壁と内側壁をもつほぼＵ形状
の断面を有し、圧力センサー及び支持環を取付金
具に装着したとき支持環の外側壁の上部側内面が
取付金具の胴部外周縁に嵌合し、かつ、該上部側
に取付金具の胴部のスリツトの両側面に接面する
よう内側に折り曲げた２枚の舌片を設けた構造と
する。

（作用） 上記の如く取付金具の胴部のスリツトから圧力
センサーの口金部を取出す構造であるため、座金
型圧力センサーを用いた従来例の如く口金部が取
付金具胴部の外周縁より外側にはみ出すことがな
い。

また、支持環はその外側壁が取付金具の胴部の
外周縁に、嵌合し、かつ、Ｏリングによつて保持
されているだけであるので、圧力センサーをスパ
ークプラグ本体から取外すことが容易である。な
お、圧力センサー及び支持環は、これらをシリン
ダヘツドに装着する際に脱落しなければよいの
で、支持環の保持は前記の如くＯリングで十分で
あり、またこのＯリングはシリンダヘツドと取付
金具との間を気密に保つ。さらに、取付金具をシ
リンダヘツドに螺着する際に、支持環に設けられ
た舌片が取付金具胴部のスリツトに引掛るため圧
力センサーと取付金具との間の相対的な回転が防
止されるので圧力センサーの口金部に無理な力が
加わることがなく安全である。

（実施例） 第１図は、本考案による圧力センサー内蔵式ス
パークプラグの実施例を示すもので、第１図イは
スパークプラグ本体の斜視図であり、同図におい
て２は内部に中心電極３を貫装固定した絶縁体で
あり、４は絶縁体２を外周から固定支持する取付
金具で、六角形頭部４−₁、胴部４−₂、ねじ部４
−₃とからなり、先端に外側電極５が突設され、
胴部４−₂にスリツト４−₄が形成されたスパーク
プラグ１が構成されている。第１図ロは環状の金
属被覆型圧力センサーの斜視図で、該圧力センサ
ー６は内部に圧電素子、内部電極板等が組み込ま
れ金属ケース６−₁によつて被覆され、内部電極
板に接続されたリード線６−₂を保護する口金６
−₃の一端が金属ケース６−₁に溶接されて口金部
６−₃が金属ケース６−₁の外周縁よりも外側には
みださないよう形成されているものである。第１
図ハは圧力センサー６をスパークプラグ本体１の
取付金具の胴部４−₂の座面４−₅に取付けて支持
するための金属製の支持環の斜視図であり、第１
図ニは第１図ハにおけるAA線に沿つて切断した
支持環の縦断面図であり、これらの図において支
持環７は外側壁７−₁、底壁７−₂、内側壁７−₃
によつてほぼＵ形状の断面を有する環状の金具で
あり、スパークプラグをシリンダヘツドに螺着す
る際に取付金具４と圧力センサー６との相対的な
回転を防止するために、取付金具胴部４−₂のス
リツト４−₄に掛止するよう舌片７−₄が内側に折
り曲げられて形成され、Ｕ形状溝に圧力センサー
６を収納して支持するものであり、外側壁７−₁
の内面が取付金具胴部の外周縁に嵌合するような
寸法に作られている。

第１図ホ及び第１図ヘは圧力センサー６をスパ
ークプラグ本体１に組付けてなる本考案の圧力セ
ンサー内蔵式スパークプラグの要部を示すもので
ホは斜視図、ヘは一部破砕断面図であり、第１図
ハに示した支持環７のＵ形状溝に第１図ロに示し
た圧力センサー６を収納し、圧力センサー６の上
面が第１図イに示したスパークプラグ本体１の取
付金具の胴部４−₂の座面４−₅に当接し、圧力セ
ンサーの口金６−₃が胴部４−₂に形成されたスリ
ツト４−₄から取出され支持環７の舌片７−₄をス
リツト４−₄に掛止して圧力センサー６及び支持
環７を取付金具４に装着し、支持環の内側壁７−
_３と取付金具のねじ部４−₃の上部に形成されたＯ
リング用の溝との間に挟持されたふつ素ゴムまた
は中空の金属からなるＯリング８によつて、支持
環７が保持されるとともに取付金具とシリンダヘ
ツドとの間が気密に保たれている。

（考案の効果） 従来の圧力センサー内蔵式スパークプラグはス
パークプラグ本体あるいは圧力センサーのいずれ
かが機能不良となつた場合、共に不良品として廃
棄されていたが、本考案の圧力センサー内蔵式ス
パークプラグは圧力センサーをスパークプラグ本
体から容易に取外すことができるので不良となつ
たスパークプラグ本体あるいは圧力センサーを良
品と交換すれば良部分である圧力センサーあるい
はスパークプラグ本体は交換することなくそのま
ま使用できるので無駄がなく経済的である。ま
た、本考案の圧力センサー内蔵式スパークプラグ
は圧力センサーの口金部が取付金具胴部のスリツ
トに収められ胴部外周縁より外側にはみ出すこと
がなく、シリンダヘツドのプラグ挿入孔の設計変
更することなく使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による圧力センサー内蔵式スパ
ークプラグの実施例で、イはスパークプラグ本体
の斜視図、ロは環状の金属被覆型圧力センサーの
斜視図、ハは金属製支持環の斜視図、ニはハにお
けるAA線での切断断面図、ホは組立後の要部の
斜視図、ヘは組立後の要部の一部破砕断面図であ
り、第２図は従来例の座金型圧力センサーをシリ
ンダヘツドに装着した状態を示す一部縦断面図、
第３図及び第４図は圧力センサー内蔵式スパーク
プラグの従来例の一部切截断面図である。 １：スパークプラグ本体、２：絶縁体、３：中
心電極、４：取付金具、４−₂：胴部、４−₄：ス
リツト、４−₅：座面、５：外側電極、６：圧力
センサー、６−₃：圧力センサーの口金、７：支
持環、７−₁：外側壁、７−₂：底壁、７−₃：内
側壁、７−₄：舌片、８：Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心電極と、これを包囲し固定支持する絶縁体
   と、該絶縁体を収納固定し中心電極との間に火花
   間隙を形成するよう先端に外側電極を突設した取
   付金具とからなる内燃機関用スパークプラグにお
   いて、取付金具の胴部に軸方向のスリツトが形成
   され、取付金具の胴部に支持環を装着した際それ
   ぞれ上記スリツトの両側面に接面するよう上部側
   において内側に折り曲げられた２枚の舌片をもつ
   外側壁と、底壁と、内側壁とによりほぼＵ形状の
   断面を有する金属製の上記支持環のＵ字状溝に還
   状の金属被覆型圧力センサーをその口金を上記舌
   片間に挿入して収納し、支持環の舌片を上記スリ
   ツトに装入して圧力センサーの上面が取付金具の
   胴部の座面に当接して装着され、支持環が、その
   外側壁の上部側内面を取付金具の胴部外周縁に密
   接して嵌装され、支持環の環の内側面と取付金具
   との間にＯリングが介装されて支持環が保持され
   てなることを特徴とする圧力センサー内蔵式スパ
   ークプラグ。