JPH03134186A - 内燃機関用アルミニウム合金複合部材 - Google Patents

内燃機関用アルミニウム合金複合部材

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JPH03134186A
JPH03134186A JP27112589A JP27112589A JPH03134186A JP H03134186 A JPH03134186 A JP H03134186A JP 27112589 A JP27112589 A JP 27112589A JP 27112589 A JP27112589 A JP 27112589A JP H03134186 A JPH03134186 A JP H03134186A
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JP
Japan
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aluminum alloy
porous metal
alloy
internal combustion
composite
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JP27112589A
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Yoshihiro Suzuki
鈴木 吉洋
Toshio Ogiwara
俊男 荻原
Masaaki Kudo
工藤 正明
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Izumi Ind Co Ltd
Original Assignee
Izumi Ind Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多孔質金属をアルミニウム合金と複合させた
内燃機関用アルミニウム合金複合部材に関し、内燃機関
における摺動部に用いて好適なものである。
〔発明の概要〕
本発明の内燃機関用アルミニウム合金複合部材は、複合
強化材料としての多孔質金属をアルミニウム合金と複合
させて強化すると共に表面にエツチング処理を施して微
細な油溜りを形成することによって、優れた耐磨耗性を
得ると共に摺動面において潤滑油が効果的に溜るように
したものである。
〔従来の技術〕
アルミニウム合金製の内燃機関用シリンダブロックは例
えば鋳鉄製のシリンダブロックに比べて、エンジンの大
幅な軽量化が図れること、放熱性が良いこと、アルミニ
ウム合金製のピストンとの組付の隙間を小さくできるこ
とによる騒音の低減が達成できること等の長所を持って
いる。このためアルミニウム合金製のシリンダブロック
の採用が増加する傾向にある。
ピストンが往復運動するアルミニウム合金製シリンダの
ボア部を補強しその耐磨耗性を向上させるための従来の
方法は次の3種類に大別できる。
■アルミニウム合金自体の改良 ■シリンダのボア部の表面処理 ■アルミニウム合金のセラミック繊維又は粒子等による
複合強化 〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、上記方法のいずれにも次のような欠点がある
■の代表的なものに、レイノルズ(Reynolds)
社によるSiを多く含むアルミニウム合金のA390が
あり、これは主にヨーロッパで広く使用されている。こ
の合金は硬い初晶Si粒子を浮き出させることによって
耐磨耗性を得るものであるが、高Stのアルミニウム合
金は鋳造性が悪(、また被切削性も良くないため生産コ
ストが高い。
また、アルミニウム合金にグラファイト粒子を分散させ
て潤滑性を改善させる合金も提案されている。この合金
はグラファイトの混合によって機械的強度が低下してし
まうから、この合金の実用化のためにシリンダボア部の
ライナとしてだけ用いることが検討されている。この合
金を製造する方法には鋳造法及び押出し法がある。鋳造
法によると、鋳造中においてグラファイトとアルミニウ
ム合金の溶湯との反応を抑制するために予めグラファイ
ト粒子にNiめっき等の表面処理を施しておくことが必
要となることから、コスト高となってしまう。さらにグ
ラファイト粒子を均一に分散させて鋳造することは困難
を伴うことが多い。また、押出し法は、アルミニウム粉
末とグラファイト粉末とを押出し焼結する方法であるが
、グラファイトが押出し方向に伸ばされてしまい耐磨耗
性が余り良くないといった問題があることから、実用化
に至っていない。
■の表面処理には、Crめっき、あるいはSiCやTi
nなどの硬い微粒子をNiめっき中に分散させたNi分
散めっきなどがあり、これらは2サイクルエンジンのア
ルミニウム合金製シリンダにおいて多く用いられている
。しかし、4サイクルのガソリンエンジン等の大きなシ
リンダブロックにこの表面処理を施すことは、めっきを
行う部分以外をマスキングしてからめっき槽に浸漬しな
ければならず、このマスキング作業が難しくコスト高に
なってしまうことから、量産化に適さない。
■のアルミニウム合金を複合強化する方法には、例えば
A j! t(h繊維などの無機質繊維で複合強化する
方法、また窒化S+などの無機質粒子をアルミニウム合
金の溶湯に分散させてダイカストによって鋳造し複合強
化する方法がある(特願昭60=149186号)。こ
れらの方法によって複合強化されたアルミニウム合金の
シリンダは、細かく硬い無機質繊維や粒子が存在するた
め使用中にピストンリングやピストンを磨耗させてしま
う欠点があるから、実用化されていない。また、特願昭
61−102802号、特願昭61−141830号及
び特願昭63−38542号には、強化材料として^1
2ot−3ing繊維又はA A 20.繊維とC繊維
とを組合せたものを用いると共に、耐磨耗性及び耐スカ
ッフィング性の改善のために相手側の摺動部分をめっき
や溶射などで保護することが提案されている。このよう
に、無機質繊維などの硬い複合強化材料を用いたアルミ
ニウム合金複合部材を一方の摺動部材に用いた場合、こ
の複合部材のアルミニウム合金中にまばらに突出した硬
い繊維が、相手側である他方の摺動部材を研削して磨耗
させてしまうから、双方の部材は互いに相手側の部材の
性質によって選択し組合せなければならなくなる。
本発明の目的は、相手側の摺動部材に磨耗などの損傷を
与えることを防止すると共に、自身の耐磨耗性及び耐ス
カッフィング性を改善するようにした内燃機関用アルミ
ニウム合金複合部材を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明の内燃機関用アルミニ
ウム合金複合部材は、体積率が6〜30%、好ましくは
8〜20%でありクロム含有率がlO〜5′5%、好ま
しくは15〜55%である多孔質金属をアルミニウム合
金と複合させることにより強化され、表面に露出する上
記アルミニウム合金から成る領域の少なくとも一部をエ
ツチング処理により優先的に蝕刻して微細な油溜りを形
成したものである。
上記多孔質金属は、気孔率85〜98%の多孔質金属を
一方向に圧縮することによって上記範囲の体積率を得る
ようにしたものが好ましい。
また、アルミニウム合金と上記多孔質金属との複合は、
−この多孔質金属にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ
ることによって行うことができる。
また、複合強化材料としての上記多孔質金属は、鉄やニ
ッケルなどから成る材料のように、アルミニウム合金よ
りも硬い材料から成ることが好ましい。
〔作用〕
多孔質金属にアルミニウム合金を複合させるものである
ので、多孔質金属を予め目的の形状としておくことによ
って必要な部分だけを複合強化することが可能となる。
上記多孔質金属体は、その体積率が6%以下であると、
複合部材における複合強化材料の占める割合が低下する
ため複合部材の耐磨耗性の改善の効果が少なくなり、ま
た30%以上であると、複合する際にアルミニウム合金
の多孔質金属への浸透性が低下する。
上記多孔質金属のクロム含有率は10〜55%であるこ
とが必要であるが、これはクロム含有率が10%以上で
あると、アルミニウム合金と上記多孔質金属とを複合す
るに際して脆い金属間化合物の形成を抑制できてアルミ
ニウム合金と多孔質合金との界面強度を太き(できるか
らである。もし、脆い金属間化合物が形成されると、こ
の金属間化合物の部分から亀裂が発生する恐れがある。
また、上記多孔質金属はクロムを含有することによりそ
の硬さが増して複合部分の耐磨耗性が向上する。しかし
、クロムを55%以上含有してもその耐磨耗性はさほど
向上しない。また、この硬さは無機質系の繊維や粒子よ
りも小さいため例えば相手側の摺動部分に対して損傷を
与えてしまう恐れが少なくなる。
上記多孔質金属の複合されたアルミニウム複合部材の表
面において上記多孔質金属と上記アルミニウム合金とが
露出し、このアルミニウム合金から成る領域の少な(と
も一部は、エツチング処理によって上記多孔質金属より
も優先的に蝕刻されて微細な凹みやピットが形成される
。これらが内燃機関内で用いられる潤滑油の油溜りとな
るから、潤滑油をその表面に効果的に溜めてお(ことが
できる。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
本実施例は、内燃機関のシリンダボディにおいて耐磨耗
性及び耐スカッフィング性の必要なシリンダボア部を本
発明のアルミニラl、合金複合部材を用いて構成したも
のである。
まず、本願の発明者らが先に特願平1−149220号
で提案したように、夙孔率が85〜98%である(瓦状
の多孔質金属を優先的に一方向に圧縮して体積率Vr6
〜30%、好ましくは8〜20%の多孔質金属板とする
。この多孔質金属は複合部材の強化材として機能し、ま
た多孔質金属を圧縮することによって多孔質金属の体積
率が大きくなった分だけ、複合材の耐磨耗性が向上する
そして、多孔質金属板の体積率が6%以下では耐磨耗性
の改善の効果が少なく、また30%以上ではアルミニウ
ム合金との複合が困難となる。多孔質金属を一方向に優
先的に圧縮すると、この圧縮方向から見た多孔質金属の
気孔の径は、圧縮前の径と比べてほとんど変化しない。
このため、多孔質金属とアルミニウム合金とを複合させ
る際に、アルミニウム合金の溶湯が多孔質金属へ浸み込
む浸透性は、圧縮前の多孔質金属を用いた場合と比べて
ほとんど変化しない。また、多孔質金属を静水圧的に均
一に圧縮する加工法は、体積率が高くなるので好ましく
ない。また多孔質金属は鉄又はニッケルなどのようなア
ルミニウム合金よりも硬い材料からなることが耐磨耗性
の点から望ましい。
次に、上記多孔質金属板をシリンダボア部を形成し得る
ように円筒状に成形し、この円筒状の多孔質金属にクロ
ムを拡散浸透させて、クロムを10〜55%含有させる
鉄又はニッケルなどからなる多孔質金属は、アルミニウ
ム合金と複合する際にアルミニうムなどと反応すること
により、その界面に脆い金属間化合物を形成する。そし
て、このようなアルミニウム複合部材を例えば内燃機関
のピストンに用いて、このピストンが長期間にわたって
加熱と冷却の熱サイクルを受けると、上記脆い金属間化
合物の部分から亀裂が発生する場合がある。これに対し
て本願の発明者らは、先に、特願昭63−222239
号において、クロムが10%以上、好ましくは15%以
上含有するように表面に0.001 am以上の層をク
ロマイジング処理などにより形成した多孔質金属を用い
ることによって、上記脆い金属間化合物の形成を抑制し
得ることを明らかにしている。また、クロムを55%ま
で含有させることによって多孔質金属を硬さを増して耐
磨耗性を向上させることができる。
次に、上記円筒状の多孔質金属体をシリンダブロックを
鋳造するための金型にセットする。そして、加圧鋳造法
によってシリンダブロックを鋳造するとアルミニウム合
金の溶湯が多孔質金属に浸透する。
第1図に、以上のようにして製造されたアルミニウム合
金製のシリンダブロックlのボア部分の縦断面を示すが
、シリンダボア部2が多孔質金属3によって複合強化さ
れる。このようにしてシリンダブロック1を製造すると
、ピストン(図示省略)が往復動じて磨耗やスカッフィ
ング(Scuff−ing )が生じる恐れのあるシリ
ンダボア部2を、耐磨耗性のある多孔質金属3によって
複合強化することができる。しかも、この複合はシリン
ダブロック1を製造するときに同時に行うことができ、
また耐磨耗性の必要な部分であるボア部2だけを多孔質
金属3で構成し他のほとんどの部分はアルミニウム合金
4で構成できるから、簡単に製造でき、また、材料コス
トもさほどかさまない。なお、この場合、加圧鋳造法を
用いているので、アルミニウム合金の強度が向上し、ま
た鋳造欠陥も少なくなる。
次に、シリンダボア部2に表面仕上げ加工を施す。この
シリンダボア部表面11の金属組織を拡大して第2図に
示す。この第2図において点彩されて示される部分が多
孔質金属3から成る領域であって、白地で示される部分
がアルミニウム合金4から成る領域である。このアルミ
ニウム合金複合部材の表面11には、アルミニウム合金
4の中に多孔質金属3が島のように存在し、また比較的
大きな多孔質金属3の中にはアルミニウム合金4が小さ
な島のように存在していることがわかる。
次に、上記シリンダボア部表面11にエツチング処理を
施す。上記アルミニウム合金4から成る領域には介在物
が存在してアルミニウム母体相とは異なった相を形成し
ており、エツチング処理は選択的に目的の相をエツチン
グさせるようにしたものである。どの相をエツチングす
るかによって次の3種類に大別できる。
a、アルミニウム合金4から成る領域を全体的にエツチ
ングする方法、 b、アルミニウム合金4から成る領域の中のFIgzS
iなどの介在物の相をエンチングして溶かし出す方法、 c、aとbとを組合せた方法、 上記aの方法では、NaOH溶液、あるいは113 P
 Oaと)1250.との混合溶液などを用いる化学エ
ツチング処理のように、アルミニウム合金4をクロムを
含有させた多孔質金属3よりも優先的にエツチングする
ようなエツチング処理が選ばれる。
上記すの方法では、llN0.溶液、Crz(h溶液、
あるいはCry、溶液などを用いる化学エツチング処理
のように、アルミニウム合金4の中に存在するMgzS
iなどの介在物の相を優先的に溶かし出すようなエツチ
ング処理が選ばれる。
上記Cの方法では、上記aの方法を適用してから上記す
の方法を適用する。
以上のようなエツチング処理を施すことによって得られ
るシリンダボア部表面11の断面図を第3図〜第5図に
示す。
第3図は上記aの方法を適用した後の表面11を示すも
ので、アルミニウム合金4から成る領域が多孔質金属3
から成る領域よりも多くエツチングされることにより、
第2図に示した表面工1におけるアルミニウム合金4か
ら成る領域が全体的に落ち込んで凹部12を形成し、ま
た多孔質金属3から成る領域が相対的に突出している。
例えば、上記表面11をNaOH10重量%の水溶液で
4分間エツチング処理すると、上記凹部12の深さdは
1〜4μmとなった。この凹部12は、エツチング条件
(エツチング溶液、時間、濃度など)を適宜設定するこ
とにより所望の深さdとすることができる。シリンダボ
ア部2におけるピストンの往復動を潤滑にするためにボ
ア部表面11とピストンの表面との間に潤滑油が油膜を
形成するようになっているが、ボア部表面11に形成さ
れた上記凹部12には潤滑油が溜ることができる。上記
凹部12は油溜りとして機能して上記油膜が良好に保持
されるから、上記隙間における潤滑性及び耐スカフィン
グ性が向上する。凹部12があまり深(なると潤滑油の
消費量が増加するので好ましくない。したがって、凹部
12の深さdは0.3〜5μm程度が望ましい。
第4図は上記すの方法を適用した後のシリンダボア部表
面11を示すもので、アルミニウム合金4から成る領域
の中のMg、Siなどの介在物が溶かし出されることに
より、微細なビット13が形成される。例えば、上記表
面11を)INo、20重量%の水溶液で5分間エツチ
ング処理することにより、アルミニウム合金3中の介在
物を溶かし出して除去することができて多数の微細なビ
ット13が形成された。上記介在物はアルミニウム合金
4中に多数細かく存在するから、ビット13は多数形成
される。また、その深さは上記介在物の大きさに依存す
るが、約1〜8μm程度である。このピット13もまた
潤滑油の油溜りとして機能する。
第5図は上記Cの方法を適用した後のシリンダボア部表
面11を示すもので、表面11に凹部12が形成された
後に、この凹部12のアルミニウム合金4から成る領域
の表面に上記ピット13が形成されている。このように
凹部12とピット13との両方が表面11に形成される
と、潤滑油を溜める効果が一層増すので好ましい。
また上述の場合は、化学エツチング処理によるものであ
ったが、電解エツチング処理を用いることもできる。
以下、本発明のアルミニウム合金複合部材の具体例及び
比較例を実施例1.2及び比較例1〜4につき説明する
ス新111 ニッケルから成る多孔質金属(住友電工製、Niセルメ
ット#6)の厚さ5龍の板材を厚さ3龍になるように一
方向から圧縮加工した後、この多孔質金属板を内径約1
00 龍の円筒状に成形した。
次に、この円筒状の多孔質金属にクロマイジング処理を
施すことによりクロムを拡散浸透させて、クロムを35
%含有させた。
次に、この円筒状の多孔質金属体を金型にセットし、こ
の金型の中にJISで規定するアルミニウム合金AC8
Aの温度760℃の溶湯を7o。
kg / ctAで加圧して注ぐことによって、複合強
化材料としての多孔質金属の体積率が約10%である中
空円筒状のアルミニウム合金複合部材を作成した。この
中空円筒体にJISで規定するいわゆるT6処理を行っ
た後に、中空円筒体の内面を切削加工し、続いてホーニ
ング仕上げをした。この内面にNaOH10重量%の水
溶液中に2分間浸漬されるようなエツチング処理を施す
ことにより、その内面に深さdが0.5〜1.5μmの
凹部12を形成した。
止較拠土 片状黒鉛を有する鋳鉄(C:3.1%、B:0.06%
、Si:2.0%、Mn:0.7%、P:0,3%、P
e:残余)により、実施例1と同様の形状の中空円筒体
を作成し、内面をプラトーホーニング仕上げして2〜3
μmの粗さにした。
此4日ホl アルミニウム合金(Si : 17%、Cu : 4.
5%、Mg:o、s%、A1:残余)を用いて、50〜
70μmの初晶Siが均一に分散するように鋳造するこ
とにより、実施例1と同様の形状の中空円筒体を作成し
た。この中空円筒体をT6処理した後に、中空円筒体の
内面を切削加工し、続いてホーニング仕上げをして0.
5μm以下の粗さにした。次に、この内面をNa硝酸塩
の溶液中で電解エツチングすることによって、内面にS
t粒子を約1μm浮き出させた。
北本d生l A 1203−5iO□繊維(Alz(h  : 50
%、体積率Vf:9%、ショット:1%以下;ニチアス
社製)の円筒成形体にアルミニウム合金AC8Aの温度
760℃の溶湯を800 kg/cJの圧力で浸透させ
て複合させることにより、実施例1と同様の形状の中空
円筒体を作成した。この中空円筒体をT6処理した後に
、中空円筒体の内面を切削し、続いてホーニング仕上げ
をして1μm以下の粗さにした。次に、この内面におけ
る繊維間のアルミニウム合金部分が2μm程度の四部と
なるように電解エツチング処理を行った。
此膚■生支 アルミニウム合金AC8Aの中空円筒体(実施例1と同
様の形状)の内面に、3μm以下の大きさのSt粒子を
約3重量%となるようにNi中に分散させて厚さ約80
μmのNi分散めっきを施した。
次に、この内面をホーニング仕上げして1〜2μmの表
面粗さにした。
実施■1 本実施例2は、実施例1におけるアルミニウム合金をJ
ISで規定するAC9Bに変えた以外は実施例1と同じ
条件で同様の中空円筒体を作成し、同じ処理を行ったも
のである。
以上の実施例1.2及び比較例1〜4の各中空円筒体か
ら試験片を切り出し、これらの試験片の磨耗試験を大越
式磨耗試験機によって実施した。
試験片との摺動面を有する上記試験機のロータは、上記
比較例1と同じ材質の鋳鉄である。このロータの試験片
との摺動外周面に三角錘による圧痕を形成した。磨耗試
験の前後に、この圧痕の対角線の長さをw4微鏡により
測定することによって、上記ロータ自体の磨耗量も測定
した。上記磨耗試験の試験条件は、摩擦距離:570m
、摩擦速度二0.12m/sec 、 Q重:19kg
、潤滑油(SAECC級#30)の滴下Fl:3cc1
分であった。以上の実施例1.2及び比較例1〜4の磨
耗試験結果を第6図及び第7図に示す。
第6図は各試験片の比磨耗量を示し、第7図は各試験片
の磨耗試験において測定された上記ロータの磨耗量を、
比較例1で測定された上記ロータの磨耗量によって基準
化して示したものである。
この第7図から、上記実施例1.2及び上記比較例1〜
4の各部材が相手側の摺動部材に与える1員傷の程度を
知ることができる。第6図及び第7図から、比較例3の
場合(アルミニウム合金をへ1203−3ing繊維で
複合強化したもの)が最も比磨耗量が小さかったが、相
手側の摺動部材には最も損傷を与えてしまうことがわか
る。これは上記繊維が極めて硬いためである。また、比
較例1 (鋳鉄材)及び比較例4 (Ni分散めっき材
)はこれまで使用実績のある材料であるが、本発明の実
施例1及び2の材料は、これらに匹敵する耐磨耗性を示
し、また実施例2の材料は実施例1の材料に比べて耐磨
耗性が一層改善されていることがわかる。
〔変形例〕
第8図に、シリンダライナ15を本発明のアルミニウム
合金複合部材で構成した変形例を示す。
このシリンダライナ15は、円筒状に成形された多孔質
金属3を用いて既述したような方法でアルミニウム合金
4と複合されたものである。この内面11はシリンダボ
ア部2を構成するものであって、上述と同様の加工及び
処理が行なわれることにより、この内面11に油溜りと
しての凹部12及び/又はピット13が形成される。こ
のシリンダライナ15をシリンダのボア部分に装入して
、焼ばめ又は冷しぼめなどの方法によって固着する。
このようなシリンダライナ15を用いると、内燃機関の
シリンダブロックは低圧鋳造やグイキャストなどのよう
な安価な鋳造方法で製造できると共に、めっき等の工程
も必要ではなくなるから、製造コストの低減が達成でき
る。なお、複合に用いるアルミニウム合金をStを多く
含むアルミニウム合金とすると、シリンダライナ15の
耐磨耗性を更に向上させることができる。
〔発明の効果〕
本発明は上述のような構成であるので、本発明の内燃機
関用アルミニウム複合部材は次のような効果を奏する。
■ 多孔質金属を複合強化のための材料として用いるか
ら、磨耗の著るしい部分だけを複合強化させることがで
きる。また、内燃機関全体の特性から見て最適のアルミ
ニウム合金の選択が可能である。
■ 適切な体積率を有する多孔質金属を用いているから
、アルミニウム合金複合部材の多孔質金属による耐磨耗
性の向上が可能となると共にアルミニウム合金との複合
を問題なく行うことができる。
■ 適切なりロム含有量の多孔質金属を用いているから
、多孔質金属とアルミニウム合金との複合の際に生じる
脆い金属間化合物の生成を抑制できて多孔質金属とアル
ミニウム合金との間の界面強度を大きくできると共に、
多孔質金属の硬さを増すことができて複合強化材料の耐
磨耗性を向上できる。しかも、この硬さは、従来の複合
強化材料である無機質系の繊維や粒子よりも小さいため
例えば相手側の摺動部分に対して損傷を与えてしまう恐
れが少ない。
■ 内燃機関内の潤滑油が溜まることのできる油溜りが
設けられているから、油溜りの設けられた部分の潤滑性
及び耐スカッフィング性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明の実施例を示すものであって、
第1図は本発明のアルミニウム合金複合部材を用いた内
燃機関のシリンダブロックのボア部分の縦断面図、第2
図はアルミニウム合金複合部材で構成したシリンダボア
部表面の一部拡大平面図、第3図はシリンダボア部表面
に油溜りとして形成された凹部を示す断面図、第4図は
同じく油溜りとして形成されたピットを示す断面図、第
5図は同じく油溜りとして形成された凹部及びピットを
示す断面図、第6図は磨耗試験によって測定された、実
施例及び比較例の各材料の比摩耗量を示す図、第7図は
実施例及び比較例の各材料の磨耗試験における磨耗試験
機のロータ部分のそれぞれの磨耗量を規準化して示した
図、第8図は変形例のシリンダライナの縦断面図である
。 なお図面に用いられた符号において、 3−・・・−・−・−・・・−・・−・−・・多孔質金
属4−・・・・・・・・・・−−−−一・・−アルミニ
ウム合金12−・−・−m−−−−・・・−・・・凹部
(油溜り)13−・・−−−−一−−−−−・−ピット
 (油溜り)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.体積率が6〜30%でありクロム含有率が10〜5
    5%である多孔質金属をアルミニウム合金と複合させる
    ことにより強化され、表面に露出する上記アルミニウム
    合金から成る領域の少なくとも一部をエッチング処理に
    より優先的に蝕刻して微細な油溜りを形成したことを特
    徴とする内燃機関用アルミニウム合金複合部材。
  2. 2.上記多孔質金属は気孔率85〜98%の多孔質金属
    を一方向に圧縮成形することにより得られたものである
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用アルミニウ
    ム合金複合部材。
  3. 3.上記多孔質金属が鉄又はニッケルからなることを特
    徴とする請求項1または2記載の内燃機関用アルミニウ
    ム合金複合部材。
JP27112589A 1989-10-18 1989-10-18 内燃機関用アルミニウム合金複合部材 Pending JPH03134186A (ja)

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