JPH0313436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、海底石油生産用プラツトホーム等の
鋼製ジヤケツトのメンバーの表面に付着した海洋
生物の除去、探傷、修理等を行う水中作業潜水機
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、海底石油生産用プラツトホーム等の鋼製
ジヤケツトのメンバーの表面に付着した海洋生物
の除去、探傷、修理等を行うものとして吸着式の
水中作業潜水機や、磁石式の水中作業潜水機等が
知られている。

ところが、吸着式の水中作業潜水機では、ジヤ
ケツトのメンバーの表面が付着した海洋生物によ
つて凹凸になつていると、吸着パツドの吸着力が
低下するため、固着することが難しい。

一方、磁石式の水中作業潜水機は、重量が大き
くなると共に、常時、吸着用の電力を必要とす
る。また、磁気探傷時に悪影響を及ぼすという問
題があつた。

さらに、機械的にジヤケツトのメンバーを挟み
込んで固定する挟み込み方式の水中作業潜水機も
知られている。しかし、この方式では、ジヤケツ
トのメンバーの直径が大きい場合、把持手段が嵩
張つて邪魔になると共に、重量も大きくなるとい
う問題があつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の目的は、構造が簡単で、コンパクトで
あり、しかも海洋生物が付着しているジヤケツト
のメンバーの表面にも吸着中のエネルギーを必要
としないで固着でき、さらに、磁気探傷を行う場
合にも、使用することができる水中作業潜水機を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本考案の水中作業潜水機は、ホバリ
ング可能な潜水機本体に巻取りドラムを設けると
共に、該巻取りドラムに巻かれたケーブルの一端
に中性浮力を有するように形成された舵付きの推
進体を取り付け、前記潜水機本体にジヤケツトの
メンバーを一周した前記推進体を保持する開閉可
能なキヤツチヤーを設けたことを特徴とするもの
である。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１図において、１０は水中作業潜水機であ
り、この水中作業潜水機１０は、２機以上の前後
進用推進機７、１機以上の横進用推進機８、２機
以上の上昇・下降用推進機９によつて前後左右、
及び上下の方向に移動できるようになつている。
また、水中作業潜水機１０の潜水機本体１には、
１本又は左右一対のマニピユレーター１１が取り
付けられている。さらに、潜水機本体１には、監
視用のテレビカメラ１２が取り付けられている。

一方、潜水機本体１の下部部分を占める推進体
収納部１３内には、巻取りドラム３が設けられて
いる。この巻取りドラム３に巻かれたケーブル４
の一端には、舵を有する自航式の推進体５が連結
されている。この推進体５への推進用電力の供給
はケーブル４を経由して行われるようになつてい
る。また、この推進体５は重量と浮力とが一致す
る所謂中性浮力をなすように形成されている。ま
た、潜水機本体１には、ジヤケツトメンバー２を
一周した推進体５を保持する開閉可能なキヤツチ
ヤー６が設けられている。図中、１４はバンパー
である。

さて、海底石油生産用プラツトホームを構成す
るジヤケツトの垂直なメンバー２に水中作業潜水
機１０を固着する場合は、次のように行われる。

先ず、水中作業潜水機１０を横倒しにした状態
のままジヤケツトのメンバー２の所定の箇所に接
近させたあと、第２図に示すように、前述した所
定の箇所に水中作業潜水機１０の腹部、つまり推
進体収納部１３を接触させた状態でホバリングさ
せる。次いで、予め、直径の分かつているジヤケ
ツトのメンバー２の外周面に沿つて推進体５が円
軌道を描くように舵の向きを固定したあと、推進
体５を発射する。この推進体５が発射されると、
推進体５に連結されたケーブル４が巻取りドラム
３から繰り出される。ジヤケツトのメンバー２を
一周した推進体５は、第３図に示すように、潜水
機本体１に設けられた開閉可能なキヤツチヤー６
の開口部６ａに到達して捕捉される。

その後、巻取りドラム３を巻き戻すと、ケーブ
ル４はケーブル４が緊張し、水中作業潜水機１０
がジヤケツトのメンバー２に固定される。

ところで、水中作業潜水機１０をジヤケツトの
メンバー２から離脱させる場合には、前述したキ
ヤツチヤー６の開口部６ａを開放した後、巻取り
ドラム３によつてケーブル４を巻き戻すことによ
り行われる。

〔考案の効果〕

上記のように、本考案は、ホバリング可能な潜
水機本体に巻取りドラムを設けると共に、該巻取
りドラムに巻かれたケーブルの一端に中性浮力を
有するように形成された舵付き推進体を取り付
け、前記潜水機本体にジヤケツトのメンバーを一
周した前記推進体を保持する開閉可能なキヤツチ
ヤーを設けたから、構造が簡単で、コンパクトに
なり、しかも海洋生物が付着しているジヤケツト
のメンバーの表面にも吸着中のエネルギーを必要
としないで固着できるようになつた。また、磁気
探傷を行う場合にも、使用することができるよう
になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる水中作業潜水機の側面
図、第２図は本考案にかかる水中作業潜水機をジ
ヤケツトのメンバーに固着する固着作業の説明
図、第３図は第２図の−断面図である。 １……潜水機本体、３……巻取りドラム、４…
…ケーブル、５……推進体、６……キヤツチヤ
ー、１０……水中作業潜水機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホバリング可能な潜水機本体に巻取りドラムを
   設けると共に、該巻取りドラムに巻かれたケーブ
   ルの一端に中性浮力を有するように形成された舵
   付きの推進体を取り付け、前記潜水機本体にジヤ
   ケツトのメンバーを一周した前記推進体を保持す
   る開閉可能なキヤツチヤーを設けた水中作業潜水
   機。